本会議 里吉ゆみ都議(世田谷区選出)の代表質問
6月2日の本会議で、里吉ゆみ都議(世田谷区選出)が代表質問を行いました。
動画(都議会ホームページです。令和2年第2回定例会 > 6月2日代表質問をご覧ください)
★質問全文(質問原稿)です。
- 新型コロナウイルス感染症対策の検査体制について
- 医療体制について
- 事業者への支援について
- 介護事業者・福祉従事者への支援について
- 上下水道料金について
- 学生への支援について
- ジェンダーの視点について
- 教育の保障について
- 保育園、学童保育、放課後等デイサービスについて
- 大規模災害時の避難所について
- 都立病院・公社病院等について
- 保健所・公衆衛生について
- 財政運営について
- 東京オリ・パラ大会について
- カジノ誘致について
- 羽田新ルートについて
- 小池都政の4年間について
★答弁(議事録速報版より)
- 知事(小池百合子君)
- 教育長(藤田裕司君)
- 東京都技監(佐藤伸朗君)
- 福祉保健局長(内藤淳君)
- 病院経営本部長(堤雅史君)
- 産業労働局長(村松明典君)
- 総務局長(遠藤雅彦君)
- 生活文化局長(浜佳葉子君)
- オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君)
★再質問(議事録速報版より)
日本共産党都議団を代表して質問します。
新型コロナウイルス感染症によって、この4カ月間で300人以上の都民が亡くなられました。改めて、亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、療養されている方々へ、心からお見舞いを申し上げます。
緊急事態宣言は解除されましたが、都内の感染者は、また増え始めています。第2波に備えるために重要な課題は、PCR検査体制の抜本的拡充と医療体制の強化です。まず検査体制について伺います。
Q1 日本も東京も、世界各国にくらべ、PCR検査があまりに少ないことが、くり返し指摘されてきました。ところが小池知事は4月の都議会で、「必要な検査が実施されている」という驚くべき答弁をしました。
この間、都内でも、医師が必要と判断しても検査が受けられない都民が続出し、亡くなってからPCR検査をして、実は感染していたことがわかったなどの深刻な事例が報告されていることを、知事はどう受け止めているのですか。
これまでのPCR検査は少なすぎると思わないのですか。
Q2 政府の専門家会議も、検査体制の強化を提言しました。経団連の会長も検査の拡大が必要と述べています。知事は、どう受け止めていますか。第2波に備えて、感染状況を正確に把握しながら、安全に社会経済活動を再開していくための最大のカギは、PCR検査数の抜本的な拡充です。知事の認識と対応を伺います。
Q3 都は、出口戦略のロードマップで、PCR検査の処理能力について、1日1万件をめざすとしています。ところが知事は所信表明で、この目標にふれず、1日わずか3千件という、都内の今の処理能力で十分であるかのような発言をしました。
知事、本気で取り組むつもりがあるのですか。いつまでに、どのように、1日1万件の検査体制をつくるのですか。
Q4 現在の都内の処理能力は1日3千件ですが、検査の実績は平均1200件にすぎません。仮に1日1万件の処理能力が確保できたとしても、実績がともなわなければ意味がありません。十分に検査ができる体制を、どのように構築するのですか。
Q5 都医師会と区市町村が進めているPCR検査センターは、現在区部は22区に設置されましたが、多摩地域は4割の12市で、格差があります。
地域の感染症対策に責任をもっているのは保健所です。多摩地域の大半は都の保健所の管轄地域ですから、都が責任をもってPCR検査センターの設置を進める必要があります。見解を伺います。
Q6 設置を進めたい市町村や医師会が、お金の心配をしなくてよいような支援を行うべきではありませんか。
Q7 山梨県は、山梨大学のPCR検査体制強化のため、約3500万円の予算を付けました。都のロードマップでは、検査能力向上のために、大学等研究機関を活用するとしています。どのように進めるのですか。
Q8 院内感染は、患者の命にかかわる点でも、医療提供体制への深刻な影響という点でも、大きな問題になっています。そのリスクを減らすために、スクリーニング目的のPCR検査を広げる必要があります。
Q9 介護・福祉施設、保育園、学校などについても、利用者、職員を守り、感染拡大の防止と社会経済活動の再開を両立させるために、スクリーニング目的のPCR検査を広げることが効果的です。それぞれ知事の認識と対応を伺います。
Q10 さらに、抗原検査、抗体検査の意義、重要性について、知事はどう認識していますか。また、どう取り組むのですか。
都内の医療機関では、経営難による医療崩壊の危機が迫っています。
Q1 日本病院会などの調査では、都内の医療機関の経営状態は深刻です。とくに、新型コロナ感染症患者を受け入れた病院では、平均2億4千万円の減収となっています。東京都保険医協会の調査では、診療所の3割が、昨年同期に比べて報酬が5割以上減っています。
現状のままでは、経営難による医療崩壊を招きます。都内の医療機関をつぶさないため、知事はどう対応するのですか。
Q2 杉並区では、新型コロナ患者を受け入れた病院の減収を調査し、1医療機関あたり月に約2億円の助成を行います。病院の倒産を防ぐため、このような助成を都が行うべきです。いかがですか。
Q3 また、新型コロナ感染症患者の検査や診療にあたった病院だけでなく、すべての医療機関において昨年の診療報酬分を保障することを、国に強く求めるべきです。見解を伺います。
Q4 都内の診療所に対する家賃助成も必要です。いかがですか。
新型コロナの患者を受け入れる医療体制の強化も急務です。
Q5 都は感染拡大に応じて最大4千床、うち重症者用は7百床の病床を確保するとしています。これは、感染者の8割が軽症という根拠から計算されていますが、高齢者などリスクの高い方は軽症でも入院が必要です。
日本医師会の専門チームは、東京都の重症者用ベッドは都の目標の1・4倍、最大1千床程度の用意が必要だとしています。この指摘をどう受け止めていますか。目標の再検討が必要ではありませんか。
Q6 都はロードマップで、新型コロナ患者を受け入れる入院重点医療機関、専用医療施設を設置するとしています。いつまでに、どのように取り組むのですか。
Q7 都立病院、公社病院などで具体化すべきです。いかがですか。
Q1 次に、休業要請、営業自粛などにより甚大な影響を受けている事業者への支援です。
多くの中小企業、小規模事業者の方々が、感染拡大防止に協力しながら、どうやって営業を続けていけるかと悩み、苦しんでいます。閉店・廃業も相次いでいます。
補正予算案で緊急融資の枠拡大や感染拡大防止協力金を5月末まで延長したことなどは重要ですが、これでは全く足りないのです。事業者のみなさんが直面している、生きるか死ぬかという深刻な実態を、知事はどう認識していますか。
Q2 知事は所信表明で、協力金の支払いを順次している。約10万件の申請が寄せられていると述べました。しかし、事業者の手元に支払われたのは、申請全体のわずか2割、約2万件にすぎません。「申請をしたのに3週間たっても支給されていない。もう手持ちがない」「家賃が払えない」など、深刻な声が寄せられています。
知事、支給の遅れは、死活問題だという認識はあるのですか。支払いが遅すぎるという反省はあるのですか。
膨大な申請書類の審査に時間がかかっていると言われていますが、そんな言い訳は通用しません。
Q3 申請があれば、協力金を速やかに支払うよう改善すべきです。ドイツのように、審査はあとからすればよいのではありませんか。
Q4 また感染拡大防止協力金は、対象業種を線引きしたことで、多くの業者が受け取れません。都内の中小企業、個人事業主42万件のうち、協力金の対象はわずか三分の一、13万件にすぎません。
都は、衣料品店のうち呉服屋は生活必需品の小売りではないとして、新たに協力金対象にしました。それ自体は良いことですが、他の衣料品店も対象にすべきです。また、無資格の整体院は対象で、有資格の整体院は対象外とするなど、矛盾が生まれています。
どの事業者も、感染防止に努力し、仕事は減り、自粛や休業を余儀なくされているのです。業種での線引きはせず、すべての中小企業、個人事業主等に支給すべきではありませんか。
Q5 都内のある経営者は、「テナント料やリース代、人件費で月120万円はかかり、協力金だけでは、ひと月分の固定費にもならない」と訴えています。多くの事業者が家賃補助を求めています。それにこたえて、新宿区や江東区、町田市などが補助に踏み出しました。
国も重い腰をあげ、補正予算案に家賃補助を盛り込みました。都としても、国制度で対象外の2月から4月の家賃補助や、国制度への金額の上乗せなどを行うべきです。知事いかがですか。
Q6 自粛と補償はセットです。緊急事態宣言が解除されても、支援の継続が必要です。再び増える兆しのある感染拡大を抑え込むためにも、休業要請する限り協力金は継続すべきと考えますが、いかがですか。
介護事業者や福祉従事者への支援も切実です。
Q1 都内の介護事業所が実施しているデイサービスの多くが、感染に細心の注意を払いながら業務を続け、高齢者を支えています。しかし利用者が減ったことなどにより、経営は非常に厳しくなっています。ショートステイのベッド維持が難しく、削減せざるをえない施設もあります。
都としてデイサービス、ショートステイの実施状況を継続的に把握し、必要な支援策を検討すべきではありませんか。
Q2 この大変な時に、都は小規模な特別養護老人ホームへの補助を、予定通りに削減しようとしています。しかし、いまだ事業者への説明会さえ開かれていません。
施設運営をいっそう追い詰める小規模施設特別加算、小規模施設加算の補助の見直しを、少なくとも今年度は凍結すべきです。知事の決断を求めます。
Q3 小規模な特養だけでなく、定員70人以上の特養ホームも、新型コロナの影響で、今年度は赤字になると言われています。特養ホームへの経営支援補助を、緊急に増額・拡充すべきではないですか。知事いかがですか。
Q4 保育や介護などの仕事は、相手と社会的距離をとったまま行うことはできません。外出自粛が求められる中でも福祉施設は継続が必要で、福祉の従事者は、自分がどこかで感染しているのではないか、利用者に感染させてしまうのではないかという、大きな不安を抱えて働いています。
知事は、新型コロナによる危機が広がるもとで福祉従事者の方々が果たしている役割を、どう認識していますか。
Q5 国は、補正予算案に、介護職員・障害福祉職員への慰労金を盛り込みましたが、学童保育や保育園などの職員は対象外です。すべての福祉従事者が対象となるよう、都独自の対策が必要です。知事の見解を伺います。
上下水道料金の負担軽減も重要です。
Q1 外出自粛や学校休業により、家庭内での手洗いや調理など水道の使用量が増えています。経済と家計が大きな打撃を受けるなか、住民の負担を軽減しようと、大阪市や名古屋市をはじめ百を超える自治体が、上水道や下水道の料金の減免を実施しています。
都は上下水道料金の支払いを猶予していますが、都民のくらしや経営を支えるため、さらに踏み込み、減免を実施することを求めます。知事いかがですか。
学生のみなさんから、新型コロナの影響で、「帰省もバイトもできず生活が苦しい」など、切実な声が寄せられています。
Q1 高等教育無償化プロジェクトFREEの調査では、親の収入の激減やアルバイトの休止などで、回答した5人に1人の学生が退学を検討しているという、衝撃的な結果が明らかになっています。都立大学が行った、お米と小麦粉の配布は、開始わずか1時間で申し込みが締め切られました。一日の食費は2百円など、学生の生活実態はきわめて深刻です。
知事は、新型コロナの影響で深刻になっている学生の実態をどう認識していますか。学ぶ環境を保障することが重要だと思いますが、いかがですか。
Q2 都として学生のアルバイト採用を行っていますが、これにとどまらず給付金や家賃補助、新たな負担となっているオンライン環境整備の補助など、学生への支援策を検討すべきではありませんか。
Q3 問題の本質は、学費が高すぎることにあります。一律学費半額を求める動きが、大学の枠を超えて急速に広がっています。都立大学などで、今年度の学費の半額免除を求めます。いかがですか。
Q4 図書館休館対策プロジェクトの調査では、図書館の休館などで、卒業論文などの提出時期に間に合わないと回答した人が、7割を超えています。都立大学では、こうした学生や院生が卒業できるよう、在籍延長を行い、学費を免除すべきです。いかがですか。
Q1 国連は、新型コロナウイルスが及ぼす悪影響は、健康から経済、安全、社会保障に至るまであらゆる領域において女性にとって大きくなっていると、警鐘を鳴らしています。そして、あらゆる対策にジェンダーの視点を重視することが必要だと呼びかけています。
新型コロナ対策の最前線で働く医療・福祉従事者の7割以上が女性です。また、働く女性の多くは非正規雇用で、今回のような経済危機では真っ先に切り捨ての対象となります。シングルマザーの方々の生活は、ひっ迫しています。
学校の休校に伴い仕事を休んで子どもの面倒をみたり、感染防止に伴う家族のケアや介護などは、多くの場合女性が担っています。さらに、外出自粛と生活不安のストレスが、DVや虐待の危険を高めています。
新型コロナウイルス感染症の及ぼす悪影響が、女性にとりわけ深刻になっていることを、知事はどう認識していますか。
Q2 新型コロナ対策に、ジェンダーの視点を貫くことを求めるものです。知事いかがですか。
Q3 外出自粛要請は、DVを深刻化させる一方で、加害者でもある配偶者も在宅しているため、被害者が電話では助けを求めにくい状況を招いています。被害者が支援を求めやすくなるよう、都が責任を持ちメールやラインなどでの相談対応を行うことが必要です。あわせて、相談支援の周知と、相談体制の強化を求めますが、いかがですか。
子どもたちへの教育をどう保障するのかも、問われています。
Q1
ア 3カ月にわたる学校休業の影響は大きく、子どもと保護者は疲弊し、教職員は経験したことのない負担と模索のなかで教育を行っています。
第一に、学校再開後は、休業で断ち切られてしまった人間同士のつながりの回復や、学習や成長の機会の保障、心のケアなど、子どもたち一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな対応が求められています。
イ 第二に、とくに新しい内容を家庭学習で習得するのは難しく、学校再開後に、子どもの状況に応じて、わかるまで指導することが大切です。
ウ 第三に、授業だけでなく行事なども子どもたちの成長に欠かせず、安易に削減すべきではありません。
以上3点について、認識と対応を伺います。
学びについての知事の所信表明が、オンライン学習の推進に終始したのは残念です。休校になればオンラインも必要ですが、子どもたちができるだけ登校し、3密を避けながら、人と人のナマの関わりのなかで学べるよう条件整備をしていくことこそが、都政の大きな役割です。
Q2 都教委は、学校再開の「ガイドライン」で、教室の生徒の人数を20人程度に抑えるとしました。この対策は長期にわたり必要だと考えますが、いかがですか。
Q3 すでに分散登校をしている学校で、これまでの半分の人数に対応した先生は、「子どもたちにじっくり関われて良かった」と述べています。そもそも東京都の40人学級編制は、世界水準からも日本国内で見ても遅れています。知事、コロナ後の新しい学校では、少人数学級こそ必要だと思いませんか。
そのためには、教員を増やすことが必要です。
Q4 政府は、小学6年生と中学3年生が毎日登校できるように、少人数を編制するための教員加配3100人を、補正予算案に盛り込みました。積極的に活用することが重要です。いかがですか。
Q5 感染防止や心のケアの要である保健室の養護教諭が未配置であったり、大規模校なのに一人しか配置されていない学校があります。養護教諭の増員や、感染の疑いがある場合に対応できる別室の確保などを求めます。見解を伺います。
Q6 私たちの独自調査では、この4月に、区部と多摩地域で10区9市町村が給食費を値上げしました。食材費の高騰や消費税増税などで、献立の工夫も限界です。新型コロナで経済も家計も大きな打撃を受けている今、子どもたちの給食を守るために、都が学校給食の無償化に踏み出すことを求めます。知事いかがですか。
Q1 保育園も、難しい問題に直面しています。密が避けられないことはもちろん、2カ月ものあいだ登園できなかった子どもたちは、慣れるのに時間がかかります。
一人ひとりの子どもたちの気持ちに寄り添い、ていねいに対応することが大切です。そのためには、より少人数のグループで活動できるように、保育士の増員が必要です。各園が必要とする人数の保育士が雇用できるよう、支援することが求められます。知事、いかがですか。
Q2 学校の休校が続いたなかで、学童保育や、障害児の学童保育である放課後等デイサービスが果たしている役割の重要性を、知事はどう認識していますか。
Q3 保育園も学童保育も放課後等デイサービスも、人員配置や利用者一人あたりの面積、職員の処遇の改善などが、共通する切実な課題となっています。
子どもたちの豊かな成長・発達を保障し、安心できる場所になるよう、今こそ抜本的改善、拡充に転換するときです。知事の認識と対応を伺います。
Q1 新型コロナ感染が広がるなかで大規模災害が起きたときの避難所のあり方も、見直しが必要です。内閣府などによる4月7日の通知では、避難所におけるコロナ対策として、「可能な限り多くの避難所の開設」、避難所におけるスペース確保や発熱者対応などを求めています。
何よりも、避難所の3密解消が急務です。民間施設等も活用して避難所を増やすことが重要です。飛沫を防ぐ「ついたて」や、床から舞い上がる飛沫を防ぐのに効果的な段ボールベッド、マスクや消毒液などの確保、避難所における新型コロナ感染防止マニュアルの整備、職員研修なども必要です。
大田区は職員研修を実施し、足立区では職員が運送業者の大型倉庫や商業施設、大学等を新たな避難所にするため努力しています。
この通知をどう具体化するのですか。
Q2 すでに岐阜県、長野県、福岡県などが、新型コロナ対応の避難所の指針をつくっています。速やかに、都の避難所管理運営指針を見直すべきです。いかがですか。
さて、新型コロナによる危機は、東京の医療体制と公衆衛生の弱さを浮き彫りにし、これまでの都政のあり方を根本から転換することを求めています。
第一に、都立病院・公社病院をはじめ、都民の命を守る医療体制の拡充です。
Q1 都立病院は、明治初期に大流行したコレラやチフスなど感染症の流行に伴い開設され、140年にわたり、都が直接責任をもって都民の命を守る役割を果たしてきました。
なかでも感染症医療は、感染が拡大した時のために、日ごろから病床や医師・看護師・医療技術者を確保するなどの備えが必要です。そのため、民間医療機関だけでは担いきれない不採算の医療分野となっています。このような不採算であっても都民のために必要な医療をしっかり担うのが、都立病院の役割です。
今回の新型コロナ感染のもとでも、都立病院は、これまでの歴史を引き継ぎ、その役割をいかんなく発揮しています。
知事は、区部、多摩の都立病院を視察して、都民の命を守る最前線の都立病院の価値を、どのように肌身で感じ、何を学びましたか。
Q2 日本医師会の横倉義武会長は、「感染症が流行した時に対応できる病床を維持しておくべき」「競争や効率重視の新自由主義の影響が医療機関にも及んでいる」と警鐘を鳴らしています。知事は、この指摘をどう受け止めますか。
Q3 競争や効率重視の新自由主義の政策を、自治体病院などに持ち込んだのが、地方独立行政法人にほかなりません。知事は、どう認識していますか。
Q4 実際に知事は、「コストの見直しをさらに進め」「都の財政負担の軽減にもつながっていく」として、都立病院・公社病院を独法化する方針を決めました。都立病院・公社病院の独法化は、今やってはならない逆噴射の政策です。
知事、現場の実情を十分に踏まえ、都民の命を守る施策に万全を期すというなら、中止すべきです。いかがですか。
第二に、保健所、公衆衛生の拡充です。
保健所は新型コロナ対策の最前線で、昼夜も分かたず大奮闘してきました。現場には重い負担がかかっています。しかし、都民や開業医からは、保健所に何度電話してもつながらない、検査してもらえないという声が殺到しました。最大の原因は、都も国も、公衆衛生を長年にわたって軽視し、保健所を縮小してきたことです。
Q1 東京都は、かつて多摩地域に31カ所あった保健所、保健相談所を、統廃合によりわずか7カ所にまで減らしました。西多摩保健所は東京の約3割の面積を所管することになり、多摩府中保健所が所管する人口は100万人を超えるなど、住民から遠い存在になりました。
現在、都が管轄している地域の保健所の保健師の定数は、この30年間で193人から137人に、3割も減らされました。医師に至っては、60人から20人へ、3分の1になっています。
厚生労働省が設置した新型インフルエンザ対策の総括会議が2010年に出した報告書では、保健所など感染症対策に関わる組織や人員体制を、大幅に強化する必要性を強調していました。しかし、この指摘を踏まえた保健所の充実は行われませんでした。
保健所を統廃合し、弱体化させてきた歴代知事の責任は重大だと思いますが、小池知事はどう認識していますか。
Q2 新型コロナ対策の国の専門家会議も、保健所の体制強化を提言しました。公衆衛生を大事にし、保健所の適正な所管地域、人口などについて検討し、保健所の増設を含め計画的に充実させていく政策に転換することが求められています。知事いかがですか。
Q3 厚労省の総括会議2010年報告書は、地方衛生研究所のPCR検査体制の強化も、求めていました。しかし、東京都の地方衛生研究所である健康安全研究センターのPCR検査能力は、新型コロナウイルスの感染が広がりだした時点で、1日120件しかありませんでした。
その後一定の強化はしたものの、感染が広がる中で本来の検査能力の2倍を超える数の検査を行う日まであるなど、現場に大きな負担がかかりました。健康安全研究センターの抜本的な拡充を、計画的に進めるべきです。知事の答弁を求めます。
Q4 職員の確保と育成は、本来は平時から進めていなければ困難ですが、感染拡大の第2波に備え、今からでも取り組むことが必要です。保健師、医師をはじめとした保健所の職員、健康安全研究センターで検査を行う職員の雇用と養成に、どう取り組むのですか。
第三に、税金の使い方の転換です。
Q1 小池知事は就任以来、都議会で、21回にわたる施政方針、所信表明等を行いましたが、「福祉」という言葉を口にしたのは、わずか5回です。しかも驚いたことに、予算議会の施政方針で、「福祉予算」という言葉を使ったことが、一度もありません。
知事は、福祉予算の増額、福祉の充実の重要性について、どう認識していますか。
Q2 特定整備路線などの都市計画道路について、知事は「見直すべきものは大胆に見直す」と言ってきましたが、結果的に今も変わっていません。それどころか知事が進めているのは、外環道だけで東名以南まで含めると総事業費約3・2兆円、日本橋の首都高地下化も約3200億円など、何年にもわたり莫大な財政負担となるものがいくつもあります。
都民の命と健康、くらしが脅かされている今だからこそ、「ポストコロナ」も見すえて、不要不急の大型開発、大型道路建設優先の税金の使い方を抜本的に改めて、国家財政に匹敵する規模の都財政を、都民の命と健康、くらしを守るために思い切って振り向けることが必要です。知事いかがですか。
Q1 東京オリ・パラ大会について、都は1年延期を前提に準備を進めていますが、都民は東京都が開催見直しに伴う巨額な追加費用を負担させられるのではと懸念しています。
知事は、3月末の記者会見で、五輪の追加経費について精査すると言いました。五輪の追加費用の負担に対する知事の基本的考え方を伺います。
Q2 追加費用約3千億円と報道されている数字に、根拠はあるのですか。もっと増える可能性があるのではありませんか。
Q3 5月21日、IOCのバッハ会長は、新型コロナの影響で延期となった東京大会が2021年に開催されなかった場合、中止となる見通しを示したと報じられました。知事は、この発言について、どのように受け止めていますか。バッハ会長に問い合わせたのですか。
IR・カジノ誘致の調査は、7年間毎年実施されてきました。
しかし、5月5日の副知事依命通達で、新型コロナ対策のため、不急な調査・事業は見直しを行うとの指示があり、先日の経済・港湾委員会で、当面の間、調査の発注を見送るとの答弁がありました。
Q1 知事は、「カジノ・IRは経済成長や観光振興を後押しする」と発言してきましたが、世界的にみればカジノ業界は業績悪化しています。その中で、世界最大のカジノ運営会社が日本での統合型リゾート施設IR事業ライセンス取得を断念しました。いま多くの方が「東京にカジノはいらない」「日本のどこにもカジノはいらない」との声をあげています。
人の不幸を土台として観光振興、経済を成長させるなどというカジノ・IR施設整備とキッパリ決別すべきです。知事いかがですか。
Q1 知事は、新型コロナ感染症から都民の命を守ると、繰り返し発言していますが、都民の命と健康、くらしを脅かす羽田新飛行ルートの危険性の認識は、示したことがありません。
国が騒音低減策だとして導入した、急角度で着陸する進入方法は、実機飛行の結果、ほとんど効果がないと報道されています。住民からは「コロナ対策で換気のために窓を開けているので、騒音がひどく我慢できない」と声が上がるなど飛行機の騒音被害は深刻です。
国の調査によれば、4月の訪日客は前年度比99・9%も減っています。それでも新飛行ルートを飛んでいることについて、国交大臣は国会で、「騒音測定のため」と答弁しました。驚くべき答弁です。全く必要もないのに都民を苦しめていることを、知事はどう考えているのですか。
Q2 知事は、騒音や落下物など都民の命と健康、くらしを脅かす新飛行ルートは容認できないと表明すべきです。答弁を求めます。
いよいよ小池知事の任期が終わろうとしています。
4年前、小池知事は「東京大改革」を掲げて、「反自民」の改革者として振る舞い、都民の人気を得ました。しかしその後、自ら掲げた公約を次々投げすてました。
都立病院・公社病院の独法化も、カジノ誘致の検討も、羽田新ルート推進も、知事が当初掲げた「都民が決める。都民と進める」という公約と真逆のものです。
築地は守るという公約を投げすてて、大きな方向性は変わっていないと言い張り、「多摩格差ゼロ」の公約も口にしなくなりました。
知事が公約した「都政の透明化」どころか、不透明な政策決定が相次ぎ、情報公開の黒塗り・ノリ弁をなくすという約束も守られていません。
就任当初、知事は、「溢れんばかりの贅肉をつけてしまった巨大な肥満都市東京」と発言しましたが、巨大開発を次々進めています。
都営住宅の新規建設は、石原都政以来20年間ゼロが続き、高齢者福祉に力を入れると言いながら、見るべき前進はありません。
小池都政で都政の流れは変わりませんでした。
今回の都知事選挙は、長く続いた都政の流れを変える選挙です。日本共産党都議団は、多くの都民のみなさんと力をあわせて、都民の命、くらし・福祉第一の新しい都政をつくるために全力をあげる決意を表明し、再質問を留保して質問を終わります。
答 弁
○知事(小池百合子君) 里吉ゆみ議員の代表質問にお答えいたします。
まず、新型コロナ感染症対策の検査体制についてのご質問でございます。
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々、ご冥福改めて心からお祈りを申し上げます。
都は、新型コロナ外来やPCRセンターの増設など検査体制の整備を進めてきておりまして、医師が必要と判断した場合には必要な検査が実施されている、このように認識をいたしております。
これまでに都内の一日当たりの最大検査処理可能数を約三千百件まで引き上げまして、約七万一千件以上の検査を実施してまいりました。検査数の拡充については、今お答えしたとおり、都は、医師が必要と判断した方全てに対応できますように検査体制の整備を図っておりまして、今後の第二波に備えても、一日一万件を目指して、新型コロナ外来を百カ所、PCRセンターを三十八カ所設置をしてまいります。
事業者の経営への影響でございますが、東京の経済は、新型コロナウイルス感染症により大きな打撃を受けております。都民生活に深刻な影響をもたらすとともに、中小企業の経営はかつてない危機に直面をいたしております。
こうした状況の中で、東京の経済を支える事業者の皆様と難局を乗り越えていくためにも、資金繰りや雇用確保に向けた支援など、都民の生活や経済活動を下支えする施策などに取り組んでまいります。
家賃の支援でございますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、都内の中小企業は売り上げが急減、経営が大変厳しい状況にあるわけであります。中小企業の家賃の負担を軽減するため、大都市の家賃水準も踏まえながら、国の施策と連携した効果的な支援策について検討してまいります。
福祉従事者の役割でございますが、福祉従事者が担う福祉サービスは、都民の生活を支える上で必要不可欠なものでありまして、新型コロナウイルス感染症の流行下にあっても、そのことに変わりはございません。
このため、都は、緊急事態宣言に際しまして、高齢者や障害者に福祉サービスを提供する事業者や保育所といった社会福祉施設等につきまして、休業要請の対象とせずに、適切な感染防止対策を講じた上でサービスを継続するようにお願いをした次第でございます。
続いて、水道、下水道料金についてのお尋ねでございます。
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、水道、下水道料金の支払いが一時的に困難になった都民の方を支援することは重要であるため、三月二十四日から、申し出により、最長四カ月間の支払い猶予を実施しております。水道、下水道事業等の公営企業は、お客様である都民の料金負担によって成り立っておりますので、お話の水道、下水道料金の減免措置は慎重に考えるべきものと認識をいたしております。
次に、学生の学ぶ環境の保障についてのお尋ねでございます。
都は、次代を担う大学生が学業と生活を両立し、希望ある未来を切り開いていけますよう、アルバイトの機会を提供するとともに、オンラインでのキャリアカウンセリングやセミナーの実施などの支援を展開していくことといたしております。
また、アルバイト収入等を失った大学生も利用できる生活資金の特例貸付を実施しているほか、国による給付金制度も創設されたところでありまして、こうした制度も活用していただきながら、学生の皆さんの学びの継続、そして未来への飛躍を後押ししていきたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症対策におけるジェンダーの視点についてのお尋ねであります。
新型コロナウイルス感染症は、多くの人に大きな影響を与えておりますが、社会制度や慣習、そして慣行などもあって、特に女性は、一層厳しい環境に陥りやすい状況になっていると考えております。
都は、男性も女性も、みずからの希望に応じて活躍できる社会の実現を目指して、女性の視点も取り入れたさまざまな施策に取り組んでいるところでございまして、新型コロナウイルス感染症対策におきましても、こうした考え方で取り組みを進めることは重要であります。困難な状況にある女性には必要な支援を届け、誰もが自分らしく暮らしていける社会の実現を目指してまいります。
学童クラブの役割についてでございますが、学童クラブや放課後等デイサービスは、子供たちが安全・安心に過ごせる居場所として重要な役割を担っています。
このため、都は、緊急事態宣言後も、社会生活を維持する上で必要なサービスに従事しているなど、仕事を休むことが困難な保護者の方には、子供の居場所や必要な支援を確実に提供するよう、区市町村や指定事業者に要請をしてまいりました。
都立病院の視察についてでございますが、先日、私は、新型コロナウイルス感染症の最前線で奮闘する駒込病院と多摩総合医療センターを視察してまいりました。両病院とも、院内感染防止対策を徹底しながら、医師、看護師など全ての医療従事者が、患者の治療、都民の安全・安心を最優先に職務に当たっておられ、非常に頼もしく感じたところでございます。
全ての都立病院が、感染症医療を初めとした行政的医療を将来にわたって担い続けることで、都民の期待に応えていかなければならないと、改めて心に刻んだところでございます。
感染症流行時の医療体制でございます。
現在、都内には、感染症法に基づく感染症指定医療機関は十二あって、これらの医療機関を中心に感染症医療体制を構築しております。
今回の新型コロナウイルス感染症では、こうした医療機関のほか、都内の医療機関が一丸となって患者の方々の治療に当たっていただいております。引き続き、医療機関の協力を得ながら、都民の命、そして健康を守り、首都東京の安全・安心を実現してまいります。
多摩地域の保健所についてですが、都は、住民に身近な保健サービスは市町村が、より専門的なサービスは保健所が実施するという地域保健法の考え方に基づいて、多摩地域の保健所を段階的に再編整備して、現在、二次保健医療圏に一カ所の体制となっております。
再編整備の過程におきましては、市町村支援、地域の健康危機管理など機能強化を図っており、保健所は、広域的、専門的、技術的な拠点として役割を果たしていると認識をいたしております。
福祉に関する予算についてであります。
私は知事就任以来、人に焦点を当て、待機児童の解消に向けた取り組みや子供の貧困対策、高齢者や障害者の暮らしへの支援など、より具体的に都民福祉の向上に全力を注いでおり、令和二年度当初予算も含めて、これまでに福祉と保健の分野において予算の大幅な充実を図ってきたところでございます。今後とも、子供や高齢者、障害者など、誰もが希望を持ち、生き生きと活躍できる社会の実現に向け、しっかり取り組んでまいります。
財政運営についてのお尋ねでございます。
東京の都市機能を支えるインフラ整備への投資は、都民の利便性と生活の質の向上を図る上でも不可欠であることから、見直すべきは見直しを行った上で、真に必要な取り組みは着実に進めていく必要がございます。
今年度も必要な投資は積極的に行うとともに、執行状況を踏まえまして、特定整備路線の整備などに係る予算額を前年度比で減とするなど、賢い支出を徹底しているところでございます。
引き続き、人が輝く東京の実現に向けて、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。
東京二〇二〇大会の追加経費についてでございます。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、経済が危機的な状況に直面する中で、大会の開催に向けた準備を進めるためには、都民、国民の理解や共感が得られる大会である必要がございます。
そのため、大会経費につきましては、IOCとのエグゼクティブプロジェクトレビューという会議におきまして、サービスレベルの水準を最適化、合理化する施策を今後検討するとともに、延期により生じるコストの削減を図るものとすることで、IOC、国、組織委員会とともに認識を共有いたしました。
今後とも、追加経費に係る負担も含めまして、IOCと組織委員会を含む日本側が共同で議論を行ってまいります。
来年の大会の開催でございますが、バッハ会長は、来年の大会につきまして、全世界が一つになって新型コロナウイルスを克服したメッセージとなるとの思いも発言をしておられます。
組織委員会からは、仮定に基づいて来年の大会を論じるのは時期尚早であり、IOCも同様の認識であると聞いております。
今後とも、IOC、IPC、組織委員会、国、WHO等の関係機関と連携をいたしまして、安全・安心な大会の実現に向け取り組んでまいります。
カジノ、IR整備についてのご質問でございます。
IRにつきましては、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待される一方で、ギャンブル依存症等の懸念の声があることは認識をいたしております。
都といたしまして、引き続き、国の動向を注視しつつ、総合的に検討していく必要があると考えております。
羽田空港の新飛行経路の運用についてでございます。
現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、羽田空港における運行便が大幅に削減されていることは承知をいたしております。将来にわたって東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることは不可欠でございます。
都といたしましては、新飛行経路の導入に当たって、これまで国に対し、騒音影響の軽減を初め、さまざまな対策を求めてまいりました。引き続き、丁寧な情報提供や、騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
その他のご質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕
○教育長(藤田裕司君) 六点のご質問にお答えをいたします。
初めに、学校再開後の児童生徒への対応についてでございますが、休業期間が長期にわたりましたことから、まずは児童生徒の心のケア等を行うことが必要でございます。
そのため、都教育委員会は、学校再開を見据え、各学校においてチェックリスト等を活用し、一人一人の小さな変化を見逃さず状況を把握するよう徹底を図ってまいりました。
また、休業中の家庭学習を補うことが必要でございますため、児童生徒に個別に指導を行うなど、一人一人の学びを充実させるよう各学校に求めてまいりました。さらに、各教科や道徳科、学校行事等をバランスよく指導することが求められておりますため、教育計画を組みかえるに当たりまして、適切に配慮するよう周知してまいりました。
引き続き、区市町村教育委員会と連携し、児童生徒にきめ細かな対応が図られるよう各学校を支援してまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドラインについてでございますが、学校教育活動の再開に当たりましては、校内における新型コロナウイルス感染症予防策を徹底した上で、実施可能な教育活動を段階的に開始することといたしております。
普通教室におきまして、在室する生徒数を二十人程度にとどめる旨の記載は、生徒同士の間隔をおおむね一から二メートル確保するため、教育活動を段階的に再開するに当たっての目安を例示したものでございます。
引き続き、感染状況に応じて適切に対応してまいります。
次に、小中学校の学級編制基準についてでございますが、今般、新型コロナウイルス感染症対策として、教育活動を段階的に再開するに当たっての学校運営上の対応を例示しておりますが、義務教育における一学級の児童生徒数の標準は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により定められております。
学級編制につきましては、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えておりまして、引き続き国の動向を注視してまいります。
次に、教員加配に関する国の補正予算案の活用についてでございますが、学校の段階的再開に当たりましては、三つの密を回避するため、身体的距離を確保した教育活動を行う必要がございます。
このため、都教育委員会は、教科指導に必要な時間講師を追加で配置するなど校内体制の整備を図ることといたしました。時間講師の配置に当たりましては、国の制度を活用してまいります。
次に、養護教諭の増員や別室の確保についてでございますが、養護教諭は、校内で心のケア等の健康相談や感染症対策等の保健指導の中心的役割を担っております。
都教育委員会は、国の標準法に基づく都の配置基準により原則一校に一名配置し、必要に応じて複数配置を行っております。また、島しょ地域の一部の学校などでは小中学校で兼務するなど、適切に対応しております。
心のケアにつきましては、学校再開後、スクールカウンセラーによる面接を実施するなど、子供や家庭への支援を強化いたします。
また、感染症対策につきましては、養護教諭のほか学級担任など、全教職員が連携して引き続き対応してまいります。さらに、発熱等の症状が発生した子供への対応に備え、他の者との接触を避ける必要がございますことから、各学校では、相談室等の別室を確保することといたしております。
最後に、学校給食費の経費負担についてでございますが、学校給食法では、学校給食は学校の設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされております。
公立小中学校における学校給食費は、学校設置者である区市町村が地域の実情や特性を考慮して決定しておりまして、就学援助を含む保護者負担の軽減策等につきましても区市町村の判断により行われているというふうに認識してございます。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕
○東京都技監(佐藤伸朗君) 羽田空港の新飛行経路についてでございますが、東京が活力を持って将来への発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠でございます。
新飛行経路の導入に当たり、これまで都は、国に対して丁寧な情報提供や騒音影響の軽減、安全管理の徹底を求めてまいりました。それを踏まえて国は、六期にわたる住民説明会の実施や低騒音機の導入促進を図るための着陸料の見直し、航空機のチェック体制の強化、航空会社への落下物防止対策の義務づけなど、さまざまな対策を実施して運用を開始いたしました。
都としては、引き続き国に対し、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や、騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕
○福祉保健局長(内藤淳君) 二十五点のご質問にお答えいたします。
まず、検査体制についてでございますが、都は、第二波に備え、新たな検査機器の導入支援や唾液を用いたPCR検査など多様な検査手法の活用を進めることにより、一日一万件を目指し、都内の検査能力のさらなる拡充を図ってまいります。
次に、検査体制の構築についてでございますが、今後の第二波に備えまして、新型コロナ外来を百カ所、PCRセンターを三十八カ所設置することとしており、医師が必要と判断した方が必ず迅速に検査を受けられるよう体制を整備してまいります。
次に、多摩地域のPCRセンターの設置についてでございますが、今後の第二波に備えまして、都は、都内全域で新型コロナ外来を設置するとともに、保健所、地区医師会、地元自治体等の連携によるPCRセンターの設置を促し、多摩地域を含めた都内全域の検査体制を拡充してまいります。
次に、PCRセンターの設置に向けた支援についてでございますが、都は、地域の医師会等が市町村と連携して設置するPCRセンターの運営に係る経費や陰圧テントの整備等に対する補助を行うとともに、PCR検査の保険適用に伴う自己負担分の費用負担のほか、必要な個人防護具の提供等を行うこととしており、今後とも支援してまいります。
次に、大学等を活用したPCR検査の検査能力の向上についてでございますが、都は、既に一定の検査機能を有する大学病院等に対しまして、検査機器の導入支援策の活用を働きかけることなどによりまして都内の検査処理能力の拡充を図ってまいります。
次に、院内感染予防のためのPCR検査についてでございますが、各病院では、患者の安全を第一に、日ごろから感染予防、拡大防止に努めており、医師が必要と認めた場合は、患者はもとより職員も含めまして、全ての方がPCR検査を受けることが可能となってございます。
次に、介護福祉施設等におけるPCR検査についてでございますが、同様に、各施設では、利用者の安全を第一に、日ごろから感染予防、拡大防止に努めておりまして、医師が必要と認めた場合は、利用者はもとより職員の方も含めまして、全ての方がPCR検査を受けることが可能となってございます。
次に、抗原検査、抗体検査の意義などについてでございますが、抗原検査は短時間で結果が得られるという利点がある一方、陰性の場合は確定診断のためPCR検査の実施が必要となります。
また、抗体検査は、新型コロナウイルスの感染拡大状況の疫学調査や診断率の向上に役立たせることができるものと考えており、それぞれの検査の特徴を生かして検査体制の充実に取り組んでまいります。
次に、医療機関への支援についてでございますが、都は、新型コロナウイルス感染症対策に係る医療提供体制の確保を目的に、感染の疑いがある患者を含め、患者を受け入れる医療機関への謝金や患者受け入れ用の病床をあらかじめ確保する際の経費を支援しております。
また、医師、看護師等の特殊勤務手当の支給やECMO、人工呼吸器等の整備に対して補助を行うなど、医療機関への支援の拡充を図っているところでございます。
次に、医療機関への助成に関する三点のお尋ねでございますが、首都東京の安全・安心を確保していくことが重要でございまして、都は、新型コロナウイルス感染症対策に係る医療提供体制を強化することを目的に、病床確保や重症患者等の受け入れに必要な経費を支援しております。
また、国に対しまして、医療提供体制が確実に維持されるよう、医療機関に対する支援を行うことを要望しているところでございます。
次に、重症者用の病床確保についてでございますが、都は、新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅にふえたときに備えた医療提供体制につきまして、国が三月に示しましたピーク時の患者数の計算式に基づきまして、重症者用に最大七百床を確保することとしてございます。
次に、患者を受け入れる医療機関についてでございますが、入院重点医療機関は、患者の重症度や特性に応じた受け入れ体制の強化に向け順次指定していくこととしております。
専用医療施設は、今後、感染者が増加し重症者の病床が逼迫する事態となった際に備えるものであり、中等症患者向けの臨時的な専用医療施設の確保に向けまして準備を開始いたします。
次に、デイサービス等に対する支援についてでございますが、都は、新型コロナウイルス発生後、事業所の状況に応じまして、マスクの配布や、国の優先供給の仕組みを活用して手や指の消毒用エタノール購入の調整を行うなど、介護事業所等を支援してございます。
また、利用者などに感染者や濃厚接触者が発生した場合でもサービスを継続できるよう、国制度を活用し、衛生用品の購入や人材確保のための割り増し手当の支給など、平時には想定されない経費に対する補助を実施しております。
次に、小規模な特別養護老人ホームへの補助についてでございますが、都は、平成三十年度の介護報酬改定に伴って実施いたしました定員三十人の施設に対する小規模施設特別加算の時限措置を昨年度で終了するとともに、今年度から定員三十一人から六十九人の施設に対する小規模施設加算の単価を見直しました。あわせて、事業者によるサービスの向上等を評価する加算に、小規模施設の取り組みをより評価する項目を追加しているところでございます。
次に、特別養護老人ホームへの支援についてでございますが、介護保険制度では、特別養護老人ホームは介護報酬により運営されることが基本でございます。都が実施している特別養護老人ホーム経営支援事業では、島しょなど地理的条件で厳しい経営環境にある施設やサービス向上に資する取り組みを行っている施設に対しまして支援を行っております。
特別養護老人ホームは、緊急事態宣言下でも事業継続が求められる施設とされており、都としても、適切な感染防止対策を講じた上で、必要なサービスを継続的に提供するよう要請しているところでございます。
次に、福祉従事者への慰労金についてでございますが、先般、閣議決定された国の第二次補正予算案では、新型コロナウイルス感染症が発生した後も、サービスの継続のために介護、障害福祉事業所に勤務し、利用者と接する職員等への慰労金の支給が盛り込まれました。
都は、国会での審議等の動向を今後とも注視してまいります。
次に、ひとり親家庭の母親など女性への支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響は、健康から経済、安全、社会保障に至るまでのあらゆる領域に及んでおりまして、女性にとって大きなものとなっているといわれております。特に、昨今の学校等の臨時休業や事業所の休業、外出の自粛要請などにより、ひとり親家庭等の経済的、心理的負担は増大していると認識しております。
都は、生活資金の緊急貸付など、さまざまな制度や相談先をまとめたサイトをひとり親家庭支援センターのホームページに新たに開設しました。
また、地域の関係機関が把握している要支援児童等について、学校などが状況を確認するよう区市町村等に要請しており、必要に応じて児童相談所が適切に対応しております。
次に、保育所等における保育士の配置についてでございますが、都は、児童の年齢に応じた配置基準を定めるとともに、障害児への対応やチーム保育体制の整備のための保育士の増員など、施設の保育実態に応じた取り組みに対して施設型給付費等を加算しております。また、保育士の業務負担を軽減するため、保育補助者の雇用助成も行っているところでございます。
次に、保育所等の基準、職員の処遇についてでございますが、保育サービス等の基準は、国が社会保障審議会等の議論を経て省令等で定めており、都や区市町村はそれらを踏まえ、議会等の審議を経て条例等で定めているところでございます。
また、保育サービス等の運営費の充実につきましては、本来国が行うべきものであり、都は、これまで国に対し繰り返し提案要求をしているところでございます。
次に、避難所管理運営の指針についてでございますが、都は、区市町村向けに作成している避難所管理運営の指針の中に、適切な換気や手洗い、手や指の消毒の実施など、避難所における感染症防止対策を示しているところでございます。
新型コロナウイルス感染症対策に当たりましては、先月、都として、避難対策全般にわたる留意事項を整理した対処方針を通知いたしました。
今後、対処方針をもとに、避難所での具体的な対応につきまして、事例やイラストを盛り込んだガイドラインを作成していくこととしております。
次に、多摩地域の保健所についてでございますが、先日の国の専門家会議の提言では、次なる波に備えた保健所の体制強化策として、本庁からの応援や相談業務の外部委託の促進などが挙げられております。
都は、この間、保健所内の応援体制の構築や非常勤職員の活用等に加え、庁内各局等からの応援職員の配置、新型コロナ受診相談窓口の委託化など、保健所の負担軽減や支援に取り組んでおり、今後も、第二波に備えて保健所が関係機関と連携して的確に対応できるよう体制を確保してまいります。
次に、健康安全研究センターの検査体制についてでございますが、健康安全研究センターは、新型コロナウイルス感染症に係る検査体制を速やかに構築するとともに、検査機器等の追加整備や病原体検査の専門性を有する職員による応援体制を確保するなど、体制を強化してまいりました。
今後も、必要に応じて柔軟な組織運営を行い、必要な検査体制を確保してまいります。
最後に、多摩地域の保健所及び健康安全研究センターの職員の確保と育成についてでございますが、保健所や健康安全研究センターには、保健師や臨床検査技師など多様な専門職を配置しており、平時から業務を通じて資質の向上を図っているところでございます。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に当たりましては、各所内で電話相談や検査業務の応援体制を構築するとともに、庁内各局等から応援職員が業務のサポートを担当するなど柔軟に対応しているところでございます。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕
○病院経営本部長(堤雅史君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、都立、公社病院の新型コロナ患者の受け入れ体制についてでございますが、都立、公社病院はこれまで、東京都全体の医療提供体制を初め、患者数の動向や他の医療機関との役割分担等を踏まえながら、新型コロナウイルス感染症への対応のため約八百の病床とその運営に必要な体制を整備してまいりました。
都立、公社病院におきましては、ロードマップを踏まえ、関係局と連携しながら医療需要に応じた病床数を確保してまいります。
次に、都立、公社病院の地方独立行政法人化についてでございますが、独法化は、医療環境の変化に即応できる機動的な病院運営を実現することによりまして、行政的医療の安定的、継続的な提供等の役割を果たし、都民の生命と健康を守り続けるために行うものでございます。
この先、超高齢社会の本格化等により医療環境が大きく変化する中でも、その時々の新たな医療課題や都民ニーズに着実に対応することが不可欠でございまして、そのための体制づくりは待ったなしでございます。
今後とも、引き続き、新型コロナウイルス感染症への対応に全力を尽くすとともに、独法への移行準備も着実に進め、都民が必要とする医療を将来にわたり提供し続けてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕
○産業労働局長(村松明典君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、協力金支給の進捗についてですが、申請を受け付けた分につきましては、ほぼ全て審査に着手しておりまして、今週末までには申請件数の約半数となります累計五万件を支給し、六月十五日の受付終了後、六月末におおむね支給完了の予定でございます。
支給に向けた審査に当たりましては、進捗に応じて体制を強化するなど、中小事業者の方々の厳しい経営状況を踏まえまして、迅速な支給に向けて必要な対策を講じているところでございます。
次に、協力金の迅速な支給についてですが、都では、進捗に応じて担当職員を増員するとともに、税理士などの専門家による書類の事前確認の仕組みを設けるなど、必要な体制を構築してまいりました。この結果、申請受け付け分につきまして、ほぼ全て審査に着手するなど迅速な支給を進めてまいります。
次に、協力金の支給対象についてですが、協力金は国の緊急事態宣言下における緊急事態措置の期間中、感染拡大防止を徹底するため、都の休業要請等に全面的にご協力いただいた中小の事業者を対象に支給するものでございます。
なお、厳しい経営環境にございます中小の事業者に対しましては、資金繰りの支援などを通じてサポートをしているところでございます。
次に、協力金の継続についてでございますが、協力金は、繰り返しになりますが、国の緊急事態宣言下における緊急事態措置の期間の中で、都の休業要請等にご協力いただいた中小事業者を対象とするものでございます。先月、国の緊急事態宣言が解除されておりまして、今後は、感染症防止と経済社会活動との両立に向け、厳しい経営環境に置かれた中小事業者を支援してまいります。
最後に、学生への支援についてですが、アルバイト収入等がなくなり経済的に厳しい状況にある学生に対しまして、都は協力金の支給等の事務において、アルバイトの機会を直接提供しているところでございます。
また、新たなアルバイト先の確保に向けて、SNSを活用した相談を行い、学生が学業と生活を両立していけますようサポートしてまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕
○総務局長(遠藤雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、都立大学の授業料減免についてでございますが、都立大学においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変した学生に対して、授業料減免の申請期限を延長するとともに、急変後の収入状況に応じて、全額または半額を減免することとし、ホームページ等を通じて学生に周知しているところでございます。
次に、都立大学における学位論文等に係る学生の支援についてでございますが、都立大学では、本年九月の卒業、修了予定者のうち、新型コロナウイルス感染症の影響により研究活動等が困難となり、学位論文等の審査の終了などが十月以降となる場合には、今年度後期の在学に係る授業料を免除する特別措置を講じることを決定しており、今後、対象となる学生に個別に通知をする予定でございます。
次に、大規模災害が起きた際の避難所対策についてでございますが、国の通知を踏まえ、都は、ホテルなど民間施設を活用した避難先の確保、発熱者対応や避難者間の距離の確保を含めた避難所での感染症対策など、留意事項をまとめた対策方針を策定し、区市町村に周知をいたしました。
また、都としても、避難所における感染症対策に有効な物資を迅速に調達するための協定を業界団体と締結するなどの取り組みを進めてまいります。区市町村においては、この通知等に基づき、具体的な対応を始めているところもあり、引き続き区市町村と連携し、避難所における新型コロナウイルスの感染防止対策に取り組んでまいります。
最後に、地方独立行政法人制度についてでございますが、地方独立行政法人は、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業について、民間の主体に委ねた場合には、必ずしも実施されないおそれがあるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、地方公共団体が設立する法人とされております。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕
○生活文化局長(浜佳葉子君) 配偶者暴力相談についてでございますが、都は、東京ウィメンズプラザや女性相談センターで相談対応を行うほか、区市町村における配偶者暴力相談支援センター機能の整備に向けた支援等を行い、被害者が身近な地域で相談が受けられるよう取り組んでおります。
また、ホームページやSNSを活用し、これらの相談窓口や支援に関する情報提供を幅広く行っています。LINE等での相談は、特に若年層などが利用しやすいというメリットがある一方、加害者に相談内容を知られるなどのリスクがあるため、今年度は、東京ウィメンズプラザにおいてLINEによる相談受け付けを試行し、運用方針等を検討することとしております。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕
○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 東京二〇二〇大会の追加経費についてでございますが、大会経費につきましては、サービスレベルの水準を最適化、合理化する施策を今後検討するとともに、延期により生ずるコストの削減を図るものとすることでIOC、国、組織委員会とともに認識を共有したところでございます。今後とも、追加経費に係る負担を含め共同で議論を行ってまいります。
再質問
〔百三番里吉ゆみ君登壇〕
○百三番(里吉ゆみ君) 知事に四問の再質問をします。
まず、PCR検査の問題です。
一問目、小池知事は、日本と東京のこれまでのPCR検査は少な過ぎたという認識も反省も示しませんでした。国の専門家会議は、三月下旬ごろからの感染者数の急増に十分に対応できなかったという反省を表明しています。知事にはこのような反省はないのですか。十分にやってきたと考えているのですか、お答えください。
二問目です。検査処理能力の今後の目標について、知事の答弁では、いつまでに一日一万件を達成するのか言及がありませんでした。それで第二波に間に合うのでしょうか。都内の感染者数は、またふえ始め、本日の感染者の確認は三十四人です。第二波を抑え込むために、今直ちにPCR検査を抜本的にふやす必要があるという認識、姿勢が知事にはあるのでしょうか。知事、お答えください。
三問目です。日本医師会の横倉会長の発言に関する答弁について、知事に伺います。
競争や効率重視の新自由主義の影響が医療機関にも及んでいるという横倉会長の指摘をどう受けとめるのか、私は質問をいたしました。知事はそれには答えませんでした。答弁漏れです。競争や効率重視の新自由主義の影響が医療機関にも及んでいる、この指摘をどう受けとめるのか、ぜひ知事の言葉できちんと答えてください。
最後に、保健所についてです。
私は、保健所を統廃合し、弱体化させてきた歴代知事の責任は重大だと思いますが、どう認識していますかと知事に質問しました。しかし知事は、再編整備の過程で機能強化を図ったと、事実をあべこべに描き、保健所の統廃合を正当化しました。本当に驚きました。
知事、機能強化を図ったというなら、今回のコロナ危機で、これほど深刻な保健所の逼迫がなぜ生じたのですか。また、知事は、コロナ危機から保健所のあり方についてどんな教訓を学んだのですか。保健所に関するこの二点について知事の答弁を求め、再質問を終わります。(拍手)
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕
○福祉保健局長(内藤淳君) 四点の再質問を頂戴いたしました。
まず、PCR検査についてでございます。
PCR検査が少な過ぎるのではないかということでございますが、この間、PCR検査につきましては、二月以降、国が示した検査基準に基づきまして、東京都に限らず全ての自治体がその基準に基づき、適宜、時点修正される中で対応してきたものと考えております。その時点時点では確かなものだったと考えております。
それから、二点目でございますが、いつまでに一万件ということでございますが、これはまさに今、検査の入り口に当たる検査の窓口、PCRセンターですとか新型コロナ外来の入り口の部分、また、それを処理する検査能力は、民間検査機関も含めまして、その能力拡大について支援もし、ご協力いただいているところでございます。一日も早く目標に向けて達成したいと考えております。
それから、大きく二つ目の医師会長のご発言でございますが、さまざまな方々、専門家の方のご意見を拝聴し、それを生かしていくということは基本だと思っております。ただ、医療機関、病院経営におきましても、基本的には、いい医療を行うためには効率的な対応も必要なものと考えております。その意味でのご発言かなと思っております。
それから、保健所についてでございますが、統廃合についてのご指摘をいただきました。ただ、組織というものは時代において、その時代時代で見直していくものでございます。何が効率的かどうかは、その時代によってまた変わっていくものというふうに考えております。改めまして、この状況下において、今後どうしていくかということは、また一つの課題かなと思っておりますが、その時点では正しかったものと考えております。