2018年第4回定例会に提出した文書質問
2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 池川友一
質問事項
一 障害者への差別解消と理解促進について
一 障害者への差別解消と理解促進について
東京都のパラスポーツを応援する人を増やすプロジェクト「TEAM BEYOND」の一環として行われた「BEYOND FES 丸の内」で掲示されたポスターの中に、「障がいは言い訳にすぎない。負けたら、自分が弱いだけ。」という言葉があったことに、多くの批判の声が寄せられました。
東京都は、「頂戴したお声を重く受け止め、東京駅構内の当該ポスターを撤去し、「TEAM BEYOND」ウェブサイト内の当該ポスター画像を削除いたしました」と発表しましたが、今後にどういかしていくのかが重要です。
Q1 こうした事態が発生した原因をどのように考えていますか。決定過程についても明らかにしてください。
Q2 また、こうした事態をくり返さないためにどのような対策を行うのでしょうか。
「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」の前文には、「今なお、障害及び障害者への誤解や偏見その他理解の不足により、障害者は、日常生活や社会生活の様々な場面において、障害を理由とする不当な差別的取扱いを受け、自立や社会参加が妨げられている」「これら障害者が日常生活や社会生活で受ける差別や制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁によって作り出されているのであって、障壁を取り除くことは社会全体の責任である」と書かれており、障害者の理解促進と差別解消のためには社会的障壁を取り除くことが必要だとしています。
そして、「障害者の権利に関する条約、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律等の理念の下、東京に暮らし、東京を訪れる全ての人が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、この条例を制定する」と謳っています。
Q3 「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」について理解を深めるべきだが、都庁内においてどのような取り組みをしていくのか伺います。
池川友一議員の文書質問に対する答弁書
一 障害者への差別解消と理解促進について
A1 「BEYOND FES 丸の内」では、障害者スポーツの選手や競技を覚えていただき、競技会場での観戦・応援を促進するため、23競技の選手について、競技中の写真とともに競技に向き合う強い気持ちを添えたポスターを、競技団体や選手の御協力の下で制作し、山手線内・東京駅構内等に掲示しました。
御質問の言葉は、選手自身が競技に向き合う姿勢を表したものであり、決して他の方に向けられたものではありませんが、都のデザイン及び掲示方法が不適切であったため、不快な思いをされる方が生じる事態となりました。
頂戴した声を重く受け止め、東京駅構内の当該ポスターを撤去し、「TEAM BEYOND」ウェブサイト内の当該ポスター画像を削除しました。あわせて、経緯、対応及び御不快な思いをされた方々に対するお詫(わ)びをウェブサイトに掲載しました。
A2 展示物等の趣旨・目的が適切に伝わるよう、より一層慎重な制作・掲示を心掛け、多くの方に障害者スポーツや選手の魅力をお伝えしていくよう努めていきます。
A3 「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」第3条では、障害を理由とする差別の解消は、障害及び障害者に対する誤解、偏見その他理解不足の解消が重要であり、障害、障害者及び障害の社会モデルに関する理解を深めることを基本として推進することと規定しています。
都は、これまで、理解すべき障害特性や配慮すべき事項をまとめたハンドブックを作成し、職員が障害のある人に適切に対応できるよう、都庁内への周知を図っており、平成30年10月の条例の施行に合わせて、このハンドブックを改訂し、あらためて都庁内に周知しました。
また、障害者差別解消に向け、法令等の正確な理解促進などのため、全職員を対象としてe−ラーニング研修を行うとともに、職員が知っておくべき情報をメールで提供するほか、講演会等も開催しており、今後ともこうした取組を通じて、都庁内への普及啓発を図っていきます。
以 上
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