2018年第3回定例会に提出した文書質問
2018年第3回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原のり子
質問事項
一 都庁舎のバリアフリーについて
二 都市計画道路建設について
一 都庁舎のバリアフリーについて
都庁は、東京都の顔であり、誰もが利用しやすいことが必要です。しかし、かねてから車いすを使う身体障がい者の方々より、都議会議事堂に入るための長いスロープの改善が求められながら、改善されません。都営大江戸線の都庁前駅からエレベーターに乗っても、議事堂には直結していません。高低差もあり、カーブも急なため、通常の車椅子で一人でのぼるのは大変厳しく、時間もかかります。そして屋根もないため、雨の日は議事堂に入るまでにずぶぬれになってしまいます。なぜ、多くの方から指摘があるのに、改善されないのでしょうか。都議会の傍聴や要請に来ても、その建物に入ることさえ困難だということは放置できない問題です。
10月1日、東京都障がい者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例が施行されました。「東京に暮らし、東京を訪れるすべての人が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指」す条例の趣旨に鑑み、障がい者にとってのさまざまな社会的障壁をなくすことは急務です。一日も早く改善を求めます。
Q1 都営大江戸線の都庁前駅から、車椅子の方が、地上にいったん出ることなく、都議会議事堂に入れるように、当事者の方の意見をききながら、改善してください。
Q2 地上から車いすで都議会議事堂に入るスロープを距離を短く、傾斜を緩やかにしてください。あるいは1階大型駐車場入口にあるような車いす昇降機を設置してください。
Q3 抜本的な改善策がとられるまでの間、少なくとも、エレベーターをおりてからスロープを利用して議事堂に入るまで、屋根を設置して雨で濡れることのないようにしてください。
二 都市計画道路建設について
現在、東久留米市では、東村山都市計画道路3・4・21号線、及び3・4・13号線の事業化に向けての取り組みが始まりました。「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業計画)」における優先整備路線になったことによるものです。この計画は、閑静な住宅街、公園を通り、オイカワの産卵場所にもなっている黒目川を横断します。環境が激変することにもなることから、反対や心配の声が多数あがっています。
さらに、第1工区(東村山都市計画道路3・4・21号線部分)は、土砂災害警戒区域も含まれていることから、地域ではこのままこの計画が進められて危険はないのか、心配の声があがっています。この間の災害の状況をみても、それほど急な崖でなくても、豪雨で崩壊する事例もあり、崩れる例もあり、不安が広がっています。
東京都は、土砂災害警戒区域の指定を急ぐことをはじめ、防災対策に力を入れるとしています。また、知事は、都市計画道路について見直すべきは見直すことも表明されています。対応を求め質問します。
Q1 都は、都市計画道路の整備を進める際に、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域が含まれている場合、どのようなことを考慮して道路の構造を決めていますか。
Q2 都は、都市計画道路の整備を進める際に、都市計画道路のような公共性が高い施設のなかに土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域が含まれている場合、まず、土砂災害の可能性について調査が行われ、その結果について、市民に説明が行われるべきだと思いますがいかがですか。また、災害危険やその対策について、市民の納得と合意なしに整備を進めるべきではないと思いますがいかがですか。それぞれお答えください。
Q3 東村山都市計画道路3・4・21号線、及び3・4・13号線の土砂災害の可能性について、都は、東久留米市とともに、調査を進め、市民に公表すべきと考えますがいかがですか。
原のり子議員の文書質問に対する答弁書
一 都庁舎のバリアフリーについて
A1 都庁舎では、来庁される方々が誰でも快適に利用できるよう、これまでもバリアフリー化の整備を進めています。
現在、車椅子の方のルートとしては、都営大江戸線の都庁前駅からエレベーターを利用できる都庁第一本庁舎北側のA4出口となります。
他に車椅子の方が利用できるルートはないことから、都庁前駅から地上へ出ずに都議会議事堂へ入るためには、新たなエレベーターを都議会議事堂に設置する等のルートを確保する必要があります。しかし、都議会議事堂へ新たなルートを確保することは、技術的に非常に困難であると考えており、A4出口の利用を御案内することとなります。
今後とも、引き続き、来庁される方々が、都庁舎を快適に利用できるよう努めていきます。
A2 都議会議事堂へ入るスロープは、東京都福祉のまちづくり条例が規定する整備基準に適合しています。距離が短くなればスロープの傾斜がきつくなり整備基準を満たさなくなりますので、現在の距離は必要となっています。
また、新たな昇降機の設置は、必要なスペースの確保が困難であり、都議会議事堂1階の大型駐車場入口に設置されている昇降機の利用を御案内することとなります。
A3 都議会議事堂へ入るスロープ部分への屋根の設置には、強度を確保するために堅固な柱及び基礎が必要となりますが、既存のスロープの位置をずらす等、広範囲の外構整備を伴うことから難しいと考えています。
二 都市計画道路建設について
A1 道路法第29条では、「道路の構造は、当該道路の存する地域の地形、地質、気象その他の状況及び当該道路の交通状況を考慮し、通常の衝撃に対して安全なものであるとともに、安全かつ円滑な交通を確保することができるものでなければならない。」とされています。
都市計画道路の整備に当たっては、土砂災害警戒区域等の指定の有無にかかわらず、同法等に基づき、適切な道路構造を決定しています。
A2 都市計画道路の整備を進める際には、必要に応じ、斜面の状況、地形・地質等を調査し、安全性に配慮した適切な道路構造を決定します。
この内容については、工事の着手前に開催する工事説明会等で地元の皆様に説明します。
工事の実施に当たっては、地元の理解と協力を得ながら進めていきます。
なお、今後も土砂災害警戒区域等の指定に当たっては、住民説明会を地元区市町村とともに開催し、土砂災害の危険性や区域指定の目的などについて説明します。
A3 東村山都市計画道路3・4・21号線及び同3・4・13号線は、平成28年3月に策定された「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、東久留米市施行の優先整備路線に位置付けられています。
本路線の工事の実施に当たっては、東久留米市が適切に対応するものと考えています。
以 上