経済・港湾委員会 市場移転問題集中審議 かち佳代子都議(大田区選出)
2016年10月7日 経済港湾委員会集中審議
かち佳代子(大田区選出)
○かち委員 初めに、盛り土問題と地下空間については、我が党都議団が九月七日、初めて豊洲新市場予定地の視察を行い、水産卸売り場棟の地下にまで行き、建物の下には巨大な地下空間があり、地下水がたまっているという光景を見て、私自身大きな衝撃を受けました。その後も何度も現場に足を運び、結局、三つの売り場棟と加工パッケージ棟の下には盛り土がなく、地下空間に地下水がたまっていることを確認しました。
我が党は、最も安全・安心を確保しなければならない市場を深刻な土壌汚染にまみれた東京ガス工場の跡地に移転することに反対をし続けてきました。しかし、石原元知事のもとで強引に移転計画が進められました。専門家会議、そして技術会議の提言に基づいて行ったとされる土壌汚染調査も、その対策も不十分であり、問題があると訴え続けてきました。
この間、東京都は専門家会議の提言に沿って、予定地全面を土壌汚染対策後、四・五メートルの盛り土をするから安全だ、国の基準を二重、三重に上回る汚染対策だということを本会議の場でも、当委員会でも繰り返し答弁をしてきたわけです。私は、今期三年間当委員会に所属し、機会あるたびに豊洲の土壌汚染問題を質疑してきました。豊洲市場の地下空間設置と盛り土がなされていなかったことに関する事故検証報告書にあるように、盛り土問題について、この五年間に都は二十二回も盛り土をしていると、まるで判を押したように繰り返し答弁をしています。私も質問は六回していますが、やはり同じように答弁しています。二〇一四年十二月二十二日の当委員会では、私の質問に対し、四回も同じ答弁を繰り返されてきたわけです。市場長を含め、少なくない理事者の皆さんは、それを聞いていたわけです。この間、誰も実態と違うということを表明されなかったことは驚くべきことです。
まさに安全・安心をないがしろにし、都民を欺いてきたことであり、都への信頼を大きく失墜させてしまったのです。そのことを本当に重く受けとめてほしいと思います。
同時に、歴代の市場長やかかわった幹部職員の方々は、口を合わせたように知らなかった、思い至らなかったなどと表明していますが、これは市場の安全・安心の根幹にかかわる問題なんです。その程度の安全感覚しか持っていないとしたら、本当にゆゆしき事態です。私は、この問題は暗黙のうちに触れてはならないという抑止力がどこかで働いていたのではないかと思います。今後、その大もとにたどり着かなければ、この問題の根本解決にならないと思っています。引き続き真相解明のためにカを尽くしていくことを申し上げ、質問に入ります。
卸売市場整備計画について
まず、今回、この委員会に提出されました国と都の卸売市場整備計画について伺います。東京都卸売市場整備計画答申の報告がありました。都の卸売市場整備計画は約五年ごとに作成しているもので、今回は二〇一六年から二〇年までの計画です。国の整備計画では、日本の基幹市場ともいえる築地市場の豊洲新市場への移転が前提となっていますが、当然国へもこれまでの豊洲新市場整備状況が報告されていると思いますけれども、今回の土壌汚染対策の内容に関するてんまつについてどのように報告されているのでしょうか。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 国に対しましては、今回の事故検証報告書について、状況についてご報告を申し上げているところでございます。
○かち委員 都は、これまで国に対しても豊洲新市場予定地の土壌汚染対策の内容について虚偽の報告をしてきたわけです。今回発覚した地下空間の問題は、食の安心・安全にかかわる市場機能の基本となる大前提を崩すわけですから、早急に国に対してこれまでの報告を訂正すべきですけれども、どうですか。
○金子市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまで市場用地の安全・安心の確保が前提であることから、農林水産省に対しまして土壌汚染対策については適宜報告を行ってきたところでございますけれども、今回の状況を踏まえまして、今後、専門家会議及び技術会議の提言に基づいて新たに取りまとめられる土壌汚染対策の内容等々につきまして、まとまり次第、改めて国へ報告したいと思っております。
○かち委員 国の卸売整備計画も、都の卸売整備計画答申も、豊洲新市場については四・五メートルの盛り土などの土壌汚染対策を前提にして作成されています。現時点では、これらの計画と実際の豊洲新市場、そして都の報告との問に食の安全・安心にかかわる大きなぞごが生じているんです。直ちに見直しをすべきだと申し上げておきます。国にも直ちに報告すべきだということを申し上げておきます。
地下水管理システムの見積もり参加条件について
地下水管理システムについて引き続き伺います。
地下水管理システムの問題は、我が党の昨日、尾崎あや子議員が質疑で取り上げた日水コンの地下水管理システムに関する施設等詳細設計の契約にかかわる問題について伺います。
豊洲新市場予定地の地下水管理システムに関する施設等詳細設計で、都は地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することを見積もり参加条件としました。都は、豊洲新市場予定地での地下水管理システムをつくるに当たって、地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することをなぜ見積もり参加条件にしたのですか。
○長嶺財政調整担当部長 豊洲市場の地下水管理システムは、約四十ヘクタールの敷地の地下水を管理し、浄化処理を行うという他に例を見ない施設でございます。こうした大規模な施設を設計するということで、確実にそういった業務内容が履行できるような業者を選ぶためにそういったもの、見積もりの参加条件に施設を有することを加えました。
○かち委員 ただいまご答弁がありましたように、豊洲新市場での地下水管理システムは、他に例を見ないような四十ヘクタールという広大な、そして汚染地下水も否定できない、あるということが前提になっている。こういうところで地下水管理をするという点では大変高度な技術を要する、そういうものなんですね。だから、それを入札条件に入れたわけです。
しかし、流動解析を行うための実験研究施設を有するという参加条件が日水コンにあるのかをどのように確認したのかという質問に対し、都の答弁は、四日の本会議では会社のパンフレットで確認したということでした。それがきのうの尾崎あや子議員の質問に対する答弁では、会社のパンフレットで確認したとはいえなくなり、一回目の答弁では本社にあるといい、直後の二回目の答弁では契約当時は本社にあったが、会社分割して子会社にあるといい、最後は子会社の環境分析センターにあるというなど、答弁は二転三転しました。くるくる変わる答弁だけでも答弁の信慧性が問われる事態です。
伺いますが、あなた方は本社、子会社に出向いて、直接地下水流動解析装置を確認をしたのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 私は確認には行っておりませんが、当時の担当者は、日水コンの研究施設は現在日野にございます。ここにあることは確認しております。そして、当時は日水コンが持っておりましたが、今は子会社化しております。しかしながら、建物、そして用地も日水コンの所有でございます。中の施設についても、子会社と日水コンが共同使用するような契約を締結しております。
○かち委員 私は、実際に行って確認をしたのかどうかということを伺いました。その点について、もう一度お願いします。
○長嶺財攻調整担当部長 まず、私も実際の会社は確認してございません。それから、昨日の私の答弁について二転三転というご指摘をただいまいただきましたので、補足して説明をさせていただきます。
本社、日水コンの本社は西新宿に所在をしております。そして、環境分析センターという実験施設、こちらは日野にございます。私があると申し上げたのが、本社が所有をしているという意味で本社にあるというようないい方をしてしまったんだと思います。こちら誤解を招きましたことはおわびして、申しわけございませんでした。改めまして、日水コン、本社が西新宿にある日水コンが日野にある実験施設、環境分析センターを所有してございます。そして、契約後に分社化をいたしました子会社、こちらはこの環境分析センターの中に本社という形で住所を置いていると、そういうことでございます。
○かち委員 実際には現場には行っていないということは明らかになりましたね。繰り返しますけれども、私たちは直接日水コン本社の事務所に入り、総務課長から話を聞いてきたんです。また、都があるという子会社の分析センターからも直接話を聞きました。日水コンの本社にも、環境分析センターにも、地下水流動解析を行うための実験研究施設がないことを確認しているんです。どちらが正しいかは明確ではありませんか。
私は、きのうの市場の二転三転する答弁を聞いていて強い怒りを持ちました。盛り土問題で虚偽の答弁で議会と都民を欺き続けたことを謝罪したばかりではありませんか。今度は私たちが根拠を示して具体的に指摘しているのに、その場だけを取り繕ういいかげんな答弁を繰り返します。都合の悪いことは隠蔽することにきゅうきゅうとする。四日の我が党の代表質問での再質問に対し、知事は、必要ならば調査をすると答弁した重要な問題です。きちんと調査もしない、いいかげんな答弁を繰り返すことはやめるべきことを厳しく指摘しておくものです。
次に、ちょっとパネルを見ていただきます。皆さんのお手元にも資料がありまして、昨日提示したものと同じものですけれども、都が公表した入札経過調書から日本共産党都議団が作成した日水コンの豊洲新市場にかかわる契約実績です。この契約について幾つか伺いたいと思うんですが、日水コンとの最初の契約は、我が党が指摘してきた豊洲新市場予定地における地下水管理システムにかかわる施設等一・一番上のここですね。一番上です。我が党が指摘した詳細設計、これが最初の契約です。入札は、競争によらない公募型見積もり合わせの随意契約で行われ、三者の入札金額は、日水コンが三千七百五十万円、他の二者はそれぞれ四千九百九十万円、七千五十二万円となっています。結果は、見積もり参加条件に不適格の疑いが濃厚の日水コンが随意契約をしています。契約者は石原慎太郎知事。ここにありますけれども、石原慎太郎知事と日水コンの社長になっています。
一年後の二〇一三年十二月十九日には、猪瀬知事と日水コンが契約をしてるんですけど、これはこの二番目です。二番目ではありませんね。補足設計。二〇一三年十二月十九日の補足設計で四千三百八十万円で契約しているんです。これ猪瀬知事のときです。契約書はここにありますけれども、これは特命随意契約で行われてます。本契約よりもさらに値は高騰してます。
私が不思議に思うのは、詳細設計が三千七百五十万円だったのに、補足設計がそれよりも高額の四千三百八十万円となっていることです。伺いますが、なぜ詳細設計より補足設計が高額なのか、なぜ補足設計が必要になったのか、説明を求めます。
○村井基盤整備担当部長 最初の詳細設計時点では、建物の配置計画などが確定しておりませんでしたので、そういった構造物の配置を詳細に確定し、ポンプの井戸の設置位置などを確定する変更を行っております。
○かち委員 そういうことがあったとしても、本体契約よりも補足設計の方が上回るというのは、本当に異常な事態だと思いますが、さらに補足設計からわずか七カ月後の二〇一四年七月十七日には、舛添要一前知事と日水コンの間で豊洲の地下水管理システムにかかわる施設等修正設計というのをやられているんです。これです。五千百三十万円です。これは、どういうことでしょうか。
○長嶺財政調整担当部長 今委員ご指摘の修正設計でございますが、こちらの委託概要は、詳細設計における設計検討成果を見直し、必要に応じて図面や数量等の修正を行うというものでございます。こちらは、ご指摘のとおり特命の理由でやってこざいます。それからもう一つ、さきにご指摘のありました補足設計、こちらにっきましては計画条件、先ほど村井の方からご答弁させていただきましたとおり、計画条件の見直しに伴い、浄化施設の設備の仕様や設備を収容する地下構造物の設置等の追加検討を行い、全体の構成を再検討するというものでございます。
先ほど来、実験施設につきましてご指摘を頂戴してございますけれども、そちらについてちょっと一言ご説明をさせていただきたいと存じます。地下水管理システムに関する詳細設計を発注する際に、先ほど来ご指摘のとおり、実験研究施設を有することという見積もり参加条件をつけました。こちらの見積もり参加条件ということで、先ほど入札とは違うということで、確かに入札とは違うんですけれども、入札と同様の競争性のある複数社から見積もりをとる見積もり合わせという形の随意契約で日水コンと、一番初めの契約については結んでいるということでございます。そして、この契約、参加をする際に地下水流動解析を行うための実験研究施設にっきまして、こちらは一番初め、市場長の方から答弁させていただきましたとおり、パンフレットにより環境分析センターという実験施設、こちらを保有していることを確認してございます。
最新の同社のパンフレットでは、この分析センターの記載がございません。地下水流動解析を行うための同センターの実験棟という棟があるんですけれども、こちらを現在も保有していることは日水コンに改めて直接確認をとってございます。
○かち委員 いろいろお答えをいただいたんですけれど、契約する当時はパンフレットを見ただけで契約をしているんです。だから、それで私たちは実際に行って、あったのかないかというのを聞いて、ないことを確認しているので、やっぱりその当時は不適格な事業者ではなかったかということをいっているわけです。
それから今のこ答弁で、本契約は随意契約、その後ずっと特命随意契約が十回続いているんです。やるたびにお金がふえていく。補足設計とか修正設計でこんなふうに、本体よりも大きくふえてしまうなんていうことは、ちょっと普通の状況じゃないと思うんです。結局、三億五百七十万円の日水コンの契約の状況になっているわけですけれども、到底納得できるものではありません。
要は、地下水流動解析を行うための実験施設を有しない日水コンの当初の詳細設計が不十分なために補足設計や修正設計が必要になったというのが真相ではないかと疑わざるを得ません。日水コンが随意契約した最初の詳細設計が三千七百五十万円、その後の特命随意契約の補足設計が四千三百八十万円、修正設計が五千百三十万円で、この三件で一億三千万円を超えます。詳細設計の最も高い金額の会社の入札の七千五十二万円は大きく上回ります。結局、事の経過を知る多くの人から、日水コンとの随意契約ありきとの疑念が持たれても仕方のないことと厳しく指摘をして次に進みます。
きのう尾崎あや子議員が地下水水位の高さ、地下の地形、土壌の性質などをどのように考慮して、揚水井戸の能力、配置場所を決めたかを聞いたにもかかわらず、過去の最大雨量から算定して決めたという趣旨の答弁しかなく、質問への回答が明確ではありませんでした。その答弁を裏づけるかのように、地下水管理システムの揚水井戸は、図面を見る限り、ほぼ均等に配置されています。これでは、地下水の高さ、地下の地形、土壌の性質など考慮して設計されているとは思えません。地下水位は既に海抜三から五メートルを超えています。実態は地下水管理ができていないということを示しているのではありませんか。
この地下水管理システムの各井戸の配置は、地下の地形、土壌の透水係数など十分考慮された設計だったのかどうかということを具体的に明快に説明をしていただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの設計に当たりましては、有限差分三次元地下水流動モデルというものを使用してございます。これは具体的に申しますと、土地を十メーターメッシュで切りまして、一メーターの深さごとに土質のデータを設定した上で三次元モデルを作成しております。それによりまして地下水がどのように変動するのかを解析したものでございます。
○かち委員 地下水流動モデルを使ったと。モデルは一般的ですよね。これが豊洲の地質、土壌にどういうふうに合っているのかということをちゃんと比較検討されたんですか。
○村井基盤整備担当部長 先ほどもご説明させていただきましたけど、一メーターの深度ごとに土がどのぐらい水を浸透させるか、透水させるか、そういったもののデータはそれぞれごとに全部違っております。実際の豊洲から取った土などでそういう計測をしておりますので、現場の方がどういうふうに流れるかという、そういうモデルをつくって、そこに雨を降らして、どういう地下水の動きがあるかということを計測しております。
○かち委員 一応実態に即してやったというご説明ですけれども、豊洲の土壌の体質とか、そういうものとの条件の中で、これが適当かどうかということを本当にやられたのかという点では、,まだ私は不解明です。お答えはあるでしょうか。ないですか。じゃ、次に進みます。
日水コンは、実際に豊洲新市場予定地における地下水管理システムに関する旛設等詳細設計を契約して、予定地内における地下水流動の解析を行ったということでよろしいんですか。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの設計に当たりましては、先ほど申しましたように三次元モデル作成し、その結果を技術会議にも報告しております。
○かち委員 今のお答えでは、予定地内における地下水流動の解肝を行ったというふうには読み取れないんですけど、聞き取れないんですけれども、いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲地域内での地下水モデルを行ったということで結構でございます。(「はっきりして」と呼ぶ者あり)解析を行ったということでございます。(「流動解析」と呼ぶ者あり)流動解肝を行ったということでございます。
○かち委員 一つ、私不思議に思っているものがあるんですけれど、建物の下には井戸がないんです、揚水井戸が。あれはどのように揚水をすることになるんですか。
○村井基盤整備担当部長 豊洲の市場用地内には、建物の周辺に揚水のポンプを設置しております。建物下には砕石を格子状に敷いてございまして、そのみずみちをつくってポンプまで水を導くような構造になっております。
○かち委員 要するに、建物の下には直接揚水する井戸はないということですけれども、あそこの建物の下、盛り土がないという話もありまして、大体どのぐらいの面積を盛り土していないのかということを確認しましたら、全体の面積の四割だというんです。約四割。四割の部分から揚水しないで、砕石層で流すようにみずみちでやるんだといってますけれど、もう一つ、一つは、建物に遮水壁をつくるといっていた。建物の中に水が入らないようにするといっていた。それもやっていない。そうすると、地下水はどんどん建物の中にも入ってきますよね。そういう水をきちんと揚水する状況になっていないんじゃないかと。だから、地下にああいう道がたまっているんじゃないかということも考えられるわけですけれど、その点はどうですか。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘の建物周りの遮水壁というのは、専門家会議当時は、地下水の基準を建物の外側は環境基準の十倍を設定しておりました。そして、建物下は、建物が建ってしまうと、なかなか作業ができない関係で、環境基準に抑えると。当時の設定は、建物下と外の環境基準が違っていました。その後、技術会議などで検討していただく中で、建物下も建物以外も全て環境基準以下にしようということになりました。その関係で濃度を分ける必要がなくなりましたので、遮水壁は設置しないことといたしました。
○かち委員 今の経過はそういうことだと思うんですけれども、結局、今のような海抜三メートルから五メートルも地下水が上がっている。それ全域的ですよね。そうすると、もう再汚染された水が盛り土の中にまで入ってきているという状況があるんです。だから、建物の中も外も地下基準以下にするというよりも、むしろ中も外も同じように汚染されているという可能性が高いということが実態だというふうに思うんです。
技術会議の会議録を見ると、座長がコストを抑えるという発言をしています。とにかく技術会議というのは、いかに食の安全・安心を守るのかというのではなく、いかに経済的にやるか。つまり、いかに安上がりでやるかということに重きを置いているんです。ですから、技術会議の提言は、地下水管理は新市場開場後も継続して実施することから維持管理費を考慮したシステムとするとしています。
都は、地下水管理システムを具体的に進める中で維持管理費を考慮したシステムとするために具体的にどういうことをしてきたのですか。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘のように、経済的というか、コスト面でのチェックということについては、専門家会議とは違って技術会議は実際にどういう工法ができるかとか、工事をする方法などを検討するものでございます。ですから、そういった考え方はあったと思いますが、逆に環境基準を建物以外も十分の一、約今の基準以内におさめるということをやっているということは、安全とコストの面では両方から検討していたと思われます。
○かち委員 建物の周りに遮水壁をつくらないということもコスト削減の一つであって、それが環境基準に両方合わせるんだという話ですけれども、それは理屈ですけれども、実際には、逆に下も横も外も汚染をされてしまっているじゃないですか。維持管理費を考慮したシステムにするために何をどうした。具体的には何かしたのですか。
○岸本中央卸売市場長 すみません、ちょっとこ答弁の前に、今理事の方から、建物の中も外も盛り土は全て汚染されてるかのようなお話ございましたが、今のところ地下ピットにたまってる水の検査の結果は環境基準を下回っておりますので、まだそこまでおっしゃるのは、ちょっとご判断としては早計かなと思ってまして、我々としては今後専門家会議などでそのあたりも含めて検証していただくということにしておりますので、その結果を待ちたいというふうに思っております。
○村井基盤備担当部長 委員ご指摘のコスト削減についての検討をしたのかということについては、建物周りにおいては、できるだけアスファルトコンクリート舗装をしたりして透水する量を抑えております。今の設定では、舗装した場合、大体八五%は下水に流れて、一五%程度が地下に潜ると、そういう設定で設計はしております。
○かち委員 先ほど市場長のこ答弁で、ピット内はまだ基準値を超えていないとおっしゃいましたけれど、都が独自にはかったものの中からは出ていましたよね。そして、モニタリングでは、五街区からベンゼンなどが出ていたということを見れば、もう既に中も外も汚染されている可能性は高いということをいわざるを得ないわけです。
それで、結局、本会議の代表質問、きのうの尾崎あや子議員の質疑、本日は私の答弁の中でこういうことを二転三転しているんですけれども、結論として、都は入札参加の条件である地下水流動解析を行うための実験研究施設があるかどうかのチェックが曖昧にして契約したといわざるを得ません。そんなことで食の安全・安心が守られるはずがありません。地下水の流動解析をする実験研究施設がない企業が豊洲新市場予定地、四十ヘクタールという広大な土地で地下の地形、地層が複雑で高濃度に汚染された可能性がある地下水を管理するということ自体、極めて無謀です。
過去に類を見ない大きな事業であり、しかも食の安全・安心の確保が求められる卸売市場をつくるんです。事実を全面的に明らかにし、実効性を担保すべきことを厳しく指摘しておきます。
地下水管理システム 試運転は正常と言えるのか
試験運転について伺いますが、実際にでき上がった地下水管理システムには、雨量計すらないことに専門家から疑問が投げかけられています。地下水管理システムを試運転させて自動制御できているかどうか、正常に機能しているのか。予定していた能力が確保されているのかなどについて、どのようにつかんでいるんですか。試運転によって本格稼働に向けてどのようなことがわかったのか明確にお答えください。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの試運転とは、正常に本格稼働できるようさまざまなリスクを想定し、要求性能を満たしているか確認する運転のことでございます。例えば故障信号を送り、水処理設備が連動して動作するかなどの確認作業などを行っております。現在、地下水管理システムは試運転中でありますが、ホームページで公開している地下水測定結果の水位も若干ではございますが、低下傾向にございます。また、目常管理水位であるA.P.一・八メートルで地下水を管理できるよう、一刻も早く本格稼働するように努めてまいります。
○かち委員 日本共産党都議団は、九月二十七日に管理棟の中央制御室を視察しました。そのとき、既に三つの地下水管理システムは試運転済みであったにもかかわらず、中央制御管理室で地下水管理システムの稼働状況は確認できませんでした。私たちがその場で現場の方に確認しようとしましたが、都はそれを遮ったわけです。
都のいう地下水管理システムの試運転では、一体どのような運転状況が確認できているのですか。公開できないのですか。正常に稼働しているという指標をお示しください。
○村井基盤整備担当部長 稼働状況というのは、ポンプがそれぞれ動いている状況がその都度違っております。ですから、水位がその場所によって違っていることもございます。そのため、稼働率ということでいいますと、概算の数値しかお示しできない状況でございます。ただ、目々の、今ホームページなどで公表しております数値データを見ますと、若干ではございますが、日々下がっている地点がかなり出てきているということで、しっかりと今システムは稼働しているというふうに解釈しております。
○かち委員 そうであれば、もう中央管理システムの制御室、当然見せていただくことは可能ですよね。いかがですか。
○村井基盤整備担当部長 現在、管理システム自体が工事中でございます。今月中旬に竣工するに向けて作業を進めている部分ございますので、日にちを調整していただければ、可能な限り早く見ていただくことはできると思っております。
○かち委員 十七日に納品というふうに聞いてるんですけど、まだ工事中で、制御もまだきちんとできていないというのは本当に大丈夫かなと、本当に心配をしますが、本当にあそこを汚染の地下水を揚げないというのが最大の目的でなければならないと思うんです。だから、工事をした後にこういうことをやっているからおくれおくれになっているわけですけれども、本来だって地下水なんか揚がってきてはいけない状況を確保しなければいけなかったのに、もう揚がっちゃってる。これで本当に下にも揚水井戸もない中で、あそこにたまっている水をどうやって処理するのかということも本当に疑問、心配、不安です。だから、そこを一刻も早く解決をしなきゃいけないし、やっぱり制御棟見れるんだったら、早急に私たちも見せていただきたいというふうに思います。
昨日、管理システムの稼働について、答弁は試運転がいつから行われたのかというのが曖昧でしたけれども、しかも、先ほど四点にわたる答弁の訂正がありました。地下水管理システムの停止日については、停止日が土日というきのうの答弁を停止日は日曜日、祝日及び点検調整中のときだと訂正されました。点検調整中で停止した日は、これまでの試験運転期間中、何日ですか。また、試験運転期問の何割に当たりますか、お答えください。
○村井基盤整備担当部長 現在、手元にそのような資料は持っておりませんので、後日報告させていただきたいと思います。
地下水位を海抜1.8メートルに抑えられていない重大問題
○かち委員 点検調整中というのが本当に長いんじゃないかと私たちは疑わざるを得ないんです。後日明らかにしてください。
地下水管理システムが本格稼働した場合の揚水能力はどうか、大雨のときの稼働状況はどうか、目詰まりはどうか、一つ一つ本格稼働に向けてチェックするのが試運転ではありませんか。都は現地に行って状況をつかんでいないのですか。試運転で都として地下水管理システムの機能についてどのようなことが把握できたのか明確に説明していただきたいと思います。
○村井基盤整備担当部長 地下水管理システムの工事中は、都の担当者の豊洲の市場の方に毎日監督に行っております。そういったことで、現場の把握には都の担当者も一緒に調整に立ち会ったりとか、そういうことはちゃんとやっております。
○かち委員 私たちも現場を見に行って、地下水管理システムはこうなってますよというのはお話は伺いましたけれど、全てオールオートになっているので目視はできない、それから記録も出てこない。こんなことでどうやって実態を把握できるのかということが甚だ疑問なわけですけれども、今は、もう目視でちゃんと今の状況がわかる状況になっているんでしょうか。それから、ホームページに提示しているということでは、水位の状況とか水質についてはわかる状況になっているんでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 まず管理棟のところにある全ての井戸を管理する施設については、今後稼働したときには人間が張りつきます。委託で、業務委託で監視をするということに峠なっております。さらに、今の状況については工事中でございますので、業者の方がしっかりと今の状況を確認しているということでございます。
○かち委員 今の時点では、もう現場は動いていることはわかっている。手動でやってるとかっておっしゃっていますけれど、動いていることはわかっても、今水質がどうなっているかとか、どういう状況になっているかというのを目で見ることはできるんですか。中央管理棟は、もうデータでわかるのかもしれませんけれど、じゃ、そっちが使えない場合、今の状況をどう把握できるのかということをお答えください。
○村井基盤整備担当部長 水質の状況等については、最後に処理をします処理施設の方で処理しております。こういった稼働状況については、本格的に稼働すればどのぐらい使ったかということは明確になってくると思います。あくまで今は竣工前でございますので、そのデータを確実にはとっておりません。なお、水質については、あの街区一帯について建物下において専門家会議の指導のもとに、一週間に一回の水質及び大気を確認しているところでございます。
○かち委員 なかなかまだまだ本格稼働ではないということで、全体がよくつかまれていないというのが実態ですけれど、もう本当に十七日ですからね。それまでにきちんと稼働して、きちんと人間の目視もできるような状況でないと、あの地域の地下水汚染の状況を、安心・安全は確保することができないということですので、本当に私たちはこれをこれからも厳しく注視してまいります。
地下水管理システムは、既に二〇一二年八月に発注され、設計に入りました。土壌汚染対策工事は二〇一一年に始まり、二〇一三年から部分的に盛り土工事が開始されてきて二〇一四年には完了しています。土壌汚染対策工事が終わって地下水管理システムの契約はその二年前に行われており、都民、市場関係者の多くは地下水管理システムによって地下水は海抜一・八メートルより上に上昇することもなく、土壌汚染完了後の盛り土の下にとどまっているとばかり思っていたんです。
ところが、いまだに試験運転の段階であり、しかも地下水位は海抜三から五メートルを超えるという状況で、海抜一・八メートルより下に押しとどめていることができないんです。にもかかわらず、きのうの尾崎あや子議員の質問に対して、市場長は、本格稼働すればいずれ下がるから問題ないと、本格稼働する前から地下水によって盛り土が汚染されても仕方がないかのような答弁をしました。
市場長は、土壌汚染完了後の盛り土が地下水位の上昇で再汚染する危険性についてはどのようにお考えでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 これまで、土壌汚染対策工事は、A.P.ニメートルから下については、汚染された土壌を撤去したり、地下水についても浄化作業をしております。そして、現在モニタリング調査を実施中でございますが、一部で環境基準を超過したことについては、今後も専門家会議などに検証していただき、適切な処置をとっていきたいというふうに考えております。
○かち委員 地下水位が海抜一・八メートルで管理されなければ、盛り土が汚染されると誰しも認識しているんです。だから、盛り土がない各売り場棟の地下空間のたまり水を見た瞬間に、盛り土がないこととともに地下水管理システムが機能しているのかどうか、私たちの重大関心事になっているんです。市場長は、各売り場棟の地下空間が我が党の調査によって公表されなければ、地下水が海抜一・八メートルに抑えられていないということをいつまでも公表せず、隠し通すつもりだったのですか。各売り場棟の地下空間に地下水がたまっていることについて、都民、市場関係者に公表する責任について、どのように認識していたのですか、明確にお答えください。
○岸本中央卸売市場長 いわゆる地下空間に水がたまっていることについて、特に隠すとか、そういったことはございません。
○かち委員 今になっているから、こうやって公表されていますけれど、食の安全を守っていくためにあってはならないことが起きているんだから、それはやっぱり明らかにしなきゃいけないと思います。
日水コンとの契約といい、でき上がった地下水管理システムの機能といい、実に無責任。地下水管理システムが扱われているではありませんか。そんな対応で食の安全・安心が確保されるはずがありません。
深刻な土壌汚染地に六千百億円も超える公金をつぎ込んだ上に、その後の対応も無責任きわまりないといっても過言ではありません。現在、全ての観測井戸の水位は三から五メートルを超える状況になっているわけですから、敷地全体で盛り土が汚染されていることが強く疑われます。その責任を厳しく指摘しておきます。市場長は、みずからの管理責任が厳しく問われる重大問題だとの認識はございますか。
○岸本中央卸売市揚長 地下水管理システムが現在のような状況で、結果として地下水位が非常に上がっているということについては私も認識しておりまして、これは一日も早く正常な水準に下げていかなければならないというふうに思っております。現在、専門家会議を早急に開催いたしまして、地下ピットの問題だけでなく、地下水位の水準についても、また今ご指摘の、それによって盛り土がどういう影響を受けているかということについても検証いただくことにしておりまして、地下水位についても、その検証をまず経てから、例えば地下ピット内の水についても例えば強制排除とか、そういったほかの手段も含めて早急にどういう対応がとれるかということを専門家会議で議論していただくと、そんなふうな考え方でおります。
○かち委員 みんな専門家会議に委ねるということではあるんですけれど、私はこういう状況を招いた市場の管理者としての市場長の責任、そういうものをどう捉えているのか、認識しているのかということをお聞きしているので、そこを答えてください。
○岸本中央卸売市場長 今、地下水位がこういうふうに上がっているということにつきましては、私といたしましても、できるだけ早く下げていかなければならないなというふうな認識でございます。その後のことにつきましては、まず専門家会議の議論を経て、できるだけ早く正常な状態に戻していく、これが私の責任であるというふうに思っております。
○かち委員 私は、このモニタリングシステムが本当に機能しているのかが疑わしいと思っているんです。きのうのこ答弁で、一・八に達したらセンサーが発動して揚水をするんだと。一・三になったらとまるんだということをおっしゃいましたけど、もう一つのいい方は、あそこは粘土質で揚水するのに時間かかると、水がなかなか集まってこないということもおっしゃっていました。一・八に達して、センサーが働いて揚水を始めたって間に合わないです。だから、一・八ぐらいの雨が降ったら、もうそれ以上、水がたまっちゃうという状況が想定されるわけです。そんなことになったら、このシステムは一体何なのだということになりますので、このシステムそのものも本当に計算もし直して、根本から見直しをするということを求めておきます。
土壌汚染調査は全域で地下を詳細に調査したわけではありません。既に五街区の地下水モニタリング結果では、三カ所から環境基準を上回るヒ素とベンゼンが出ているではありませんか。青果棟の室内でもWHOのガイドラインを上回るベンゼンが検出されているんです。それは、地下の土壌汚染物質は取り除かれていないということを示すものです。そして、地下水が管理されていないことを示すものです。汚染された地下水によって、新しく盛り土がされた部分も再汚染されている可能性があります。市場長は、管理責任者として新たに盛った土を汚してはならない、新たな土に地下水位が上昇したら、せっかくの盛り土が台なしになってしまう。そういう認識はお持ちにならないのでしょうか。
○村井基盤整備担当部長 委員ご指摘の点については、現在、三棟の建物のところで大気の状況、そして地下ピットにたまった水についても水質を管理している、水質を調査しているところでございます。こういった状況が委員ご指摘のように、何が原因でそうなっているかということについては、やはり専門家の方に見ていただいて議論していくのが一番適切であるというふうに考えております。
○かち委員 ちょっとこの際、確認をしておきたいと思うんですけれど、室内のベンゼンの基準値、○・○一九とか、○・〇二五とか出てましたよね。いつもこの議論の中で、基準値以下ですというふうにおっしゃるんですけれど、今室内のベンゼンの環境基準を国も見直しているところですよね。十二月ぐらいには基準値を示したいというふうにいっておりますけれど、その中の検討でも、基準値は、発がん性物質としての基準値は○・○一七程度にするという傾向が出ています。それはWHOのガイドラインとも一致するんです。専門家会議は○・○一三以下にしたいといっている。そういうことからしても、基準は上回っているじゃないですか。そういうことの認識がとても甘い。そういうことを認識されているんですか、お答えください。
○村井基盤整備担当部長 基準については現在の基準を採用するものであって、将来新たに基準が変われば、できるだけその基準に対応するように考え方を変える必要はあるかと思います。しかしながら、さかのぼって対応するかどうかについては、今後いろいろな方々の意見を聞きながら、検討していきたいと思っております。
○かち委員 WHOのガイドラインは、もう既に○・○一七で示しているんです。現在の基準です。そういうことを広く知見を広げて、いかに健康、安全を守るかという立場で市場の業務をやっていただきたいというふうに思います。
東京ガス豊洲工場跡地への移転問題について
築地市場の豊洲移転は石原元知事が決めて、市場関係者や多くの都民、そして中央区の反対を押し切って強引に進められました。そして、これまでの三代にわたる移転推進の立場の知事のもとで、重要な情報は都民はもとより都議会にも明らかにせず進められてきたといっても過言ではありません。
しかし、このたびの都知事選で都民ファースト、都政の透明化を掲げ、豊洲への移転は一旦立ちどまって考えると明言した、言明した小池新知事が誕生しました。したがって、これまでの築地市場の豊洲移転をめぐる諸問題について、都民ファースト、都政の透明化の立場に立って包み隠さず清報を明らかにして答えていただきたいと思います。
日本共産党都議団の本会議代表質問で、豊洲市場予定地の土地取得が進められた経過と、責任の所在について知事にただしました。知事は、移転候補地となり得る用地を調べた結果、全ての条件を満たすのは豊洲地区以外になかったと聞いていると答えてます。市場当局などから聞いたのだと思いますが、市場長に聞きます。全ての条件の中に食の安全・安心が守られるということは入っているのでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 すみません、ちょっと突然のご質問で、今その資料を持っておりませんので、その点についてはお答えしかねます。
○櫻庭新市場事業推進担当部長 申しわけございません。いろいろもろもろの条件として検討をいたしました卸売市場審議会の計画部会で、豊洲地区のほか、有明北地区ほかなど計五つの候補地について比較検討を行いました。当然、築地市場の移転先の条件といたしましては、広いスペースでありますとか交通条件、それから商圏が築地市場と継続していること、こういったことに基づきまして卸売市場審議会から豊洲地区を候補地として検討するよう答申がなされたものでございます。ただ、委員ご指摘の食の安全といったことにつきましては、これはもう当然の前提として、何らかの問題があればきちんと対応するといったようなこととして取り扱われたものというふうに推測をしております。
○かち委員 もう一度市場長にお聞きしますが、環境基準の四万三千倍のベンゼンがあったという最悪の土壌汚染地に移転したということをどのように考えていますか。最善の選択だといえるんでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 今担当部長からお答えしましたとおり、さまざまな要因を勘案した上で候補地を選定されたものと考えています。その上で食の安全・安心につきましては現在の豊洲の地におきまして、どうやったらそういったものが確保できるかということで、これまで議会とも議論を重ね、専門家会議、技術会議等の意見を踏まえて対策工事をやってきていると、そういうふうに考えております。
○かち委員 先ほどこ答弁がありましたように、豊洲の地は四十ヘクタールという広い用地がある、交通の利便性がある、商圏がある。いろいろ条件はあったでしょうけれど、東京ガス操業三十年間の跡地なんだという、そこにどれだけの汚染があるかという、もう既に買おうというときに千五百倍のベンゼンが出ているということは、もう明らかになっていたわけですよね。こんな汚染地、普通は、普通の常識ではこういう汚染地に手をつけちゃいけないんです。土対法でも、こういうところはかき回しちゃいけない、かき回すからいろんなことが出てくるわけです。本当に原発の事故の後のように、やってもやっても次から次へと新しい問題が出てくるわけです。そこに、あえて持っていったから、こんなにお金もかかる市場になってしまったということではないでしょうか。
都市整備局は、開発に当たって東京都が所有していた汚染されていない土地と東京ガスが所有した最悪の土壌汚染地とわざわざ交換したのです。市場長、このように都が市場用地として土壌汚染地を充てたことについてどう認識していますか。食の安全を守るべき市場長も最善の選択だったと思っているのでしょうか。
○岸本中央卸売市場長 先ほどこ答弁申し上げたとおりでございます。
○櫻庭新市場事業推進担当部長 豊洲地区の選定にかけましては、皆様ご承知のとおり、築地市場の移転、現在地再整備といった問題が前提にございまして、平成三年から現在地,再整備の建設工事に着手いたしましたが、さまざまな問題に直面いたしましたために、業界の方から臨海部への移転を検討してほしい、こういったご要望が出されまして、それを受けまして、東京都の審議会の方で候補地を選定いたしまして比較検討をして、最終的に豊洲というふうになったものでございます。
当然委員ご指摘のとおり、東ガスの方で土壌汚染調査を実施いたしまして、当時の環境庁の調査対策の指針等に基づいて土壌汚染があるということを明らかにしたところでございますが、そのときに既に東ガスの方では、みずから法や条例にのっとった対策を講ずるというふうなことを既に公表をしていたものでございます。築地におきましても、聞くところによりますと、もろもろの汚染なども含まれているかもしれないやに聞いておりますが、日本の東京周辺におきましては、いろいろな汚染等があることが考えられると思われるわけでございます。それらをきちんと把握をして、そしてそれに対する対策を立てて浄化をするといったようなことと築地市場の移転、こういったところの中でこういったものを選択してきたものであるというふうに認識しております。
委員ご指摘の四万数千倍の汚染も、これは後々の専門家会議のより詳細な調査によって出されたものでございますが、これに対しましても、科学の進歩によりまして最善の対策を講ずるという手だてを講じてきております。やむを得ざるこういった選択の中で東京都が東ガスとも協力をいたしまして対策を講じへてきたものでございます。このような選定、あるいは対策の過程だったというふうに認識をしております。(「土地の交換」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。
土地の交換につきましてでございますが、この地につきましては、もともと豊洲・晴海整備計画というものがございまして、東京ガスを初めとする地権者がもともと使っていたところを、その工場の操業が終了いたしましたことに伴いまして、新たな夢のあるまちづくりをということで地権者の方々が集まって、東京都もそこに関与いたしまして地区計画開発整備計画をつくっておったものでございます。
したがって、そこのところでは土地区画整哩事業といったようなものが当初から想定をされておりました。すなわち、東京ガスは現在の五街区、六街区、七街区、豊洲の市場のあたりを所有しておりましたけれども、当初からいろんなところに中学校をつくったり小学校をっくったり、あるいはガスの科学館などをつくったりということで換地が予定されていたものでございます。東京ガスの方では、そうしたことと豊洲が、後からではございますけれども、この地に移転をするというふうになった経緯を踏まえて、地区計画整備を組みかえて行ったものでございます。
○かち委員 臨海地域の開発とかまちづくりとかということで、東京ガスと都市整備局が区画整理の中で換地をしたということがあったのは事実ですけれども、その換地をしたところがガス工場の三十年操業の跡地で最も汚染の強いところ、そこに何と市場を持ってくるということが本当に安全を第一にしたやり方だったのかということが問われると思うんです。
そもそも土壌汚染地に移ったこと自体がまずかった。行くべきではなかったんです。ほかの選択肢を追求すべきでした。このような誤りを犯したために食の安全が侵される危険が増し、財源を過大に投資してしまった。そういう誰もわかる理屈を認められない。悪いことは悪いときっぱりいえるようでなければ、市場長としても食の安全は守るという責務を果たせません。そのことを厳しく申し述べておきます。
これまでの都の土壌汚染対策は、さまざまな手抜きなど極めて不備なものでした。このことをこれまで我が党は繰り返し都に厳しく問いただしてきました。技術会議が指示した土壌汚染対策の有効性を確かめるためのいわゆる……まあ、当初は実証実験といっていたんですけれど、それも適用実験に変えられてしまったんですが、いかにあの地でうまく工事ができるかということになってしまったんですが、都は都合の悪い数字はもとより、基本的な情報を全て隠したまま実験を進めました。土壌を無害化するための実験も、実験前の値、すなわち初期値を公表しないで大幅に下がったかのようなごまかしに満ちたことを行いました。石原都政のもとで、こうしたごまかしが平然と行われているという都民不在、都民の安全軽視の政策が進められたんです。どうですか。その事実をお認めになりますか。
○村井基盤整備担当部長 当初は値を公表しておりませんでしたが、その後に公表したという事実があるようです。
○かち委員 ここに二〇一〇年の第二回定例議会で我が党が代表質問で聞いているんですけれど、ここでは技術会議が行った検査の実験の結果、三月の中問報告で実験前の初期値を公表しませんでしたね。無害化できることが実証されたと宣言しました。我が党の追及で、初期値については専門家と相談しなければ都民に説明できないから、説明を受けたらホームページに掲載するといっていたんです。ところが、六月になっても、まだ公表されなかったんです。中間報告を出す前には五回、二十三時間に及び専門家と相談していたんです。その内容は全部黒塗り。これは私たちの情報開示で明らかになったんですけれど、本当に隠蔽体質です。この実験をやって効果があったということを示すときに、その前の値がどうだったのかというのを示さないで、結果だけ示して誰が信用するんですか。おかしいと思いませんか。
○村井基盤整備担当部長 平成二十二年七月の時点で第十三回技術会議において実験データを全て公表したというふうになっております。
○かち委員 それは中間報告ではなく最後の報告だったと思うんですけれども、何で初期値を出せないとか、専門家に相談しないといえないとかというのは本当におかしなことだと思うんです。この実験をやって、こういう効果ができるから、この制度を導入してやりましょうといっているときに、初期値を出さないなんて、もう初歩の初歩の問題です。それだけではなくて、実験の中でもいろいろデータが出されませんでした。私たちは四万三千倍のベンゼンに値する土壌をちゃんと、それを実験して、それで基準以下にすることができたのか。そこは大事なことですよね。それをやったのかといいましたら、結局やってなかった。二・七倍ぐらいの初期値のものをやって、きれいになったといってる。また追及すると、今度は二十万倍ぐらいのベンゼンを室内で普通の土壌に振りかけて、それで実験してきれいになりましたと。これは子供の実験と同じです。こんなことを繰り返してきたのが、この技術会議のもとで行われた実証実験なんです。
だから、本当に今の土壌対策が本当に有効なものかどうかということだって疑わしい問題なんです。それで、専門家会議の報告である盛り土が行われず、いつの間にか地下空間になったという都政史上に残る前代未聞の大問題も、きのう日建設計が都から指示されたとするコメントを発表しました。設言桧社が独断でやることはおよそ考えられないことであり、設計を依頼した中央卸売市場側が意図的に方針をねじ曲げて地下空間にするようにしたことが明瞭になったんではないでしょうか。市場長、いかがですか。
○有金渉外調整担当部長 ただいまの経緯につきましては、事故検証報告書の中でも多少触れておるところでございますけれども、契約など当然東京都の方から地下空間にこういった重機が置かれたイメージ。そのイメージ図が東京都の方から日建設計の方に提出をされているということで。東京都側からしては、地下を活用した場合の簡単なポンチ絵という形では出しているんですけれども、これは挿図でございますが、受け取った側としては、そういう絵が東京都から出てきたということであれば、当然地下を前提にして、その基本設計をしてくれというふうに思い込んだところもあるのかなと思っております。ただ最終的に基本設計の成果物が上がってきたときには、地下空間が描かれた基本設計図が上がってきておりますので、そのやりとりの中で最終的には地下の空間が描かれた基本設計が出されるようなやりとりがあったのかなというふうに推測されます。
○かち委員 発注者の意図なくして、使用者の意図がなくして受注者の方が勝手に絵を描くことは、設計することはないわけですよね。発注者の意図に沿ったものを描いてくる。そういうものをつくらせる方向で動いていたのは事実ですよね。そのことは、専門家会議の意思とは全く、提言とは全く違う中身なんだと。そのことがどれだけ重大な問題かということに全く省みない。そういうことだったのかということをもう一回お聞きしたいと思います。
○有金渉外調整担当部長 当初の事故検証報告書におきましては、第一段階から第五段階までという形で、それぞれポイントを置いて、これは検証しております。今先生おっしゃったような基本設計のときのやりとりというのは、第二段階で起こった、これは重要なやりとりだということは、この事故検証報告書の中でも捉えておりますので。ただ、どの段階で最終的に決定したのかということについては、この報告書をつくった段階では判明はしなかったということで、こういう書き方になっておりますが、ただ成果物として地下空間の絵が入ったものが出てきたということについては、これはもう認めるということになると思います。
○かち委員 設計図の基本設計をしたときに、当時の市場長が印鑑も押しているわけですよね、認めてるわけですよね。それは、もう明らかに地下に空間があると。普通地下に空間がある。盛り土をするのに地下に空間がある。そしたら、その土はどこ行ったんだろうって、そういう疑問を持たないんでしょうか。素人の私だって持ちます。そういうことが何も問題意識を持たないで、ただ淡々とその方向に進んでいってしまったという、その市場の体質は一体どういうことなんでしょうか。わかるように説明してください。
○有金渉外調整担当部長 事故検証報告書の中では、都と日建設計の打ち合わせにおきまして、都は同社に対し、地下モニタリング空間を入れるよう検討を指示したというふうに書いてありますので、明確に東京都の方から指示したということになると思います。
○かち委員 だから、東京都が地下空間をつくるようにという指示のもとで書いたわけですよね。だから、東京都の市場側がこういうことをしていいのかどうかと。技術会議の流れの中では、一時は盛り土の上に高床式につくったらどうかというのを、当然盛り土をしたら、そうならざるを得ない問題もあると思います。そういうことをできない、やるんだということを市場の市場長も含めた最階でなぜ議論しなかったのか。担当の部署だけでそういうことを勝手に判断できる状況なのかということなんです。本当に担当部署だけで判断したことなんですか。
○澤次長 報告書の中にも記載をしておりますけども、平成二十二年の基本設計をつくる段階で、これはもう明確に、まあ、いろんな資料があるんでしょうけど、今回明確に特定できたのは、四月の段階で日建設計に対して東京都側が打ち合わせの資料として、断面図として地下空間があるもの、さらにはそこにユンボが描かれているものが提示されておりますので、こういう方向で東京都としてはつくってほしいという意思表示は明確にされております。
ただ、ただ、基本設計、実施設計という建築物の設計に係る段階でいいますと、基本設計の段階では、まだ明確にどんな形でどんな規模のものをつくるかということはまだ決定をしていなかったという意味で、段階的に地下空間が決定をされていったということで報告書の中では記載をさせていただいております。
○かち委員 自然の流れの中でこうなったという、そういう説明ですけれども、これは市場側が地下空間が必要なんだと。それはいろんな議論がありました。コスト削減、早くつくる。もうそういうことが非常に大きく支配していたんだと思います。そしたら、地下には空間をつくった方が早くいくと。場合によっては駐車場をつくってもうけるかという話もあったかもしれませんけれど、そういうことが議論されている。でも、一方では安全確保しなきゃいけない。盛り土しろということがあるにもかかわらず、そういうことが全然議論にのらないというのはわかりかねますよ、本当に。だから、人ごとではなく、市場としてどう考えていたのかと。そういうことを思いをはせて答弁してください。
○澤次長 今回のヒアリング等でわかった段階ということでまとめさせていただいておりますけども、当時は、まだ技術部門においてそういう方向で地下空間をつくるという検討が進められていたというのが平成二十三年の三月以降、基本設計を具体的に検討していく段階だというふうに認識をしております。
技術部門の中で安全性についてどういう認識があったかということでございますけども、技術部隊としては、地下のモニタリング空間をつくることによってモニタリングもできる、あるいは万一のために備えるという意識が強く働いていたというふうに推察をされます。
○かち委員 建物を建てる、あれだけ大きなものを建てる場合に、どうしても地下の空聞、一定のものは必要だということもわかります。わかりまして、実際にそれを、じゃ、盛り土の上でやれるかと。盛り土はつくって間もないということであると、地盤沈下とか液状化とかいろんな問題が起きて、すぐに建てるのも難しい。そして、本来だったらモニタリングニ年間やった後に建築をすれば、まだ問題なかったと思いますけど、こんなほやほやなところに高床式の建物を建てられないという実情もあったと思うんです。それが豊洲の致命的な問題だったと思うんです。だけど、無理無理つくらなきゃいけない、地下に空間がないと作業もできない等々ということで、安全は横に、そっちのけにして建てるということに、コストを削減して早く建てるということに遭進していってしまった。これが市場の今までの考え方だったということだと思うんです。
先ほどもちょっと同じ質問がありましたけれど、盛り土の工法を検討した技術会議の会議録を都が改ざんし、建物下に作業空間を確保する必要があると提言を受けた都の資料を追加したことが報道されていますけれども、市場長、この問題について事実とお認めになりますか。
○岸本中央卸売市場長 先ほど大松委員のこ質問にもお答えしたとおり、検証報告書の三ページに記載しております第九回技術会議では、技術会議が独自に提案した事項としてのくだりについては事実とは異なっていたというふうに考えております。
○かち委員 事実と異なっているということはお認めになったわけですけれども、早急に事実関係を確認して発表していただきたいと思います。都の調査でも、一体誰の指示だったのかなどということが未解明なのです。この中でも明らかになったことの一つは、食の安全を守るべき中央卸売市場の土壌汚染対策がいかに汚染をゼロに近づけるかということではなく、いかに経費を節約するかということに重きが置かれてきたことです。このことは都議会における論戦そしてこれまでの経過の中で明白です。改めて、市場長にその思いをお聞きしたいと思います。
○岸本中央卸売市場長 すみません、今回盛り土が行われていなかったという点について専門家会議にも報告がなされていなかった。また、議会を初め、都民、また市場関係者にもそういったきちんとした情報をお伝えしていなかったことにつきましては、私として大変大きな責任であったなというふうに考えております。
今後につきましては、早急に専門家会議の中で検証いただいて、一日も早く食の安全に対する都民の皆様初め、市場関係者の皆様のご信頼が回復するように全力で進めたいと考えております。
○かち委員 きょうまでの本会議、委員会での中央卸売市場の答弁を聞いても、食の安全を最大限守るべき中央卸売市場は、食の安全を第一にする立場に著しく欠けるといわざるを得ません。しかし、何よりも重大な問題は、我が党が本会議代表質問でも指摘したように、最悪の土壌汚染地への移転を強行したことにあるんです。その点で、石原元都知事の責任は重大です。そして、これまでの不十分な土壌汚染対策だけで既に八百五十八億円という莫大なお金を投入してきたんです。それでも都民の不安は解消されません。さらに、これからも地下水管理システムを進めていく費用がかさみ、今なお残る汚染土や汚染地下水の除去を行うために、そして耐震性など、さまざまな問題を解決するために莫大な税金を、財源をつぎ込まなければならないことになるんです。
市場長は、土壌汚染対策の不備について何を聞かれても大丈夫だといっているわけではありませんけれども、しかし汚染状況調査は全体像をつかむものではありません。水を通しにくいとされる有楽町層も欠落し、有楽町層自体も汚染されています。汚染箇所を調べる調査も全体を網羅するものではありませんでした。そして今、これまで都が大丈夫だとした論点の多くが崩れていることは、紛れもない事実です。これからも大雨が降ったり大地震が発生すれば、地下にある有害物質、閉じ込めたはずの有害物質が地上に出てくる可能性が強いことを環境対策の専門家の皆さんが警鐘しているんです。
食の安全を守るためには、中央卸売市場が疑わしきは黒、そして最大限安全側に立つ科学の立場に立っことが今こそ求められてると思います。市場長、いかがですか。
○岸本中央卸売市場長 小池知事もおっしゃってますとおり、市場における食の安全というのはやはり最優先されなければならないということは紛れもない事実であると思います。私どもといたしましては、専門家会議、それから技術会議の提言をきちんと実行することによって、これまでそういったものを確保してくるんだということで進めてきたわけでございます。このたび、その提言にあった建物下の盛り土が行われてなかったということにつきましては、これは再三申し上げているとおり、我々としてまことに申しわけない事態でございまして、これはきちんとやっていかなければならない。それにかわる対策をこれから専門家会議できちんと検証していただいた上で、それを都民の皆様、市場関係者の皆様にご理解いただけるように努めていかなければならないなというふうに思っております。これからもそういった考え方で取り組んでまいりたいと思っております。
豊洲新市場整備をめぐる談合疑惑について
○かち委員 次に、豊洲新市場整備をめぐる談合疑惑について質問します。
私は五日の一般質問で、豊洲土壌汚染対策と施設建設における工事費の高騰と談合疑惑についてただしました。知事は、建設工事費が余りにも高額で、官製談合の疑いが濃厚との指摘に対し、豊洲市場の建設費については都民に疑惑を抱かせないよう納得していただける説明が必要。市場問題プロジェクトチームに建設費の検証をお願いした。都民に開かれた場で、なぜこのような額になったのか、その理由を明らかにしていきたい旨の答弁をされました。
また知事は、談合は入札における公正な競争環境を阻害し、税の有効活用に逆行するものであり、断じてあってはならない。より透明性のある入札契約制度の構築に向け、都政改革本部で外部有識者を交えた議論を行うと述べました。
市場長に伺いますが、今紹介した知事の答弁についてどのように受けとめ、認識されますか。
○岸本中央卸売市場長 建物建設費が高騰しているということにっきましては、私どもも小池知事のご指示のもとで、今市場問題PTにおきまして、もしくは都政改革本部におきまして今検証が進められておりまして、当局といたしましても、そういった検証作業に全面的に協力していると、そういう状況でございます。
○かち委員 パネルをお願いします。資料の二枚目です。
ここに、改めて豊洲新市揚施設建設工事費について、青果棟、水産仲卸売り場棟、水産卸売り場棟の全ての不調に終わった当初の予定価格、再入札の予定価格、落札額、予定価格に対する落札率をパネルにしました。施設工事は、三つの街区ごとにそれぞれの街区で土壌汚染対策工事を行ったゼネコンをトップとする共同企業体が組まれました。ところが、二〇一三年十一月の入札に三つの共同企業体がそろって応じなかったために不調となったことは一般質問で紹介したとおりです。二〇一四年二月に行われた再入札の予定価格は、当初の予定価格の六百二十人八億円から一千三十五億円に、何と一・六倍以上、四百七億円も引き上げられました。予定価格に対する平均落札率は九九・八七%で、土壌汚染対策工事を行った鹿島、清水、大成をトップとする共同企業体が落札しました。市場長に伺いますが、当初の予定額がわずか一カ月後に一・六倍以上、四百七億円もの予定価格に引き上げられ、しかも平均落札率は九九・八七%という結果をどのように認識しますか。
○佐藤施設整備担当部長 本件につきましては、最初の入札から二度目の再入札で落札したときのことを委員お話でいらっしゃいますが、本件建設工事におきましては、入札手続につきましても適切に進め、落札率につきましては、一般競争入札の結果と受けとめており、何ら問題ないと思っております。
○かち委員 これが適正な契約という認識は、都民の感覚から到底理解できません。九九%を超える落札率は、どこでも談合の疑いが濃厚と見るのは当たり前です。市揚長として少しでも安くよい施設をつくるという立場はないのでしょうか。
我が党が委員会要求資料として求めた不調五つのJV、共同企業体ヒアリング結果が提出されています。ニ八八から三ページだと思いますが、そのヒアリング結果について伺います。
鹿島建設、清水建設、大成建設の三社に対して行った三項目のヒアリングの内容について、各社ごとに具体的に説明してください。
○佐藤施設整備担当部長 資料の中にございます不調後JVヒアリング結果、こちらが三ページございます。出席者の欄をごらんいただきますと、最初のページが鹿島建設、次の二枚目をごらんいただくと清水建設、三枚目が大成建設に対する不調後のヒアリングのメモでございます。総じてヒアリングは辞退した理由、発注者への意見要望、再発注した場合の入札参加の有無の三点について行った結果でございます。
その中で共通項として申し上げられるのは、予定価格と見積価格に乖離があることや労務の確保が困難であること。また、これはそれぞれの事情においてお話しいただいていますが、鉄骨加工費上昇のため、製作会社の製作能力を超えている発注であること。それから、液状化対策工事の施工機械の取り合い競争がある旨の回答などを受けておるところでございます。
○かち委員 今ご説明なかったかと思うんですけど、各社からは共通して予定価格の引き上げの要求が出されているんです。市場長は私の一般質問で、工事予定価格の積算根拠の質問に、入札不調以降、再入札に係る工事予定価格の積算に当たっては、人件費、資材価格の高騰に伴う単価の見直しを行ったと答弁しました。
そこで伺いますが、人件費や資材価格の高騰をどの程度と見込んで見直したのか、具体的にお答えください。
○佐藤施設整備担当部長 豊洲市場の建設工事を発注しました当時は、東日本大震災からの復興や経済復調により、全国的に建設工事が急に増大し、職人の不足に伴う人件費や専門の職人を要する工事費などの急騰、また建築資材価格の上昇といった状況が見られました。また、施設規模が非常に大きく、躯体の割合が多い特徴から、これらの工事に多くの職人の確保が必要となり、地方からも職人を誘導する必要があると考えられるところでございます。
ちなみに、振り返りということで、この時期の傾向といたしましては、私どもが発注しました平成二十五年から単価は大幅上昇を示しております。東京都の財務局の予算単価や労務単価べ一スで見ましても、建築の平均価格は豊洲市場の工事期間であります平成二十五年から二十八年の中で一・三倍から多いものは一・四倍にアップしている実情がございます。建築工事は、設備工事よりも上昇率が高いこと。また、鉄筋型枠、鉄骨等躯体関係の労務単価上昇も大きい傾向としてございました。これは振り返りとして傾向を申し上げるところでございます。
○かち委員 しかし、当時の人件費や資材価格の高騰が一・六倍、六〇%という高騰はありませんよね。今だっで一・三から一・四ということですからね。例えば、一般財団法人経済調査会の資材価格調査では、上昇分は八%と紹介されています。人件費や資材価格が一・六倍以上になっていることを証明する具体的な根拠はお示しできないようですから、まあ、いいです。
いろいろいわれますが、一・六倍以上という具体的根拠は示していません。結局ゼネコン三社の引き上げの求めに応じて、わずか一カ月の問に予定価格を一・六倍、四百七億円も引き上げたといわれても仕方がないと思いますけれども、どうですか。
○佐藤施設整備担当部長 先ほど申しました財務局の予算単価などに関しましては、実態調査に基づいて、おも立った十七用途の建物の平均値をとっているところでございます。私どもが発注いたしました卸売市場については、非常に大規模な施設、また普通の建物ではしつらえないような建築計画での設備などもございます。そのような中での、ですから平均値よりもさらにトレンドとしては物騰が反映されてたということが想定できます。先ほどのヒアリングでもございましたが、先ほど委員の方で一カ月というお話ございました起工の時間差は、起工時期で、私どもが積算をした時期で比べますと、約三カ月の開きがございます。その間に、私どもとしては、本件についてどういう傾向であったか。先ほど申しましたように、非常に予定価格と見積もり単価に乖離がある。それから、労務の確保が困難であるという状況をこのヒアリングその他で認識を改めてしたわけでございます。
この時点では、具体的には財務局の標準単価も項目によって異なりますが、平成二十五年七月から同年十一月までの約四カ月の間におおむね二から三%の急上昇が見られております。それから、定期刊行物、これも標準単価と同様に上昇傾向に転じております。
それまでは、平成二十三年あたりから低入札の傾向がありまして、私どもも見積もり条件の見直しということが余儀なくされるという認識を持ったところでございます。さらに、一部の項目について、単価がない項目につきまして見積書を再徴収したところ、前回よりも約三〇%以上も価格が上昇するという事例も見られたところでございます。
○かち委員 いろいろご説明ありましたけれど、これは非常ににおい立っものがあるということなんです。「しんぶん赤旗」の取材に対して、ゼネコン関係者は次のように語っています。都の幹部は、二回も入札不調になったら二〇一六年三月の完成時期に間に合わないと焦っていた。ゼネコン側は手分けをして設計会社と都の幹部に面会し、予定価格の大幅な上乗せがなければ、また辞退することになると伝えたというものです。結局、予定価格の大幅な上乗せがなければ辞退するという圧力に屈して、予定価格の大幅な引き上げを行ったというのがこの真相ではないかと思います。
次に、土壌汚染対策工事にかかわる談合清報についてです。パネルをごらんください。三枚目にもあります。その内容は、「豊洲土壌汚染対策工事受注者に既に決定。六街区、一番大きい清水建設JV。五街区、二番目、鹿島建設JV。七街区、一番小さい大成建設JV。一般競争入札で入札日は一カ月後だけれどね」って書いたものが送られてきたんです。西薪宿のセブンイレブンでファクスで送られてきた。そういうことがあったんです。
都として談合情報が寄せられたことから、直ちに談合清報検討委員会を開催し、入札参加業者に対して事情聴取したとのことですが、談合の事実は確認できず、法令等に反する行為を行っていないなどの誓約書の提出を受けただけで、入札、契約が執行されました。談合情報検討委員会には、市場の部課長さんも参加されていたと思いますが、市場長、こんなことが許されると思っているんですか。
○長嶺財政調整担当部長 土壌汚染対策工事につきましては、契約が財務局所管でございます。委員おっしゃいました談合情報検討委員会、こちらに市場の関係者は参加してございません。
○かち委員 談合情報検討委員会というのは部課長さんでやっているというふうに聞きましたけど、市場は参加していないということですか。へえ。じゃ、誰が参加するんでしょうね。私は財務局の方から聞いたら、担当、全ての各課にあるんだというふうに聞きましたけれど、まあ、いいです。
市場としては入札参加資格の審査を行ったわけですから……、行ったわけですよね。その談合情報と合っていたかどうかわかるんじゃないですか。どのような確認を行ったか具体的に説明を求めたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○長嶺財政調整担当部長 土壌汚染対策工事の契約手続につきましては財務局の方で行っておりますので、そちらで適正に処理されたものと聞いております。
○かち委員 担当部局が直接かかわっているのに、そこには何にも情報も入ってこない。そういう談合惰報なんかにも加わらないというのは、私は問題だと思います。談合情報委員会があるんであれば、ぜひ担当の部署も入ってやるというのは最低必要だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
市場としては、そんな確認の仕方で都民は納得できないと思います。形だけの確認ではなく、第三者の専門家も加わったもっと具体的な調査、確認を行うことが必要だと思いますが、これも要望にとどめておきます。
一般競争入札でありながら、各街区ごとに一つのJVしか応札しない。そして、各街区 とも九九・九%近くの落札率、談合情報など、これだけの情報がそろっていれば、談合といっても過言ではありません。それを通り一遍の事情聴取で談合はなかったというのは、都民から余りにもなれ合いといわれても仕方がありません。築地市場の豊洲移転は、談合の五年といわれないように再調査を強く求めておきます。
次に、東京都が築地市場の跡地利用の検討を大手不動産会社の森ビルにひそかに委託していた問題について伺います。「しんぶん赤旗」が情報開示請求によって森ビルの築地市場移転後の団地開発に係る調査委託報告書を入手し、森ビルの報告書が築地市場跡地をオフィス中心型、複合型、住宅中心型を柱に九つの案を提案していることを報じています。報告書は二〇一二年三月に提出されていますが、東京都は調査委託報告書をいまだに公 表していません。市揚長に伺います。これは東京都が委託したものですが、豊洲新市場をめぐる一連の不祥事が明らかになったもので、知事が再検証を進めているものです。都民に隠して築地市場跡地の再開発計画をひそかに委託、調査するというやり方について、どのように思われるでしょうか率直な感想を伺います。
○岸本中央卸売市場長 申しわけございません。今かち理事がおっしゃった築地市場跡地を森ビルに云々という、その委託の内容を私、多分当市場の方ではそういった委託はしてないですので中身をちょっと存じ上げませんので、そういった事実も含めて承知してないわけですので、ちょっとお答えは差し控えたいと思います。
○かち委員 当該の市場が知らないというのも不思議な話ですよね。こういう問題があるということは、ぜひ市場の中で調べていただきたいというふうに思っております。
最後に、本日上程されている二つの陳惰、二八第六六号、豊洲市場の開場計画に関する陳情と二八第六九号、豊洲市場予定地の地下水及び土壌汚染に関する陳情について申し上げます。両陳情は、まさに今問題になっている盛り土問題、地下水問題など、いろいろ今豊洲新市場に問題が起きている。そのことに対して豊洲新市場の開揚を延期して調査をしてほしい。いろいろ調べたことは全て都民に明らかにしてほしい。そういう思いで安心・安全の確保を求めているものです。私たち日本共産党都議団としては、この趣旨を採択することを求めて私の質問を終わります。