文教委員会 子どもたち、高校生、若者の芸術文化活動への支援を 星見てい子都議(目黒区選出)
2018年11月28日都議会文教委員会での星見てい子都議の質問です(速記録より)。
文化芸術団体からの請願についての質疑(生活文化局所管分)のなかで、子どもたち、高校生、若者の芸術文化活動への支援を求めました。
○星見委員 都立高校における演劇鑑賞教室の実施等に関する請願について質問させていただきます。
請願者の公益社団法人日本劇団協議会は、文部科学省と文化庁が小中学校などに実演芸術の巡回公演やワークショップ等を実施している文化芸術による子供の育成事業に選定されている芸術団体が参加しています。
請願内容は、ここの部分は各市区町村による青少年対象の文化芸術活動の充実に向け、一層の支援を求めるものです。
先ほど都からご説明がありました、子供のための伝統文化・芸能体験事業は、二〇一五年度から実施されています。対象は、都内の小中高、特別支援学校となっていますが、この中で青少年ということで、高等学校ではどのような取り組みになっているのかを伺います。
○樋渡文化振興部長 子供のための伝統文化・芸能体験事業は、次世代を担う子供たちが若手の実演家等の指導のもと、日本の伝統文化、芸能の価値に対する正しい理解を深める体験鑑賞プログラムであり、学校教育と連携した取り組みとして実施しております。
能楽や日本舞踊、三味線、琴、雅楽、落語、紙切り、茶道など幅広いジャンルを用意し、毎年度、都内の小中高、特別支援学校、インターナショナルスクールを対象に募集しているところでございます。
今年度は、三校の高等学校でそれぞれ落語、紙切り、三味線の体験事業を実施したところでございます。
○星見委員 事業としての中心は、小中学校を主に対象にした地域事業が主だと聞いています。今回質問しましたところ、高校対象でも事業が生かされているのがわかりました。
都の市区町村との連携事業は、内容としては日本の伝統文化、芸術に限られていますけれども、文科省、文化庁が行っています文化芸術による子供の育成事業は、伝統文化、伝統芸能のほかにも、児童劇や演劇、オーケストラなど、さまざまな芸術文化が、文科省が選定した文化芸術団体から選んで、本公演やワークショップが行えるようになっています。
二〇一五年度から始まりました子供たちのための伝統文化・芸術体験事業、これ自身もぜひ多様な文化芸術に活用できる制度としてさらに拡充するなどして、都自身が市区町村、あるいは地域の中での充実した青少年対策を進めるよう要望いたします。
それから、次に、学校外でも高等学校、大学生への文化芸術活動への支援が行われている例として、先ほど、東京芸術劇場の公演での高校生割引や都立文化施設、東京都交響楽団における割引や無料公開がご報告されました。
東京都が事業として、こうした内容に対してどのような財政支援をされているのか、その内容をお聞きいたします。
○樋渡文化振興部長 今お話ございましたけれども、都立文化施設や東京都交響楽団では、若者を初め多くの都民が芸術文化に触れる機会を拡大するため、各種割引制度や無料公開などのサービスを提供しております。
具体的には、都立美術館、博物館の常設展示観覧料につきまして、小中学生や高校生に対する免除、もしくは減額の制度を設けております。
それから、東京都交響楽団におきましても、二十五歳以下の方は都響の主催公演を半額で鑑賞できる割引制度を設定しております。さらに、都立文化施設におけます教育普及事業や、東京都交響楽団による観客参加型、体験型の無料オーケストラ公演等も行っております。
こうした取り組みを踏まえまして、都立文化施設につきましては指定管理料を、それから東京都交響楽団は運営費補助を支出しているところでございます。
○星見委員 今お答えがあっただけでも、高校生、大学生など青少年が利用できるものが多々あることはわかりました。
今回、私も高校生、大学生、若い人たちが直接自分たちで探して見ることができるんだろうかというんでやってみたんですけれども、都内にはこのほかにも、新国立劇場の学生当日五〇%オフなど、官民のさまざまな文化施設で青少年向けの支援の取り組みがありましたが、こうした情報を一堂に集めたものというのは見つかりませんでした。
せっかく東京都も含め、いろいろな取り組みがあるんですけれども、青少年、高校生、大学生、若い皆さんが本当にこういう文化芸術に触れる機会をわかりやすく提供できるという意味では、都としてもこうした情報を一堂に集めたものを、ぜひ用意していただけるといいということで、情報サイトを作成することを要望いたします。
それから、財政支援の問題についてです。
今回ご説明がありました東京芸術劇場の高校生千円割引チケット、これは利用者からとても好評だと聞いています。しかし、これは都の各種文化芸術施設の指定管理をやられている財団が利用料金制などを利用して、自主的に行っている事業になっています。
担当者の方にもお伺いしましたけれども、やはり決められた枠、それから使える額の中での割引料にしかならないと。それから、事業によってはこれを出すわけにはいかないという芸術劇場のコンサートなどもありますというお話でした。
これは例ですけれども、都のさまざまな各種文化芸術施設の指定管理などが、みずからの行える枠の中で青少年への支援をやっていることは貴重ですし、これはこれでぜひ伸ばしていきながらも、その中で都として、青少年の芸術環境の充実に大きく寄与できるというものについては、都の委託事業として独自の財政支援で拡大することも要望しておきます。
以上、市区町村への支援事業と青少年への直接の支援の拡充を求めて、本請願を採択することを主張して、質問を終わります。