予算特別委員会 大山とも子都議(新宿区選出)のしめくくり総括質疑
3月27日の予算特別委員会で、大山とも子議員(新宿区選出)が、しめくくり総括質疑をおこないました。
予算編成及び都政運営の基本姿勢について
築地市場の東京ガス豊洲工揚跡地への移転問題について
2017年 第1回定例会予算特別委員会 しめくくり総括質疑 3月27日
大山とも子(新宿区選出)
○大山委員 日本共産党都議団を代表して締めくくり総括質疑を行います。
初めに、予算編成及び都政運営の基本姿勢について知事に伺います。
日本共産党都議団の代表質問で、財政運営について、石原都政以来の幹線道路事業など大型開発にメスを入れ、適切に抑制していくことが避けて通れないと思いますが、知事いかがですかと知事にお尋ねしました。
この質問に、知事は、道路を初めとする都市インフラの整備は都民の利便性や東京の国際競争力の向上に不可欠な取り組みであり、見直すべきものは見直した上で着実に進めていく必要がございますと答弁されました。
知事は、予算編成及び都政運営の基本姿勢として、今後道路をはじめとする都市インフラ整備について、見直すべきものは見直すという立場をどのように具体化していくのですか。
○小池知事 大山委員のご質問にお答えをさせていただきます。
今お話がございましたように、道路をはじめといたします都市インフラの整備というのは、東京の持続的発展の基盤となります。そして都民生活の質の向上を図る上でも必要不可欠な取り組みであって、都民のニーズのためにも着実に進めていく必要があると考えております。
今ご指摘ありましたように、平成二十九年度予算案で、必要な投資は積極的に行う、一方で、執行状況を踏まえまして、木造住宅密集地域の不燃化や耐震化にかかります予算額を前年度に比べて減とするなど、投資的な経費総額では十三年ぶりの減となっております。
今後とも、このような事業評価の取り組みなどを通じまして、事業の必要性、そして経費の内容、それぞれ厳しく検証いたしまして、今ご指摘ありましたように、見直すべきものは見直しを行う、そしてより洗練された魅力あふれる都市をつくり上げていく、この方針のもとで進めたいと考えております。
○大山委員 知事は、二月に予算案を発表した記者会見で、そのときも予算案のめりの部分といたしましては、投資的経費を十三年ぶりに減といたしましたと発言されました。 知事は、予算編成及び都政運営の基本姿勢として、今後も投資的経費は抑制する努力を進めるのでしょうか、知事いかがですか。
○小池知事 今も申し上げましたように、事業の必要性そして経費の内容などはいつも厳しく評価をする、そして見直すべきものは見直し、必要なものは進めていく、そしてより洗練された魅力あふれる都市をつくり上げていく、この方針のもとに判断をしてまいりたいと考えております。
○大山委員 投資的経費といいましても、投資的経費の中には、特別養護老人ホームなど福祉施設の整備や都市インフラの耐震化や老朽化対策も含まれています。投資的経費の中でもそういうものはふやしていくことが必要だと思いますけれども、知事いかがですか。
○小池知事 改めて申し上げますと、東京の都市機能を支えるインフラ整備への投資については、都民の利便性の向上、そして東京の持続的な発展のために必要不可欠な取り組みと考えております。
一方で、これまでも都市インフラの計画的な維持更新はもとより、福祉施設の整備の促進、そして防災対策の強化など、必要な施策には的確に財源を振り向けております。
今後とも、財政の健全性、こちらに十分留意をしながらも、都民生活の向上にはしっか
りと取り組んでまいりたいと考えております。
○大山委員 知事は、予算案を発表した記者会見で、ハリの部分ではございますけれども、福祉と保健分野への支出が待機児童の解消に向けました取り組みを充実させるということで、三百四十九億円増加させまして、これは過去最高の額といたしております、こう述べました。
福祉と保健の分野は、待機児童対策はもとより、都民生活を支えるための切実な課題が山積しています。知事は、今後も、福祉と保健の予算をふやしていく努力を進めるのでしょうか。知事、いかがですか。
○小池知事 都は、これまでも待機児童の解消に向けた取り組み、そして子どもの貧困対策、高齢者、障害者の暮らしへの支援など、さまざま都民福祉の向上には全力を注いでまいりました。平成二十九年度の予算案におきましても、福祉と保健予算の充実を図ったところでございます。
今後とも、必要な施策には的確に財源を振り向け、子どもや高齢者、障害者など誰もが希望を持って生き生きと活躍できる社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大山委員 知事は、高齢者福祉の充実を求めた我が党の代表質問に、低所得で暮らす方がいることは私も十分認識しております。私はそうした高齢者の方々にとりましても東京を安心して暮らせるまちにしていきたい、こう答弁されまレた。
知事は今後、この答弁を具体化していく方向で、高齢者福祉、高齢社会対策の予算についてもふやしていくことが求められると思いますけれども、知事いかがですか。
○小池知事 ご承知のように、今後、一層高齢化が進行すると考えられます。二〇三〇年には四人に一人が高齢者となると予測されております。高齢者の増加への対応ということはますます重要になるという認識でございます。
都は、これまでも高齢者の暮らしへの支援、高齢者の多様なニーズに応じました住まいの整備など、必要な施策には的確に財源を振り向けております。
今後とも、高齢者が安心して暮らせる社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大山委員 今のここまでの質疑を通しまして、道路を初めとする都市インフラの整備についても、事業の必要性や経費の内容などを厳しく精査し、見直すべきものは見直す、そして、投資的経費についてもその必要性や経費の内容などを検証していくとの答弁がありました。
また、福祉と保健の予算について、必要な施策には的確に財源を振り向け、しっかりと取り組んでいく、高齢者福祉についても、高齢者が安心して暮らせる社会の実現に向けてしっかりと取り組んでいくとの答弁がありました。いずれも重要な答弁です。
東京都も、今後人口減少に向かう中で、都市インフラ整備について、これまでの右肩上
がりの発想から脱却して、新規の大型公共事業は事業の必要性や費用負担などを十分に精査し、思い切って抑えていくことが必要です。そして福祉の抜本的な拡充を重視した予算編成及び財政運営を進めていただくよう求めておきます。
○大山委員 続きまして、築地市場の東京ガス豊洲工揚跡地への移転問題についてです。
私たちは一貫して、深刻な土壌汚染がある東京ガス豊洲工場跡地に生鮮食品を扱う市場を移転させることに反対してきました。先週の金曜日に、改めて、豊洲市場への移転はきっぱり中止し、築地市揚再整備の本格的な検討を行うよう知事に申し入れをいたしました。この立場で質問をいたします。
地下水モニタリング、これは、都が行った土壌汚染対策工事の適否を判断する上で極めて重要なものです。土壌汚染対策法では、二年間にわたって有害物質の濃度が環境基準以下であることが確認されて汚染が除去されたことになります。
ところが、一月十四日に発表された調査結果は、測定井戸の三分の一を超える全街区の
井戸で、ベンゼンが基準値の七十九倍を初め、三十五カ所で基準を超え、ヒ素が二十カ所で基準を超えました。また検出されてはならないシアン化合物は三十九カ所で検出されたのです。
さらに、三月十九日に報告された専門家会議の再調査結果でも、環境基準の百倍のベンゼンを初め、ヒ素、そして検出されてはならないシアンなどが、測定した二十七カ所の地点のうち二十五カ所で基準を超えて検出されました。これを受けて、第九回目の地下水モニタリング調査の結果が確定値となりました。第四回定例会で、知事は、汚染土壌は調査によって把握した汚染物質について掘削除去したと答弁しましたが、このことは、かねてから私たちが指摘してきたように、発見されたものしか除去できていないことを認めたものとして重要ですが、今回の調査結果は、石原都政以来、三代にわたる知事のもとで行われた土壌汚染調査、対策自体が不十分なため、豊洲市場の地下には汚染が相当量残っていることを証明したものだと恵います。
知事は、今回の結果をどう受けとめていますか。
○小池知事 今、るる既にご説明があったように、先日の専門家会議におきましては、これまでの調査を経て、しかも豊洲市場の地下に汚染物質が一部残っている可能性があると、このような指摘をされたわけでございます。
これまでの都民との約束、これ長い長い歴史の中でお約束でございますが、十分果たされていないということについては真摯に受けとめる必要があると考えます。同じく、この専門家会議でありますけれども、地下水管理システムを強化することで、将来環境墓準を目指すことができるとも、このような指摘もされておられるところでございます。
専門家会議は、その名のとおり専門家の集まりでございますが、この議論を踏まえまして、都民の理解と納得が得られるように、これまでもこの場でご議論いただいてまいりました市場のあり方戦略本部、ここでこれまで積み重ねてきたさまざまな検証や、それから科学的な知見等々を集めまして、そして幅広く皆様の声を集中的に伺うヒアリングをして検討を進めていくという考え方でございます。
○大山委員 都民との約束が果たされていないことについては真摯に受けとめる必要があるというのは重要だと思っています。しかし、将来環境基準を目指す、そうおっしゃいましたけれどもそんな展望がどこにあるのでしょうか。明確なことは、汚染土壌と汚染地下水が相当量残っているということです。
専門家会議では、地上と地下は分けて考える、地上については問題ない、地下は地下水の汚染が残っている、だから、どうしたら納得してもらえるのかを考えているなど、いまだに豊洲移転をしようという立場に立った議論が行われています。都民の皆さんや市場業者の世論とはかけ離れているといわざるを得ません。
専門家会議の平田座長は、豊洲市場では地下水は飲まないので問題はない、汚染土壌の直接摂取はないから問題ない、地下ピット内の空気中には、水銀が気化しているが、現在のところ、一階部分には侵入しないから問題ないなどと発言しています。とんでもありません。新たな安全神話の創造だと批判している研究者もいます。
これまでの長い公害の歴史から私たちが学んだことは予防原則です。つまり、安全が明確に担保されていない事象だったら、それが安全と立証されていない限り、危険との因果関係が立証されていなくても、取り扱いは危険事象とみなして対応するということです。水俣病のときには、水俣湾の魚は早い時期から疑われていたんです。ところが、当時の熊本県政は、地元の魚が全て危ないという証拠などどこにもないとして規制しなかったために、その間に患者数はふえてしまいました。だからこそ、因果関係が立証されていない段階でも、疑わしきはまず避けるという姿勢が重んじられてきたのです。
専門家会議は、二〇〇八年七月に、土壌は環境基準以下に処理し、地下水は環境基準以
下の浄化を目指すと提言したんです。専門家会議の後につくられ、専門家会議の方針を安上がりに実施するという任務を果たした技術会議に至っては、建物工事を始める前に土壌も地下水も環境基準を達成するとしていたのです。
都民も、市場関係者も、この提言が実行されることが前提だったんです。それが実行できず、盛り土も主な建物下にはなく、地下水管理システムもいまだに地下水位を管理できない。そして高濃度の地下水の汚染が明らかになったんです。この期に及んで、地上は安全、問題ないなどということ自体、許されないことです。豊洲新市場は、安全・安心が保証できない致命的な欠陥があることが明らかになったのです。
都民の皆さんに約束した土壌も地下水も環境基準以下にするという約束が果たせな
いことは明らかです。きっぱりと豊洲市場への移転は中止し、築地市場の現在地再整備に踏み出すべきです。ところが、この間、まさに築地市場バッシングともいうべき発言が相次いでいます。
まず、土壌汚染について伺います。東京ガス豊洲工場跡地が安心・安全を守るべき市場としては不適格であることは明確であり、築地再整備の本格的な検討を行う必要があります。そのために、何よりもまず、築地市場の土壌汚染について必要な調査を始めるべきと考えますが、いかがですか。
○小池知事 築地市揚の汚染問題を調べるということでございますが、まずは、環境確保条例上の届け出を行った八件の工事について、速やかに調査を実施するように市揚当局に指示をしたところでございます。土壌汚染のおそれがあるとされた箇所につきましては、概況調査を実施をいたしまして、五月をめどにして公表するとの報告、市場当局から受けております。
○大山委員 まずは、届け出すべきところを調査するということですね。
土壌汚染について、時間的にも量的にも質的にも、全くレベルの違う東京ガス豊洲工場跡地と築地市場を同列にして、築地市場も豊洲市場と同じように汚染されているかのような一連の発言があります。主なものは、進駐軍が築地市場の一部を接収していた時代のものです。進駐軍は一九四五年から接収を始め、五十五年には全面解除されましたから、接収していた期間はせいぜい十年程度です。
都による築地市場の土地利用の履歴等調査届けというのを見ますと、クリーニング工場は四十五年から五十三年までの八年程度で、ソルベントという溶剤を用いたドライクリーニングが行われていたと考えられること、地上に溶剤のタンクが設置されていたことがわかります。同時に、自動車修理工場やガソリンスタンドもありました。
環境問題の専門家に確認しましたら、洗濯工場で使われていた溶剤は現在使われている有害化学物質ではないこと、自動車工揚やガソリンスタンドなどはガソリンにベンゼンが少量含まれており、ベンゼン汚染減となり得ますが、ベンゼンは揮発性があり、土壌中に残留しているものは少ないと考えられるとの意見をいただきました。
一方、東京ガス豊洲工揚は、三十年間、石炭などから都市ガスをつくり続けて、有害物質であるコールタールを地面にそのまま直接流して廃棄していた場所です。したがって、豊洲のベンゼンは、コールタールなどに含まれているために揮発しにくく、土壌や地下水中に深く残留しました。つまり、築地市場は、土壌汚染が全くないといえる土地履歴ではありませんが、汚染は部分で、豊洲のような敷地全域にわたる大規模な土壌汚染が残っている可能性は低いと考えられるとのことでした。
知事に伺いますけれども、築地市場と東京ガス豊洲工場跡地の土壌汚染は質的にも、
量的にもレベルが違うと思いますが、知事いかがですか。今、お話をね。
○遠藤環境局長 ただいま、築地市場用地内と豊洲市揚用地内の士壌汚染についてのレベルについてのお尋ねがございましたけれども、まず第一に、築地市場の用地内については、現在、土壌調査を行っていませんので、それについて豊洲と同一であるかどうかについてお聞きになってもお答えができないというふうに考えております。
さらに、お話の中にありました土壌汚染に関する可能性と大きさについてですが、用地内に、過去に、築地の市場用地内、過去に存在した施設には、土壌汚染を生じさせるおそれがある施設が多数存在していることは明らかでございます。それらの施設が原因となる土壌汚染については、汚染が小さいのか、大きいのか、これについては調査しなければわからず、予断を持つことなく、法令に定める手続を進め、適切に調査を行っていく必要があるというふうに考えております。
○大山委員 だからこそ、やはり都民の皆さんの心配を解消するためにも調査は早目に実施することが必要だと思います。豊洲新市場には、土壌汚染、相当残ってるし、都民の皆さんや市場業者の世論は、豊洲移転反対が大勢ですから、豊洲市場への移転を進めてきた人たちが苦し紛れにいっている築地バッシングといわなければなりません。早く調査をするべきだと、必要があると思います。もう一つは、建物の安全性や交通事故の問題、ネズミやカラスが多いとか、集中豪雨で下水マンホールから水があふれ出すなどということです。
問題とすべきは、なぜこのような状況になっているのかということです。それは石原都政以来、移転を前提にしてきたために、最低限の改修や補修対応で済ませ、本格的改修などをやるべきことを怠ってきたことによるゆがみです。築地市場の改修は、九九年度からの決算額を見ますと、年間三億円程度で推移しています。どんな建物でも定期的な大規模、中規模の改修などが必要でありながら、築地市揚は九九年度以降は当面の補修しか行っていないんじゃないでしょうか。それでは、さまざまな問題が発生するのは当たり前です。
石原都政以来十八年間、五棟だけではありますが、耐震改修工事をした、実施したことは結構です。築地市場の雨漏りや集中豪雨のときの下水のあふれなどは必要な大規模な改修、修繕を怠り、最小限の補修にとどめてきたことから来るのではないでしょうか。築地市場の交通事故は、例えば、路面の穴にターレやフォークリフトのタイヤが挟まってしまうことです。穴にはまらないまでも、前を走っているターレが穴を見つけて急にハンドルを切れば、後続のターレは避け切れないこともあります。交通事故を少なくするために重要なことは、路面の補修を適宜やることです。
また、先日、ろ過海水が配水できなくなって、さすが現場をよく知っている職員は、直ちに壊れているところを発見し、翌日には復旧したようですけれども、水回りなどは常にメンテナンスを怠らないようにしなければならないものです。道路冠水や集中豪雨のときに雨どいから水があふれることなども早急な補修が求められます。
今、求められているのは、知事、歴代都政のように、必要な改修、補修を怠るのではなくて、補正予算を組んで、応急手当だけではなくて、本格的な改修、補修を行うことだと思いますけれども、知事いかがですか。
○村松中央卸売市場長 築地市場の都有施設で、防災上重要な建築物として選定しておりますが、耐震基準を満たしていない建物のうち五棟につきましては、平成十六年度から平成二十四年度にかけて耐震改修工事等を実施いたしました。また、アスベストにつきましては、平成二十年度までの閲、順次除去工事を実施してきたところでございます。
これらを含めまして、平成十一年度から二十七年度までの問で、施設設備に係る修繕や改修のために実施した工事は、合計で約三千四百件、百億円でございます。こうしたことから、必要な工事につきましては、順次これまでも適切に対応しております。またその他、日々の市場運営に支障が生じませんよう日常の点検や補修を適切に実施しているところでございます。
○大山委員 それだったら、もっときちんとメンテナンスができてる、補修も改修もちゃんとやってるんだといったら、水漏れだとかね、それから雨どいから雨がおっこっちゃうなんてことはないじゃありませんか。定期的な大規模、中規模の改修などが必要でありながら、築地市場は、九九年以降は移転を前提にしてきたために、最低限の改修や補修対応で済ませて、本格的改修などを、やるべきことを怠ってきたではありませんか、だから、そのゆがみが出ているんです。.
ネズミが多いという指摘もありました。ネズミは駆除すれば減ります。思い切って本格的に駆除をすれぽいいことです。築地市場は、開放型だからカラスやネズミなども侵入するし、食中毒のリスクが高いとの論調もありました。これも市場で働く人たちを愚弄する話です。第一、築地市場は、開業してから一度も食中毒などの事故は起こしたことありません。それは、ろ過海水で洗い流し、仲卸や卸の皆さん、そして市場衛生検査所の職員など、食の安全を守るプロがそろっていて、カを発揮して、日々努力しているからです。誇るべきことです。結局、改修も、移転が前提だから、そこそこにしかやらない。ネズミの駆除もそこそこにやるにとどめてきたわけです。
もとはといえば、そもそも無理な豊洲移転を強行しようとしたことが原因です。責任はどこにあるのかといえば、それを進めてきた石原、猪瀬、舛添都政と一緒に進めてきた会派です。やるべきことは、築地バッシングではなく、みずからの反省だということを申し述べておくものです。
さらに、築地は、豊洲より高コストだとの発言もあります。一部報道で、築地で営業を続けた揚合、年間にかかるコストは八十四億円で、豊洲に移転した場合は七十七億円とありますが、こうした試算はあるんでしょうか、どのように試算されたものでしょうか。
○村松中央卸売市場長 お話の一部報道の件でございますが、そうした報道があったことにつきましては承知しておりますが、中央卸売市場として試算したものではございません。
○大山委員 この一部報道ですけれども、そういうね、根拠も示さず、誰がつくったかもわからない数字が流されていることは見過ごすことはできません。
豊洲移転整備費は、当初、約四千億円、財源の不足額は千八百億円で、築地市場跡地の売却収入で十分補填できるとされていました。ところが、実際には、整備費は既に六千億円近くにふえ、市場会計は、借金は三千億円、営業収益は年百億円の赤字となります。かつ、豊洲市場は低温管理された閉鎖型施設のために、業者には築地市場になかった空調経費などの負担増があります。さらに、整備費については、新たな地下水管理システムの設計変更、修正工事、さらに地下水モニタリングの継続調査、強制排水などによる経費増が見込まれます。こうした状況になっていることについてどのような検証をされていますか。
○村松中央卸売市場長 豊洲市場の整備費用や、その財源、運用コスト等につきましては、事業継続性の観点から市場問題プロジェクトチームにおきまして、現在、検証が進められております。,
また、地下水管理システムなどの安全性の確保策につきましては、先ほど来お話のとおり、先日の専門家会議において対策の方向性が示されたところでございまして、今後必要な対策について検討を進めていくこととしております。
○大山委員 どういうことかといったら、豊洲市場のリスクは、土壌汚染問題だけにとどまらず、市場の持緯的運営、市場業者の持続的経営についてもリスクがあるということです。
一方、築地での再整備の場合ですが、二〇〇九年当時の試算として三千四百億円、財源は豊洲用地の売却収入を七百二十億円とし、不足財源六百三十億円とされていました。現在、築地での再整備についてどのように試算されていますか。
○村松中央卸売市場長 中央卸売市場では、現在、築地市場の現在地再整備にかかる試算は行っておりません。なお、豊洲市場と築地市場にかかる課題につきましては、新たに立ち上げます市場のあり方戦略本部におきまして、市場の将来的なあり方も含めて幅広め観点から検討することとされております。、
○大山委員 試算は行っていないということなんですけれども、今こそ、築地市場の再整
備を本格的にスタートするときです。ローリング方式による築地市場の現在地再整備は、九〇年代にも試みられましたが、そのときから二十年近く経過し、今では建設技術も、機材も大幅に改良されています。また、そのころの築地市場の状況とは現状は大分変化しています。取り扱い数量は、この二十年間で約三割減少しています。仲卸業者も、豊洲には行けないと廃業したところも少なくありません。また、取引ができる時間帯も伸びていますから、一時に集中するということは、分散できるということになっています。
再整備するに当たって、こうした現状を、今の時点で再検証する必要があります。現在地で再整備しようとすれば、工事するための用地や種地なども必要です。これも、みんなで知恵を出し合ってやってくということが必要です。現在、隅田川に、せり出しで人工地盤が設置されていますが、これを種地として活用することや、あるいはさらに人工地盤を広げることなども考えられることではないでしょうか。
また、現在地再整備するための方法についてもさまざまな提案がされていることは、本会議の代表質問でも取り上げました。築地市場再整備について、我が党の代表質問への答弁で、新しい工法や手法による提案がなされていることも承知していると知事は発言しています。全てを壊して建てかえる方法だけでなく、現在ある建物を生かして、耐震化して、設備も一新してよみがえらせるような工法も可能になって実績も上げています。
また、市場問題プロジェクトチームでも、渋谷駅の改造工事など、電車をとめることなく、人の流れもとめることなく工事を進めたことなども議論されています。このような新しい工法も含めて検討することが必要ですが、知事、いかがですか。
○小池知事 築地市場の再整備についてのお尋ねでございました。過去、さまざまな課題に直面して、そして断念をした経緯がある一方で、新しい工法や手法による提案がなされていることも承知をいたしております。これまで、多額の費用をかけて整備をされてきた豊洲市場でございますが、その安心をいかに確保できるかという一番大きな課題に向き合う必要が今もあるということでございます。こうした築地市揚と豊洲市場の課題に加えて、市場の将来的なあり方にまで目を広げる、鳥の目を持つということかと存じます。新たに立ち上げます市場のあり方戦略本部におきまして、消費者、生産者の団体、物流業界、それぞれ団体、さらにはお一人お一人幅広い意見を聞いた上で、総合的に判断をしていきたいと考えております。
○大山委員 いろいろな工法が、本当に二十年前と比べて技術的にも進んでいるし、実
績も上げているということでは、ぜひね、いろいろな工法も含めて検討していただきたいと思っています。
過去の築地市場再整備のとき、一九九〇年代の業者の合意がとれなかったということ、その話も前からありました。私たちは、現在地再整備、当時の資料を取り寄せてどのような問題があったのか調査しました。業界内にさまざまな意見が出されたことが問題だったというのもそうでしたが、そうした意見への都の対応姿勢にこそ問題があったんです。
一つは、工事中、買い出しに来た際に、駐車場が極めて不便な状況にあり、工事促進に向けてさまざまな要望が都に上げられていたにもかかわらず、都の対応は全く不十分だったことです。また、都の財政難を理由に、再整備計画の縮小、見直しにかじを切ったため、現在地再整備をますます困難なものにしました。さらに、業界も移転の可能性を見きわめることは困難ということで一致していたにもかかわらず、都側から、豊洲移転しかないかのような方向に強引に持っていったことが現在再整備断念を決定的なものにしたことです。現在地再整備は、札幌市、大阪市の中央卸売市場で行われました。
私も大阪の市揚に行って、直接話を聞いてきましたが、そこでは、さまざまな意見の違いがありながらも、関係者の粘り強い努力、話し合いによって現在地再整備が実現しています。特に私も印象的だったんですけれども、市場当局が、業界調整に特別に心を砕いて、公平に進めるための大変な努力を行ってきたことを確認しています。札幌や大阪などと、業者の数、それから取り扱い量、種地などたくさんの違いがあるとしても、技術の進歩、流通形態の変化などもあり、都のイニシアチブで検討を行うならば展望は必ず出ると思います。築地市場の再整備について、専門家、業者、都民参加で検討会を行うべきですけれども、いかがですか。
○村松中央卸売市場長 今後新たに立ち上げます市場のあり方戦略本部におきましては、築地市場と豊洲市場の課題の整理、あるいは将来を見据えた、さまざまな課題に関しても検討することになっております。そうした中で、この戦略本部について、さまざまな観点から検討をしてまいります。
○大山委員 幅広い意見を聞いた上で、きちんとということなんですけれども、やはりね、豊洲市場への移転はきっぱりと中止をして、築地市場再整備の本格的な検討を行うことを強く求めておきます。
豊洲市場用地の地下の汚染が深刻だということ、さっきも申し上げましたけれども、豊洲市場の土壌汚染対策に関連して見過ごせないことがありますので、質問しておきます。地下水モニタリングの一回から八回の調査です。十九日の専門家会議の報告によって、一回から八回のモニタリング調査で再採水、つまり採水のやり直しが都の指示で恒常的に行われたことがわかったことです。
すなわち、分析結果の速報値を見て、都から基準超過や、今までの傾向と違う結果があったら再採水するように指示があり、一回から三回のモニタリシグでは全街区で、五街区の鹿島JVは四回から八回で再採水、それから、六街区の清水JVは四回から六回で再採水、七街区の大成JVは第四回目に再採水を行ったとのことです。例えば、六街区で基準値をオーバーしたところとその周辺を再採水したということなんですね。
最初の採水分析では、基準値超えが大きいものでベンゼン、一リットル当たり0.16
ミリグラム、つまり環境基準の十六倍でしたが、採水をやり直して再分析すると不検出となったというんですね。市場問題特別委員会で、我が党のかち議員がこの問題を取り上げ高い値が出たら再採水することがまかり通っていた。分析の改ざんといわれかねない、こう批判しますと、市場長は、情報を確認、整理し、次回の専門家会議に報告すると答弁しています。知事、対策、土壌対策工事の適否を判断する上で重要な地下水モニタリング調査で、データ改ざんといわれかおないことが起きています。直ちに調査をして報告すべきですけれども、どうですか、
○村松中央卸売市場長 今、データの改ざんというようなお話がございましたが、そのような事実はないものと考えております。現在、一回から九回までのモニタリング調査につきましては、専門家会議の指導のもとで、専門家会議のメンバーも入っていただきながら、各事業者へのヒアリングを終えております。その結果につきましては、前回の専門家会議でご報告をさせていただきました。そのヒアリングによれば、再採水は、採水した地下水試料に、懸濁物質が多く含まれている場合、あるいは液状化対策など、近くで地下水の計測に影響すると思われた、そういった場合の作業があった。そういったケースにおいて、分析値にその影響が出る、こういった正しいデータが測定できないようなそういう場合、そういうおそれがある場合に、都の指示で行ったものでございます。
専門家会議で行いましたこのヒアリングにおきまして、事業者へのヒアリングにつきましても、その分析、あるいはその採水、そういった方法につきましては問題なく行われておりまして、一回から九回までのモニタリング調査は適正に行われたと、そういう評価をしております。
○大山委員 どうして、問題なく行われたなどということが答弁できるんですか、専門家会議だって調査をします、そういったんですよ。それちょっと撤回してくださいよ。
○村松中央卸売市場長 専門家会議におきましては、先日の専門家会議におきましては、そのヒアリングを通じて各分析、失礼しました、各受託事業者が適正にやっている、適正な方法で測定をしている、こういう評価をしていただいたところでございます。
○大山委員 再採水が恒常的に行われていたんでしょう、だからデータ改ざんといわれかねない。そして、専門家会議だって、もっと情報が上ってきたのが前日だというふうに報告、専門家会議では報告されていましたけれども、ちゃんとね、それは直ちにきちんと、情報を、調査をするべきですよ。データ改ざんといわれかねないグレーの部分を残して、一回から八回目までの調査データは正しかったのか、本当に不検出だったといえるのかという疑義が残るんです。’
専門家会議の報告でも、一回から八回の地下水モニタリング調査で異常が検出されていないのはなぜなのかということの証明は不十分なままです。そもそも、土壌対策、土壌汚染対策工事をやった事業者が、みずからの土壌汚染対策工事の適否をチェックをする、地下水調査をやること自体、その客観性が問われる問題です。徹底調査するよう求めておきます。
○遠藤環境局長 地下水のモニタリングの一回から八回までの再採水による調査につきましては、専門家会議がヒアリングした結果を理由とするような再採水というのは一般的に行われていることでございまして、専門家会議が一回から八回までの採水についても問題がないというふうに判断したことは妥当だというふうに考えております。
○大山委員 とにかくね、専門家会議だって、調査するっていってるんですから、きちんと調査してください。都民に約束した土壌も地下水も環境基準以下にすることはできなかった。しかし、六千億も使って整備してしまった施設だから、市場として使わないのはもったいないなどという立場には絶対立ってはならないと思います。地下水は飲まないからなどということではなくて、都民に約束をした、土壌も地下水も環境基準以下にすると約束した、この約束を破ることは許されないということを申し述べておしまいにします。