本会議 大山とも子都議(新宿区選出)の代表質問
2017年9月26日の本会議で、大山とも子議員(新宿区選出)が代表質問を行いました。
★質問全文(質問原稿)です。
- 築地市場の移転問題について
- 高齢者福祉について
- 待機児童解消について
- 福祉人材について
- 国民健康保険について
- 教育について
- 社会資本整備について
- オリンピック・パラリンピックについて
- 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼文送付中止問題について
- オスプレイについて
- 知事の政治姿勢について
★答弁(議事録速報版より)
- 知事(小池百合子君)
- 教育長(中井敬三君)
- 東京都技監(邊見隆士君)
- 中央卸売市場長(村松明典君)
- 福祉保健局長(梶原洋君)
- 財務局長(武市敬君)
- 生活文化局長(塩見清仁君)
- 建設局長(西倉鉄也君)
- オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君)
★再質問と答弁(議事録速報版より)
日本共産党都議団を代表して質問します。
小池知事が言う「東京大改革」について、今回の所信表明を聞いても、いったい何を改革するのか見えてきません。そこで、小池都政による改革に反する施策をふくめ、一つひとつ質していきます。
Q1 まず、築地市場の移転問題です。
この問題に対する小池知事の基本姿勢には、多くの都民とマスコミから、きびしい批判の声があがっています。
知事は、豊洲新市場へ移転する前提条件として、土壌も地下水も環境基準以下にするという都民と市場業者への約束を反故にして、豊洲移転にひた走っています。
知事は、みずからの判断で豊洲移転推進の補正予算を提出し、39年ぶりの臨時会を招集したにもかかわらず、徹底審議を求めた会派に知事与党が譲歩しすぎたと苦言を述べたという報道もあります。そして、わが党が提案した予算特別委員会などでの知事と一問一答による審議は、実現しませんでした。
「早くも与党多数の議会にあぐらをかき始めたのだろうか。都政運営でこれだけ重要な案件を判断したにもかかわらず、説明責任を果たそうとしない姿勢は、都民を愚弄していると言われても仕方ない」という、これほどきびしい批判がマスコミからあがっていることを、知事はどう受け止めていますか。
Q2 臨時会閉会から9日後、豊洲新市場の地下水から、環境基準の120倍のベンゼンが検出されたと発表されました。検出されてはならない猛毒のシアン化合物、またヒ素も検出されています。調査した46カ所中38カ所で、環境基準を超える有害物質が検出されたのです。知事、食の安全・安心をゆるがす重大問題だと思いませんか。
Q3 驚いたことに知事は所信表明で、120倍のベンゼンが検出された事実にふれることなく、豊洲市場への早期移転にむけた取り組みを加速すると表明しました。
あわせて知事は、「正確な情報を発信する」「都民、市場業者の皆様の理解と安心を得るための努力を重ねていく」と述べました。それなら、知事はなぜ120倍のベンゼン検出の事実をきちんと説明しないのですか。
Q4 多くの調査地点でベンゼン、シアン化合物やヒ素が検出され、しかもベンゼンは、1月は環境基準の79倍、3月は100倍、今回120倍と上がっているのに、専門家会議は、「全体的に見れば、大きく汚染状況が変化した傾向は確認できない」などという、安全神話を今回もふりまいています。
専門家会議は石原都政以来、移転推進に差し障りのない報告をまとめて、対策は可能だと言ってきましたが、専門家会議が提言した土壌汚染対策が失敗に終わったことは、すでに明白です。
知事は、ウソとごまかしに終始してきた石原都政のやり方に、逆戻りするのですか。
Q5 3人しかいない専門家会議に依拠するのは無理があります。地下水から有害物質が検出され、その数値が上がっている原因について、もっと多くの科学者・専門家も入れて調査すべきです。知事いかがですか。
市場業者のみなさんへの知事の対応にも、批判が広がっています。
Q6 土壌も地下水も環境基準以下にするという約束に対する認識などについて、仲卸業者でつくる築地女将さん会が、8月23日に知事に対する公開質問状を出しましたが、知事はいまだに回答していません。なぜ回答しないのですか。
知事は臨時会で「事業者に寄り添った丁寧な対応に努めていく」と答弁しました。行動がともなっていないと言われても仕方ないと思いますが、知事いかがですか。
Q7 業者のみなさんは、豊洲新市場の安全宣言を求めています。この問題はあいまいにできません。安全宣言は「しない」のではなく「できない」こと、追加対策では食の安全・安心は保障できないことをはっきり認めるべきですが、知事いかがですか。
Q8 市場業者の合意なしに移転はありえないことを、わが党は繰り返し知事に質してきました。市場を運営するのは市場業者のみなさんであり、その合意と納得なしに移転したら、新市場がまともに運営できないことは明らかです。知事、市場業者の合意なしに移転しないという立場を、はっきり表明して下さい。
Q9 都議選前に知事は「築地は守る」「市場としての機能を確保する」と明言しました。この言葉に希望を持った市場関係者は少なくなかったはずです。
しかし、先の臨時会で知事が強調したのは「民間主導による築地再開発」で、「築地ブランド」を守る具体的方策は示されませんでした。そして今回の所信表明では、「築地ブランド」の言葉もなくなりました。
知事は、築地再開発検討会議の設置を発表しましたが、検討する際の知事の基本姿勢として、「築地は守る」「市場としての機能を確保する」ことを明確にするべきです。知事いかがですか。それをあいまいにするなら、選挙向けのポーズだったのかと言われても仕方ないと思いますが、知事お答え下さい。
Q10 検討会議のメンバーに市場業者が入っていないことは理解できません。市場機能を守る専門知識や経験をもっている市場業者、なかでも仲卸業者を追加メンバーとして加えるなど、意見を十分反映できるようにすべきです。知事の見解を伺います。
Q11 8月末の臨時会開会直前に、豊洲新市場で大量のカビ発生という、卸売市場としてあってはならない重大問題が発覚しました。東京都は、カビの拭き取り清掃をしたから大丈夫だと言っていますが、清掃後もまたカビが発生していることを、わが党は市場業者の協力により確認しました。知事は、清掃後もまたカビが発生している店舗がある事実を把握していますか。
Q12 わが党は、カビの調査を求めてきましたが、知事は、豊洲新市場で発生したカビの種類を把握していますか。
再発防止のためには原因究明が必要です。
Q13 都は長雨と台風が原因だとしていますが、まともな調査をしていないのですから、とうてい納得できません。
カビが発生した店舗の業者の方は、「原因を徹底的に調査してほしい」「壁やガラスにもカビが大量に発生していて驚いた」「こんなところで商売はできない」と訴えています。こうした市場業者の声を、知事はどう受け止めますか。
衛生管理が万全だと大宣伝してきた新市場で、なぜ大量のカビが発生したのか、原因究明の調査を求めるものですが、知事お答え下さい。
次に、福祉・くらしの充実についてです。
知事が所信表明で、超高齢社会への対応に力を入れて取り組んでいくと述べたことは重要です。しかし、その具体的中身は示されませんでした。
たとえば、切実な課題となっている特別養護老人ホームの増設は、どのように進めるのでしょうか。
Q1 知事は先日、都内の特養ホームを視察されましたが、特養ホームの役割の重要性を、どう受け止めていますか。
Q2 都が実施した調査では、都内の特養ホーム394施設のどの定員規模でも入所率が9割を超え、依然として需要が高いという結果が出ています。要介護度3以上でないと入れないという対象者の選別が行われたもとでも、待機者は3万人におよびます。
知事は所信表明で、「安心できる医療・福祉・介護の体制をどう充実させていくのか」「これまでの延長線上の政策では太刀打ちできない課題」だと言いました。特養ホームの増設について、これまでの延長線上でない政策に、知事はどう取り組むのですか。
東京で今後、高齢者が急増し、しかもひとり暮らしや高齢者のみ世帯が多いことを考えると、特養ホームの増設を思い切って促進するとともに、増設目標を引き上げることが必要だと思いますが、知事の認識と対応を伺います。
Q3 特養ホームの増設にむけて、特別区長会から用地取得補助制度の再開、整備費補助の拡充などの要望が出ています。これらの声にこたえ、支援を拡充することを求めます。お答え下さい。
Q4 最近の特養ホームは個室が原則とされているため費用が高く、空きが出ても利用料を払えないために、あきらめる方が少なくありません。その中で、都が行っている多床室の施設整備費補助は、重要な役割を発揮しています。この補助でつくられた多床室は、プライバシーが保護され、ほとんど個室とかわらない環境が確保されています。この補助制度の積極的活用をふくめ、国民年金で入れる特養ホームを増やす必要があると思いますが、知事、いかがですか。
Q5 低所得の高齢者の住宅確保も大きな課題です。福祉保健局が行った区市町村における高齢者のすまい施策に関する調査報告でも、低所得の方のすまいについて、4割の区市町村が低廉な家賃の民間賃貸住宅不足を課題にあげています。都営住宅に何十回申し込んでも入れない、増やしてほしいという声も広がっています。住みなれた町でくらし続けたくても所得が低くて住宅を借りられない実態を、知事はどのように解消していくのですか。
Q6 住宅セーフティネット制度を活用した、高齢者世帯の家賃負担軽減などの支援に踏み出すことも重要ですが、いかがですか。
Q7 都が行った「高齢者の生活実態調査」では、年収150万円未満でくらす高齢者が全体の3割から4割にのぼっています。知事は、わが党の質問に、低所得でくらす高齢者の方々にとりましても東京を安心してくらせる街にしていきたい、と答弁しましたが、具体的にはどのように取り組むのですか。知事、お答え下さい。
Q8 政府が社会保障の負担を高齢者に負わせる政策を続けているもとで、最近は低年金、低所得の高齢者だけでなく、中間所得層の高齢者のあいだにも、生活破壊、生活の困難がひろがっています。
高齢者の方々が安心してくらせるようにするためには、都として高齢者への経済的支援に取り組むことが必要だと思いますが、知事の認識を伺います。
Q9 高齢者福祉は、石原元知事が進めた福祉切り下げの標的にされました。その結果、都の決算に占める老人福祉費の割合は、石原元知事就任前の1998年は全国第2位だったのに、2015年には42位まで落ち込みました。超高齢社会への対応を積極的に進める中で、高齢者福祉への予算の配分についても増やしていくことが求められますが、知事の見解を伺います。
保育園の待機児童解消も急務です。
Q1 今年4月1日現在の待機児童数は8,586人となり、前年から増えました。厚生労働省の発表では、いわゆる「隠れ待機児童」をふくめると、およそ28,000人におよびます。
足立区では、2019年までに認可保育園を、42園増設する対策を発表しました。アンケート調査で、待機児童となった世帯の保護者の7割が認可保育園と認定こども園以外に申し込みをしなかったという結果が出たこと、0歳から2歳までだけでなく3歳以降の預け先もあわせて整備が必要であることから、新しい整備は認可保育園を中心とすることにしたそうです。
足立区だけでなく、都内で増設されたのは認可保育園が圧倒的に多いのです。こうした実態と待機児童が増えている現状を踏まえれば、さらなる対策が必要ですが、知事いかがですか。認可保育園の整備目標をもって、増設をさらに加速させることを求めます。知事の見解を伺います。
Q2 公立保育園を増設することは、待機児解消を進めるきわめて効果的な方法の一つです。行政が直接取り組むので、早く整備できます。公立保育園の保育士の求人には応募者が殺到しています。質の高い公立保育園への期待は大きなものがあります。
公立保育園の増設は、スピードが求められる待機児童解消対策に最適であり、一石二鳥、三鳥の効果があると思いますが、知事いかがですか。
保育、介護、障害者支援など、福祉分野の人材確保・育成は、一刻も早く解決すべき課題です。
東京都社会福祉協議会の調査では、独自に人員配置基準を定めている特養ホームのうち6割を超える131カ所で、基準を満たしていません。
また、障害者支援施設でも職員体制がとれないため、必要な研修に人を出せない、定員に空きがあっても断っているという状況です。
障害者支援事業所の団体による職員労働実態調査では、勤続5年未満が約半数、正規職員と非正規職員の比率はほぼ半々、給与も300万円未満の方が約6割にのぼり、とてもくらしていけないという悲痛な声があがっています。
保育、介護、障害者福祉のいずれの現場でも、働く人の深刻な実態があることを、知事はどう認識していますか。
保育、介護、障害者福祉にたずさわる職員の給与改善と、職員の配置基準の改善、増配置をはじめとした、総合的・抜本的な福祉人材対策の拡充強化に取り組むべきと思いますが、知事いかがですか。
次に、国民健康保険料の軽減です。
Q1 都内の自治体では毎年のように国保料、国保税が値上げされ、今年度も23区9市町で値上げされました。23区では、今年度の国保料の改定は過去10年間で最も大きな上げ幅となりました。
今年65歳となった夫婦は、基礎控除後の所得が約140万円で23万円もの国保料が課されています。所得の2カ月分が国保料でとられています。この夫婦だけでなく、多くの都民が重い負担に苦しんでいます。
「こんなに高いと生活できない」「とても払えない」という悲鳴や要望が毎年、区役所、市役所に殺到しています。もはや限界を超えた額になっていることを、知事はどう認識していますか。
Q2 知事は、現在の国保制度は、医療にかかる頻度が高い方や、低所得者の割合が多いために、「保険料の確保が困難であるなど、構造的な問題がある」とし、問題の抜本的な解決と安定的で持続的な制度とするよう国に要望すると答弁しています。国に対して要望するのは重要ですが、都が国に先駆けて取り組むことが求められます。知事いかがですか。
国保の広域化により、来年度から東京都は保険者となります。それにともない、特別区長会・市長会は、低所得者に対する保険料や、子どもにかかる均等割保険料、多子世帯に対する保険料の負担軽減策などを、都の責任で実施するよう求めています。知事は、こうした要望を、どう受け止めていますか。
都の財政力をもってすれば、1人あたり1万円の国保料軽減は、十分可能だと思います。都として国保料引き下げのための財政支援を行うことを求めるものです。知事、お答え下さい。
Q1 私立高校生の学費負担軽減について伺います。
都独自の授業料補助の増額により、授業料実質無償化が今年度から大幅に拡大されたことは重要です。しかし、対象となるのは私立高校生の約3割にとどまり、年額11万9800円の国の高校就学支援金の受給者を加えても、授業料に支援があるのは私立高校生の約半数にすぎません。
私立高校の授業料の実質無償化や負担軽減を、さらに拡大する必要があると思いますが、知事いかがですか。
Q2 入学金をはじめとする、授業料以外の学校への初年度納付金は、平均46万円にもなりますが、これは生活保護や低所得の世帯でも負担しなければなりません。小池知事はこのことについて、国の奨学給付金もあるし、入学金の貸付額を25万円に引き上げたと答弁しました。
しかし奨学給付金は生保世帯で5万2600円しか給付されません。入学金の貸付は返済しなければなりません。知事、これでは不十分だと思いませんか。
Q3 入学金補助は関東近県でも多くが実施し、都内でも文京区が学用品など高校入学時に必要な費用の一部を給付する条例を提案すると発表しました。都としても入学金補助制度を創設することを求めます。
また、施設費などの学校納入金も授業料とあわせて都独自の授業料補助の対象とし、補助額も拡充すべきと考えます。それぞれお答え下さい。
教員の多忙化の解消も急がれます。
Q4 文部科学省が行った公立小中学校の勤務実態調査では、教員の勤務時間は10年前からさらに増加しています。小学校では約3割、中学校では約6割の先生が、過労死ラインの月80時間を超える残業をしています。激務に追われ、子どもの話にじっくり耳を傾けることや授業の準備もままならない、勉強の遅れている子にていねいに教える時間がとれないなど、切実な声があがっています。
こうした教員の長時間労働は早急に解消する必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
Q5 知事は所信表明で「より良い教育を実現するためには、何よりも学校現場の課題に向き合うことが不可欠」と述べました。そのためには現場の声に耳を傾けることが重要です。
小学校校長会は、「定数改善こそ教員の長時間勤務の常態化への改善策である」と正規教員を増やすことを求めています。小学校副校長会や中学校長会なども教職員増を求めています。35人学級の拡大も要望されています。知事、これらの要望をどう受け止めますか。
Q6 学校現場の要望を正面から受け止め、正規教職員定数を大幅に増やすべきです。知事の見解を伺います。
Q7 授業の準備や子どもたちと向き合う時間を確保するためにも、小中学校の教員の週あたりの授業時間を減らすことが重要です。所見を伺います。
切実な都民要望にこたえていくには、大型開発偏重の都政から抜け出すことが必要です。たとえば外環道です。
Q1 外環道の事業費は1兆6千億円にも膨れ上がっています。
しかも外環道は、道路で初めて大深度地下方式が採用され、地下トンネルと地上部に出入りするトンネルをつなぐ工事は、国も「世界最大級」と認めるほどの難工事です。事業費のさらなる増大が予想されます。工事の安全性も担保されていません。
知事は、今年の予算特別委員会で、都市インフラ整備の見直しを求めた私の質問に、「事業評価の取り組みを通じ、事業の必要性、経費の内容、それぞれ厳しく検証して見直すべきは見直」すと答弁しました。知事、外環道については、どのような検証や見直しをするのですか。
Q2 国は外環道の難工事も実施可能だと宣伝するため、首都高・横浜環状北線の「馬場出入り口」工事を「類似した施工箇所」だと説明していました。
ところが、その「馬場出入り口」工事の現場から数百メートルも離れた所で地盤沈下が発生し、住宅のひび割れや、JR横浜線の擁壁に亀裂が入りました。
首都高は、工事で地下水位が低下したことが原因だと認め、住民への説明会を開きましたが、地盤沈下の範囲や被害件数、原因については何も説明していません。参加者は不安と怒りを募らせています。
外環道工事の沿線住民にも、同様の被害が起きはなしないかという不安が広がっています。
外環道工事のお手本とされた首都高工事で、想定外の地盤沈下が発生したことを、知事はどう受け止めていますか。
少なくとも原因の解明や対策方針が確立するまで、外環道の工事を中止するよう国に求めるべきです。知事いかがですか。
Q3 しんぶん赤旗日曜版が談合疑惑を指摘し、わが党の宮本徹衆院議員が、国の責任による調査を求めていた外環道工事の入札契約手続について、東日本・中日本両高速道路会社が9月1日、疑惑を払拭できないとして、契約手続を中止しました。公正取引委員会も調査に入ります。
入札が中止されたのは、地中拡幅工事4件で、鹿島、大成、清水、大林の大手ゼネコン4社を幹事社とする共同企業体が受注することになっていると報道されていました。
事業費の一部を負担する東京都は、事実を把握する責任があります。外環道工事の入札談合疑惑と契約中止の経過を、都はどのように把握していますか。
Q4 知事は、都の入札制度改革を進めています。外環道は国の責任だと言って見過ごすわけにいきません。談合疑惑を徹底究明するよう、国にきびしく求めるべきと考えますが、知事いかがですか。
巨額の公金を国と都が投入している超巨大工事に、大手ゼネコンが群がり、工事の安全性も担保されない実態が浮き彫りになってきた外環道事業はきっぱり中止し、都の支出は撤回することを、つよく求めるものです。
Q5 国土交通省は、都市計画道路の見直し促進のための手引きを新たに発行しました。国に確認しましたが、この手引きでは、すでに事業化された路線も見直しの対象とされています。また道路事業化にあたっては、住民の意見を聞く場が必要であることも、国は表明しています。
知事、国交省の新しい手引きにそって、事業化された都市計画道路もふくめ見直しをすべきです。
そして見直しは、地元住民の参加で行うよう求めるものですが、知事、お答え下さい。
次に、オリンピックへの対応について伺います。
Q1 IOCで東京オリンピック・パラリンピックの準備状況の監督役となる、調整委員会のコーツ委員長が、新聞の取材に応じて、東京五輪の経費について、1000億円の削減を目標とすべきだと表明しました。
コーツ氏は、大会経費の増大で立候補都市の撤退が相次いでいるもとで、多額の費用をかけなくても大会が開催できることを示す必要があると強調し、五輪存続のための至上命令と位置づけています。
また、都が会場関係費を削減したことは評価しつつ、運営費を削減できていないときびしい注文をつけています。
知事は、コーツ氏の指摘をどう受け止めていますか。そして知事は今後、どう対応するのですか。
Q2 東京大会の経費は現時点では総額1兆3850億円とされており、都と国、組織委員会、関係自治体の合意によれば、都の負担は6千億円です。これに選手村の基盤整備費など加えると7千億円以上となります。あまりにも巨額だと思いますが、知事いかがですか。
Q3 都と国、組織委員会でコスト管理などのために設置した「共同実施事業管理委員会」の役割を十分に発揮して、運営費をはじめとした大幅な経費削減と透明化、国内スポンサーや民間資金確保をはじめとした増収対策などを、大きく前進させることが必要です。知事の見解を伺います。
Q4 今年3月、新国立競技場の建設現場で働く23歳の男性職員が、異常な長時間労働が原因で自殺しました。オリンピック関連事業を多く受注している電通でも、女性職員が過労自殺しました。
また東京労働局は、オリンピック関連の大規模な工事が進む都内で、作業員の労災事故が急増しているとして、数百カ所の工事現場に立ち入り調査を行うことを決めました。作業員への安全管理や指導が不十分なケースが増えていると分析しています。
オリンピックに関連する、こうした過労自殺や労働災害は、多くが法令違反であるだけでなく、人権尊重のオリンピック理念を傷つけるものですが、知事はどう受け止めていますか。
Q5 東京大会の組織委員会が、オリンピック理念をふまえて策定した「持続可能性に配慮した調達コード」には、「労働者にとって仕事と生活の調和のとれた労働環境の整備に配慮」することなどが明記されています。
政府も、建設業団体などと、オリンピック・パラリンピック大会施設工事の安全衛生対策協議会を発足させ、安全な建設工事のモデルとなる安全対策に取り組んでいます。
また都内の建設労働者の団体は、発注者と元請の責任の明確化、賃金と作業環境の改善などを掲げ、オリンピック・パラリンピック大会を契機にして建設労働者の社会的地位向上の転換点にすることをめざしています。
大会準備が本格化し多忙化する時だからこそ、オリンピック理念の実現をめざす「持続可能性に配慮した調達コード」にもとづき、オリパラ関連事業において、都としても労働災害や事故などの再発防止、労働環境の改善に真剣に取り組む必要があると思いますが、知事いかがですか。
次に、関東大震災における朝鮮人虐殺への追悼文送付中止問題です。
Q1 関東大震災直後、「朝鮮人が混乱に乗じて暴動を起こす」などの流言・ひ語が広まり、軍隊、警察、自警団などによって、朝鮮人や中国人が暴行、虐殺されました。
それから50年目の1973年、犠牲者を悼み、当時の都議会各会派の幹事長も呼びかけ人に加わり追悼碑を建立し、以来、追悼式典には歴代都知事が「追悼の辞」を送ってきました。
小池知事も、昨年は「多くの在日朝鮮人の方々が言われのない被害を受け、犠牲になられたという事件は、わが国の歴史の中でも稀にみる、誠に痛ましい出来事」「このような不幸な出来事を二度と繰り返すことなく、誰もが安全な社会を営めるよう、世代を超えて語り継いでいかなければなりません」と追悼の辞を送付しました。ところが、今年は断りました。
歴代都知事が、民族差別の悲劇を繰り返さないとして追悼文を送付してきたことは適切であったと考えますが、知事の見解はいかがですか。
Q2 知事は、追悼文送付を断った理由として、慰霊堂の大法要で、関東大震災で犠牲になられた全ての方々を慰霊するから特別なことはしないと述べました。
しかし、自然災害の震災犠牲者と、民族差別による虐殺で命を奪われた犠牲者とでは、その死の性質は全く違います。「震災で亡くなった」と、ひとくくりにできる問題ではないと考えますが、知事いかがですか。
Q3 虐殺の事実についての認識を問われた知事は、「歴史家がひもとくもの」と述べ、事実を認める言葉はありませんでした。
知事の発言は、「民族差別を背景とした虐殺、加害の歴史を風化・忘却させることにつながり、排外主義や歴史修正主義を助長させることになる」と、広範な人々から抗議の声が上がっています。
内閣府の中央防災会議が出した報告書には、「関東大震災時には、官憲、被災者や周辺住民による殺傷行為が多数発生」「殺傷の対象となったのは、朝鮮人がもっとも多かった」「これほどの規模で人為的な殺傷行為を誘発した例は、日本の災害史上、他に確認できず、大規模災害時に発生した最悪の事態」と記述され、学問的にも定説になっています。
関東大震災における朝鮮人虐殺という、これだけ明白な歴史の事実を、知事は認めないのですか。知事の明確な答弁を求めます。
次に、オスプレイについてです。
Q1 普天間基地に所属するオスプレイが8月6日、オーストラリア東部海上で墜落し、3名が亡くなりました。昨年12月にも沖縄県名護市沿岸で墜落するなど、重大事故が相次いでいます。緊急着陸など、エンジントラブルも多発しています。
名護市の事故もオーストラリアの事故も、米軍は事故原因も根拠も示さないまま安全宣言を行い、飛行が再開されました。しかし安全宣言後も、岩国基地でオスプレイから白煙を上げるトラブルが発生し、翌日には大分空港に緊急着陸するなど、事故が立て続けに起きています。
知事は、事故を繰り返し起こしているオスプレイの安全性について、問題があると思いませんか。
Q2 不平等な日米地位協定により、名護市の墜落事故でも大分空港の緊急着陸でも、日本側に事故調査の権限がありません。一方、ドイツの地位協定では、地元自治体の立ち入り調査が認められています。
知事、このような状況のもとでは、安全対策はもっぱら米軍まかせとなり、とうてい都民の生命、安全を保障できないのではありませんか。
Q3 欠陥機であるオスプレイ配備を撤回させて、横田基地の整理、縮小、返還を進めるために、国と米軍に対し知事として強力に働きかけるべきです。知事の答弁を求めます。
最後に、国政にかかわる知事の政治姿勢について伺います。
Q1 小池知事の与党が都議会で多数をしめ、知事の任期も2年目を迎えるもとで、政治家としての知事の立ち位置を、国政との距離感もふくめて明確にすることが求められています。
臨時国会冒頭の衆議院解散が報道されたなか、小池知事は、何が解散の目的か大義がわからないと発言しました。新聞は、小池氏が、それまで目立たなかった安倍首相への批判を強めていると書きました。
そこで伺いますが、知事は、安倍政権をどう評価しているのですか。また国政で打開すべき課題は、何だと考えていますか。
Q2 私たちは、憲法9条を守り生かすことは、いまこそ大事になっていると考えています。知事は、希望の党の政策で憲法改正をかかげましたが、9条改憲にどういう姿勢で臨むのですか。安倍政権が進める9条改憲に賛成か、反対か、はっきりお答え下さい。
知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
【答 弁】
○知事(小池百合子君) 大山とも子議員の代表質問にお答えをいたします。
合計三十七問ご質問いただきました。
市場の豊洲移転に対する説明責任についてのお尋ねでございます。
この問題は、昨年八月に移転の延期を決断して以降、専門家会議や市場問題プロジェクトチーム、市場のあり方戦略本部などを設置して、さまざまな議論を公開の場で行ってきたものでございます。
そして、さきの臨時会におきましては、豊洲移転への道筋をつける補正予算について真摯に説明を申し上げまして、熱心なご議論をいただいた結果、可決をしていただいたところでございます。
引き続き、正確な情報をお伝えいたしながら、円滑な移転に向けましたステップを着実に進めてまいる所存でございます。
食の安全・安心についてのご質問、豊洲市場への移転につきましては、食の安全・安心の確保が最優先の課題であると認識をいたしております。豊洲市場におきましては、市場業務を行います地上部の空気を測定する、そして、これまでの調査で高い濃度が確認された箇所を中心に地下水質の調査を実施して、専門家会議の評価とあわせて公表することといたしております。
今回の結果につきまして専門家会議では、地上部の空気について科学的な安全は確保された状態、また地下水については、全体的に見れば大きく汚染状況が変化した傾向は確認できないと、このように評価をいたしております。
今後、専門家会議の提言に基づく追加対策を着実に進めるとともに、豊洲市場に関しますさまざまな情報発信を行うことによりまして、豊洲市場の安全・安心について都民の理解と納得を得られるように努めてまいります。
情報の発信についてのお尋ねでございます。
豊洲市場におけます空気、そして地下水質の調査結果につきましては、専門家会議の評価とあわせて公表しておりまして、報道機関に対しましても丁寧に説明を行っているところでございます。
また、ホームページで公表するとともに、都議会の常任委員会にもご報告をし、必要な情報発信は適切に行っております。
その専門家会議についてのお尋ねでございます。
昨年九月の設置以降、専門家会議の委員の皆様には、豊洲市場においてさまざまな調査を行った上で、専門的、科学的な知見に立った提言を取りまとめていただいております。
今後、専門家会議の提言に基づく追加対策工事を着実に推進することで、豊洲市場のさらなる安全性の向上を図ってまいります。
外部の専門家についてのご質問でございますが、専門家会議には空気、地下水等に関するさまざまな調査を行って、豊洲市場用地の現状について正確に把握した上で、土壌、環境、衛生等の分野において各委員が有する専門的、科学的な知見に基づいて提言を取りまとめていただいております。
今後の調査につきましても、引き続き専門家会議の助言に基づいて継続をしていく予定でございます。
市場業者への対応についてのご質問でございます。
豊洲市場への移転を早期に実現するためには、市場業者の理解と協力を得る必要がございます。市場業者の方々に対しましては、これまで築地市場に何度も足を運び、直接意見交換などを行うとともに、市場当局からも、さきの臨時会で可決していただいた補正予算や追加対策工事の内容等につきまして、新市場建設協議会を開催して説明したところでございます。
なお、市場の移転問題に関します都の考えにつきましては、都議会や新市場建設協議会など、市場関係者にも開かれた場における議論の中で明らかにしているところでございます。
また、水産仲卸業者に対しましては、業界団体が主催する説明会におきまして、丁寧な説明や意見交換を行ったところでございまして、引き続き、市場業者に寄り添った対応に努めてまいります。
豊洲市場の安全・安心についてでございますが、豊洲市場用地につきましては、法的、科学的な安全が確保され、専門家会議でもその旨が確認をされております。その上で、将来のリスクに備えた追加対策を実施してまいります。先日完了いたしました環境アセスメントや開場認可に向けましたステップも着実に進めております。
これらの取り組み状況や客観的なデータなど、正確な情報発信を続けていくということに加えまして、私自身もさまざまな形でメッセージを発信することで、都民や市場業者の方々の豊洲市場に対します信頼や安心につなげてまいります。
市場業者との合意についてでございますが、豊洲市場への早期移転について市場業界の理解と協力が必要であるということは、先ほどお答えしたとおりでございます。今後、新市場建設協議会などを通じまして、業界団体とは精力的に調整をしてまいります。
築地再開発の検討についてでございます。
再開発に当たりましては、築地エリアが有する食文化や築地ブランドはもとより、浜離宮、都心への近接性といったさまざまなポテンシャルを生かしながら、東京の魅力をさらに高めていくことが重要でございます。
検討会議におきましては、そうした築地の魅力やポテンシャルなどについて、経営、文化、まちづくりなど、さまざまな分野でご活躍の方々から自由な発想で幅広いご意見をいただき、築地再開発の大きな視点として整理をしてまいります。
再開発の具体的な姿につきましては、これらを踏まえまして段階的に検討を進めることといたしまして、民間の力も最大限活用しつつ、東京の持続的な成長につなげてまいります。
なお、こうした動きの中で、将来築地に戻ることを希望される仲卸業者に応えるためのさまざまな方策につきましては、豊洲市場への移転後の状況を踏まえながら検討を進めてまいります。
市場業者の意見の反映でございますが、築地再開発検討会議におきまして、まずは自由な発想で幅広い観点から検討をスタートさせていくということでございます。会議のメンバーにつきましては、そうした観点から選定をいたしました。検討状況につきましては、水産仲卸などの業界団体に対しましても適切に情報提供などを行ってまいります。
また、来年度にかけまして民間からのヒアリングを行うなど、ステップを踏みながら開発コンセプト等を具体化してまいります。
カビの発生についてでございますが、豊洲市場におけます店舗にカビが発生したことで多くの市場業者の皆様方にご心配をおかけいたしております。発生したカビを適切に除去するとともに、再発防止に向け必要な調査を行うよう、既に市場当局に対して指示をしております。
今後とも湿度管理の徹底や巡回点検の強化などによりまして、再発防止にしっかりと取り組んでまいります。
特別養護老人ホームの役割についてのお尋ねがございました。
高齢化が進む中で、常時介護を必要とし、在宅生活が困難な高齢者の生活の場として、特別養護老人ホームの役割は重要である、このように認識をいたしております。
その特別養護老人ホームの増設についてのお尋ねでございます。
都は、特別養護老人ホームの整備目標を高齢者人口の将来推計、そして区市町村のサービス見込み量を踏まえまして定めております。現在、平成三十七年度末までに六万人分にふやす目標を掲げて、都独自の施設整備費の補助や土地賃借料の負担軽減など、さまざまな支援策を講じておりまして、今後とも区市町村や事業者を支援してまいります。
特養におけます多床室の整備についてのご質問でございます。
都は現在、ユニット型での整備を基本といたしておりますが、地域の実情に応じまして、区市町村が必要と認める場合には、特別養護老人ホームの整備におけます増加定員の三〇%まで多床室の整備に対して補助を行っているところでございます。
低所得の高齢者の住まいについてのお尋ねでございます。
住宅は生活の基盤であります。誰もが生き生きと生活できる都市東京、その実現のために都民の居住の安定を確保することは重要でございます。
都はこれまでも、都営住宅などを有効に活用するとともに、区市町村の居住支援協議会への支援なども行っております。そして、このたび、高齢者や子育て世帯、障害者などの入居を拒まない賃貸住宅を登録する制度の運用を来月下旬に開始いたしまして、こうした方々の入居をしやすくいたします。
今後、このような取り組みを総合的に進めることによりまして、住宅セーフティーネット機能を強化して、都民の居住の安定を実現してまいります。
高齢者施策についてのご質問でございます。
高齢者の暮らし向きはさまざまでございます。私は、東京を高齢者の誰もが安心して暮らせるまちにしていきたい、このように考えております。
そのため、今年度策定することとなっております高齢者保健福祉計画におきましても、誰もができる限り住みなれた地域で暮らし続けるということができるように、介護サービス基盤の整備、認知症施策や介護予防の一層の推進などを柱といたしまして、高齢者施策を推進してまいります。
高齢者への経済的支援についてでございます。
世界に例を見ない速度で少子高齢化が進む我が国におきましては、現在の社会保障制度全体を持続可能なものへと改革していかなければなりません。高齢者への経済的支援など所得保障は、基本的に国の責務でございます。こうした制度改革の中で、国としてそのあり方を議論すること、これが必要だと認識をいたしております。
次に、待機児童でございますが、その解消に向けた取り組みについてのご質問、都は、平成三十一年度末までに保育サービスを七万人分拡充して、待機児童を解消する目標を掲げ、保育所等の整備促進、人材の確保、定着の支援、利用者支援の充実を柱として、さまざまな施策を講じておりまして、今月十五日には追加対策も取りまとめたところでございます。
今後とも、待機児童の解消に向けて区市町村としっかりと連携をしながら、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など多様な保育サービスの拡充に取り組んでまいります。
公立保育所の整備についてのご質問でございます。
保育の実施主体は区市町村でございます。それぞれの自治体が地域の実情を踏まえながら、公立保育所も含めてさまざまな保育資源を活用して、保育サービスの整備を進めているものと認識をいたしております。
福祉人材対策についてのご質問でございます。
私は、保育所、介護施設、障害の施設など訪問いたしまして、現場で働く職員の方々とも意見交換をこれまでも行ってまいりました。
都民の皆さんが安心して福祉サービスを利用できるようにしていくためには、サービスを担う人材の確保、育成、定着、これらが大きな課題であるということを認識いたしております。
そのためにも、都は現在、現場の意見も踏まえながら、キャリアパス導入の支援を初めとしてさまざまな取り組みを進めております。また、本年度策定いたします子供、高齢、障害分野の計画の中におきましても、人材対策の推進を柱として、具体的な施策を盛り込む考え方でございます。
国民健康保険制度の認識についてのお尋ねでございます。
国民健康保険は、相互扶助の考えに立った社会保険制度でありまして、その財源は保険料が二分の一、公費が二分の一、これを基本といたしております。その保険料や保険税の賦課方式や料率につきましては、各区市町村の議会において十分な審議が行われて決定されているものと認識をいたしております。
国民健康保険料の引き下げのための財政支援についてのお尋ねでございます。
国民健康保険は、法に基づく全国統一の制度でありまして、制度上の課題には制度設計者である国が責任を持って対応すべきものでございます。
都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令などに基づいて財政支援を行っております。
次に、私立高校生の授業料負担軽減の拡大についてのお尋ねでございます。
都は、私立高校等に在学する生徒の保護者の負担を軽減するために、都内の四人世帯の平均年収であります約六百六十万円を超えて、年収約七百六十万円未満の世帯まで特別奨学金を大幅に拡充してまいりました。都としては、こうした施策について着実に取り組んでまいります。
私立高校に通う低所得世帯への支援についてでございます。
都におきましては、特別奨学金の拡充に加えて、授業料以外の教育費負担を軽減するため、奨学給付金を支給するとともに、育英資金や入学支度金などの無利子貸付制度を総合的に活用して、保護者の負担軽減に努めているところでございます。
今後もこうした取り組みを着実に進めて、子供たちの学びたいという気持ちに応えていく所存でございます。
教員の長時間労働についてのご質問でございます。
学校が抱える課題が複雑化、多様化し、さまざまな負担が教員に集中する中において、教員の労働は従前よりもさらに長時間化いたしております。こうした状況の改善については、教員一人一人のライフワークバランスを実現して、学校教育の質の向上につながる重要な課題と考えております。
このために、これまでの総合教育会議の場におきまして、現場の先生方も交えながら議論を重ねて、さまざまな貴重なご意見もいただいております。こうした議論を踏まえながら、今後、教育委員会におきまして、学校の働き方改革推進に向けました具体的なプランを策定してまいります。
変わりまして、外環事業についてのご質問でございます。
国、そして高速道路会社が整備を進める外環でございますが、経済の血液ともいうべき人と物の流れをスムーズにして国際競争力の強化を図るとともに、首都直下地震など災害時の避難、救急活動のルートを確保するなど、極めて重要な道路と考えております。
国は、さまざまな分野の専門家を委員とする事業評価監視委員会におきまして、三年に一度、公共事業の再評価を行っており、外環の関越から東名高速間につきましても、昨年の五月、事業の進捗状況を踏まえたコストや整備効果を検証した上で、事業の継続を決定いたしております。
都といたしましては、引き続き工事の安全性に十分配慮しつつ、効率的に事業を実施するよう国に求めるとともに、外環の早期整備に向けまして、国から受託している用地取得を推進するなど、積極的に支援をしてまいります。
外環工事の談合疑義についてでございます。
工事の入札契約におきましては、透明性、公正性、競争性の確保が極めて重要でございます。談合などの不正行為は、もちろんあってはなりません。今回、工事の発注者である各高速道路会社が契約の公正性確保の観点から、契約手続を取りやめるなど適切な対応がなされたと考えております。
都といたしましては、今後とも事業者が公正な契約手続のもとで着実に工事を進めていくものと考えております。
変わりまして、IOCのコーツ委員長の発言についてのお尋ねでございます。
私は、知事就任以来、都の施設の整備費用を削減するなど、大会経費の妥当性の総点検をしてまいりました。
先日報道がございましたように、コーツ委員長が大会経費の縮減について言及されております。そして、そのことは、目指す方向は同じだと考えております。
都はこれまでも、IOCとともに四者協議を設置いたしまして、昨年十二月のV1予算公表に当たりまして、大会経費の縮減を進めるなどの取り組みを行ってまいりました。
ことし五月の大枠の合意におきましては、予備費を除きますV1予算の一兆五千億円から一千億円以上の圧縮を図って、また、組織委員会の収入を一千億円ふやすなどの見直しを行ったところでございます。
引き続き、大会経費の縮減に向けて関係者と調整をしてまいります。
東京大会の都の費用負担でございますが、効率的な大会運営を実現するために、これまで私は、さらなる経費の圧縮、組織委員会の増収、国の負担の三点から努力を重ねてまいりました。
同時に、都は、開催都市として大会を成功に導く責任がございます。五十六年ぶりのオリンピック・パラリンピック大会は、都民、国民に感動と共感を与え、全国に大きな経済波及効果をもたらして、ハード、ソフトの両面にわたって、有形無形の大きなレガシーを残すものでございます。
引き続きコストの縮減に努めつつ、都民の皆様には、さまざまな機会を捉えて、大会経費についてしっかりと説明を行って、大会を成功に導いていきたいと考えております。
共同実施事業管理委員会についてでございますが、コスト管理と執行統制の強化に向けて、本年五月の大枠の合意に基づいて、共同実施事業管理委員会を設置したところでございます。
この委員会は、組織委員会が、都や国などの資金を使用して実施する共同実施事業を適切に遂行し、管理するものでございます。開催都市である都が主導して、副知事を委員長に据え、しっかりとチェック機能を働かせて、経費縮減の取り組みを促進するとともに、情報公開に努めて、説明責任を果たしてまいりたいと考えております。
今後、毎年度更新される大会経費全体の予算の作成に当たりましては、しっかりと経費を精査し、組織委員会におきまして徹底した執行管理を図ってまいります。
組織委員会の収入につきましては、大枠の合意におきまして、六千億円を目指すことといたしておりまして、引き続き増収に向けた取り組みを促進してまいります。
今後とも、大会経費のコスト管理と透明性の確保にしっかり積極的に取り組んでまいります。
適正な労働環境の確保についてのお尋ねがございました。
新国立競技場の建設現場で働く社員の方が亡くなられたということは、大変残念なことであり、重く受けとめております。また現在、所管する官庁におきまして、その調査を行っていると聞いております。
都におきましても、二〇二〇年大会に向けて複数の会場で整備を進めておりますが、既に違法行為等、不適切な労働環境がないことを確認いたしておりまして、先般、改めて受注者に対しまして法令遵守の徹底を指示したところでございます。
私は、かねてより良好な労働環境のもとで個人のライフスタイルに応じた働き方が可能となるように、ライフワークバランスを推進してまいりました。今後とも、大会の安全・安心な開催を目指しまして、都が行います会場整備を初めとしたオリンピック・パラリンピック関連事業におけます適正な労働環境の確保に努めてまいりたいと考えております。
続いて、関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典へのこれまでの追悼文の送付についてのご質問でございます。
さまざまな考え方があると思いますが、私は都知事として、三月、そして九月にとり行われております大法要におきまして、関東大震災で犠牲となられた全ての方々に哀悼の意を表していることから、個別の形での追悼文を送付することは控えさせていただいたところでございます。
その関東大震災で犠牲になられた方々に対する追悼についてでございますが、今申し上げましたように、私は大法要におきまして、関東大震災で犠牲となられた全ての方々に対して哀悼の意を表しております。
関東大震災という大きな災害で犠牲になられた方々、そして、それに続くさまざまな事情によって犠牲になられた方々、これら全ての方々に対して慰霊する気持ちには変わりはございません。
虐殺への認識についてのお尋ねでございました。
この件は、さまざまな内容が史実として書かれていると承知をいたしております。だからこそ、何が明白な事実かについては、歴史家がひもとくものだと申し上げております。
いずれにしましても、私は都知事として、東京で起こった大きな災害と、それに続くさまざまな事情で不幸にも亡くなられた全ての方々に対しまして、哀悼の意を表する気持ちには変わりがございません。
オスプレイの配備についてのご質問がございました。
アジア太平洋地域の安全保障環境は、北朝鮮情勢を初めとして大変厳しさを増しております。そうした中におきまして、日米安全保障体制は我が国のみならず、地域の平和、安定のために重要な役割を果たしているものと考えております。ご指摘の横田基地もその一翼を担うものとの認識でございます。
安全保障につきましては、国の専管事項でございますが、米軍の運用に際しては、地元住民の生活への最大限の配慮が必要でございます。
横田基地へのオスプレイ配備につきまして、都は、国の責任において、地元自治体や周辺住民に対しまして十分な説明責任を果たすとともに、安全対策の徹底と環境への配慮を、米国に働きかけることを要請しております。
今後も、都民の生命、そして安全・安心を守る立場から、国に対して必要なことを申し入れてまいります。
安倍政権の評価についてのお尋ねがございました。
まず、衆議院解散に対する私の発言でございますけれども、北朝鮮による暴挙が相次ぐ国家的危機の中で、都知事として政府と緊密に連携しながら都民の生命や財産を全力で守るべき、そういったときに国政が空白をつくるということに対しては、理解に苦しむとの思いから申し上げたものでございます。
安倍政権の評価につきましては、まさに来月、国民の皆様方が行うところでございますが、都政を前に進めるためにも、国の改革のスピードを加速させるべきと考えております。
憲法九条の改正についてのご質問でございます。
憲法改正というと、九条の問題だけにはとどまりません。例えば、今般、一票の格差をめぐりまして、小選挙区の区割りがかなり複雑化している状況などを鑑みましても、憲法は真の国益や時代の要請に応じてどうあるべきかを検討すべきものだと考えております。
また、第八章など、地方分権についての記述も極めて不十分といわざるを得ないと考えております。
いずれにしましても、憲法についての議論は国会で行うべきものであるということを都知事として答弁をさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕
○教育長(中井敬三君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、長時間労働に関する学校現場の要望についてでございますが、学校現場では、不登校やいじめ、特別支援教育など、複雑化、多様化する課題があり、小学校長会などの要望はこうしたことを背景に出されているものと認識しております。
このため、都教育委員会は、特に課題がある学年への、学級規模の縮小を可能とする教員の追加配置に加え、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど多様な専門人材を配置してまいりました。
今後も、学校現場の意見も踏まえ、適切に対応してまいります。
次に、教職員定数についてでございますが、教職員の定数は、いわゆる義務標準法に基づく都の配置基準により、適切に配置しております。
また、個別の教育課題に対応するため、習熟度別指導を実施するための国の加配のほか、都独自の取り組みとして、中一ギャップを予防、解決するための教員などを加配しております。
都教育委員会は、引き続き、教職員定数の充実について国に求めてまいります。
最後に、教員の授業時数についてでございますが、授業時数は、いわゆる義務標準法に基づく都の配置基準により、配置された教員の中で、各学校長が学年や教科などの教育課程を考慮しながら決定しております。
教員の授業時数については、今後とも国の動向を注視してまいります。
〔東京都技監邊見隆士君登壇〕
○東京都技監(邊見隆士君) 四点のご質問にお答えをいたします。
まず、新たな住宅セーフティーネット制度についてでございます。
都はこのたび、高齢者や子育て世帯など、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設し、その情報を円滑に提供していくこととしてございます。
法施行に合わせて国が導入した家賃低廉化等の支援制度の活用については、今後、区市町村の動向を踏まえ検討してまいります。
次に、都市計画道路の見直しについてでございます。
本年七月に国土交通省が公表した都市計画道路の見直しの手引きは、第一版として都道府県等の見直し事例を先行的に取りまとめたものでございます。
これまでも都は、おおむね十年ごとに都市計画道路の事業化計画を策定し、優先的に整備に取り組む路線を選定する一方、各路線の必要性を検証し、適宜見直しを行ってまいりました。
昨年三月に策定した計画でも、廃止や縮小など都市計画を見直すべき路線として九路線、五キロメートルを示してございます。
今年度からは、事業中路線や優先整備路線、これらを除く都市計画道路のあり方についても、地元区市町とともに検討を既に開始しておりまして、都民の意見を聞きながら取りまとめを行ってまいります。
今後とも、見直すべきものは見直し、必要な道路は地元の理解を得ながら、着実に事業を進めてまいります。
次に、オスプレイの安全性についてでございます。
安全保障に関することは国の専管事項であり、米軍機の安全の確保は国が責任を持って行うべきことでございます。
国は、平成二十四年の沖縄配備に当たって独自に行った事故分析評価や日米合同委員会合意により、MV22オスプレイの安全性は確認されたものとしてございます。
都は、国への提案要求などにおいて、オスプレイを含む米軍機の運用について、安全対策の徹底や地元への情報提供などを要請してございます。
また、事故発生時には速やかに、国に対し、原因究明と再発防止などについて米軍に申し入れるよう求めており、今後とも必要な働きかけを行ってまいります。
最後に、オスプレイの安全対策についてでございます。
国からは、オスプレイを含め米軍機の安全確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提であり、引き続き万全を期していくと聞いてございます。
また、国は、昨年十二月の沖縄県名護市沖におけるオスプレイの不時着水事故後の飛行再開に当たっては、米軍だけの判断ではなく、日米で協議を行い、日本政府においても、防衛省、自衛隊の専門的知見及び経験に照らして、再発防止について有効な対策等が講じられているか独自に分析を行ったと説明してございます。
都は、国に対し、米軍機の運用について、安全対策の徹底や地元への情報提供などを要請しており、今後も必要な働きかけを行ってまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕
○中央卸売市場長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、豊洲市場におけるカビの発生についてでございますが、カビが発生した造作物等を対象に、拭き取りや薬品を用いた清掃を順次行っており、作業後は職員が取り残しのないことを確認しております。また、作業を完了した箇所において、再び発生したとの報告は受けておりません。
なお、カビの発生状況につきましては、職員が目視により確認したものでございまして、追加で確認される可能性もあることから、市場業者の方々にも店舗内の造作物等の状況確認をお願いしているところでございます。
今後、新たに確認された場合につきましても、清掃作業等を適切に実施してまいります。
次に、カビの種類についてですが、カビの再発防止を図る観点から、現在、豊洲市場内において調査を実施しているところでございまして、発生したカビの種類については、こうした調査の中で確認することとしております。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕
○福祉保健局長(梶原洋君) 特別養護老人ホームの整備に関するご質問にお答えをいたします。
都は、特別養護老人ホームの整備を進めるため、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域の整備費補助への加算、建築価格高騰に対応した加算など、さまざまな独自の支援策を講じております。
今年度からは、整備費の高騰加算の増額のほか、地域密着型特別養護老人ホームなどの定期借地権一時金への補助や、区市町村の所有地を活用した施設整備への支援を行いますとともに、地元の必要数を超えた特別養護老人ホームの整備に同意する区市町村への交付金制度を開始いたしました。
今後とも、区市町村のニーズを踏まえながら、介護サービス基盤の整備を進めてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕
○財務局長(武市敬君) 高齢者福祉への予算配分についてでございますが、都はこれまでも、高齢者の暮らしへの支援や高齢者の多様なニーズに応じた住まいの整備など、必要な施策には的確に財源を振り向けておりまして、平成二十八年度決算におきましても、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームの整備など、高齢者施策の充実を図っております。
今後とも、高齢者が安心して暮らせる社会の実現に向けまして、しっかりと取り組んでまいります。
〔生活文化局長塩見清仁君登壇〕
○生活文化局長(塩見清仁君) 私立高校の入学金補助制度の創設等についてでございますが、入学金につきましては、都内私立高校の入学金平均額でございます二十五万円まで、所得にかかわらず無利子の貸し付けを実施しております。
また、授業料以外の教育費につきましても、低所得世帯を対象に奨学給付金を支給してございます。さらに、私立高校に対し経常費補助を行うことにより、学校納付金を抑制することで、保護者の経済的負担を軽減しているところでございます。
今後も、こうした幅広い施策を総合的に活用し、保護者負担の軽減に努めてまいります。
〔建設局長西倉鉄也君登壇〕
○建設局長(西倉鉄也君) 二点のご質問にお答えいたします。
初めに、外環のトンネル工事についてでございますが、ご質問にありました首都高速横浜環状北線馬場出入り口工事に起因すると思われる地盤変動が昨年四月に確認されまして、地盤の計測を継続するとともに、現在、専門家による横浜環状北線地盤変動監視委員会におきまして原因の究明を行っていると聞いております。
国及び高速道路会社が事業を進める外環につきましては、これまで学識経験者等で構成する東京外環トンネル施工等検討委員会におきまして、工事の安全性につきまして検討されておりまして、今後も、首都高工事の地盤変動に関する情報も参考にしながら、安全を最優先に工事を進めていくものと考えております。
次に、外環工事に係る入札契約の経過についてでございますが、外環と中央道をランプで接続する中央ジャンクションの地中拡幅工事四件は、昨年十月、発注者である各高速道路会社におきまして契約に係る手続開始の公示がなされ、十二月には、競争参加者から参加資格の確認申請及び技術提案書の提出がなされるなど、手続が進められてまいりました。
その後、今年度に入り、各高速道路会社は優先交渉権者の選定手続を延期し、各社の談合情報等対応マニュアルに基づきまして、談合情報を公正取引委員会及び警察へ通報するとともに、競争参加者への事情聴取等を行いました。
その結果、談合等の疑義を払拭できず、契約の公正性が確保できないおそれが生じましたことから、今月には契約手続を取りやめたと承知しております。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕
○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 大会に向けた労働環境の改善等についてでありますが、二〇二〇年大会を持続可能性に配慮した大会とすべく、環境や人権、労働等に配慮し準備に取り組むことは重要であります。
このため、都は、組織委員会が策定する持続可能性に配慮した調達コードの検討に加わり、適正な労務管理や労働環境の確保が推進されるよう取り組んでまいりました。
都の契約制度においては、調達コードの趣旨が既に盛り込まれておりますが、都が行う競技会場の整備に当たっては、労働安全衛生の徹底等が図られるよう、改めて関係各局を通じて事業者に求めております。
今後とも、調達コードを尊重し、持続可能性に配慮した大会の実現に向けて適切に対応してまいります。
〔百二十六番大山とも子君登壇〕
【再質問】
○百二十六番(大山とも子君) 知事に再質問します。
まず、憲法の問題について二点、再質問します。
小池知事は、二〇一一年の評論家渡部昇一氏との対談で、まずは誰が聞いてもいいといえるような憲法から改正して、憲法は改正できるものだという意識を共有するところから始めた方が、結果的には早く憲法を改正できるのではないかと述べています。
知事、この考えは今も同じですか。
二点目、憲法九条に第三項を加えて、そこに自衛隊の存在を明文で位置づけるという改憲案には賛成ですか、反対ですか。
以上二点、明確にお答えください。
次に、豊洲新市場について二点、再質問します。
豊洲新市場の地下水から環境基準の百二十倍のベンゼンが検出されても、追加対策をすれば大丈夫という専門家会議の見解を、都として何の検証もすることなく、うのみにした答弁でした。
しかし、地下空間にコンクリートを敷く追加対策は、コンクリートがひび割れして有害物質が上がってくることが前提となっています。地下水管理の機能強化も目標達成できる見通しはありません。
知事、これは皆さんの公約です。(資料を示す)そもそも市場問題について、都民の食の安全と安心を守りますというのが、知事と都民ファーストの会の公約です。有害物質が現に検出されている中、こんな追加対策で移転するのは公約違反ではありませんか。知事、お答えください。
二点目、豊洲新市場で発生したカビについて、我が党は、市場業者の方の協力を得て現場のカビの一部を採取して調査しました。カビの種類は主に、食中毒や肺炎を引き起こすことがあるコウジカビでした。コウジカビは、東京都福祉保健局のパンフレットでも、食品衛生上問題のあるカビとされています。コウジカビは約百五十種類あって、発がん性のあるカビ毒を発生するものもあります。
カビの種類、カビが残っている店舗はないか、再発しているところはないか、大量発生の原因は何か、再発防止対策は本当に十分なのか、知事が責任を持って調査を指示するべきです。知事、お答えください。
以上四点、はっきりとご答弁ください。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
【再質問への答弁】
○知事(小池百合子君) 何点かのご質問を再質問いただきました。
まず、憲法改正についてのご質問でございます。
私は、憲法は真の国益や時代の要請に応じて、そのあり方を検討すべきものだと、このように考えております。そして、不磨の大典ではないと、このように考えているところでございます。
そして、九条の三項をつけた点についてどのような考え方かというご質問もあったかと思いますけれども、私は、なかなかこの点については理解に苦しむというところでございます。憲法改正が目的化しているということは間違いであると、このように考えておるところでございます。
なお、憲法についての議論については国会の場で行うべきと、このように考えております。
それから市場につきましてのご質問がございました。
今、追加対策などを講ずることによりまして、安全・安心の確保に努めているところでございます。
そのほかの質問につきましては……(発言する者あり)あと、何がありました。(発言する者あり)今お答えしたとおりでございます。
追加の答弁につきましては、市場長よりお答えさせていただきます。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕
○中央卸売市場長(村松明典君) 豊洲市場におけるカビの調査の関係でございますが、先ほどもご答弁申し上げましたが、現在、豊洲市場の施設内のカビの状況について調査を行っているところでございます。
カビの検体調査、あるいは室内の空気の状況、その中のカビの量だとかの状況について調査を行っておりまして、その結果も今後の再発防止に活用する予定としております。
以 上