本会議 里吉ゆみ都議(世田谷区選出)の代表質問
6月11日の本会議で、里吉ゆみ都議(世田谷区選出)が代表質問を行いました。
動画(都議会ホームページです。令和元年第2回定例会 > 6月11日をご覧ください)
★質問全文(質問原稿)です。
- 築地まちづくり方針について
- 豊洲市場について
- 選手村について
- 五輪施設建設現場の労働環境について
- 羽田空港の新飛行ルートについて
- 横田空港の軍民共用化について
- 平和の取り組みについて
- 新たな長期計画について
- 家計をあたためる支援について
- 私立高校の学費負担軽減について
- 国民健康保険について
- 高齢者への経済的支援について
- 交通事故対策と移動保証について
- 待機児童解消と保育料軽減について
- 児童虐待防止対策について
- ひきこもりへの支援について
- 教員の働き方改革について
- 気候変動対策について
- インフラ整備について
★答弁(議事録速報版より)
- 知事(小池百合子君)答弁
- 警視総監(三浦正充君)答弁
- 教育長(中井敬三君)答弁
- 東京都技監(佐藤伸朗君)答弁
- 中央卸売市場長(村松明典君)答弁
- オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君)答弁
- 生活文化局長(浜佳葉子君)答弁
- 産業労働局長(藤田裕司君)答弁
- 福祉保健局長(内藤淳君)答弁
- 都民安全推進本部長(大澤裕之君)答弁
- 建設局長(三浦隆君)答弁
★再質問と答弁(議事録速報版より)
日本共産党都議団を代表して質問します。
第1回定例会では、「築地まちづくり方針(素案)」が大問題になり、わが党だけでなく、知事の公約違反を批判する意見が相次ぎました。
2017年6月20日、都議選3日前に知事が発表した、「築地は守る」「市場機能を確保する」という約束が消えたにもかかわらず、知事が「大きな方向性は変わっていない」と強弁し、方針転換を認めなかったからです。
定例会終了後、知事は、「素案」がとれた「築地まちづくり方針」を発表しました。「食文化」という言葉を少し増やしただけで、国際会議場を中心とした再開発という中身は、何ら変わっていません。
それどころか、「築地に都として卸売市場を整備することはない」と加筆され、知事の公約違反がいっそう明確になりました。
Q1 「素案」に対するパブリックコメントには、202件の意見が寄せられました。知事はすべて目を通したのですか。
Q2 その中には、「築地は守るという基本方針を維持し、市場関係者や都民に対する公約を守るべきです。今回分だけで示された、築地まちづくり方針(素案)は、直ちに撤回すべきだと考えます」という意見、「築地の街は市場があればこそ世界の築地だったのです。築地市場の再整備を本気で考えて下さい」などの意見が、多く寄せられています。
知事の公約違反を指摘する意見や、築地での市場整備を求める意見が、70件以上におよびます。この事実、これらの声を、知事はどう受け止め、反映させたのですか。
Q3 パブリックコメントで、批判的意見に対する都の回答は、「都が築地に改めて卸売市場を整備することはない」と、判で押したように繰り返しています。都民の意見を受け止めようという姿勢は見られません。知事、こんな姿勢でよいのですか。
Q4 都心で、病院も近くにある環境の中に、高齢者施設などをつくってほしいとの要望があります。「難病の子どもたちが東京で治療できるように、病児と家族が宿泊できる滞在施設をつくってほしい」との要望も寄せられています。これらの要望をどう受け止め、対応するのですか。
今回の所信表明で、「築地まちづくり方針」について知事が述べたのは、大規模な都心の一等地の再開発だというものでした。
Q5 国際会議場を中心とした、民間企業まかせの再開発でなく、築地市場の歴史をしっかり引き継ぎ、都民と市場関係者、場外市場のみなさんから歓迎されるまちづくりを進める必要があります。知事いかがですか。
Q1 豊洲市場では4月8日、ターレに乗った男性が、荷物用のエレベーターの扉にぶつかり死亡する、重大事故がありました。あってはならない事故が起きたことを、知事はどう受け止めていますか。
Q2 日本共産党都議団は、全国の中央卸売市場の、過去5年間のエレベーター事故について調査しました。回答が寄せられた48の市場で、人身事故の事例はありませんでした。
豊洲市場は、荷物用の大型エレベーターの扉が上から下りてきて、頭を直撃する構造になっていることは、事故の危険を増大させています。
エレベーターの入り口前に「減速帯」の設置が始まりましたが、市場関係者からは、「滑りやすくなった」などの声があがっています。
市場関係者や専門家をふくめた「事故検証・対策委員会」を設置し、抜本的な再発防止策を検討、実施すべきです。いかがですか。
次に、東京オリパラ大会です。
来年の大会を、人間の尊厳に重きをおく社会をめざす「オリンピック憲章」に沿い、貧困の打開、不平等の是正、雇用・労働環境改善などの「持続可能な開発目標」SDGs実現への跳躍台として成功させることは、重要な課題です。
ところがこの点で、東京都および組織委員会、政府の対応には、重大な問題があります。たとえば、選手村です。
Q1 都は選手村用地として、都民の貴重な財産である都有地を、周辺公示地価の10分の1という破格の安値で、民間大手デベロッパーに売却しました。
大会後の「後利用」の中心は、4千戸を超える民間マンションです。早くも予約販売が始まっています。
事業者が示している予定価格は、3LDKで6千万円から1億1千万円です。おもな購買層は、年収1500万円ぐらいと言われています。投資目的で買う人もいます。大多数の都民には、手が出ません。
一方、都営住宅はもとより、低家賃・低価格の住宅はつくられません。
国連が採択したSDGsは、安価な住宅の確保を目標として掲げています。一部の都民のための高級マンションしかつくらない選手村は、住宅の分野でも誰一人取り残さないことをめざすSDGsと、かけ離れているのではありませんか。
Q2 知事が主催した世界主要都市サミットの提言書には、公営住宅を整備するための財源を増加させると明記されています。知事は、この課題をどう実現するのですか。
Q3 都と民間事業者との、選手村の敷地譲渡契約書の特別条項では、「当初の資金計画に比べて著しく収益増になることが明かになった場合は、敷地譲渡契約金額について別途協議する」となっています。
都は、敷地の売却額を算定した当時、タワーマンションをのぞく選手村マンションの分譲価格を、1平方メートルあたり74万円から77万円と想定していたことが、日本共産党都議団が情報公開請求で入手した文書から、明らかになりました。
しかし、いま売り出されている分譲価格は、1平方メートルあたり90万円です。マンションの延床面積は約22万平方メートルです。当初の想定より高値で売り出している差額から推計すると、今回分だけで民間デベロッパーは300億円を超える収益増になっていると想定されます。
特別条項の適用は、検討しないのですか。そもそも「著しい収益増」の基準は、どうなっているのですか。また、デベロッパーの当初の資金計画がどうなっていて、収益がどうなっているのか、都民に明らかにすべきです。答弁を求めます。
五輪施設の建設現場の労働環境にも、重大な問題があります。
Q1 労働組合の国際組織「国際建設林業労働組合連盟」BWIは、五輪施設の建設現場で働く労働者ら約40人に、聞き取りをしました。その結果、労働安全衛生上の問題や、外国人労働者の差別的扱いなどがあるとした報告書を、東京都や組織委員会に送付しています。
知事は、この報告書をどう受け止め、改善に取り組むのですか。
Q2 報告書では、月28日間も働いている例や、つるされた資材の下で作業していることなどが、指摘されています。
大会が迫る中で、工期の遅れが労働環境の悪化につながっている可能性もあります。立場の弱い外国人労働者が多いことへの懸念もあります。
都として、現場の記録の確認や、労働者からの聞き取りをするなど、実態を把握すべきです。知事いかがですか。
Q3 BWIは、通報窓口の周知・改善を求めています。
ホームページでの告知だけでなく、五輪関連の仕事をする労働者に通報窓口があることを直接知らせること、英語でも通報できることを英語で周知すること、本人の記名による通報だけでなく、労働組合を通じた通報も受理するなどの改善が必要です。見解を求めます。
Q1 国が2020年までに、都心上空の低空飛行を解禁しようとしていることに対し、騒音や落下物などへの都民の不安が広がっています。
その中で知事は、東京2020大会の円滑な実施のため、羽田空港の機能強化はきわめて重要だと表明し、国の対応は一定評価する、都民や関係自治体の理解がさらに深まるよう、いっそうの取り組みを国に求めると述べました。
しかし、品川区議会では、羽田新ルートは容認できないとの決議が全会一致で可決され、渋谷区議会でも計画見直しを求める意見書が採択されています。いま開かれている説明会でも、住民から中止を求める意見が相次いでいます。
知事は、新飛行ルートの直下にある区議会の決議や意見書、住民の声を、どう受け止めているのですか。都民や関係自治体の理解が得られていると思っているのですか。
Q1 国は、オリパラ大会期間中、横田基地を民間機が利用できるよう米側と協議を始めています。
これに対し瑞穂町長は、「これ以上の騒音の増大をもたらす軍民共用化の推進は、容認できるものではありません」という、きびしい要望書を日米政府に提出しました。
横田基地騒音公害訴訟の原告団も、騒音が増えることは明らかで、飛行訓練が受忍限度を超える違法な権利侵害だと認めた司法判断に逆らう行為だとして、大会期間もふくめ軍民共用化方針の撤回を求めています。
知事は会見で、大会期間中の軍民共用化について「都も望むところ」と発言しました。地元自治体や騒音訴訟原告団の声を、どう受け止めているのですか。
Q2 そもそも、大会期間中の軍民共用化の協議をしようという話は、どこから、どういう経過で出てきたのですか。
オリンピックを、平和の祭典として成功させることは重要です。
Q1 知事は「平和の日」の式典で、東京大空襲の悲惨さにふれ、「戦争の悲惨な記憶、史実を、しっかりと次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていかなければなりません」と述べました。
昨年の式典では、「オリンピック・パラリンピック競技大会が、東京で開催されます。日本の首都東京から、世界の恒久平和実現への力強いメッセージを発信してまいりたい」と述べました。
知事の決意、およびどう具体化するのか伺います。
Q2 オリパラ大会とその前後の期間、都民から提供され庭園美術館に保管されている、東京空襲の5千点の戦災資料を公開し、多くの方々が見学できる場を設けることを提案するものです。見解を伺います。
大会を機に、凍結状態となっている平和祈念館の建設に向け、すべての会派、議員のみなさんが力をあわせて取り組むことを、呼びかけるものです。
オリパラ大会を、都民のくらし・福祉充実の中で迎えることは、とりわけ大事なことです。
ところが、知事の所信表明では、誰もが安心して豊かに暮らせる都市像を実現するとか、「人」の力を最大限に引き出すという言葉はありますが、具体的中身は示されていません。
また、地方自治体の最大の使命である「福祉」という言葉は、ひと言も出てきませんでした。
Q1 これからつくる長期計画で、貧困、格差、差別の是正、人間らしい働きがいのある雇用・労働の実現をはじめ、都政のあらゆる分野で、高齢者、障害者、女性、子ども、若者、社会的に不利な立場にある人たちを、誰一人取り残さない具体的な目標と行動計画を明らかにすることを、求めるものです。知事いかがですか。
知事は、成長と成熟の両立を強調しましたが、そのカギは都民の家計をあたためることです。
Q1 OECDの調査によると、過去21年間の民間部門の1時間あたりの賃金は、イギリスで1・93倍、アメリカが1・82倍、フランス1・69倍、ドイツは1・59倍に、増加しています。ところが日本は0・92倍で、8%減りました。賃金が下がったのは、日本だけです。
また都の調査によると、都民の消費支出は、この20年間に10%も低下しています。
賃金低下と消費低迷の悪循環の打開なしに、成長と成熟の実現はありません。知事はどう認識していますか。そして、どう取り組むのですか。
Q2 景気悪化の指標も出ている中で、消費税10%増税を強行したら、都民のくらしと経済に重大な打撃をあたえることは明らかです。知事、10月からの消費税増税中止を国に求めるべきです。見解を伺います。
Q3 アメリカ・カリフォルニア州の最低賃金は時給1525円、フランス1326円に対し、東京は985円です。あまりにも低すぎます。
最低賃金は今すぐ1000円に、さらに1500円以上にという運動が全国各地で広がっています。最低賃金の引き上げが必要です。知事の認識と対応を伺います。
Q4 フランスは、中小企業の社会保険料負担を行って、最低賃金の引き上げを実現しました。中小企業への支援が重要です。
ところが、安倍政権の、最低賃金引上げにともなう中小企業支援の予算は、わずか7億円です。都内で助成金が支給されたのは、たった20件です。
国に予算の抜本的増額・拡充を求めるとともに、都独自の対策を講じるべきです。いかがですか。
学費の負担軽減も重要です。
Q1 私立高校は、都内の高校生の約6割が通い、東京の後期中等教育の重要な役割を担っています。しかし、初年度納付金の平均は約91万円で、都立高校を大きく上回っています。
都独自の補助の拡充で、年収760万円未満の世帯は、約45万円まで授業料が無償になりました。しかし、それ以上の年収がある世帯も、子どもが複数いて上の子が大学生ともなれば、決して楽ではありません。
都が実施した意識調査では、私立高校の保護者の85%が学費を負担に感じるとしていますが、現在の授業料無償の対象は、私立高校生の3割にとどまっています。
現在年収760万円未満の世帯となっている、都独自の授業料補助の対象者を、当面年収910万円まで広げれば、私立高校生の半数程度が授業料無償となります。あわせて、それ以上の所得の世帯についても段階的に補助額を設定し、学費負担を軽減することを求めます。いかがですか。
国民皆保険制度の最後のとりでであり、サラリーマンも退職後は75歳まで全員が加入する、国民健康保険の保険料・保険税の負担軽減も切実です。
Q1 契約社員で働きながら、3人の子どもを育てるシングルマザーの方は、月給約10万円、児童手当などを入れても生活は苦しく、子どもがサッカークラブに入りたいと言うけれど、6千円の月謝を払う余裕がなく、がまんさせているとのことでした。このような世帯に、年間約13万円、毎月1万円以上の国保料がかかります。「少しでも保険料が下がれば、その分を子どもたちに使いたい」と訴えます。
特別区の均等割は毎年値上げがつづき、今年度も1人あたり1200円も上がります。低所得世帯にとって重い負担になっています。区市町村が行っている法定外繰り入れを解消するという、国や都との方針のままでは、保険料の値上げは今後も続くのです。契約社員の給料は、毎年上がるものではありません。逆に教育費など子育て費用は増えていきます。
知事、こうしたシングルマザーの世帯にとって、国保料の毎年の値上げは、重い負担だと思いませんか。
Q2 この家族が、サラリーマンが加入する被用者保険であれば、保険料は約6万円、いまの半分の負担で済むのです。
知事も重視しているSDGsは、2030年までに、あらゆる形態の貧困に終止符を打つことを目標としています。
国保への公費投入の大幅増額を国に求めるとともに、都として、都民の誰一人、国保料・国保税の重い負担に苦しむ人をつくらない取り組みをすることこそ、SDGs実現への道だと思いますが、知事の見解を伺います。
Q1 都内の高齢者の国民年金の平均額は、月額約5万4千円にすぎません。金融庁が提言したように、夫婦で老後資金2千万円を蓄えることなどできません。
世界96カ国の60歳以上を対象にした、高齢者の暮らしやすさ調査で、日本は、全体の指標で8位ですが、年金などの所得保障は33位です。
国に年金の引き上げを求めるとともに、都として、高齢者への経済的支援の充実に取り組むことが必要です。知事いかがですか。
Q1 高齢運転者による交通事故に、多くの人が心を痛めています。
この問題で大事なことは、高齢者をはじめ都民の誰もが、車を運転しなくても、買い物、通院、趣味・サークルなどのために、安全で便利に移動できるようにすることです。知事は、どう認識していますか。
Q2 地域交通、公共交通の充実、交通バリアフリーの推進などの課題に、どう取り組むのですか。
Q3 シルバーパスについて都が実施した調査で、「役立っている」との回答が、91%に上りました。シルバーパスを利用した外出の主な目的は、買い物、通院、趣味の活動が、ベスト3です。高齢者が車を運転するおもな理由と、ほぼ一致しています。
高齢者の外出、移動を保障するシルバーパスの重要な役割を、知事はどう認識していますか。
Q4 都内の70歳以上の高齢者でシルバーパスを持っている人は、46%前後にとどまっています。
高齢者が安全に便利に移動できるようにするために、シルバーパスをもっと使いやすくして、高齢者にさらに活用してもらえるようにすることは重要な課題だと思いますが、いかがですか。
Q5 知事が、交通不便地域における高齢者の移動支援に向けた実証実験を表明したことは重要です。どう取り組むのですか。
Q6 多摩・島しょ地域だけでなく23区内も、坂道が多いなど、高齢者などにとって交通不便な地域は少なくありません。
多摩市は、バス停からの高低差が10メートル以上ある地域を交通不便地域としています。港区も、高低差を考慮しています。
東京都も、駅やバス停からの距離だけでなく、高低差を考慮するなど、高齢者、都民の生活実態をふまえて、交通不便地域に対する移動支援対策を進める必要があります。知事いかがですか。
Q7 身近な地域の移動支援対策として、コミュニティーバスが果たしている重要な役割について、知事はどう認識していますか。
Q8 コミュニティーバスが走る地域を増やし、安定的に運営し、多くの都民が、便利に気軽に利用できるようにするため、都の財政支援の強化が切実に求められています。知事の認識と対応を伺います。
Q9 警視庁は、運転免許本部にある高齢者に対する相談窓口に保健師2名を配置し、運動機能や認知機能に関する相談に応じています。こうした取り組みをはじめ、各相談窓口をさらに拡充することが必要です。いかがですか。
Q10 保育園の園外活動について、厚生労働省が、重要な活動だから移動もふくめ安全に十分配慮しつつ、引き続き積極的に活用するよう求めていることは、重要です。
警視庁や区市町村等と連携して実施されている緊急点検の結果をふまえた安全対策はもちろん、引率する保育士を増やせるよう配置基準を改善することや、園庭の整備なども視野に入れた、抜本的対策が必要です。こうした課題にどう取り組むのですか。
Q1 保育園の待機児童は、約3,700人まで減少したと知事は述べました。認可保育園を、昨年から約260カ所増やしたことは重要です。
しかし、日本共産党都議団が行った、今年4月1日時点の調査では、いわゆる隠れ待機児童をふくめた待機児童は、回答があった49区市町村で、2万人を超えています。知事、この数字をどう受け止めますか。
Q2 知事は、今年度中に待機児童をゼロにすると約束しています。どのように実現するのですか。隠れ待機児童の解消もふくめ、認可保育園のさらなる増設が必要です。どう取り組むのですか。
Q3 幼児教育・保育の無償化に対応し、都は独自事業として、多子世帯の0歳児から2歳児の負担軽減を実施します。ところが、公立の認可保育園などは対象としていません。
日本共産党都議団は、保育料の補助について、全国の道府県の調査をしました。東京都以外の実施自治体は、すべて公立・私立とも対象にしています。知事、この事実をどう受け止めますか。
公立・私立で保育料に差はなく、公立を対象外にする理由はありません。公立も対象にすべきです。いかがですか。
Q1 児童虐待防止対策について知事は、東京全体の児童相談体制の強化を図ると表明しました。
今後、区立児童相談所の開設が始まりますが、そもそも東京の児童相談所は少なすぎます。1カ所あたりの人口は約120万人で、全国平均の2倍以上です。区立の児童相談所も、都の児童相談所も、両方を充実させていくことが必要です。知事の認識と対応を伺います。
Q2 国は児童福祉司の配置基準を引き上げるとしており、東京都では185人の増員が必要です。知事は、どう取り組むのですか。
川崎市で起きた無差別殺傷事件について、ひきこもり支援団体は、「ひきこもるような人間だから事件を起こしたとも受け取れるような報道は、無関係のひきこもり当事者を深く傷つけ、誤解と偏見を助長する」と指摘しています。
全国ひきこもり家族会連合会は、事件後、家族からの相談が増えていることを明らかにし、「メディアは、ひきこもる人、その家族の不安、偏見を助長するような報道は控えていただくようお願いしたい」と声をあげています。耳を傾けるべき指摘だと思います。
Q1 生きづらい社会のなかで、ひきこもることは誰にも起こりうることです。そして、その原因や状況、また、自分の生き方をどう見つけて進んでいくかも一人ひとり違います。その人にふさわしい伴走型の支援が必要です。知事の認識を伺います。
Q2 内閣府の実態調査から、中高年のひきこもりの人が全国で61万人を超え、若い世代以上に多いという推計が、明らかにされました。この調査結果について、知事はどう受け止めていますか。
Q3 都が、年齢を区切らず支援をするように改善したことは、重要です。さらに、訪問相談の回数を増やすこと、区市町村との連携を強め、年齢にかかわらず、本人も家族も安心して相談できる窓口に改善することが求められています。
知事は今後、中高年のひきこもりの方への支援に、どう取り組むのですか。
Q4 庁内横断の「ひきこもり支援施策推進会議」が始まっていますが、ひきこもりの当事者、家族の参加が重要です。都の認識と対応を伺います。
教員の働き方改革について伺います。
Q1 知事が所信表明で、いわゆる「過労死ライン」相当にある教員が多数存在しているという認識を示したことは重要です。しかし、問題の深刻さにふさわしい対策は、示されませんでした。
月80時間以上の残業をして、過労死の危険と背中合わせの教員が多数存在するということの深刻さを、知事はどう認識していますか。
Q2 知事は所信表明で、学校が抱える問題が複雑化・多様化したことを、原因としてあげました。しかし、学校が抱える問題が複雑化・多様化したことに加え、教える内容が増え、授業時間数が増えたにもかかわらず、教員定数を増やして、一人ひとりの仕事の量を減らすという、一番大事な対策をとってこなかったことに、最大の原因があるのではありませんか。知事の認識を伺います。
Q3 働き方改革の、これまでの都教委の目標は、過労死ライン以上残業する教員をゼロにする、すなわち、過労死ラインぎりぎりまで働くのは仕方がないというものでした。
文科省のガイドライン策定を受け、都立学校の時間外労働の上限を「月45時間かつ年間360時間以内」に変更したことは前進です。しかし、いままでの延長線上では、とうてい実現できません。新しい方針に対応し、どのように対策を充実させるのですか。
Q4 「上限時間だけ決められても、仕事が減らなければどうしようもない」という声が、現場の教員からあがっています。仕事が終わらないのに早く帰れと言われるなど、「時短ハラスメント」も起きています。
区市町村の教育委員会から、今のままでは時間外労働45時間などとてもできない、教員を増やしてもらいたい、という声も寄せられています。
今度こそ、教員の定数を増やして仕事を減らすという、抜本対策に踏み出すことが必要です。知事いかがですか。
気候変動対策について伺います。
Q1 小池知事が主催した世界主要都市サミットで採択された提言書は、遅くとも2020年までに温室効果ガスの排出量を減少に転じさせ、2030年までに大幅に削減する目標を掲げました。
知事は、温室効果ガス削減に向けた、この目標達成に、どう取り組むのですか。
Q2 また提言書は、2030年までに再生可能電力の割合を100%にする。2030年までに新築の建物が、実質カーボンゼロになるようにする、との目標を掲げました。知事は、この目標達成に、どう取り組むのですか。
Q3 都は、都庁舎を100%再生可能エネルギーにする取り組みを始めました。今後、都有施設全体に広げていくべきです。いかがですか。
最後に、インフラ整備につい伺います。
Q1 大深度地下に、直径16メートルもの巨大トンネルを掘る外環道の工事が世田谷区内で進む中、現地では振動が問題となっています。
私たちの現地調査では、「夜中に揺れを感じて、外に出た」という話を聞きました。その後、事業者には振動への苦情や問い合わせが多数寄せられ、振動レベルを測定するなどの対応をしていたことが判明しました。
地上への振動は伝わりにくいと言われていた大深度地下のシールド工事で、シールドマシン由来の振動が地上に伝わっていたとすれば、大深度法の根幹をゆるがす問題です。知事は、どう考えていますか。
Q2 振動が大深度地下の工事によるものかを調査するためには、短時間の部分的な調査ではなく、掘削予定地に観測ポイントを設け、継続したモニタリングが必要です。国および事業者に求めるべきです。いかがですか。
Q3 工事による地盤沈下も懸念されます。都も、工事による地表面への影響を見るために、地表面の高さのデータの公表を求めるとしてきましたが、本格掘進が始まった今でも、非公表のままです。改めて、工事中の地表面の高さについて、公表することを求めるべきです。見解を伺います。
Q4 私の地元世田谷区の都市計画道路・補助52号線は、20年以上、住民の反対運動が続いています。住宅街だけでなく、いくつもの商店街を分断し、地域住民の祭りのみこしの出発点になるお寺の広場、認可保育園の園庭にも指定されている児童遊園4カ所、区民の貴重な散歩道である烏山川緑道を横断する、幅20メートルの大型道路の見直しを、住民はつよく求めています。見直しを求める署名も、知事に直接届けています。
都は、優先整備路線にした理由として、「地域の交通安全の確保」をあげていますが、住民からは、大型道路が住宅街の中に入ってくる方がよほど危険だ、という声があがっています。
知事は、こうした住民の声を、どう受け止めていますか。
Q5 知事は、道路計画について「見直すべきものは大胆に見直す」と表明してきました。このような道路こそ見直すべきではありませんか。
知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
【答 弁】
○知事(小池百合子君) 里吉ゆみ議員の代表質問にお答えをいたします。
まず、パブリックコメントについては、築地まちづくり方針の素案に対していただいたご意見でございますが、資料とともに局から詳しく報告を受けたところでございます。
築地再開発の進め方につきましては、築地には、浜離宮恩賜庭園など、地域の資源、食文化など、歴史的、文化的なストックがございます。この地域のポテンシャルを生かしまして、都民を初め国内外から多くの人々が集い、ともに感動し、楽しみを共有しながら東京の新たな魅力を発信できるような、そのような交流拠点を形成してまいります。民間の力も最大限に活用し、国際会議場などを核に導入する機能を相互に連携させて、相乗効果を発揮させながら、都民にとっての価値の最大化を目指してまいります。
次に、豊洲市場のターレの事故についてのご質問でございます。
今回の事故によりましてとうとい人命が失われており、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、心よりお悔やみを申し上げます。
こうした事故が発生したことにつきましては、都も業界団体も重く受けとめており、二度とこうした事故が起こることがないように、再発防止に向け、都と業界が一丸となって取り組んでいるところでございます。
業界におきましては、実際にターレを運転する従業員一人一人にまで走行ルールの遵守が徹底されるように取り組んでおり、都といたしましても、安全な施設環境整備を進めているところでございます。
今後とも、業界団体と連携した取り組みを継続して、豊洲市場における安全確保に万全を期してまいります。
公営住宅の整備については、住宅に困窮する低額所得者や高齢者、障害者、子育て世帯など、都民の居住の安定を確保していくことは重要でございます。
都におきましては、都営住宅につきまして、これまでも既存ストックの有効活用を図りまして、適切な供給、適正な管理に努めてきたところでございます。
少子高齢化の進展など、社会経済情勢が変化する中で、今後とも、都営住宅について、既存ストックの有効活用を図りながら、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるように取り組んでまいります。
なお、お話のU20東京メイヤーズ・サミットのコミュニケでございますが、G20の議論に都市の経験や意見を反映させるための提言でございまして、各都市の意見を集約したものでございます。
羽田空港の機能強化については、わが国の国際競争力の向上や東京二〇二〇大会の円滑な実施のために、羽田空港の機能強化は極めて重要と考えております。
それに向けて国が提案をいたしました飛行経路の見直しでございますが、区議会の意見書等を含めまして、都民の皆様などにさまざまなご意見があることは承知しております。都はこれまで、地元との協議が着実に進みますよう積極的に協力するとともに、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の徹底を要請しております。
これを受けて国は、五期にわたる住民説明会の実施や、航空会社への落下物防止対策の義務づけ等、総合的な対策を進めており、先月には、都民の皆様のご意見に対します対応方策を取りまとめたところでございます。
こうした国の対応は、一定の評価ができるものではございますが、都民の皆様や関係自治体の理解がさらに深まるように、なお一層の取り組みを求めてまいります。
大会における平和の取り組みについてのご質問でございます。
オリンピック憲章では、平和な社会の推進がうたわれておりまして、都といたしましては、大会を成功させ、民族や国境を越えた平和の祭典として次世代に引き継ぐことが重要だと認識をいたしております。
そのため、東京二〇二〇年大会をしっかり成功に導くことが、東京から世界に対して発信する最大の平和のメッセージになると考えております。
新たな長期計画については、高齢者も若者も、男性も女性も、障害のある方もない方も、誰もがあすへの夢を持って生き生きと輝く、そして持続可能な社会をつくっていく、その取り組みこそが私の政治の基本でございます。
こうした考えに立ちまして、現在、二〇二〇年に向けました実行プランにおいて、誰もが安心して暮らし、活躍できるダイバーシティーの実現に向けたさまざまな取り組みを積極的に展開いたしております。よろしいですか。──はい。
新たな長期計画におきましても、東京の発展を支える人に焦点を当てた政策を練り上げてまいります。
賃金や個人消費と経済の成長についてのお尋ねがございました。
賃金の上昇が個人消費を活性化させ、経済全体の成長につながることは、いうまでもなく、望ましいことでございます。
都はこれまで、企業における生産性向上や働き方改革の取り組みなどを支援してまいりました。
今後さらに、稼ぐ力を高めて、東京の発展の原動力であります人の力を最大限に引き出す取り組みを強化することで、日本経済の牽引役となってまいります。
消費税につきましては、国会において議論されるべきテーマと考えております。
都といたしましては、引き続き都民生活への影響を注視してまいります。
国民健康保険の保険料及び制度の二点についてでございます。
国民健康保険は、相互扶助の考えに立った社会保険制度でありまして、その財源は、保険料が二分の一、公費が二分の一を基本としております。
その保険料、保険税の賦課方式や料率は、都民のさまざまな暮らし向きを踏まえながら、各区市町村がみずから定めるものでありまして、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されているものと認識をいたしております。
また、制度の安定化に向けましては、制度設計者である国が、制度の運営状況を検証し、財源の確保など必要な措置を講じるべきでありまして、都は今後とも、国に対しまして、持続可能な制度となるように要望してまいります。
なお、国連が採択いたしました持続可能な開発目標、いわゆるSDGsでございますが、誰ひとり取り残さない社会の実現に向けまして、お話の貧困に終止符を打つことのみならず、保健、教育、経済など、さまざまな分野におけます課題解決に向けた目標だと認識をいたしております。
高齢者の交通事故対策についてのお尋ねがございました。
高齢運転者によります交通事故は、今や大きな社会問題となっております。痛ましい事故から都民を守るためには、高齢者の安全運転への支援、運転免許の自主返納の促進、自主返納後の移動支援の確保を図っていくことは重要でございます。
新たに設置いたしました緊急プロジェクトチームでは、こうした観点から、実効性のある対策を包括的に検討してまいります。
シルバーパスにつきましては、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることを目的といたしております。
現在、多くの高齢者がシルバーパスの発行を受けて、社会参加と生きがいの活動に活用されている、このように認識をいたしております。
待機児童及び保育サービスの拡充についてでございますが、保育サービスは、保育の実施主体であります区市町村が多様な保育資源を活用して整備するものであります。
お話の二万人につきましては、認証保育所を初め、自治体独自の保育サービスの利用者も含まれておりますが、国の通知に基づきます調査では、本年四月の都内の待機児童数は、昨年から一千七百名減少いたしまして、約三千七百人となる見込みでございます。
今後とも、待機児童の解消に向けまして、保育所の整備促進、人材確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱といたしまして、多様な保育サービスの拡充に取り組んでいく区市町村の支援をしてまいります。
ひきこもりについてのご質問でございます。
内閣府が本年三月に、ひきこもりの実態調査の結果を公表いたしましたが、ひきこもりは、さまざまな要因が背景となっておりまして、ひきこもり状態が長期化して、四十代、五十代となった方もふえております。また、こうした方々が抱える悩みも、個々の年齢、心身、生活状況等に応じまして、所得、就労のみならず、医療、介護など多岐にわたっております。
このため、都といたしまして、さまざまな相談を受け付ける、ひきこもりサポートネットの訪問相談の対象を三十五歳以上に拡大するとともに、福祉や家計等の相談にも対応できる相談員を配置いたしました。
今後とも、さまざまな窓口でひきこもりの相談に対応している区市町村や関係機関との連携を図りまして、ひきこもりでお悩みの当事者、家族への支援を行ってまいります。
教員の長時間労働の実態につきましては、いわゆる過労死ライン相当にあるケースはもとより、教員の長時間労働の改善は、教員自身の心身の健康と教育の質に直結する喫緊の課題でございます。
未来をつくる子供たちの健やかな成長のためには、教員が健康で生き生きと働くことが何よりも大切でございます。
そのため、都といたしまして、働き方改革推進プラン等に基づきまして、部活動の指導員やスクールサポートスタッフなど、多様な外部人材を活用して、教員の負担軽減に努めてまいりました。
また、来月には、一般財団法人東京学校支援機構を設立いたしまして、教員のOBや地域の方々などの力を生かした学校への支援を一層充実させてまいります。
これらの取り組みを通じまして、教員の働き方改革を引き続き推進してまいります。
温室効果ガス削減に向けた取り組みについてでございます。
U20メイヤーズ・サミットでは、パリ協定の目標の確実な達成を目指しておりまして、あらゆるレベルでの政府間協力が不可欠であることから、G20に対しまして、各都市との連携を呼びかけるコミュニケを採択いたしました。
世界人口の半数以上が都市に居住する時代におきまして、気候変動という地球規模の課題の解決には、都市が力を合わせて行動することが重要でございます。
都はこれまで、大規模事業者に対しますキャップ・アンド・トレード制度など、国や世界の都市を牽引する先駆的な対策を推進してまいりました。
こうした取り組みとともに、都民、事業者等の多大な協力によりまして、エネルギー消費量は大幅に減少に転じておりまして、都内の温室効果ガスも既に減少傾向にございます。
今後とも、二〇三〇年の温室効果ガス削減目標の達成と、その先の脱炭素社会を見据えまして、世界の大都市として、温室効果ガス削減を率先的に進めてまいります。
外環の工事についてのご質問でございます。
国と高速道路会社が整備を進めております外環は、経済の血液ともいうべき人と物の流れをスムーズにして、国際競争力の強化を図るとともに、首都直下地震など災害時の避難、救急活動のルートを確保するなど、極めて重要な道路でございます。
国など事業者からは、住民から振動に関する問い合わせがあって、これを受けて振動調査を実施した上で、トンネル工事との関係について確認を行っているところでございますが、安全や周辺の生活環境が損なわれるような事態は発生していないと伺っております。
都といたしましては、引き続き安全を最優先に工事を進めまして、外環の一日も早い開通を国に求めるとともに、国から受託している用地の取得を推進するなど、積極的に支援をしてまいります。
その他のご質問につきましては、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔警視総監三浦正充君登壇〕
○警視総監(三浦正充君) 保健師等の配置による各種相談窓口の充実についてでありますが、警視庁では、平成二十九年四月から運転免許本部に保健師二名を配置し、医療系の専門知識を生かして相談対応を行っております。
この医療系専門職員の配置運用は、相談者に対して、加齢に伴う身体機能の変化等を踏まえた適切な説明ができるなど、高齢者の交通事故防止に効果があると認められ、現に運転免許の自主返納に対する理解を得られた事例もあることから、高齢運転者やその家族等にとっても有意義であると考えております。
警視庁といたしましては、引き続き、看護師資格や保健師資格を有する医療系専門職員を配置運用するとともに、医療機関等とのさらなる連携により、運転の適性に関する相談業務の充実に努めてまいります。
〔教育長中井敬三君登壇〕
○教育長(中井敬三君) 教員の働き方改革に関する三点のご質問にお答えいたします。
まず、教員の長時間労働の要因についてでございますが、教員は、授業や授業準備はもとより、校務分掌や部活動指導など、広範な業務に従事していることに加え、学校を取り巻く環境の複雑化、多様化に伴い、さまざまな教育課題への対応が学校現場に求められており、これらが複合して教員の多忙化の要因となっていると考えられます。
教員の長時間労働を改善するためには、こうした教員の業務実態を適切に把握し、役割分担の見直しや業務改善、ICT化の推進など、多面的な観点から学校の働き方改革を推進することが重要であると認識しております。
次に、新たな方針を踏まえた対応についてでございますが、都教育委員会はこれまでも、教員の長時間労働の改善に向け、意識改革の推進や部活動指導員の配置、学校閉庁日の設定など、多様な取り組みを進めてまいりました。
今年度からは、中核的な業務を担う教員の授業受け持ち時数の軽減拡大や、副校長の業務を補佐する人材を配置するモデル事業を実施するとともに、今般の方針策定とあわせ、効果的な業務改善の取り組みを一覧にして各学校に提示し、現場での実践を後押ししております。
また、新たに設立する一般財団法人東京学校支援機構が多角的に学校を支援できるよう、着実に準備を進めてまいります。これらの取り組みを通して、都全体として学校の働き方改革が加速するよう取り組んでまいります。
最後に、働き方改革のため教員をふやすことについてでございますが、教員の働き方改革を進めるに当たっては、国、都、区市町村及び学校が連携し、多様な施策を重層的に展開していくことが重要であります。
都教育委員会では、長時間労働の改善に向けて、小学校英語の教科化に対応する教員を増員するとともに、非常勤の講師や外部人材の活用を図るなど、区市町村や学校への支援に取り組んでおります。
教員の定数については、いわゆる標準法に基づく都の配置基準により適切に配置しており、引き続き国に充実を求めてまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕
○東京都技監(佐藤伸朗君) 十点のご質問にお答えいたします。
まず、パブリックコメントの意見についてでございますが、一昨年六月の基本方針で示したのは、築地と豊洲の両方を生かすという大きな方向性であり、この方向性に沿って築地の再開発に向けた検討を行うこととしております。
その第一歩となる有識者会議による提言を踏まえ、まちづくり方針の素案を取りまとめ、それに対し、パブリックコメントでいただいた意見も踏まえ、記載を充実させた上で、まちづくり方針を策定いたしました。
なお、一昨年六月の基本方針における大きな方向性については変わっておりません。
次に、パブリックコメントへの対応についてでございますが、パブリックコメントは、まちづくり方針の素案に対して、広く都民の意見を頂戴するため行ったものでございます。いただいたご意見の中には、築地市場を再整備してほしいとの意見も含め、さまざまなご意見もございました。それに対しては、都の考え方をパブリックコメントの意見に対する考え方として、あわせて公表しております。
なお、築地に都として卸売市場を整備しないことについて、まちづくり方針にも明記しております。
次に、築地の導入機能についての要望についてでございますが、築地まちづくり方針では、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することを目標として、周辺の資源等とも連携した取り組みも重視することとしております。
この方針は、外部の有識者により取りまとめられた築地まちづくりの大きな視点を踏まえて策定したものでございまして、その大きな視点においては、導入機能について、経済合理性を意識しながら、東京に不足しているものを補うなど、東京の国際競争力の向上に資することなどの視点を重視すべきと提言されております。
具体的な計画内容等については、今後、都が事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、これに基づき民間事業者から提案を受け、具体化してまいります。
次に、選手村の整備についてでございますが、選手村は、立候補ファイルを踏まえ、民間事業者の資金やノウハウを活用して整備し、大会終了後に住宅を改装して、分譲または賃貸することとしております。こうした方針に基づき、現在、市街地再開発事業により、特定建築者制度を活用した整備を進めております。
そこでは、海に開かれ、都心に近接した晴海の立地特性を生かし、人々が交流し、都市生活を楽しむことができる成熟したまちを目指しておりまして、単身者や子育てファミリーに加え、シェアハウスや高齢者向け住宅など、多様なニーズに対応した幅広い住戸バリエーションを提供し、快適な居住空間を提供してまいります。こうした取り組みは、SDGsの達成にもつながるものと考えております。
次に、特定建築者との敷地譲渡契約についてでございますが、特定建築者を公募した際に事業者から提出された資金計画に比べ、著しく収益増となることが明らかとなった場合には、敷地譲渡金額の変更について協議する条項を定めております。具体的には、全ての住戸の引き渡しが完了し、収益が確定した時点で、資金計画に示された分譲予定収入の一%を超える増収があった場合に協議していくこととされております。
また、公募時に提出された資金計画に係る情報の開示については、東京都情報公開条例に基づき、適正に行ってまいります。
次に、横田基地共用化に関する地元自治体や騒音公害原告団の声についてでございますが、横田基地の共用化は、首都圏西部地域の航空利便性の向上、多摩地域の活性化などに資するものでございます。
共用化については、騒音の懸念も含め、地元からさまざまな意見があることは認識しております。都といたしましては、地元の声も聞きながら、引き続き国と連携し、共用化の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、大会期間中の軍民共用化の協議についてでございますが、東京二〇二〇大会開催時には、東京や周辺地域への多くの来訪者が見込まれるため、都は、ビジネス航空の受け入れを含めた横田基地の民間航空の利用について、国に対して提案要求してまいりました。都としては、国と連携し、大会開催時の共用化の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、公共交通の充実等に関する取り組みについてでございますが、東京が、誰もが生き生きと生活できる都市となり、持続可能な成長を実現していくためには、公共交通等のさらなる充実を図ることが重要でございます。
東京の強みである鉄道網のさらなる充実については、国の答申で、事業化に向けて検討を進めるべきとされた六路線を中心に、関係者とも協議、調整を加速しております。
バスを初め、地域の公共交通については、地域のニーズにきめ細かく対応するため、区市町村が主体となった取り組みに対し、技術的な支援を行っております。バリアフリー化については、駅のエレベーター設置やノンステップバスの導入等に対し、国と連携し、事業者を支援しております。
引き続き、関係者と連携し、公共交通の充実や、誰もが移動しやすいまちづくり等に取り組んでまいります。
次に、交通不便地域に対する移動支援についてでございますが、地域の公共交通については、地域ごとのニーズに対してきめ細かく応える必要があることから、区市町村が公共交通事業者等の関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要でございます。
現在、都内では、八つの区市町村が地元自治体や公共交通事業者、道路管理者、交通管理者等で構成される地域公共交通活性化協議会などを設置しておりまして、その中で、地域の交通不便の実情や高齢者の生活実態を踏まえた課題等について、連携して取り組んでおります。
都は、こうした協議会に参加するなど、地域の取り組みに対して、広域的、専門的な立場から、必要な助言や情報提供を行っており、引き続き、技術的な支援を行ってまいります。
最後に、都市計画道路の見直しについてでございますが、これまで都は、都市計画道路の整備を計画的、効率的に進めるため、事業化計画を策定し、あわせて見直しを適宜行ってきてまいりました。現行の計画でも、廃止や縮小など、計画を見直すべき路線や計画内容を再検討する路線を示し、順次手続を進めております。
加えて、現在必要性が確認された路線のうち、優先的に整備をすべき路線を除く未着手の都市計画道路を対象に、概成道路における拡幅整備の有効性や立体交差計画の必要性など、新たな検証項目を設け、区市町とともに都市計画道路のあり方について検証を進めております。
今後とも、都市計画道路の不断の検証を行う一方で、必要な都市計画道路は、地元の理解と協力を得ながら、着実に整備を進めてまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕
○中央卸売市場長(村松明典君) 豊洲市場のターレ事故の再発防止についてですが、今回の事故は、エレベーターの扉が閉まりかけた中で発生したものでございまして、エレベーター前での確実な一時停止が再発防止につながるものと考えております。
このため、事故の翌日に、都と豊洲市場協会で合同の会議を臨時に開催いたしまして、再発防止に向けた取り組みを検討し、確認いたしました。
具体的には、実際にターレを運転する従業員に走行ルールが遵守されるよう、経営者も含めた安全運転講習会を業界主催で実施するとともに、都といたしましても、一時停止が徹底されるよう、サイン表示の充実や減速帯の設置など、安全な施設環境の整備を進めているところでございます。
今後とも、業界と連携し、場内の走行ルールの遵守を徹底することで、豊洲市場の事故防止に努めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕
○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、国際建設林業労働組合連盟、BWIの報告書への対応についてでありますが、同報告書は、新国立競技場や選手村の建設現場に従事する労働者等への聞き取り調査によるものとしております。都として、労働安全衛生等の問題の有無を判断するためには、事実を確認するための具体的な情報が必要であります。
このため、報告書を入手後、直ちに組織委員会や日本スポーツ振興センターと連携し、各建設現場の工事請負者等への聞き取りを行い、現在は、事実確認に必要な詳細情報の提供をBWIに求めているところであります。
次に、大会施設の建設現場における労働環境についてでありますが、これまで都は、所管する大会施設の建設現場において、法令遵守はもとより、良好な労働環境の維持と安全管理の徹底を指示するとともに、適切な工期のもと、着実に工事を進めております。
BWIの報告書につきましては、組織委員会や日本スポーツ振興センターと連携し、各建設現場の工事請負者等への聞き取りを開始するとともに、記載内容の確認に必要な詳細情報の提供をBWIに求めているところであります。
最後に、通報受付窓口の周知等についてでありますが、都は競技会場の整備事業者等に対し、組織委員会が策定した、持続可能性に配慮した調達コードの遵守に向けた取り組みを求めており、その実効性を担保するための通報受付窓口を設置しております。
この通報受付窓口については、ホームページで通報手続の詳細を掲載するとともに、窓口の存在や通報者の保護について、整備事業者等には文書により周知をしております。
なお、通報手続の英文の対応は既に実施しており、労働組合については、現時点でも通報者となることは可能でございます。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕
○生活文化局長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、東京空襲関連資料の公開についてでございますが、都では、毎年三月十日の東京都平和の日に合わせ、二月から三月にかけて東京空襲資料展を開催しており、昨年度は都内四会場において、都が収集した資料や写真パネル等の展示、体験者証言映像の上映を行いました。
また、区市町村が主催する平和関連の資料展への資料や写真パネル等の貸し出しを行っており、区市町村との連絡会議などでも活用を呼びかけております。昨年度は十一区八市一町で実施した二十八会場の資料展へ貸し出しを行いました。
今後もこれらの取り組みを通じ、次世代に戦争体験や平和の大切さを伝えてまいります。
次に、私立高校に通う生徒の保護者負担軽減についてでございますが、都は、子供たちが希望する教育を受けられるよう、私立高校に対する経常費補助を通じて授業料等の抑制に努めるとともに、平成二十九年度に特別奨学金を大幅に拡充したところでございます。
さらに、授業料以外にも奨学給付金の支給や育英資金、入学支度金の貸し付けなどにより、保護者の教育費負担を軽減しております。今後も幅広い施策を活用して、子供たちの学びたいという気持ちに応えてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕
○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
初めに、最低賃金の引き上げについてでございますが、最低賃金は、労働者の生活の安定や経済の健全な発展に寄与することを目的として定められるものであり、その額は、法に基づき、労働者、使用者、公益の三者の代表が審議し、地域の労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮して国が決めております。都としては、この制度が適切に運用されるべきものと考えております。
次に、最低賃金の引き上げに向けた中小企業への支援についてでございますが、最低賃金は、地域の労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮して国が決めることとなっておりまして、都といたしましては、この制度や最低賃金の引き上げを図るための施策については、国において適切に運用されるべきものと考えております。
なお、都は、これまでも中小企業の生産性の向上等を図るため、働き方改革にもつながるさまざまな支援を行っておりまして、今後とも必要な対策を適切に実施してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕
○福祉保健局長(内藤淳君) 八点のご質問にお答えいたします。
まず、高齢者への経済的支援についてでありますが、年金を初め、高齢者の所得保障は基本的に国の責務であると考えております。都といたしましては、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、高齢者保健福祉計画に基づき、介護サービス基盤の整備や介護人材対策、認知症対策など、さまざまな施策を総合的に展開しているところでございます。
次に、シルバーパス制度についてでありますが、現在のシルバーパス制度には、多くの都民からさまざまな意見やご要望が寄せられております。また、高齢化の進展に伴い、利用者は一層増加することが見込まれているところでございます。
都は、広く都民の意見を把握するため、昨年十二月から、シルバーパスの利用者を対象とした利用者実態調査及び二十歳以上の都民を対象とした制度のあり方調査を実施し、現在、集計結果の分析を進めております。
今後、調査の分析結果も踏まえ、制度を持続可能なものとするため、さまざまな観点から検討してまいります。
次に、コミュニティバスの役割と運営についてでありますが、コミュニティバスを含め、既存の路線バスや鉄道では補えない交通需要に対応する地域の公共交通につきましては、地域ごとのニーズを踏まえ、区市町村が公共交通事業者などの関係者と連携し、主体的に取り組むことが重要であります。
コミュニティバスは、地域の高齢者、障害者等の社会参加を促進するための有効な交通手段の一助にもなっているものと認識してございます。このため、都は現在、区市町村が、交通空白地域を走行すること、交通需要が見込まれること、事業の持続可能性、財政負担などの将来的な見通し等を踏まえて事業化することを条件に、コミュニティバス導入時の調査検討経費や車両購入費、運行開始後三年間の運行経費の一部につきまして、包括補助で支援しているところでございます。
次に、保育所等の園外活動についてでありますが、都は、保育士の配置につきまして、児童の年齢に応じた配置基準を定めるとともに、障害児への対応など、施設の保育実態に応じた増配置に対する給付や保育補助者の雇い上げに係る補助を行っております。また、保育所を整備する際には、園庭も含め、都独自に定期借地権の一時金や土地賃借料などを補助しております。
保育所等の園外活動の際の安全対策につきましては、指導検査基準等に基づき指導しているところです。
今後、園外活動での安全確認の徹底を図るため、指導検査等により、移動経路の再点検を促すとともに、保育事業者向けの講習会で交通安全対策等に関する講義を実施してまいります。
次に、多子世帯への保育料負担軽減についてでありますが、保育料の補助については、各自治体の判断で対応するものと認識しております。都といたしましては、公立保育所につきましては、運営費が区市町村へ税源移譲されており、区市町村がみずからの責任に基づいて設置、運営していることから、多子世帯への保育料負担軽減につきましても、みずからの財源で対応するものと考えております。
次に、児童相談所の体制強化についてでありますが、都は、深刻化する児童虐待に的確に対応するため、今年度、児童福祉司、児童心理司、一時保護所職員等を合計六十五名増員するとともに、虐待ケースへの法的対応力を強化するため、非常勤弁護士の勤務日数を拡大いたしました。
特別区では、来年度に三区が児童相談所の設置を計画しており、都は区の求めに応じ、派遣研修職員を受け入れるほか、虐待相談等に関する勉強会を開催するなど、人材育成を支援しているところでございます。
また、先月立ち上げた区市町村との合同検討会では、情報共有を初めとした効果的な連携方策等を検討するほか、三区の状況も全体で共有することとしており、都と区市町村で緊密に連携し、国の動きも注視しながら、東京全体の児童相談体制の強化に取り組んでまいります。
次に、児童相談所の児童福祉司についてでありますが、都は、平成二十八年度に十八名、二十九年度に二十三名、三十年度に三十六名、今年度はさらに二十九名の児童福祉司を増員し、この間、合計百六名増員してまいりました。今後も、国の配置基準等を踏まえ、必要な児童福祉司の増員を図ってまいります。
最後に、ひきこもりの方への支援についてでありますが、ひきこもり状態にある当事者やその家族の悩みは多岐にわたっており、都は、ひきこもりでお悩みの当事者、家族の現状を把握するため、家族会等、関係団体との意見交換を行っているところでございます。
また、庁内の関係部局で構成する推進会議におきまして、高齢部門も加え、当事者や家族の悩み等を共有するなど、一層の連携を図ってまいります。
〔都民安全推進本部長大澤裕之君登壇〕
○都民安全推進本部長(大澤裕之君) 交通不便地域における高齢者の移動支援についてでありますが、今年度は、先端技術を活用し、高齢者の移動支援ともなる自動運転バスの実証実験を交通不便地域において行うほか、電動車椅子等を活用した実証実験を行う予定であり、新たに設置した緊急プロジェクトチームにおいても、高齢者の移動支援に向けて実効性のある対策を検討してまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕
○環境局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、再エネや建築物に対する取り組みについてでございますが、都は二〇二〇年からキャップ・アンド・トレード制度におきまして、再エネ電力の利用に対して新たなインセンティブを付与することとしております。また、建築物環境計画書制度において、ゼロエネルギービルディングの評価を新設するなどの見直しを図ったところでございます。こうした取り組みにより、再エネ電力の拡大を図り、建築物における脱炭素化を進めてまいります。
次に、都有施設における再生可能エネルギーの利用拡大についてでございますが、都は現在、再エネ設備の導入や電気のグリーン購入を推進しており、今年度は都庁舎版RE一〇〇にも着手いたしました。また、先般、ゼロエミッション都庁推進会議を開催し、全局に率先行動を呼びかけたところであり、今後とも再エネの利用拡大を着実に進めてまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕
○建設局長(三浦隆君) 三点のご質問にお答えをいたします。
初めに、外環の振動調査についてでございますが、国など事業者からは、住民から振動に関する問い合わせがあり、これを受けて振動調査を実施するなど、対応をしていると聞いております。
工事の施工状況等のモニタリングや情報提供などにつきましては、国など事業者が主体的に判断すべきものと考えております。
都は、事業の実施に当たりましては、安全を最優先に工事を進めることを国に求めているところでありまして、引き続き、工事箇所周辺への影響のモニタリングを含め、安全・安心確保に向けた取り組みを国に求めてまいります。
次に、外環の地表面高さの公表についてでございますが、国など事業者からは、シールド掘進に伴います周辺における地表面への影響を把握するため、シールドマシンが通過する前後におきまして地表面高さを計測しており、そのモニタリング結果につきましては、学識経験者等で構成するトンネル施工等検討委員会に報告いたしまして、安全に工事が行われることについて公表していくと聞いております。
なお、東名ジャンクションからの本線シールドは、現在、事業地外を掘進中でございますが、地表面に異常はないと聞いております。
都といたしましては、地表面高さなど、工事箇所周辺への影響につきまして住民にお知らせすることは重要であると認識をしており、適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、引き続き国に求めてまいります。
最後に、補助第五二号線についてでございますが、本路線は渋谷区神泉町から世田谷区成城六丁目に至る延長約九キロメートルの都市計画道路でございまして、自動車交通の円滑化や生活道路への通過交通の流入抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線でございます。このうち、補助第一二八号線から環状第八号線までの延長約二・三キロメートルの区間を第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。
事業化に向けましては、地域の皆様から寄せられたご意見や、今後開催いたします地元説明会でのご意見も踏まえまして、丁寧に対応してまいります。
【再質問と答弁】
○八十二番(里吉ゆみ君) まず、築地まちづくり方針素案のパブリックコメントへの知事答弁について再質問します。
私は、寄せられた二百二件の意見の全てに目を通しましたかと聞きました。知事の答弁は、資料とともに局から詳しく報告を受けているというものです。要するに、局から報告を受けただけで、みずから二百二件の意見全てに目を通すことはしていないということです。
知事は、築地まちづくり方針について、広く都民の皆様のご意見を伺った上でとか、都民の皆様からのご意見を踏まえて策定すると発言してきました。にもかかわらず、みずからの公約にかかわる重大な方針決定の際に、なぜ都民の意見にきちんと目を通すことをしなかったのですか。きちんと答弁してください。知事の明快な答弁を求めます。
次に、公営住宅の整備に関する知事答弁について再質問します。
知事は所信表明で、世界主要都市サミットの提言書について、世界の主要都市と精力的に議論を交わし、最終日には都市の力強いメッセージをまとめたコミュニケを採択したと述べました。そのコミュニケには、公営住宅を整備するための財源を増加させると明記されています。
知事に、この課題をどう実現するのか質問しましたが、知事は、コミュニケは各都市の意見を集約したものだといって、実現を目指す姿勢そのものを示しませんでした。無責任ではありませんか。
公営住宅を整備するための財源を増加させる、コミュニケに書いてあるわけですから、他の都市から出た意見をまとめたもので、自分は実現の努力はしないということでは許されません。知事、公営住宅、都営住宅を整備するための財源の増加をさせるためにどう取り組むのか、具体的にお答えください。
再質問は、以上、パブリックコメントと公営住宅整備の二問です。知事の明快な答弁を求めます。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 再質問にお答えいたします。
私からは、パブリックコメントに関してのご質問にお答えさせていただきます。
築地まちづくり方針の素案は、おっしゃるとおり、二百二件頂戴をいたしました。ご意見につきましては、資料とともに局から詳しく報告を受け、私自身も目を通しております。その上で、まちづくり方針におきましては、これまでの有識者からの提言、つまり、築地まちづくりの大きな視点、そして、それを踏まえて都として検討してきた築地のまちづくりの方向性につきまして、パブコメでいただいた意見も参考に記載を充実したものでございます。
残余のご質問は、担当局長からお答えさせていただきます。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕
○住宅政策本部長(榎本雅人君) 都営住宅に関する再質問でございますが、先ほど知事からご答弁を申し上げましたとおり、お話のU20東京メイヤーズ・サミットのコミュニケは、G20の議論に、都市の経験や意見を反映させるための提言であり、各都市の意見を集約したものでございます。都におきましては、都営住宅につきましては、これまでも適切な供給や適正な管理に努めてまいりました。
都営住宅の供給につきましては、今後とも、既存ストックの有効活用を図り、住宅セーフティーネットの中核として役割を果たせるように取り組んでまいります。