豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会 曽根はじめ都議(北区選出)の石原慎太郎証人への尋問
2017年3月20日 豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会
そねはじめ(北区選出)
元都知事・石原慎太郎証人への尋問要旨
そね委員 日本共産党の曽根はじめです。
石原証人に尋問をしてまいりますが、私もわずか九分と時間が限られておりますので、基本的にイエスかノーかで簡潔に答えてください。
最初に、東京ガスと東京都によるこの豊洲の土壌汚染対策費の分担をどう決めたかについてお尋ねします。
昨年十月に、小池知事からあなた宛てに文書で質問が寄せられましたよね。その中で、東京ガスと東京都の土壌汚染対策費用の負担区分について、次のような質問がありました。豊洲市場用地購入後に、土壌汚染対策費用として八百五十八億円が必要となったが、東京ガス側は七十八億円を負担することで合意し、残りは都が負担した。これは適切な措置かという質問です。
これに対し石原証人は今思えばアンフェアだと思いますが、私の判断を求められることがありませんでしたと答えています。当時、本当に石原証人、知事として、この東京ガスの七十八億円の負担について判断を求められなかったんでしょうか。
石原証人 これは繰り返して申しますけど、向こうは売りたくない、こちらはどうしても買いたいという、そういう条件の中での交渉ですからね。私は、担当者に一任する以外ありませんでしたし、詳細のことについては記憶はございません。
そね委員 担当者の方に一任をするしかなかったとおっしゃいますが、この百億円近い金額を東京ガスに負担をさせると同時に、今後それ以上の負担を求めないという重要な決定ですので、こういう問題で知事の判断を仰がないということはあり得ません。
実際に、一昨日の元市場長への証人喚問の際に、岡田市揚長は、自分が着任して早い段階で、負担の考え方、東京ガスに約八十億円の負担を求めるということは、市場の考え方として知事に説明し、了承を得たと証言しています。偽証は許されない場での証言です。これが本当の事実ではありませんか。
石原証人 そういった問題も含めて、事は全部審議会がそれを報告受けて、審議した上でこれを是としたわけですから、私はそれを受けて、事を是とする以外なかったと思いますね。それが行政の手続の手順だと思います。
そね委員 これは審議会の審議の対象の問題ではなく、知事の最終的な判断を待たなければならない問題だということを申し上げておきます。
このとき、二〇一一年の三月三十一日に、長くかかった豊洲東京ガス跡地の最終的な土地売買契約と土壌汚染処理に関する協定書が締結をされます。
ここで改めてお聞きしたいんですが、この土地売買契約についても、石原証人は、知事として事前に報告を受けていたと思いますが、イエスかノーでお答えください。
石原証人 受けてる、受けていないか、覚えておりません。私は、事は全てその担当者に一任しておりましたから。
そね委員 記憶にないというのは問題じゃないんですよ。この日だけで、二つの契約書で五百五十九億円の巨額の契約です。その前の年にあなたは、新銀行への四百億円の追加出資を決めた際には、これを毅損したら私は知事をやめますと、やめますということもおっしゃってるんですよ。五百五十九億円、豊洲の最終的な土地の契約で、記憶にないということは、知事としては考えられないことです。
現に、岡閏市場長からは、三月二十二日、契約の九日前に、このようにブリーフィングで知事に内容を説明する、知事への説明を行っているということをご本人も証言していますし、ここに百条委員会に出された資料もあります。これでも記憶にないとおっしゃるんですか。
石原証人 ですから何なんですか。
そね委員 記億にないとおっしゃるんですか。
石原証人 ですから、私は記憶にございません。記憶にないものはないんですから。私はそれで何をすべきだったとおっしゃるんですか。
そね委員 これは事実を確認をしているので、これほど重要問題を知事だった石原証人が覚えていないということ自体が私は到底信じられません。
次の質問に行きます。
あなたは、最近、豊洲は安全だと主張して早く豊洲に移転すべきだと主張しています。ところが、昨日発表された地下水モニタリングの結果、環境基準の百倍のベンゼン、そして検出されてはならないシアンが十八カ所で検出されています。こんなところにすぐ移転しろというのはどうなのかと。
あなたが都民に約束したのは、地上も地下水も環境基準以下にするということだったんではありませんか。あなたの約束と、今おっしゃってる豊洲移転を急げというのは、矛盾がありませんか。
石原証人 私は、地下水について非常に厳しい基準を設置したことは間違いありません。しかし、ハードルが高過ぎたかもしれません。ですけど、これは、小池知事はその基準にとらわれずに、都民のことをまず第一に考えて、豊洲への移転を実行してもらいたいもんだと思いま。
地下水にいろんな問題はあるかもしれませんけど、こんなもの、今の技術をもって、ろ過してポンプアウトしたらいいんじゃないんですか。海へ捨てたらば。別にその地下水を豊洲で実際にその床を掃除したり、魚を洗ったり使うわけではないわけですから、その地下水は、一体、豊洲の建物を運用するために何のための要するに害があるっていうんですか。
そね委員 最初にハードルが高過ぎたかもしれないと、自分の都民への約束は。とんでもない話です。豊洲だからこそ、あなたにとっては、あそこは地下が相当深刻な汚染があるからこそ、もう少しハードルを低くすべきだったと今思いでしょうけれども、それは都民の側からいえば、とんでもない話なんですよ。食の安全を守るということからいえば、最初から豊洲に行かなければよかったわけです。別の選択があったはずです。
そして、今、ポンプアップしろとかおっしゃいましたが、今、ポンプアップやってるんですよ。やっていながら、地下からどんどんと新しい汚染が出てきてるんですよ。それが七十九倍なり今百倍になっている。地下の深いところの汚染は、上の水を地下水へ引っ張れば下から上がってくる。それが豊洲なんですよ。ですから、あなたが決断したことは、やはり大きな政策の誤りというふうにいわざるを得ないと思います。
きのう、たくさんの業者の方や消費者の方が専門家会議に駆けつけていましたけれども、やはり皆さん大変怒ってます。都は、豊洲を環境基準以下にすると我々に説明したと、信用できないと怒りをぶつけたり、もう汚染対策に八百六十億円も使ってしまったと、これからi幾ら使うつもりなんだという発言もあって、会場から共感の拍手も沸きました。私は、石原証人はこの声にこそ耳を語るべきだと思います。傾けるべきだと思います。
このままでは、真実が明らかにできませんので、石原証人には真相究明まで証人尋問に応じるよう強く求め、また、百条委員会としても、再度、石原証人の証人喚問を行うことを強く要求して、私の尋問を終わります。
以上