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質問・条例提案

2020.12.08

本会議 星見てい子都議(目黒区選出)の代表質問

2020年12月8日の本会議で、星見てい子都議(目黒区選出)が代表質問を行いました。

動画(都議会ホームページです。令和2年第4回定例会 > 12月8日代表質問をご覧ください)

★質問全文(質問原稿)です。

  1. 新型コロナ感染症対策のPCR検査について
  2. 保健所の強化について
  3. 医療体制について
  4. 都立病院・公社病院の独立行政法人化について
  5. 中小企業、雇用、くらしへの支援について
  6. ジェンダー平等について
  7. ひとり親への支援について
  8. 子ども食堂について
  9. 大学生や学生等への支援について
  10. 多摩・島しょへの支援について
  11. 教育条件整備について
  12. パートナーシップ制度について
  13. 外環道について
  14. 予算編成について 
  15. 羽田新ルートについて
  16. 横田基地・日米地位協定について
  17. オリパラ大会について

★答弁(議事録速報版より)

★再質問(議事録速報版より)


日本共産党都議団を代表して質問します。

1、 新型コロナ感染症対策のPCR検査について

 新型コロナの陽性者が急増し、感染拡大の第3波を迎えています。高齢者への感染や重症者も増え深刻です。ところが知事の所信表明は、「都民の命を守り抜く」とか、陽性者を早期に特定するという言葉だけで、具体策は示されませんでした。 

Q1 知事、感染拡大を抑えるカギは、無症状の陽性者を早期に発見する検査の実施と、陽性者の保護、感染経路の追跡調査です。
 わが党が提案してきたPCR検査体制は大幅に拡大し、都内で1日最大6万8千件の検査能力が確保されました。しかし実際の検査件数は、1日最大1万件程度です。
 今こそ、確保した検査能力を最大限に発揮して、より早期からの陽性者の特定に全力をあげるべきです。知事いかがですか。

Q2 墨田区は、保育園、高齢者施設、学校、また会社でも、一人でも陽性者が出たら、濃厚接触者に限らず症状が出ていない人にも検査して、クラスターの芽を摘んでいます。
 世田谷区は、介護事業所や障害者施設の通所施設も含めた職員に対し、陽性者が出ていない施設も含めた、一斉・定期的な検査を開始しました。十一月までに二十一人が陽性でしたが、全員無症状でした。区は、早めに検査することで感染者を増やさないで済むとしています。

 知事は、陽性者が出た際に、濃厚接触者に限らず、その周りの方を幅広く検査し、陽性者を早く見つけ出す重要性を、どう認識していますか。

 また陽性者が出ていなくても、感染リスクが高い医療施設、福祉施設などには一斉・定期的な検査を行い、無症状者からの感染によるクラスター化を防止することの重要性を、知事はどう認識していますか。

 いずれも都の方針として打ち出すべきです。沖縄県は、知事の決断で、医療施設、介護施設職員への定期的な検査に踏み出しました。東京都も、知事の決断を求めるものです。 

Q3 小中学校の特別支援学級は、区市町村が行うPCR検査に対する都の補助の対象とされています。このことを都教育は把握していますか。
 ところが都教委は、都立の特別支援学校でのPCR検査を行っていません。重症化リスクが高い子どもたちを守るため、検査の実施に踏み出すべきです。都教委の見解を伺います。

 

2、保健所の強化について

 保健所の強化も必要です。

Q1 多摩地域の自治体から、都の保健所の体制強化を求める声が相次いでいます。私たちは武蔵野市長から話を伺いました。保健所の人員を強化してほしい、本当は廃止された保健所を元に戻してほしいと話されていました。
 知事が行っている市町村との意見交換でも、三鷹市長は、対象人口の分割は必要、小金井市長からは、保健所の支所の増設、新たな保健所の設置等、管轄範囲について検証を、調布市長からは、支所機能の検討も必要、日の出町長からは、秋川流域の保健所の再設置を、などの意見が出されています。
 多摩の自治体から出されている、保健所の強化を求める声を、知事はどう受け止めていますか。

 Q2 知事は第3回定例会で、感染拡大から収束に至るまでの保健所の取り組みについて検証し、あり方を検討していくと答弁しましたが、収束はいつになるかわかりません。
 速やかに検証を始め、できることから実行し、保健所の増設も含めた拡充につなげていくべきです。知事の答弁を求めます。

 Q3 欧米で感染の再拡大が起きた要因の一つに、陽性者が接触した方の調査が十分にできていないことが指摘されています。
 都は、トレーサー班として非常勤職員を採用しましたが、積極的疫学調査を行う体制をさらに強化すべきです。先週のモニタリング会議でも、専門家から「保健所業務が激増しており、支援策が必要である」など、保健所への支援の必要性が何度も指摘されています。
 積極的疫学調査の人員の緊急養成・確保事業を実施し、区市の保健所も含めて支援を強化すべきです。いかがですか。

 

3、医療体制について

Q1 都内の医療体制は、ひっ迫しています。医療機関は、春からの減収・赤字を抱えたまま第3波に立ち向かっています。
 医労連の調査では、加盟する組合の44%が冬のボーナスが減額になると答えています。医療現場の医師、看護師などは、極度の緊張の中で働いています。処遇の悪化は、働くモチベーションの低下を招きかねません。
 知事は、医療従事者への心遣いが大事だと訴えています。医療従事者がおかれている実態を、どう認識していますか。

Q2 医療崩壊を食い止めるには、新型コロナ患者受け入れ病院だけでなく、一般医療・地域医療への支援が不可欠です。
 東京都医師会は、東京の医療を守るためにすべての医療機関が経営維持できるようにと、都独自の補助を行うよう知事に直接要望しています。ぜひ実現すべきです。知事いかがですか。

 

4、都立病院・公社病院の独立行政法人化について

  コロナ禍で公立病院の役割が発揮されているにもかかわらず、知事は都立病院・公社病院の独立行政法人化を進めています。これに反対し、独法化中止を求める署名は5万2千人を超え、知事に提出されました。この声を、重く受け止めるべきです。 

Q1 都は、独法化により人材を柔軟に確保できるとしています。しかし、6年前に独法化した大阪市民病院機構では看護師の退職が相次ぎ、コロナ病棟を確保するために、一般病棟だけでなく、若い世代のがん専用病棟を閉鎖しました。都の説明は事実とまったく違います。
 病院の人材確保のためには、全国的に深刻な医師・看護師不足を打開し絶対数を増やすこと、そして職員の処遇をよくすることが必要ではありませんか。 

Q2 公営企業会計決算の全局質疑で、都民ファーストの会は、都立病院は独法化後に民間病院と競争していかなければいけないと強調しました。小池知事も、同じ考えですか。

Q3 また都民ファーストの会は、都立病院の収益向上が必要だと強調しました。収益を増やすには、不採算医療を減らして、診療報酬の高い、もうかる医療を増やすこと、差額ベッドなど患者負担を増やすことが、民間病院では行われています。
 都立病院を独法化したら、民間病院とそういう競争をすることになるのではありませんか。

 Q4 知事は、行政的医療を将来にわたり継続するための独法化だと答弁していますが、行政的医療は不採算医療だということを認識していますか。
 不採算だから民間では取り組めない行政的医療は、民間と競い合う独法化でなく、行政が直接責任をもつのが最善ではないのですか。

 Q5 地方独立行政法人法の衆参両院の付帯決議には、独法化にあたっては関係労働組合と十分な意思疎通を行うことと明記されています。
 しかし、長引くコロナ禍で対面での意思疎通はできず、都は多忙をきわめ疲弊している職員に、約1時間の動画資料を見るよう求めました。現場からは、動画を見てもほとんどわからない、コロナ対応に集中させてほしいという声があがっています。十分な意思疎通など、とうていできません。
 知事、医療従事者への心遣いと言うなら、独法化はやめるべきです。いかがですか。

 

5、中小企業、雇用、くらしへの支援について

 年末年始に向け、都民のくらし、雇用、営業を守ることは急務です。
 私はコロナ支援相談会をくり返し、中小業者や商店を支援しています。 

Q1 「国の持続化給付金や家賃補助、都の協力金など、すべて使って頑張ってきたけれど、もう限界」「売り上げは例年の6割減」「お客が来ない日も増えている」「運転資金が底をつき、先がない」など本当に深刻です。廃業、倒産も増えています。多くの中小業者が崖っぷちで、年が越せないと悲鳴があがっています。
 知事は、こうした中小業者の実態を、どう受け止めていますか。すべての中小業者が年を越せるように、どう取り組むのですか。 

Q2 国に、持続化給付金の第2弾の支給と、家賃支援給付金、雇用調整助成金などの期間の延長を要望すべきです。

 Q3 また国と都が協力して、都内すべての中小企業・小規模企業に一律50万円の「年越し給付金」を支給することを求めます。いかがですか。

Q4 都は、お酒を提供する飲食店とカラオケ店への営業時間短縮要請を行い、協力金の支給を決めましたが、補償という立場ではありません。事業者の方々から、「一年で一番の稼ぎ時に、営業時間の短縮は厳しい」「忘年会の予約が一瞬にしてキャンセルになった」などの声が寄せられています。
 国の財政支援の拡充を求め、今度こそ「自粛要請と補償」をセットで行うべきです。知事いかがですか。 

Q5 ものづくりの町工場も深刻です。都内の金属加工業者から、「今、製作中の部品を納めたら仕事がない。昨年8月の売上は150万円あったのに、今年はわずか5万5千円に激減した。35年間この仕事をしているが初めての事態」「職人技をもつ中小業者が廃業したら、日本は以前のようなものづくりはできなくなる」という切実な声が届いています。
 知事は、東京に集積しているものづくりへの支援の重要性を、どう認識していますか。コロナ禍を乗り越えるため、どう取り組むのですか。 

Q6 国のGoToトラベルについて、65歳以上の方、基礎疾患がある方に自粛要請をすることになりましたが、若者を含め人の移動を減らさなければ感染拡大は防げません。感染が収まるまで停止するよう、厳しく求めるべきです。知事いかがですか。 

Q7 解雇や雇止めが、年末に向け増えることも懸念されます。「いつ首を切られるか不安」との声が寄せられています。すでに全国で7万人が職を失ったと報道されています。安心して年が越せるよう、特別の手立てをとるべきです。認識を伺います。

Q8 くらし・雇用・住まいの問題などワンストップで、年末年始の緊急相談に対応する体制整備が必要です。いかがですか。 

Q9 住まいを失くした人、安定した住まいのない方を支援するため、都が補正予算で、年末年始のビジネスホテル確保を決めたことは重要です。あれこれ線引きせず、住宅に困窮するすべての人が利用できるようにすべきです。いかがですか。

 

6、ジェンダー平等について

 Q1 内閣府男女共同参画局の「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」緊急提言は、新型コロナ感染症の拡大は、女性への影響が深刻だと指摘しています。その根拠に、女性の就業者数の減少幅が大きいこと、DVや性暴力が増え、女性の自殺者も大幅に増えていることなどをあげています。
 知事は、この緊急提言をどう受け止めていますか。都の施策に生かすことが必要です。いかがですか。

Q2 また緊急提言は、「女性不況」の様相が確認されると分析しています。非正規の女性就業者数が多いサービス産業などが大きな打撃を受けているためです。医療・介護・保育などのエッセンシャルワーカーに女性が多く、その処遇や働く環境が厳しい状況にあることも指摘しています。
 非正規雇用を増やしてきた政策を改め、働く女性の賃金、処遇、働く環境を抜本的に引き上げる重要性が、コロナ禍から浮かび上がっていることを、どう認識していますか。打開にどう取り組みますか。

 

7、ひとり親への支援について

Q1 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが発表したアンケート結果では、母子世帯の3割から4割が、米などの主食や肉、野菜を買うことができなかったことがあると答えています。同ふぉーらむとシングルマザー調査プロジエクトが行った、1800人の実態調査には、「仕事が減り、子どもたちには1日2食で我慢してもらい、私は2日に1食が当たり前」など深刻な声が寄せられています。
 子ども支援のNPO法人による、都内ひとり親家庭高校生給付金利用者の調査では、8割の家庭が赤字で、「高校中退の可能性がある」との回答が3割を超えています。
 知事は、もともと貧困率の高いひとり親世帯が、コロナ禍でますます深刻な事態になっていることを、どう認識していますか。支援の思い切った拡充が必要です。いかがですか。 

Q2 シングルマザーの団体から話を伺いましたが、現金給付が一番助かると訴えていました。年末年始を暖かく迎えることができる臨時給付金や、都の児童育成手当の増額などが必要です。いかがですか。

 

8、子ども食堂について

Q1 私は、2017年第4回定例会で「子ども食堂」の重要性を訴え、翌年度から全額都負担の「子ども食堂」支援制度が始まりました。都は今年度、コロナ禍で学校休業や保護者の収入が激減する家庭が生まれる中、「子どもの食の確保」緊急対応策として発展させました。
 目黒区はこれを活用し、「めぐろ みんなで楽しいごはんプロジェクト」を立ち上げ、学校休業中や土日、祝日の昼食や夕食を提供する事業を行っています。「地域で気にかけてくれる人たちがいて、ほっとしています」などの声が寄せられ、喜ばれています。
 コロナ禍は、家庭収入の激減、家庭内のトラブルや不登校児童の増加など、子育て家庭に重大な影響を及ぼしており、子ども食堂の役割がいっそう大事になっていることを、知事はどう認識していますか。

Q2 全額都負担の「子どもの食の確保」緊急対応策は、今年度で終了予定です。終了した場合、区市町村5割負担の補助事業しかないため、自治体によっては新年度から実施できなくなる懸念もあります。子ども食堂への支援を、都の全額補助事業として継続させることが重要です。いかがですか。

 

9、大学生や学生等への支援について

Q1 大学生の生活は、コロナ禍で時が止まったかのような事態です。一部で対面授業が再開されましたが、都内ではオンライン授業がほとんどというのが現実です。一年生の中には、入学以来キャンパスに入ったことがない学生もいます。多くの学生が孤立し、苦しんでいます。ある私立大学生は、「新型コロナのために学生生活が一変した。夜中に突然、涙が出る。うつ症状がひどい友人もいる。経済的な大変さに精神的な不安が上積みされる一方だ」と話してくれました。
 このような中、京都府は、感染拡大防止のため5月から月1回、大学との意見交換を重ね、「大学等の再開に向けた感染症拡大予防のためのガイドライン」を策定しました。さらに授業再開にあたり、5月には各大学100万円、9月にも各大学1000万円の支援を行っています。
 大学が全国で一番集中する東京都として、対面授業の再開に向けた支援を行う必要があると思いますが、いかがですか。 

Q2 都立大学では、前期の授業料全額免除が、昨年度の1・7倍を超え激増しています。各地でボランティアが取り組む学生への食料支援は、多くの学生に歓迎されています。オンライン授業で、パソコン購入などの新たな負担も生じています。バイトの休止や親の収入減の影響も甚大です。
 国は学生支援緊急給付金の追加募集を行いますが、対象者が狭く不十分です。都として、学生への経済給付や食料支援が必要です。いかがですか。

Q3 知事、学生や大学などの要望を直接聞いて、学生への支援につなげていくべきです。いかがですか。

 

10、多摩・島しょへの支援について

 多摩・島しょへの支援も重要です。 

Q1 都が4月補正で実施している市町村向けのコロナ対策交付金は、自治体の特徴に合わせて施策を行えるため喜ばれています。東京都町村会と議長会は追加支給など一層の財政支援、市長会は感染症対策の長期化に伴う各種補助金の増額等を含めた財政支援の強化を要望しています。
 知事は、どう受け止め対応するのですか。市町村総合交付金の増額を含め、さらなる支援が必要です。いかがですか。

 

11、教育条件整備について 

Q1 コロナ禍の下、小中学校の少人数学級実現を求める意見書は、全国16道府県を含む536議会で採択され、今や国民的な共通の願いになっています。全国知事会は7月に、全国市長会・町村会とともに国に対し、「少人数編制を可能とする教員の確保」を要望する緊急提言を提出しています。私たちが、全国知事会に直接話を伺ったところ、異論は出なかったとのことでした。
 子どもたちが学校でソーシャルディスタンスをとるためには、教室の面積を広げることはできず、分散登校を続けるわけにもいかず、少人数学級を求めるしかないという話になったとのことでした。小池知事のご意見はいかがですか。安全な学校環境をつくるためには、少人数学級の実現しかないのではありませんか。

Q2 世論の高まりを受け文科省が、来年度予算の概算要求に、学級編成の標準の引き下げも含めた少人数による指導体制の整備を盛り込み、法改正も視野に検討していることは重要です。
 財務省との折衝が大詰めの中、国会で少人数学級の実現を迫ったわが党の質問に、萩生田文科大臣は、「関係省庁と丁寧に話し合いをしながら、不退転の決意で臨みたい」と答弁しました。
 都としてこの間、どのような要望をしてきたのですか。学校現場を持っている都教育委員会として、文科省をしっかり後押しすべきです。いかかですが。

Q3 学校現場では、育休産休代替の教員や時間講師の確保が、大きな負担になっています。副校長会から毎年、都教委に対して改善を求める要望が届けられています。副校長が何百件と電話をかけても見つからないなど切実な声が、今年も寄せられています。やむをえず、一人で副校長と担任、養護教諭の三役を兼務している学校もあります。
 日本共産党都議団が都道府県と政令市を対象に行った調査では、回答のあった46道府県と19市のうち、実に88%にあたる39道府県18市が、教育委員会で育休産休代替の教員や時間講師を探していると答えています。また、教育委員会で探している自治体の多くが、現場の状況を聴取するなど、学校の意向を反映して確保をしていると回答しています。
 学校の負担を減らすためにも、他県の取り組みに学んで、都教委として自ら教員や時間講師を探す仕組みをつくるべきです。いかがですか。

 

12、パートナーシップ制度について

 同性パートナー制度について伺います。 

Q1 同性パートナーを、男女のカップルと同じように差をつけることなく伴侶として、家族として認めてほしいという切実な要望が、都民、都の職員からあがっています。知事、性的指向による差別を条例で禁止した東京都として、この願いに正面からこたえるパートナーシップ制度に踏み出すべきです。知事いかがですか。

 

13、外環道について

 次に、外環道事業の問題です。

Q1 外環道の地下トンネル工事をしている真上で、住宅地の道路の陥没事故が起き、続いて長さ30メートルの空洞が2つ発見されました。それまで何度も、振動などの苦情を国と事業者に訴えていた調布市内の事故現場周辺の人たちは、住まいの安全が脅かされ、資産価値を損なわれ、人生設計が立たず、途方に暮れています。現場周辺だけでなく、練馬、杉並、武蔵野、三鷹、調布、狛江、世田谷の、外環道工事沿線の多くの住民が、不安と恐怖を感じています。
 ところが知事は所信表明で、事故にひと言もふれませんでした。それどころか、陥没事故後に提出した「国の予算編成に対する東京都の提案要求」では、外環道事業の促進と、東名高速以南の事業着手まで求めています。とんでもありません。
 知事は、陥没事故周辺、外環道工事沿線住民の、怒り、恐怖、不安、絶望感を、どう受け止めているのですか。

Q2 外環道事業に適用されている大深度法は、地下深くのトンネル道路工事は地上に住む人の同意なしにできるとしています。住民は、大深度の工事は地上に影響を与えないと説明されてきました。
 しかし実際は、わが党が何度も指摘してきたように、工事が進む各所で、酸欠空気の漏出、住宅の振動などの問題が起きています。ところが、わが党の質問に知事は、工事の責任は国と事業者だと言うだけでした。あげくに起きたのが、今回の陥没事故と空洞発見です。
 知事は、これまで人ごとのような答弁を繰り返し、何もしなかった責任を、どう考えているのですか。

Q3 わが党のヒアリングに国交省は、トンネルの真上だけでなく、範囲を広げてボーリング調査を増やす必要があることを認めています。
 調布市は、市長と市議会議長連名で「緊急要請」を行い、事故現場に加え、トンネルがすでに掘られた地域についても調査を要求しています。武蔵野市は、市長と市議会が国と事業者に対し、情報公開と「原因が究明されるまで工事を再開しないこと」を求めています。
 国と事業者に対し、調布市、武蔵野市と同様の姿勢で臨むべきです。いかがですか。 

Q4 都市計画法の外環道事業の認可期限が、来年3月末に迫っています。認可権をもつのは都知事です。今の状況から判断すれば、認可の延長はしないと表明すべきです。知事いかがですか。

Q5 外環道事業は、54年前に都市計画決定されましたが、住民の強い反対に直面し、当時の建設大臣が「地元と話し得る条件の整うまでは強行すべきでない」という発言をして、凍結されました。現在の地下方式への計画変更を表明して凍結解除したのが、石原元都知事です。
 その地下方式が今回の事故で暗礁に乗り上げ、大深度法も破たんしました。外環道事業は中止するほかありません。知事の答弁を求めます。 

 

14、予算編成について 

Q1 来年度予算に向けた各局要求が、十一月に発表されました。陥没事故後にもかかわらず、外環道事業は例年どおり要求されています。その他、大型開発をはじめ不要不急の事業も、見るべき縮小・凍結などの見直しはされていません。
 一方、福祉予算では、特別養護老人ホームも老人保健施設も認可保育園も、整備予算は大幅減額要求です。
 年明けには知事査定が始まります。深刻なコロナ禍に対応し、都民の命・福祉・くらし・営業を守り抜き、その財源をつくるためにも不要不急の事業は本気になって見直しをする、そういう予算編成を行うべきです。知事いかがですか。

 

15、羽田新ルートについて

Q1 都心上空を大型機が超低空飛行する羽田新ルート反対の声は、ますます広がっています。
 私の地元・目黒区では、「飛行機が近くて怖い。客席の窓まで見える」「オンライン会議をしていても、うるさくて仕事にならない」などの声があがっています。
 品川区では、新ルートの賛否を問う住民投票を求める直接請求が取り組まれ、法定必要数6800人の3倍を超える、2万760人の署名が寄せられました。間もなく区議会の審査が始まります。飛行経路にあたる各区の議会では、党派や政治的立場を超えて、「都心低空飛行ルートの運用は中止すべき」などの声があがっています。
 知事は、羽田新ルートへのこうした厳しい声の広がりを、どう受け止めていますか。都知事として、この声にどう応えるのですか。

Q2 国際航空運送協会(IATA)は、2021年の世界の航空需要が、2019年の半分にとどまるとの見通しを発表しました。実際に、日本航空の国際線は今なお78%もの減便です。全日空の社長は日経新聞のインタビューに、「国際線の回復には数年単位の時間が必要だろう」と答えています。
 コロナ禍で航空需要が落ち込み、新ルートを運用する必要性がないのに、住民の反対に耳をかさず運用をつづけるのは、おかしいと思いませんか。 

Q3 国際線の減便をふまえ、国に対し、少なくとも当面、羽田新ルートの運用を中止するよう求めるべきです。知事いかがですか。

 

16、横田基地・日米地位協定について

Q1 米軍横田基地では、攻撃的なパラシュート降下訓練が年々激化し、何度も落下物事故を起こしています。今年6月からは、オスプレイからのパラシュート降下訓練や、傷病兵の救出訓練が始まりました。戦闘さながらの低空訓練で、ホバリングの爆音・爆風が近隣住民に脅威を与えています。
 福生市は、横田基地の飛行回数が急増し、今年上半期だけで8千回に及ぶと発表しています。夜間・早朝の訓練自粛も、昨年度一年間に64回も破られました。
 知事は、この深刻な実態をどう認識していますか。現地に行き、体感し、直接、住民から被害状況を聞くべきではありませんか。

Q2 横田基地の機能が、CV22オスプレイが担う特殊作戦の拠点として攻撃的なものに変貌しつつあることを、認識していますか。

Q3 知事は、住宅密集地でのパラシュート降下などの危険な訓練をやめるよう、在日米軍司令官に直接求めるべきです。そして、オスプレイ配備撤回、基地の整理・縮小・撤去を、米軍と政府に厳しく求めるべきです。いかがですか。

Q4 横田基地では新型コロナの陽性者が増えています。感染経路も、陽性者の隔離の状況も日本側で確認できません。また、人体に有害な有機フッ素化合物が、基地内でかつて消火剤として使われ、今もスプリンクラーに充填されており、漏出事故も起きています。その実態も日本側で把握できません。
 日米地位協定を見直して、地元自治体による米軍基地への立ち入り調査や、国内法の適用を認めさせるべきです。知事の答弁を求めます。

 

17、オリパラ大会について

 最後に、オリパラ大会について伺います。
 オリンピック・パラリンピックはスポーツと文化の祭典であり、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮する場であり、世界中の選手が集い、世界平和を促進するという重要な意義を持っています。
 一方、新型コロナの世界的な感染拡大の中、この五輪の価値をどういう形で、どのように発揮するのかが問われています。

 Q1 先月来日したIОCのバッハ会長は、ワクチン開発への期待以外、具体的根拠を示すことなく、来年7月の東京大会を、観客を入れて開催する方針を明言しました。
 朝日新聞の社説が、「残ったのは言いようのない違和感であり、一般の感覚とのズレだ」と述べるなど、開催ありき観客ありきで大丈夫なのかという、都民、国民の不安が広がっています。
 共同通信の先週末の世論調査では、少なくとも東京大会を来年夏にはできない、と再延期、中止は、61・2%です。知事、この結果をどう受け止めていますか。
 コロナの感染状況がどうであっても、東京大会は来年7月にやるという考えですか。

Q2 大会時には、当初予定の5千人のボランティアの医療スタッフに加え、コロナ対応の感染症対策センターの設置などが、新たに検討されています。しかしこれらを担う医師・看護師は、コロナ禍で疲弊しています。
 東京都医師会の尾﨑会長は、「協力する形になれるのかどうかは難しい」と述べ、現場からは「五輪に使うお金があるなら、医師・看護師の増員にまわしてほしい」と悲痛な声があがっています。知事、医療現場の声に耳を傾けるべきではありませんか。

Q3 バッハ会長は五月には、五輪開催について「WHOと作業チームの助言に従いながら正しい時期に必要な判断を行う」と語っていました。今のように「連帯と結束力」「コロナに打ち勝つ」と情感に訴え、前のめりになるのではなく、科学的な判断を持つことが必要です。知事いかがですか。

 Q4 大会延期に伴う追加経費は総額3千億円、都の負担が1200億円と発表されました。感染状況によってはさらに膨らむ懸念もあります。都民からは心配の声が寄せられています。
 中止を含めた様々な開催パターンとその経費の案を明らかにし、望ましいあり方について都民、国民の意見を聞くべきです。知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。


【答 弁】

○知事(小池百合子君) 星見てい子議員の代表質問にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の検査についてであります。
 都は、三千二百カ所を超える都内の医療機関を診療検査医療機関として指定するとともに、検査が可能な医療機関の紹介などを行う東京都発熱相談センターを設置、必要な方が速やかに検査を受け、陽性者を早期に特定できる体制を確保しております。
 また、クラスターが生じやすいと考えられる場合は、保健所において幅広く行政検査を行うとともに、重症化リスクが高い高齢者や障害者の施設等を対象とした検査の費用を都独自に補助しておりまして、引き続き、感染拡大防止対策に万全を期してまいります。
 多摩地域の保健所に関してのご質問であります。
 市町村長との意見交換におきましては、新型コロナウイルス感染症への対応のため、都の保健所の体制強化など、さまざまな貴重なご意見をいただきました。
 都の保健所は、二次保健医療圏におけます広域的、専門的、技術的な拠点といたしまして、健康危機管理や市町村支援など、重要な役割を担っております。
 都は、受診相談窓口の委託化や会計年度任用職員の活用など、感染症対策におけます保健所の負担軽減や業務効率化に取り組んでおりまして、今後、今回の感染拡大から終息に至るまでの保健所の取り組みについて検証した上で、改めてそのあり方を検討してまいります。
 医療従事者が置かれている実態についてであります。
 医療従事者の方々は、苛酷な医療現場の最前線で新型コロナウイルス感染症と日々闘っていただいていると認識しております。こうした医療従事者の方々に対しまして慰労金を給付しているほか、特殊勤務手当の支給に対する支援を行っておりまして、引き続き支援をしてまいります。
 都立、公社病院の独立行政法人化についてでございます。
 独法化の目的は、超高齢社会の本格化や医療の担い手不足など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、都民ニーズに迅速かつ柔軟に対応することで、質の高い医療サービスを提供していくことでございます。
 民間医療機関等と適切に連携をして、最少の経費で最大の医療サービスを提供するなど、効率的、効果的な運営を行うことは、現在の経営形態におきましても当然のことでありまして、独法化後も変わるものではございません。
 行政的医療の提供についてであります。
 都立病院は、一般の医療機関だけでは対応困難で、採算の確保が困難な感染症医療を初めとした行政的医療の提供を基本的な役割としております。
 独法化の後も必要な財源を都が措置し、柔軟な医療人材の確保や機動的な運営等が可能となるメリットを生かしまして、行政的医療を効率的、効果的に提供してまいります。
 年末に向けました中小企業への支援についてのお尋ねがございました。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、中小企業の経営環境は厳しい状況にございます。こうした状況は、年末に向けまして、より一層厳しいものになることも予想されます。
 そのため、金融支援の充実や年末特別相談の実施、感染症対策の各種助成金の申請受け付け延長など、中小企業向けの特別対策を講じております。
 引き続き、中小企業が感染拡大の防止を図りつつ、事業を継続できるように、適切に支援をしてまいります。
 ものづくり企業への支援についてでございます。
 都内には、すぐれた製品や技術を持つものづくり企業が数多く集積しており、これらの企業の事業の継続は不可欠であります。
 そのため、資金繰り支援や家賃等支援給付金など、経営の下支えのための対策を強化するとともに、社会状況の変化に対応して、新たなニーズを獲得するためのさまざまな支援も行っております。
 引き続きまして、ものづくり企業への支援を適切に行ってまいります。
 ひとり親家庭についてのご質問でございます。
 ひとり親家庭の親は、子育て、そして生計の担い手の二つの役割を一人で担っており、負担は大きいものがございます。
 今回の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして家計が急変して、収入が大きく減少したひとり親家庭もあると認識をしています。
 こうしたことから、都は、母子及び父子福祉資金の貸し付けにおけます返済猶予を実施するとともに、区市町村と連携いたしまして、児童扶養手当を受給しているひとり親家庭などが、食料品など生活に必要な物品を入手できるよう支援をしております。
 子供食堂の役割でございます。
 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、都は、家に閉じこもりがちな子供やその保護者に、調理した弁当や食材を提供する子供食堂などを支援しておりまして、区市町村では、これを活用したさまざまな取り組みが行われております。
 子供が健やかに育つためには、栄養面でバランスのとれた食事、安心して過ごせる居場所があることが重要でありまして、子供食堂は、食を通じて子供と地域をつなぐ大切な場となっております。
 全国知事会の緊急提言についてでございます。
 コロナ禍にありましても、安全・安心な教育環境を確保しつつ、全ての子供たちの学びの保障に向けた取り組みは必要です。
 本年七月の全国知事会の緊急提言でございますが、感染症の再拡大時にありましても必要な教育活動を継続して、子供たちの学びを保障することを主な訴えといたしました、教育の諸条件に関します緊急的な要望であった、このように認識をいたしております。
 同性パートナーシップ制度についてでございます。
 同性パートナーシップ制度は、婚姻関係のあり方そのものにかかわるものでございまして、広く国民の理解を得ていくべき課題、このように認識をしております。
 都といたしましては、性自認及び性的指向に関する基本計画に基づいて、引き続き、各局において個別具体的に必要な取り組みを推進するとともに、社会情勢の変化を踏まえながら、実態調査の実施を検討するなどいたしまして、当事者のニーズに即した施策を展開してまいります。
 外環についてのご質問でございます。
 今回の調布市市道におきましての陥没に関して、沿線住民の方々の不安を払拭することは重要だと認識をしております。
 陥没発生後、都は、速やかに国など事業者に対しまして、早期の原因究明、そして住民の不安払拭に向けました丁寧な説明や対応などを要望し、私みずから赤羽大臣に要請したところであります。
 今回の陥没と外環工事との因果関係は不明ではございますが、現在、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けました調査を実施するとともに、巡回、監視など、安全確保の取り組みを行っております。
 都は、事業者からの状況報告の機会において要請を重ねておりまして、引き続き、国など事業者に対しまして、丁寧な説明、対応など、安全・安心を確保するための取り組みを求めてまいります。
 羽田空港の新飛行経路でございます。
 国が決定した新飛行経路でございますが、都民の皆様などから、騒音、安全対策の実施など、さまざまな意見があることは承知しております。
 将来にわたりまして東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることは不可欠であります。
 都といたしまして、引き続き国に対しまして、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供、騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 横田基地におけます訓練についてのご質問であります。
 日米安全保障体制は、我が国のみならず、アジア太平洋地域の平和、安定のために重要な役割を果たしておりまして、横田基地もその一翼を担っております。
 安全保障に関することは国の専管事項でありまして、軍用機の飛行回数等、米軍の運用に関する情報につきましても、国の責任におきまして取得し、提供されるべきものでございます。
 パラシュート降下訓練は、空輸基地としての能力を維持するため実施していると国からは聞いておりますが、危険物の落下事故は人命にかかわる重大な事故になりかねず、あってはならないことであります。
 基地周辺で生活する住民の声や現地の状況につきましては、これまでも地元の自治体の首長から直接お聞きをしているところであります。また、事故の内容などに関しましては、その都度、報告を受けております。
 引き続き、都民の命、安全・安心を守る立場から、国、米軍に対しまして、安全対策の徹底を求めてまいります。
 大会におけます新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。
 東京二〇二〇大会につきましては、これまでもさまざまな調査が報じられていることは承知をいたしております。
 大会を成功へと導くためには、選手、関係者、観客など全ての方にとって安全・安心な環境が提供できますよう準備を進めていくことが重要であります。
 そのため、国、都、組織委員会等で構成いたします調整会議において、幅広く議論されました内容を、役割と来夏の大会に向けました工程表を含めまして、中間整理として取りまとめたところでございます。
 これらを踏まえまして、今後、関係者と連携をいたしまして、安全・安心な大会に向けました準備を着実に進めてまいります。
 残余のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、都立特別支援学校でのPCR検査についてでございますが、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業では、区市町村の判断により、公立小中学校の特別支援学級でPCR検査が実施できることについては承知をしております。
 都立特別支援学校では、都教育委員会のガイドラインに基づき、手指の消毒やマスクの着用、教室等の換気、健康状態の把握などの児童生徒への感染症対策を、保護者等と緊密に連携しながら、教職員を中心に徹底して取り組んでおります。
 また、陽性者が判明した場合には、学校において、特別支援学校の特性を踏まえ、接触者情報を詳細に収集し、保健所に提供しており、感染の可能性がある対象者に保健所等によるPCR検査が実施されております。
 今後も保健所や福祉保健局等との連携を図りながら、適切に対応してまいります。
 次に、小中学校における少人数学級についてでございますが、義務教育における一学級の児童生徒数の標準は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により定められており、学級編制については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行うべきと考えてございます。
 都は国に対し、少人数による指導体制の検討に当たり、必要な教職員定数や教室整備に係る財源を適切に確保することなどについて要望しており、引き続き国の動向を注視してまいります。
 最後に、産休、育休代替教員や時間講師の確保についてでございますが、都教育委員会は、産休、育休代替教員や時間講師を確保するため、それぞれの採用候補者選考を行い、区市町村教育委員会等に名簿を提供するとともに、年間を通じて任用希望者を募集し、集めた人材情報を提供しております。
 また、任用に当たっては、学校が候補者と直接面談を行って、みずからその資質や能力を見きわめることにより、学校にとって真に必要な人材の確保につながっているものと考えてございます。
 都教育委員会は、学校の実情を踏まえ、適切な人材を学校が探しやすくするため、退職教員や教職課程を有する大学などへの広報活動を積極的に行い、名簿登載者数の拡大に取り組んでおり、引き続き、学校が必要とする人材を任用できるよう努めてまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、外環の事業認可についてでございます。
 都知事が都市計画事業の認可を行っております外環事業の事業施行期間は令和三年三月三十一日まででございまして、今後、事業者から事業計画の変更認可申請が提出された場合は、都市計画法に基づき適切に対応してまいります。
 次に、羽田空港の新飛行経路の運用についてでございます。
 現在、新型コロナウイルス感染症の影響により減便していることは承知しております。国は、日本の国際競争力の強化、首都圏における航空機の騒音による影響の分散等のためには、羽田空港における新飛行経路の運用は必要不可欠であるとともに、羽田空港におきまして減便が発生している期間を活用して、航空機の騒音対策や安全対策を改めて徹底し、増便した際の円滑な運用に備えるため、本年三月から新飛行経路の運用を開始したとしております。
 国は、運用開始後も、新飛行経路下における航空機騒音の測定結果の公表や、落下物対策として機体チェックの体制強化等、さまざまな取り組みを実施しております。
 都といたしましては、引き続き国に対しまして、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 次に、羽田空港の新飛行経路についてでございます。
 都といたしましては、将来にわたって東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠でございます。
 国は、運用開始後も、新飛行経路下における航空機騒音の測定結果の公表や、落下物対策として機体チェックの体制強化等、さまざまな取り組みを実施しております。
 引き続き、国に対しまして、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 次に、横田基地の機能についてでございます。
 横田基地は、西太平洋地域の米軍の空輸ハブとしての役割を担っておりまして、輸送部隊が駐留しております。
 CV22オスプレイは、米各軍の特殊作戦部隊の人員や物資等を輸送する任務等が想定されておりまして、その配備は、横田基地の輸送拠点としての機能の範囲内で行われ、横田基地におきましては、人員や物資を空輸する能力を常に保持するための訓練を行っていると聞いております。
 また、国からは、横田基地の基本的役割は空輸拠点であり、今後とも継続していくことに変わらないと米軍から説明を受けている旨聞いております。
 次に、住宅密集地でのパラシュート訓練等についてでございます。
 都は既に、人員降下訓練やオスプレイ等の運用に関しまして、徹底した安全対策等を求めるとともに、事故が起きた際の原因究明、再発防止策の策定、安全性が確認されるまでの間の訓練や飛行運用中止をたびたび要請してまいりました。そうした中で、本年六月以降、部品等が落下する事故が三度連続して発生したことから、直ちに、これまで要請してまいりました徹底した安全対策等について、都は周辺自治体とともに文書による要請等を行いました。
 また、再発防止策の自治体への説明を行うまでの間の訓練や飛行運用の中止を求めるなど、都は地元市の市長とともに横田基地に直接出向きまして、強く抗議などを行っております。
 基地の整理、縮小、返還につきましても、毎年度、提案要求等を通じて国に強く要請しております。
 最後に、日米地位協定の見直しについてでございます。
 日米地位協定は締結以来一度も改定されておらず、補足協定などにより運用の改善が図られているものの、感染症や環境等にかかわる国内法の適用がないなど、我が国にとって依然として十分とはいえない状況にございます。
 これまで、平成三十年七月及び本年十一月には、全国知事会におきまして、米軍基地負担に関する提言を全会一致で決議いたしまして、平成三十年の分につきましては国に求めております。
 また、国への提案要求や米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会を通じまして、米軍基地への立入調査や国内法の適用を含む日米地位協定の見直しを国に求めてきております。
 引き続き、知事会等を通じて他の自治体とも連携し、日米地位協定の見直しを国に要請してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症の検査に関する二点の質問についてでございます。
 感染拡大を防ぐためには、無症状の方を含めた濃厚接触者を初め、重症化リスクの高い方などが地域で迅速に検査を受けられる体制の整備が重要でございます。国の通知では、特定の地域や集団、組織等において、関連性が明らかでない患者が少なくとも複数発生し、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況にあると認められる場合は、濃厚接触者に当たらない場合であっても行政検査の対象にすることができるとしております。
 また、クラスターが発生した場合に影響が大きい医療施設、高齢者施設等については、地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合、現に感染が発生した施設等に限らず、地域の関係者に対して幅広く行政検査を実施することが可能としております。
 都は、こうした国の考えに基づき適切に対応するとともに、高齢者施設等を対象として、入所者や職員が定期的に検査を受けるための費用の補助などを行っております。
 次に、保健所の支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により業務負担が増大する保健所を支援するため、積極的疫学調査等の業務を担う保健師や看護師等をトレーサーとして採用し、都保健所や保健所支援拠点に配置しております。
 また、保健所を設置している区市に対しては、積極的疫学調査等を担う保健師や看護師等の雇い上げ経費を支援してまいります。
 最後に、医療機関への支援についてでございます。
 都は、新型コロナウイルス感染症の患者等を受け入れる医療機関に対しては、病床確保料や新型コロナ外来の運営費等を補助しております。
 また、医療機関の実情を踏まえながら、こうした患者の受け入れに必要な支援のための財源を措置することに加え、通常診療を担う医療機関においても医療提供体制が確実に維持されるよう、国に対して要望しております。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 都立、公社病院の独法化に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、独法化後の医療人材の確保についてでございますが、医療は多様な人材が支えておりますことから、医療課題や都民ニーズに応じた機動的な人材確保や、職員が意欲と能力を最大限発揮できる制度づくりが重要でございます。
 都立、公社病院では、独法化により機動的に人材が確保できるメリットを生かしまして、超高齢社会の本格化により医療の質と量が大きく変化する中でも、都民ニーズに迅速に対応してまいります。
 また、仕事と育児や介護等とを両立できる勤務制度や、職員が専門性や能力を最大限発揮できる人事給与制度等を構築することで、職員が働きやすく、働きがいのある職場づくりを推進してまいります。
 次に、収益の向上についてでございますが、独法化の目的は、都民の医療ニーズに迅速かつ柔軟に対応することで、質の高い医療サービスを提供していくことでございます。
 独法化後は、柔軟な人材確保などが可能となるメリットを生かして医療提供体制を充実強化し、診療報酬改定に伴う新たな施設基準の取得による医療サービスの向上を図るとともに、民間医療機関等との適切な役割分担のもと、地域ニーズに機動的に応えてまいります。こうしたことが収益の向上にもつながっていくものと考えております。
 最後に、独法化の準備についてでございますが、これまでも新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、職員に対してさまざまな方法で独法化の目的や内容、制度等の説明を行い、周知と理解促進を図るなど、意思疎通を十分に行うよう努めております。
 引き続き、さまざまな工夫をしながら、独法への移行準備を着実に進めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、国が実施する施策に対する要望についてですが、これまで都は、雇用調整助成金の特例措置の延長など、国において実施すべき必要な対応について、適時適切に要望を行っております。
 次に、年越し給付金の支給についてですが、都は、感染症により経営に影響を受けている都内中小企業に対して、年末に向けてより重点的に支援を提供するため、制度融資による金融支援の強化のほか、資金繰りや経営に関する年末特別相談の実施、感染予防対策への助成金等の申請受付延長など、きめ細かく対応しているところでございます。
 次に、営業時間の短縮要請に伴う協力金についてですが、今回の協力金は、営業時間短縮等の要請に応じたことに対して支払うものであり、いわゆる損失補償ではございません。
 休業や営業時間短縮に伴う補償につきましては、特措法の改正により経済的な支援措置を盛り込むよう、国に対して繰り返し要望を行っているところでございます。
 次に、ゴー・ツー・トラベル事業についてですが、都は、都民の命を守ることを最優先に考え、死亡者を出さない、重症者を出さない、医療提供体制の崩壊を防ぐを三つの柱として、さまざまな対策を推進しているところでございます。
 ゴー・ツー・トラベル事業につきましても、国と連携し、重症化リスクの高い高齢者などの方々のご利用の自粛を呼びかけているところでございます。
 次に、年末における雇用対策についてですが、都は、コロナ禍で解雇や雇いどめにより離職された方などを対象といたしまして、今月、再就職等に向けた特別相談や緊急就職面接会を開催するほか、中小企業に対して雇用調整助成金の活用促進に向けた支援を行うなど、例年以上にきめ細かな特別対策を実施することとしております。
 最後に、女性の雇用、就業環境についてですが、コロナ禍においては、女性がその多くを占める非正規雇用の方の雇いどめが数多く発生しておりまして、女性のニーズを踏まえた安定した就労に向けて取り組む必要がございます。
 このため、都は、社内の非正規雇用の従業員を正規雇用へ転換する企業の取り組みを支援しているほか、コロナ禍で離職を余儀なくされた方々などに対し、トライアルによる派遣就労を通じて、正規雇用での再就職を支援するプログラム等を引き続き実施してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、年末年始の緊急相談についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響による失業等で生活に困窮される方への生活、住居、就労等の相談支援は、個々の状況に応じて福祉事務所や自立相談支援機関などが対応しております。
 あわせて、都は、住居を失い不安定な就労に従事する方への総合的な相談窓口であるTOKYOチャレンジネットを活用し、各関係機関と連携して支援に取り組んでおり、年末年始においても同様に対応してまいります。
 次に、住まいを失った方への支援についてでございますが、都は、年末年始において、住居を失い一時的な居場所を必要とする方に対し、区市と連携して、チャレンジネットを活用したビジネスホテル等の緊急的な宿泊場所の提供に取り組んでまいります。
 次に、ひとり親家庭への支援についてでございますが、現在、国において、ひとり親世帯臨時特別給付金の再支給を検討していると聞いており、都としては、国の動向を踏まえて適切に対応してまいります。
 最後に、子供食堂への支援についてでございますが、今回の緊急対策は今年度末までが補助対象期間となってございます。
 都は、地域での子供食堂の取り組みが進むよう区市町村を支援してまいります。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、内閣府の研究会の緊急提言についてでございますが、国においては、コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会から、新型コロナウイルス感染症の拡大は、女性への影響が深刻であるとの現状を踏まえた提言を受け取り、各省庁と連携して着実に対応していくこととしております。
 都は、コロナ禍において、特に女性が一層厳しい環境に置かれている状況下で、これまでも配偶者等からの暴力や心の悩みを抱えている方々の相談事業、ひとり親家庭への支援、男性の家事、育児参画促進への情報発信等、さまざまな施策を実施してきてございまして、こうした取り組みを引き続き実施してまいります。
 次に、大学における対面授業の再開に向けた支援についてでございますが、大学への支援につきましては、国において、各大学における対面授業の実施状況の調査や、対面での授業再開に向けた留意事項等の情報提供を行うとともに、学校が行う家計が急変した学生に対する授業料減免等への支援を行っているものと認識してございます。
 次に、大学生等への経済的な支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大学や専門学校等の学生にも影響が生じていると認識してございます。
 大学生等、高等教育機関に通う学生への支援は、本来、国の責任において行うべきものでございまして、国は、本年四月から開始した、いわゆる高等教育の無償化の制度において、家計が急変した学生も対象として授業料等の負担を軽減してございます。そのうち、都内私立専門学校等については、都も財政負担を行うとともに、学校が制度利用の申請をした場合の審査や負担金の交付等を実施してございます。
 また、生活福祉資金の特例貸付等、さまざまな支援策について、新型コロナ支援ナビ等を通じて周知を行っているところでございます。
 最後に、学生や大学等の要望を踏まえた支援についてでございますが、国においては、大学が行う授業料減免等の取り組みへの支援を行うとともに、学生の学びを継続するための給付金制度を創設するなど、さまざまな支援策を打ち出してございます。
 都としても、アルバイト収入等を失った学生等に対し、アルバイトの機会の提供や生活資金等の貸し付けなどを行うとともに、機会を捉えて大学や専門学校等との意見交換を実施しており、引き続き、学生の学びの継続を支援してまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 市町村への財政支援についてでございますが、都では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等に取り組む市町村を支援するため、本年四月に緊急対策として総額百億円の特別交付金の交付を行ったところでございます。
 その後、市町村への支援策を拡充してきたことから、これらを効果的に活用していただけるよう、適切な支援に努めてまいりました。
 今後とも、都財政の状況を踏まえつつ、地域の課題に即した支援が行えるよう検討してまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 三点の質問にお答えいたします。
 初めに、外環事業に対する取り組みについてでございますが、都は、事業の実施に当たり、これまで政府提案要求の機会などを捉えて、国など事業者に対し、安全を最優先にして整備を進めることを求めてまいりました。
 国など事業者は、振動や漏気などが周辺環境に及ぼす影響についてモニタリングを行い、その結果やトンネルの施工状況を学識経験者等で構成する委員会において確認しながら工事を進めてまいりました。
 今回の地表面陥没に関しましても、外環工事との因果関係は不明でございますが、事業者が原因究明に向けた調査や現地の監視など、安全確保の取り組みを行っております。
 引き続き都は、国など事業者に対しまして、住民の安全・安心を確保するための取り組みを求めてまいります。
 次に、国など事業者に対する都の姿勢についてでございますが、地表面陥没につきましては、国など事業者が有識者委員会に意見を聞きながら原因究明を行っておりまして、事業者のホームページでは、原因究明がなされるまではシールドトンネルの掘削を再開することはないとされております。
 現在、陥没箇所周辺におきまして、調査範囲を拡大してボーリング調査などが進められており、また、既に掘進してきた区域におきましても、路面空洞調査が行われております。
 加えて、地盤状況を把握する物理探査等が実施される予定でございます。
 都は引き続き、事業者に対し、早急な原因究明と住民の不安の払拭に向けた丁寧な説明や対応など、住民の安全・安心の確保に向けた取り組みを求めてまいります。
 最後に、外環事業についてでございますが、今回の地表面陥没と外環工事との因果関係は不明でございますが、現在、事業者が現地において重点的な監視を行いながら、原因究明に必要なボーリング調査などを進めておりまして、その結果を踏まえ、速やかに有識者委員会で原因等について議論が行われる予定でございます。
 都は、外環道の必要性は変わらないと認識しており、早期の原因究明と住民の安全・安心の確保に向けた取り組みを引き続き求めてまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 予算編成についてでございます。
 都はこれまで、新型コロナウイルス感染症に迅速かつ的確に対応するため、本定例会に提案中のものも含め、今年度、十二回の補正予算を編成し、医療提供体制の強化や中小企業制度融資の拡充など、都民の命と健康を守り、経済活動を支える施策を切れ目なく講じてまいりました。
 現下の都政において、新型コロナウイルス感染症対策に加え、誰もが安心して暮らせる社会の実現や、都民生活を支える都市インフラの整備、更新に限られた財源を有効に活用し、着実に取り組みを進めることが重要でございます。
 このため、今後の予算編成においても、見直すべきものは見直しを行った上で、真に必要な取り組みを確実に実施するなど、効率的で実効性の高い施策を展開してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 二〇二〇大会に関する三点のご質問にお答えします。
 まず、大会時の保健医療についてであります。
 これまでも熱中症対策、感染症対策等のさまざまな対策について、医療の専門家を含む関係者と連携して取り組んできております。大会時の対応については、調整会議の中間整理を踏まえて具体的な検討を進めてまいります。
 次に、感染症に係る科学的知見についてであります。
 都は、大会の準備に当たり、IOC、IPC、WHO、国、組織委員会とともに、感染症などの専門家のご意見も踏まえ、国内外の感染状況や対策の状況、スポーツイベントの開催状況等について継続的な意見交換を行っております。
 最後に、大会の延期に伴う経費についてであります。
 これまで組織委員会やIOC等と、大会の位置づけや原則、ロードマップ、簡素化の成果等を公表するなど、議論の経過を明らかにしながら取り組んでまいりました。
 史上初の延期という困難な状況において大会を成功させるためには、組織委員会、国、東京都の三者がそれぞれの役割を果たしながら、一体となって取り組む必要があります。
 こうした基本的な考え方を三者が共有した上で、主張すべきことは主張して協議を行い、合意したものであります。


【再質問】

〔五十七番星見てい子君登壇〕
○五十七番(星見てい子君) 知事に再質問いたします。
 初めに、外環道の問題です。
 私は知事に、外環道工事沿線の住民の怒り、恐怖、不安、絶望感をどう受けとめているのかと聞きました。知事は聞いたことに答えていません。
 知事、住民に寄り添い、しっかり受けとめると答弁できないのでしょうか。お答え願います。
 我が党は、昨年の第一回定例会で、外環道工事の安全性に重大な疑問が生じていることを指摘しました。ところが、知事は、工事の安全・安心の確保は国など事業者が進めていると答弁し、国と事業者任せでした。
 続く第二回定例会で、我が党は、振動の苦情が多数寄せられており、踏み込んだ調査、必要だとただしました。このときも知事は、国など事業者から安全が損なわれるような事態は発生していないと聞いていると、国と事業者の説明をうのみにするだけで、外環道工事をひたすら推進してきました。
 あげくに起きたのが、今回の陥没事故です。ところが、今回の知事の答弁はまたしても、丁寧な説明など安全・安心を確保する取り組みを国など事業者に求めるというだけでした。国と事業者任せで重大事故が起きた教訓を、知事はどう考えているのですか。
 国と事業者が安全だといっているから安全だといって工事を推進してきたみずからの責任をどう考えているのか、知事、お答えください。
 次に、羽田新ルートです。
 外環と羽田新ルートについて、知事の発言はうり二つです。すなわち、国の責任で進めている。都は、安全・安心の確保と丁寧な説明を国に求めている。そして、国際競争力のために必要だ。いずれも外環と羽田新ルートに共通しています。
 外環の経緯を見れば、羽田新ルートについても安全が確保される保証などないことは明白ではありませんか。知事、いかがですか。
 以上、三問です。知事の答弁を求め、再質問を終わります。(拍手)
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 外環事業に関しまして、二点ご質問ございました。
 一点目の住民の気持ちの受けとめということでございますが、これは先ほど知事が答弁したとおりでございます。
 それから、二点目でございますが、外環事業に対する取り組みでございますが、都は、先ほどお答えいたしましたとおり、これまでも国など事業者に対しまして、安全を最優先にして整備を進めることを求めてまいりました。事業者も適宜現地のモニタリング等を行い、その結果について、学識経験者等で構成する委員会で確認しながら工事が進められてきたところでございます。
 今回の地表面陥没についてでございますが、沿線住民の方々の不安を払拭することは重要であると認識してございまして、都は、陥没後、速やかに事業者に対し、早期の原因究明や、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明や対応などを要望し、知事みずからも国土交通大臣に要請をしたところでございます。
 現在、事業者が現地におきまして重点的な監視を行いつつ、ボーリング調査を進めておりまして、その結果を踏まえて、原因等について議論が行われる予定でございます。
 都といたしましては、引き続き国など事業者に対しまして、早期の原因究明と沿線住民の方々への丁寧な説明や対応など、安全・安心を確保するための取り組みを求めてまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 羽田空港の再質問につきまして、ご答弁申し上げます。
 羽田空港の新飛行経路の導入につきましては、国の責任と判断で決めるものでございます。将来にわたりまして東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠でございます。
 都といたしましては、引き続き国に対し、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。