2018年第4回定例会に提出した文書質問
2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原田あきら
質問事項
一 上野公園グランドデザインについて
二 シャンシャンの返還について
三 モノレールの改修・改築について
一 上野公園グランドデザインについて
上野公園グランドデザインについてお聞きします。
上野公園は2008年「上野公園グランドデザイン検討会報告書」に基づいて、『日本の顔となる「文化の森」の創造』と題して様々な改修改築、解体、軸道の整備などが進められてきました。しかし、その検討過程においては、必ずしも住民や利用者の幅広い意見が取り入れられたとは言えず、西洋美術館の景観を壊しかねない巨大ロータリーへの懸念、巨木を含む数百本にも及んだ樹木の伐採など問題を指摘する声も高まっています。
策定から10年目を迎えようとしているグランドデザインですが、当時示された工事等はおおよそ完了したとも言われています。そこでお聞きします。
Q1 上野公園グランドデザインは10年目を迎えますが、今後あらたな方針の策定は検討されているのですか。
そのような折、文化庁が主導する形で「世界に誇り得る日本の文化力を生かし、多彩な文化プログラムの展開を図ることによって、我が国が世界の文化交流のハブ(拠点)となる飛躍を目指す」と非常に大きな宣言とともに、上野『文化の杜』新構想推進会議が設置されました。「今後、上野地区において3000万人の集客を可能とするために必要なハード・ソフト両面にわたる整備方策について検討することを目的」とし、平成27年7月「上野『文化の杜』新構想 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会 日本の顔を世界に 」を発表しています。ここには東京都も参加をしていますが、その後の活動が見えてきません。そこでお聞きします。
Q2 「文化の杜」新構想にかかわって東京都は文化庁や推進会議、会議の実行委員会等とこの間どのようなやり取りをおこなってきたのですか。
二 シャンシャンの返還について
上野動物園、ジャイアントパンダのシャンシャンが日本中の人気者となっています。しかし、シャンシャンは中国野生動物保護協会と東京都とのジャイアントパンダ保護研究実施の協定書により、来年度で中国に返すこととなっています。種の保存、研究などシャンシャンが「帰国」する相当の理由があるのはわかります。しかし、現在東京都上野動物園にシャンシャンがいてくれることはその人気を通して、単にかわいらしいというだけでなく、世界には様々な動物がいること、生物多様性を守る上で国際的な自然保護活動がいかに大事なことかを学ぶ、重要な機会の提供となっています。親であるシンシン、リーリー、そしてシャンシャンの親子がそろって暮らす姿は、都民に安らぎを与えており、家族そろっての返還期限の延長を求めることはできないのか、都民の関心は非常に高まっています。そこでお聞きします。
Q1 中国野生動物保護協会との協定書に基づく協議において、現在、都としてはどのような姿勢、方針で臨むのですか。シャンシャンやシンシン、リーリーの返還については、以上の観点から返還期限の延期について協議をすべきと考えるがいかがですか、お答えください。
三 モノレールの改修・改築について
上野動物園にはモノレールがあります。これは全国初、世界2例目という国内最古のモノレールであり、片腕懸垂式という日本で唯一の型です。祝日や夏休みなどは30分待ちなど満員となり、乗客数はなんと年間100万人を超え、運行経費は運賃でほとんど回収できるほどの人気です。
しかしながら、このモノレールは2001年製で更新時期を迎えています。これまでは宝くじ事業から車両建設費の満額(2両4億円)ほどを受け取ってきましたが、事業仕分けによってこの資金の公共事業への分配がなくなっている状況です。車両とともに橋脚の耐震化など大掛かりな工事も必要性が増していると聞きます。そこでお聞きします。
Q1 上野動物園のモノレールの老朽化対策にかかわる検討が建設局内で行われているのか、現在の検討状況、および今後どのように検討を進めるのか、お答えください。
Q2 歴史的にも、アトラクションとしても上野動物園の欠かせない一部となっているといって過言ではないモノレールについては、国内唯一となる片腕懸垂式を維持し、存続すべきと考えますがいかがですか。
原田あきら議員の文書質問に対する答弁書
一 上野公園グランドデザインについて
A1 上野公園グランドデザインを踏まえ、平成21年9月に上野恩賜公園再生基本計画を策定しました。
この再生基本計画に基づき、現在、公園の再整備を進めているところです。
A2 平成25年12月に上野地区の活性化を目的に、文化施設や民間企業、行政機関で構成される上野「文化の杜」新構想推進会議が設置され、平成27年7月に上野「文化の杜」新構想が発表されました。
この構想の実現に向け、平成27年9月、博物館、美術館、音楽ホールや動物園等の関係機関により、上野「文化の杜」新構想実行委員会が設立されました。
都は、文化庁とともに実行委員会のオブザーバーとして、必要な助言、調整等を行っています。
また、実行委員会の下、上野公園周辺を舞台に、「文化の杜」として各機関・団体が相互に連携・協力して実施する、文化芸術発信力を高める活動等に対して、財政支援を行っています
二 シャンシャンの返還について
A シャンシャンの返還に関して都民から様々な意見が寄せられていることは十分に認識しています。
また、返還時期など協定に関する中国野生動物保護協会との協議については、適宜適切に対応していきます。
三 モノレールの改修・改築について
A1 これまで、上野動物園モノレールの安全運行のため、必要な対策に取り組んできました。
具体的には、平成12年度にモノレール橋脚の耐震補強工事を行い、平成22年度からは、桁の塗装工事を順次実施してきました。
一方、車両については、定期的に検査及び修繕を行ってきましたが、経年劣化が顕著に進んでいることから、平成31年10月末をもって運行休止とすることといたしました。
今後のモノレールの在り方については、都民等の御意見を伺いながら、検討していきます。
A2 上野動物園のモノレールについては、多くの方に御利用いただいている一方、国内唯一の片腕懸垂式のモノレールであり、車両メーカーの受注体制や、設備機器の更新など、様々な課題もあります。
今後のモノレールの在り方については、都民等の御意見を伺いながら、検討していきます。
以 上
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