本会議 大山とも子都議(新宿区選出)の代表質問
2016年第3回定例会 代表質問 2016年10月4日
大山とも子(新宿区選出)
豊洲市場について
オリンピック・パラリンピックについて
待機児童解消について
教育条件整備について
知事の基本姿勢について
答弁
再質問
再質問答弁
日本共産党都議団を代表して、質問します。
小池百合子新知事に対する初めての質問ですが、私は、都民にとって良いことは賛成し、より良いものにするために積極的に提案する、そして都民にとって悪いものについては批判し、是正を迫るという都民第一の立場で質問します。
はじめに、いま都政をゆるがす大問題となっている豊洲新市場の問題です。
わが党は、深刻な土壌汚染地である東京ガス豊洲工場跡地への築地市場の移転に一貫して反対し、現地調査を行い、きびしく追及してきました。
築地市場の豊洲移転は、2001年2月に石原元知事が施政方針演説で、候補地にすると表明したことが発端です。その目的は、築地の跡地を再開発して民間に高く売ることでした。しかし、その1カ月前には、東京ガスが豊洲工場跡地から環境基準の1500倍の発がん性物質ベンゼン、490倍のシアンなど、高濃度の有害物質で汚染されていることを公表していたのです。石原氏がこれを知らなかったはずはありません。
Q1 東京ガス豊洲工場跡地は、1956年から約30年間にわたり、石炭を原料にして都市ガスを製造していました。その過程でヒ素が使われ、ベンゼンやシアン化合物などの副産物ができていたのです。また、大量のタールがドラム缶に仮置きされ、それがもれ出して地中に浸透していました。
にもかかわらず、浜渦元副知事が交渉に乗り出し、強引に買収したのです。深刻な土壌汚染があることを知りながら、市場の移転候補地にした石原氏の責任はきわめて重大です。
豊洲新市場予定地の土地取得が進められた経過と責任の所在について、この機会に徹底検証し、公表することが求められていると思いますが、知事いかがですか。
Q2 市場の予定地の取得価格は、土壌汚染がないものとして評価され、1859億円にもなりました。東京ガスは、汚染された工場跡地が高く売れただけでなく、もともとこの土地の関連企業の負担で実施することになっていた、周辺の防潮護岸整備費の負担をまぬがれました。一方、東京都は212億円もの負担を負うことになったのです。
土壌汚染の除去は、本来、売り主である東京ガスの責任ですが、その費用負担は78億円にすぎません。一方、東京都は、土壌汚染対策に858億円も負担することになり、新市場建設費などと合わせ、これまでだけでも6100億円近い財政支出を行ったうえ、借金の利息370億円など、今後にわたって負担が追加されることになります。
石原元知事が無理矢理、東京ガス豊洲工場跡地を買収した結果、東京ガスが莫大な利益を得て、市場は莫大な財政負担を余儀なくされたのです。
知事、とんでもない公金の浪費だと思いませんか。
都は、土壌汚染対策を調査、検討し提言を行う「専門家会議」と、専門家会議の提言を経済的にすぐれたやり方で進めさせる、つまり安上がりに進めさせる「技術会議」をつくりました。しかし、そのもとで実施した土壌汚染の調査と対策工事は、抜け穴だらけでした。
Q3 専門家会議は、汚染された地層の下には、水を通さない粘土層があるから、粘土層の下に汚染がある可能性は低いとして、その部分の汚染状況を調査しませんでした。ところが、専門家会議が解散した後に、粘土層のない所があることがわかり、その後の調査では、実際に汚染が広がっていたのです。
さらに、東日本大震災の時には、豊洲新市場予定地で液状化により108か所にわたって噴砂・噴水が発生しました。汚染が拡散した可能性が高いにもかかわらず、都が任命した技術会議の委員は、根拠も示さず「汚染土壌の移動は考えにくい」と決めつけ、それを根拠に都は調査すらしませんでした。
土壌汚染対策が有効であるかどうかを判断するための2年間のモニタリング結果を待たずに、「対策が完了した」として建設工事へのゴーサインを出したのも、技術会議です。
「豊洲への移転第一」という歴代知事のもとで、あげればキリがないずさんな調査をもとに「安全宣言」をしてきたのです。
知事、こうした経過から言っても、食の安全・安心を守るために、関係部局や都がつくった専門家会議、技術会議が当時とった対応もふくめ、これまでの土壌汚染調査・対策への全面的な検証が必要ではありませんか。
Q4 専門家会議による、土壌汚染対策の提言の、おもな内容は、地下水を建物の下では環境基準以下に抑え、4・5メートルの盛り土をする、地下水はその盛り土内に上昇しないように管理するというものでした。これは、日本環境学会など第三者の専門家からは汚染の実態調査が不十分なうえ、有害物質による地上部への影響が避けられないと、きびしく指摘されたものでした。
ところが日本共産党都議団の調査で、各売場棟の地下に空間があり、その盛り土さえやっていないばかりか、地下水がたまっていることが、明らかになりました。
知事、第三者の専門家から、不十分な対策とされてきた盛り土ですが、それすらやらずに、建物の下に地下空間がつくられ、地下水がたまっている問題について、どのように認識していますか。
Q5 知事は調査特別チームをつくって検証を進めていますが、先日発表された調査報告では、「資料がない」などの理由で、事実経過も責任の所在も明らかにされませんでした。
都は、これまで都民、都議会に対して「法を上回る4・5メートルの盛り土をしてあり安全」と、虚偽の答弁をくり返し、欺いてきたのです。都民が納得できるわけがありません。隠ぺい体質にメスをいれ、なぜこのようなことが起きたのか、真相の解明と責任の所在を、早急に明らかにすべきです。知事いかがですか。
Q6 豊洲新市場整備にあたって行われた、環境影響評価は、実際にはおもな建物下の盛り土をしていないにもかかわらず、4・5メートルの盛り土がされたことを前提に行われたものです。環境影響評価をやり直さなければならないと思いますが、知事の見解を伺います。
Q7 建物下に地下空間があり、盛り土がないということは、汚染された可能性がある地下水から、揮発したガスが売場に上昇してくるという危険があります。事実、地下空間には地下水がたまり、有害物質が検出されています。地下水が上昇してこないようにする対策装置も働いていない可能性があり、重大な事態です。知事は、どう認識していますか。
Q8 東京都が行っている8回目の地下水モニタリング結果で、青果棟施設がある5街区の3つの地点から、環境基準を上回るベンゼン、ヒ素が検出されたことも、きわめて重大です。これは、都がこれまで行ってきた土壌汚染対策では、地下の土壌汚染物質が取り除かれていないことを示すものです。汚染された地下水によって、土壌全体が再汚染されていく可能性もあります。知事は、どのように考えているのですか。
Q9 都が重視する豊洲新市場の地下水管理システムにかかわる問題で、新たな重大な疑惑があります。都は、地下水管理システムの設計を、競争によらない公募型見積もり合わせで株式会社日水コンと契約しました。見積参加の条件は、「汚染水に関する対策検討業務の実績を有すること」、「地下水流動解析を行うための実験研究施設を有すること」などとなっています。
ところが、この企業は、上下水の水処理技術が中心であり、汚染地下水の処理・管理技術の実績が十分とは思えません。日本共産党都議団が、この企業の汚染地下水処理技術について確認したところ、同社総務課長は、社のメインは、水道、下水道のコンサルティング等であり、地下水を汚染処理したり流動解析をする実験研究施設はもっていないとの説明でした。これでは、都の見積参加条件に不適格ではありませんか。
Q10 この日水コンとは、その後も地下水管理システム維持管理計画書作成委託や、地下水管理システム運転保守業務委託も「可能な唯一の業者」などとして、特命随意契約を続けています。何を根拠に「可能な唯一の業者」だとして、特命随意契約にしたのですか。
Q11 知事、地下水管理システムをめぐる日水コンとの随意契約、特命随意契約についても、調査、検証が必要だと考えますが、見解を求めます。
豊洲新市場の問題点は、土壌汚染だけではありません。
Q12 建物の構造上の問題も重大です。水産仲卸棟では、4階の荷さばきスペースのコンクリートの厚さが、実際には15センチであるにもかかわらず、構造計算は1センチで行われています。建築確認申請も、この構造計算で行われており、実際の施工に合わせた構造計算書による建築変更手続きが必要です。何よりも、耐震性にも重大な影響を与えかねません。また地下空間があることによる構造計算ですが、地下室のないものとして計算したのか、地下1階をふくむ建物として計算したのかなど、どのような考え方で行われているのかについて明らかにすべきです。
こうした建物の構造上の問題が指摘されていることについて、調査チームでも検証課題になっていますが、重大な問題であり徹底した検証が必要です。知事の見解を伺います。
Q13 新市場予定地は、環状2号線や補助315号線が通っており、土地が分断されています。この問題が解決されなかったため、市場関係者から、売り場が分断され、野菜・くだものと水産物の買い回りを一体にできないなど、致命的な欠陥があると指摘されていることを、知事はどう考えていますか。
Q14 知事は豊洲新市場の開場を延期しましたが、深刻な土壌汚染にくわえ、建物の安全性や耐震性も疑われ、市場としての使い勝手があまりにも悪い豊洲新市場への移転計画は、抜本的な再検討が求められています。知事は2008年の著書で、豊洲新市場予定地は「食との関係の薄い分野で活用すればよい」、築地市場の「現在の場所で建物だけ建て直すのが一番妥当と思われる」と述べています。知事、いまこそ豊洲移転中止に向けた本格的検討を進めるべきと考えますが、いかがですか。
豊洲新市場をめぐる問題の真相解明には、都議会として百条委員会を設置することが必要だという、都民のみなさんの声が、大きく広がっています。 日本共産党都議団は、すでに百条委員会設置を提案しましたが、改めて都議会がその役割と責務をはたすために、強い調査権限を持ち、証人喚問を行い偽証罪にも問える百条委員会を、すみやかに設置するよう、すべての議員のみなさんに強く呼びかけるものです。
次に、オリンピック・パラリンピックについてです。
小池知事は、「五輪費用の適正化」「透明化」を公約に掲げ、そのためにオリンピック・パラリンピック調査チームをスタートさせました。日本共産党都議団は、これまで一貫して競技施設は既存施設を最大限活用するなど五輪費用の削減を求めてきました。都が国立競技場整備費の負担を受入れた時も厳しく批判してきました。組織委員会が、運営費用を膨張させ、その全容を示してないことに対しても最新の運営費を公表し、削減の努力を尽くすことを求めてきました。私は、こうした立場から、知事が公約をつらぬき、真に都民が納得できる五輪費用の削減と透明化を実行することを求め質問します。
Q1 日本共産党都議団は、8月30日、知事に提出した「五輪費用の削減と透明化にむけた提言」で、知事の責任が直接問われる都立競技施設について、アクアティクスセンターの規模の縮小や、海の森水上競技場計画を中止し、仮設施設に転換するよう求めました。
この点で、知事が設けた調査チームが、海の森水上競技場、アクアティクスセンター、有明アリーナの3施設について既存施設への変更や規模縮小の検討などを打ち出したことは重要です。知事は、この報告をどう受け止め、具体化していくのですか。
Q2 見直しにあたっては、さまざまな困難が予想されるだけに、関係者、都民の理解と納得を得ながら進めることが何よりも重要です。海の森水上競技場は、巨額の投資をしたとしても競技場として不適切であり、負の遺産になりかねません。宮城県長沼に変更する案が示されたことは、復興五輪の理念の具体化として大切です。同時に、多くのボート関係者から仮設施設による埼玉県彩湖の利用を求める声があがっている事実も重要です。そうした、たくさんの声にも耳を傾けつつ、最善の選択をめざし、具体化を図ることが重要だと考えますが、知事の見解を伺います。
Q3 見直し3施設については、方針が確定するまでは、ただちに工事を止めるべきです。知事いかがですか。
Q4 知事が出馬会見で、ふくれ上がる五輪費用を精査し「そのお金は、むしろ、都民のために使っていく」と発言し、所信表明でも「都民生活の質の向上と持続的な成長を実現していく」、そのことが「私たちにとって大会の真の成功といえる」と発言したことは、重要です。IOCも、五輪開催を通じて住民の生活、障害者雇用、環境などの指標がどう向上したのか、報告を求めています。知事は、大会自体の成功とともに、都民生活の質の向上にどのように取り組んでいくのですか。
Q5 調査報告書は、都民要望を反映した積極面とともに、重大な問題がふくまれていることも指摘しなければなりません。その一つは、五輪費用が増大するもとで、これまでの役割分担は非現実的だとして、仮設競技場の整備費について、都内施設はすべて東京都が負担することを提案していることです。しかし、仮設施設は組織委員会の責任で整備することが、今までのルールです。
知事、都の方から新たな負担を約束するなど、あってはならないことではありませんか。
Q6 都の負担は、都立競技場整備費にくわえ、新国立競技場整備費の負担、選手村の基盤整備費、組織委員会から要請された代々木公園拡張の用地買収費など、すでに3500億円を超えています。
そのうえ、調査報告が試算した仮設整備費1500億円負担が追加されたら、都の負担は5千億円をも超えることになりかねません。都民の負担削減どころか、逆に増大ではありませんか。知事の見解を求めます。
Q7 いま都がやるべきは、組織委員会に、最新の大会運営費の総額と内訳をすみやかに公表させて、費用削減の努力をつくすよう組織委員会にきびしく求めることではありませんか。
また、入居している虎ノ門ヒルズなどに、家賃として月約4000万円も払っていることに、都民から批判の声があがっています。入居ビルの見直しなども、組織委員会に迫るべきだと思いますが、知事いかがですか。
Q8 組織委員会は、都が追加拠出した出えん金を全額都に返還する方針を決定しました。森会長は、都の干渉を拒むためであるかのような発言をしています。とんでもありません。そもそも大会の組織運営は、五輪憲章により、東京都とJOCが、IOCから委ねられたものです。出えん金にかかわらず、都が組織委員会の財政運営を監視し、必要な意見を言うのは当然のことだと思いますが、知事の見解を伺います。
Q9 調査報告がいっさい触れていない選手村にも、重大な問題があります。都は、盛り土や道路整備などの基盤整備に410億円もの公金を投入したうえ、13ヘクタールの土地を大手開発事業者・デベロッパーに対し129億円、1平米あたり10万円以下という破格の安値で売却するのです。隣接する晴海2丁目の都有地の売買実績は1平米あたり103万円でした。それとくらべても10分の1です。
都は、価格が安いのは、選手村整備という一定の制約があるからだと説明していますが、選手村としての利用期間は、組織委員会から賃貸料が開発事業者に支払われることになっており、大幅な値下げの根拠にはなりません。
五輪後に売り出すタワーマンションなどの建設が重視され、IOCが選手村整備で求めている貧困層への配慮もなく、公営住宅整備は計画されていません。当初、選手村に設けるとしたテニスコートなどの施設はなくなりました。
知事、まさにデベロッパーファーストの選手村計画を抜本的に見直して、アスリートファースト、都民ファーストに切り替えることが必要ではありませんか。
次に、待機児童対策です。保育の量・質の抜本的拡充が必要だという立場から質問します。
Q1 経済雑誌「日経デュアル」の調査では、保護者の9割が認可保育園を第一希望にしています。多くの保護者は、保育士が10割配置され、保育室も十分な広さを確保し園庭もある、所得に応じた保育料の仕組みを持つ認可保育園を求めています。
東京では、認可保育園の定員数は、鈴木都政以降2008年度までの29年間に、約1万5千人分しか増えませんでしたが、2009年に国と都が認可保育園を作るための補助を充実したことなどで増設が加速し、昨年度は13,600人分増えました。認可保育園にきちんと予算をつけてこそ、保育の供給を大幅に増やすことができるのです。
保育の量も質も拡充するためには、認可保育園を保育政策の中心にするべきと考えますが、知事の認識を伺います。
Q2 都内の待機児童数は、育児休業を延長した場合や、認可保育園に入れなかったために認証保育所に入所している場合などをふくめると2万7千人を超えています。待機児童ゼロを実現するために、認可保育園の定員数を4年間で9万人分以上増やし、まずは就学前児童人口の5割まで引き上げていくことが求められています。知事の見解を伺います。
Q3 都有地活用推進本部が設置されたことは、私たちの提案とも一致するものであり重要です。使用目的の決まっている行政財産の土地からも活用可能なものを洗い出すとしていますが、たとえば一定の年数利用されていない、保育園などを整備する余地があるなどの基準を設けて、積極的に活用すべきです。いかがですか。
Q4 都有地活用推進本部は、特別養護老人ホームや障害者施設なども対象とすべきと考えますが、いかがですか。
Q5ア 知事が都知事選の出馬会見で、保育園の用地確保について「税制の優遇によって個人資産からの提供」をと述べたことを具体化し、区議会議長会から要望が出されている、民有地を認可保育園のために貸し出す際に固定資産税を軽減すること提案しますが、いかがですか。
Q5イ また、市町村が軽減した際の財政支援を提案しますが、見解を伺います。
Q6 保育士不足の解決も緊急の課題です。保育士は子どもたちの生涯にわたる人間形成の基礎をつちかう重要な専門職であるにもかかわらず、待遇が低いため働き続けることができません。このことが、保育士不足の最大の原因です。保育士の賃金は、東京では全産業の平均より月15万円も低くなっています。都の調査でも、保育士が退職の意向を持つ理由で最も多かったのは「給料が安い」です。保育の現場からあがっている、専門職にふさわしい処遇に引き上げてほしい、労働環境の改善と賃上げをという切実な声を、知事はどう受け止めていますか。保育士確保のために、大幅な賃金引き上げなど処遇改善を求めますが、知事の見解を伺います。
Q7 知事は選挙中に、保育園の面積基準を見直すと述べ、保育室の明るさに関する基準などについても国に規制緩和を要望しました。
しかし、全国社会福祉協議会が行った保育園の基準についての国際比較では、3歳以上の子ども1人あたりの面積基準は、日本は約2平方メートルですが、ストックホルム市が7平方メートルを超えているのをはじめ、パリ市が5平方メートル以上などとなっています。比較した14の国・地域のなかで最低であり、認可保育園でも日本の最低基準の低さが明らかになっています。
先週、都に要請をした保護者のみなさんも、子どもたちの安全と健やかな成長を支えられる保育環境こそ大切と言って、基準の切り下げは行わないよう求めていました。
施設や職員配置基準の規制緩和は労働環境も悪化させ、保育士不足をいっそう加速させることにもつながりかねません。基準の引き下げは行うべきではありません。知事、いかがですか。
Q1 知事が所信表明で、「家庭の経済状況が、子どもたちの将来の希望を閉ざすことがあってはなりません」と述べ、「都独自の給付型奨学金について検討を進める」と表明したことは重要です。知事、いつ、どのように具体化するのですか。
さて私は、豊洲新市場問題をはじめ都政が直面している大問題にしぼって質問してきました。
Q1 なぜ豊洲問題のような不合理がまかり通ってきたのか、なぜ、いまのような隠ぺい体質になってしまったのか。その根源は、石原都政にあります。
石原都政は、「何が贅沢と言えば、まず福祉」と言って、自治体の魂ともいうべき「福祉の増進」という立場を投げ捨て、老人医療費助成の廃止、シルバーパスの全面有料化、特別養護老人ホームへの都独自助成の全面切り下げなど、福祉切り捨てを進めました。その一方、都心や臨海部の開発、大型幹線道路の建設を強引に推し進め、莫大な財源をつぎ込みました。
また、都が出資して新銀行東京をつくり、こともあろうに、自治体が金融業に乗り出しました。結局、1400億円もの都民の税金をつぎ込んだあげく、そのうち856億円も失ってしまいました。しかも、新銀行東京をみても、これほどの巨額の損失を受けたことについて、石原氏はもとより、誰も責任をとっていないのです。
知事、おかしいと思いませんか。
Q2 こうした大型開発優先路線の中で、豊洲市場建設や五輪のための施設整備に見られるように、入札を巡って落札率が99・99%など、談合の疑惑が指摘される事態が続いています。新銀行東京では、融資への議員の口利きが指摘されましたが、その実態は明らかにされませんでした。しかもこうした事業は、計画の検討経過なども都民や都議会に明らかにされず、情報開示請求をしても、知事が「のり弁」と言うように、その多くが黒塗りされて隠されてきたのです。
したがって、知事が「都民ファースト」の都政を進めるためには、個人情報を除くすべての情報を開示するとともに、政策形成過程の透明化と都民参加を本格的に推進することが必要ですが、いかがですか。
Q3 そして、「都民ファースト」「東京大改革」と言うのであれば、石原都政以来の大型開発優先路線を見直し、都政に、「福祉の増進」という自治体の魂を取り戻すことが必要です。
知事は、年内につくる「2020年までの実行プラン」の策定方針で、舛添都政の長期ビジョンの大きな方向性を継承するとしています。しかし、舛添都政の長期ビジョンでは、3カ年の事業費として、外かん道などの大型道路整備や都市の再開発などに、事業費全体の26%を投入する一方、福祉充実の事業費は、わずか8%にすぎません。今後の予算では、都民の福祉・くらし最優先に転換してこそ、都民第一の都政への道が切り開かれると思いますが、見解を伺います。
今年度も2千億円を超える予算が組まれている大型道路の整備事業は、税金の使い方の点でも、決定過程の透明化、都民参加という点でも重大な問題があり、抜本的見直しが必要です。
都は今年3月に都市計画道路の新たな整備計画を決定しました。知事は選挙中、住民団体のアンケートに答え、前知事の決定をそのまま踏襲するのではなく、「とりわけ地元から強い疑義が提起されている路線を実際に巡視し、地域住民の皆様とも対話し、優先整備路線に位置づけることが不適切だと判断される路線に関して、大胆に見直しを進めていきたい」と文書で表明しました。重要な判断だと思います。
ぜひ、公開アンケートをよせた住民団体が言及した、ハケと呼ばれる貴重な自然を分断する2本の都市計画道路をはじめとする都市計画道路について、現場への巡視、地元との対話を進め、大胆な見直しを図っていただくことを強く要望するものです。
質問の最後に、舛添前知事問題への対応について、知事に伺います。
そもそも今回、都知事選挙を行うことになったのは、舛添前知事の公私混同、税金の浪費について、こんなことは許せないという怒りの世論がひろがり、知事を辞職に追い込んだからです。
Q4 都民のみなさんは、舛添前知事の辞職をもってこの問題を終わりとすることには納得せず、引き続き真相を解明し、舛添氏の責任を明確にすること、また再発を防止するための仕組みを確立することを求めています。だからこそ、小池知事の選挙戦での第3者委員会を設置して舛添前知事問題を解明していくとの訴えが、多くの都民に支持されたのです。舛添前知事の公私混同、税金の浪費について、事実を明らかにすることは、小池知事の重要な役割だと思いますが、どう認識していますか。具体的に何を、どのように、いつまでに検証するのですか。
この問題は、都政改革にむけ避けて通ることができない課題であることを訴え、再質問を留保して質問を終わります。
以上
〇知事 大山とも子議員の代表質問にお答えをいたします。
三十七問中二十八問、知事宛てに頂戴をいたしました。
まず、豊洲市場の土地取得についてであります。
築地現在地での再整備が困難となる中にあって、移転の候補地として、まとまった用地が確保できる、大消費地である都心部周辺で交通条件の良好な位置にある、築地の商圏に近く、機能、経営面で継続性が保てる位置にあるといったような条件をもとにして移転候補地となり得る用地を調べた結果、全ての条件を満たすのは、豊洲地区以外にないというふうに私は聞いております。
その後、豊洲移転に関する基本合意を東京ガス株式会社と平成十三年七月に締結をして、平成二十三年までに、順次土地の取得を行ってきたものでありまして、これらは、審議会や都議会での議論を経たもので、経過については、ホームページや事業概要などの各種資料でも公表されているところでございます。
そして、二つ目に、豊洲市場用地の取得価格についてのご質問でありますが、経緯は今申し上げたとおりでございまして、用地を取得するに当たっては、価格については、主に外部有識者から成る財産価格審議会の審議を経た結果と伺っております。
それから、豊洲市場用地の土壌についてのご質問でございます。
豊洲市場の予定地に関するご懸念がございます。大きいものがございます。現状の土壌の安全性に関しては、改めて専門家会議を再招集いたしました。そしてまた、市場問題プロジェクトチームも設置したところでございます。専門家に科学的な見地からご判断をいただいて、都民や市場関係者の方々に、しっかりと正しく説明をしてまいりたいと考えております。
同じく豊洲に関して、建物の下の地下水についてのご質問でございます。
先日、専門家会議の平田座長にも、地下空間の視察をしていただきました。その際、座長からは、水質の調査と空気の測定を行うように指示を受けたところでございます。既に調査が始められておりまして、専門家会議において検証、そしてその結果をもって総合的に判断をする、このような流れを考えております。
地下空間の設置についてのご質問でございます。
先日、自己検証の調査結果を公表したところでございますけれども、都庁でいつ、誰が、どこで何を決めたのかということについての自己検証の調査結果でございますが、今回の事態を招いた最も大きな要因というのは、ガバナンスと責任感の欠如によるものといわざるを得ないわけでございます。まさに都庁という組織が抱える問題が根源でございます。
中央卸売市場だけでなく、都庁全体の問題として捉え、都の職員がみずから向き合ってその原因を明らかにし、自律改革につなげていく必要があると、このように考えております。
ただ、今後、個人の特定を引き続き進めます。そして、公益通報制度なども活用しながら、情報収集はさらに進めてまいるという所存でございます。
地下水の管理についてであります。
地下水面を一定以下に維持するために、ご指摘のように、豊洲市場には地下水管理システムが導入をされております。当該システムは、現在試運転中でありまして、本格稼働は今月中の予定でございます。今後、地下水管理を徹底するなど、地下水の上昇は抑制していくこととなります。
次に、地下水のモニタリングについてのご質問でございます。
今回、環境基準の超過が確認されました。専門家会議の平田座長からは、現在は、土壌汚染対策後の地下水中の濃度の推移を確認している状況にある、一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべきであるとされました。
このため、継続してモニタリングを実施をいたし、推移を確認するとともに、専門家会議を開催して、安全性について検証していただくことといたしております。科学的な知見を大切にしたいとの思いでもございます。
それから、地下水の管理システムに係る契約についてのご質問がございました。
地下水管理システムに係る一連の契約の相手方には、システムの各設備や、建物の配置を踏まえた地下水の流動特性など、地下水管理に係る種々の現場条件を熟知していることが求められます。当該事業者は、以上のような条件を満たす専門性を有するとされまして、随意契約、特命随意契約を行ったものと聞いております。
建物の構造についてのご質問でございます。構造計算や地下空間の構造上の扱いにつきましても、市場問題プロジェクトチームにおいて検討中でございます。今後、プロジェクトチームの検討結果を踏まえまして、必要な措置を講じてまいります。
さらに、豊洲市場への移転についてのご質問でございます。
ご承知のように、私は、安全性への懸念、費用の増大、情報公開の不足、これら三つの疑問を解消する必要があるとして、八月三十一日に、築地市場の豊洲への移転を延期することを決断いたしたところでございまして、さらに、現在では、専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおいて、さまざまな問題についての調査、検証をしていただいているところでございます。豊洲市場への移転については、これらを踏まえまして総合的に判断をしていく所存でございます。
それから、オリンピック・パラリンピックでございますが、調査報告書についてのご質問でございます。
都政改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームには、都が整備する三つの恒久施設について、大会終了後のランニングコストも含めまして、極めて客観的かつ経営的な手法で分析をしていただいたものでございます。そして、現在、調査報告書の提言については、関係局において早急に検討を進めておりまして、今後その結果を受けて、こちらも総合的に判断をしてまいります。
さらに、海の森水上競技場についてのご質問でございます。
オリンピック・パラリンピック調査チームの報告書におきまして、海の森水上競技場につきましては、整備コストの削減などに加えて、代替候補地の再検討もすべきとの提言をいただいたところでございます。今後、調査報告書の提言については、競技団体やアスリートなどの声にも耳を傾けて、早急に検討を進め、総合的に判断をしてまいりたいと存じます。
三つの新規恒久施設の工事中止についてお尋ねがございました。
先般、都政改革本部の調査チームから、新規恒久施設の建設計画の見直しについて、複数の選択肢をいただいたところでございます。これら三施設については、既に本年三月に、いずれも契約を締結し、各施設とも実施設計を進めているところであり、海の森水上競技場では一部工事にも着手しているところでございますが、現段階においては複数の選択肢をお示しいただいていることから、工事と並行して早急に検討を進め、総合的な判断をしていきたいと思っております。
大会を通じた都民生活の質の向上についてのご質問でございます。
二〇二〇年大会の成功を通じまして、成熟社会にふさわしいレガシーを残していくために、環境、産業、観光、スポーツ、文化など、あらゆる分野で多くの関係者と力を合わせながら、都民生活の質の向上を図ってまいります。また、パラリンピックを機に、高齢者や障害者に優しいユニバーサルデザインのまちづくりを推進して、誰にとっても住みやすい東京をつくり上げていく所存でございます。
そして、仮設の施設や設備の整備費についてのお尋ねがございました。
調査チームからは、立候補ファイルの原則のままでは準備が進まないため、新しい分担ルールを早急につくるべしとの提言を受けております。一方、立候補ファイルにおいては、仮設の施設や設備に係る費用負担は組織委員会の分担と整理されております。そこで、都としては、まずは組織委員会の協力を得て、仮設の施設や設備に係る経費の全体像を把握する必要があろうかと考えております。仮設施設などに係るその経費でありますが、今回の報告書は、調査チームからの提言でありまして、今後都として詰めるべきところは詰めてまいります。都民の税金が適正に使われるよう、まずはその全体像を把握していきたいと考えております。
組織委員会の費用削減についてでありますが、先ほどからの都政改革本部調査チームの報告でございますけれども、ロンドン大会から推定した推計では、総額三兆円を超える可能性があるとの厳しい指摘がなされているところでございます。東京大会は、コスト面でも持続可能な大会にする必要がございまして、都はもちろんのこと、組織委員会でも、資金の有効活用の観点から、大会準備に取り組むことは不可欠なことと考えます。今後経費の精査にも取り組み、大会業務の内容、経費、役割分担について、年内の公表を目指して、都、国、組織委員会の三者による協議を精力的に進めてまいりたいと考えております。
組織委員会の運営についてお尋ねがございました。
大会を成功に導くためには、都、国、組織委員会の連携は不可欠でございますが、都政改革本部会議の報告では、そのガバナンスは不十分との指摘がなされたところでございます。今後全体のガバナンスのあり方に関する都の考え方をまとめまして、国、組織委員会それぞれと協議、もしくは全体と協議を進めてまいりたいと考えております。そして、財政面も含めまして、組織委員会に対する都の関与のあり方についても整理をしてまいります。
選手村についてのお尋ねがございました。
選手村の整備に当たりましては、適正に土地価格を算定し、公正な手続により民間事業者を公募したと聞いております。また、施設の計画については選手などの意見を聞くなど、アスリートファースト、あくまでアスリートファーストの視点に立って検討を進めているところでございます。
続いて、待機児童解消についてのご質問に関連し、保育サービスの拡充についてのご質問がございました。
保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものでございます。都は、今後とも、待機児童解消に向けまして、地域のニーズを踏まえて多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいる所存でございます。
保育サービスの整備目標でございますけれども、今後四年間の保育サービスの整備目標は、保育サービスの利用率が現在の四一%から五〇%になっても対応できるよう、保護者のニーズ、区市町村の計画、就学前児童人口の推移などを踏まえまして、年内に作成する実行プランの中で定めてまいります。
さらに、保育士の処遇改善についてのお尋ねがございました。
保育人材の確保、定着を図るために、現在提案している補正予算案には、保育従事者のための宿舎借り上げ支援の拡充を盛り込んだところでございます。国は現在、保育士に対する新たな処遇改善策を検討しておりまして、都の方は、あわせて、国の新たな支援策や都独自に実施しているキャリアアップ補助の活用実態を踏まえて、その充実を検討してまいります。
保育所の規制改革について、お尋ねがございました。
私は、国とも連携して待機児童対策にしっかり取り組んでいくというその考え方に立ちまして、先般、保育所の規制改革、税制改正、育児休業制度の改革を安倍総理に直接お願いをした、要望したところでございます。規制改革の内容は、保育の現場を担う区市町村や保育事業者の意見、これまでの認証保育所の実績等を踏まえたものでございまして、またその目的は、多様な保育ニーズに柔軟に対応できるように、地方自治体の裁量権を拡大して待機児童の解消を図ることにございます。
奨学金の問題でございます。都独自の給付型奨学金についてのご質問がございました。
将来を担う子供たちの教育機会は平等であるべきであり、経済格差が将来の希望の格差につながることがあってはならないと考えます。都は、現在、高等学校の授業料について国の就学支援金を支給するとともに、私立高校生に対しましては特別奨学金により支援を行っているところでございます。
また、低所得世帯を対象といたしまして、授業料以外の教育費についても奨学給付金を支給しているところでございます。
これらの支援制度、現在の経済状況、保護者の教育費負担の現状、これらを踏まえまして、都立高校や私立高校の実情に応じた都独自の給付型奨学金について、今後速やかに検討を進めてまいります。こうした取り組みを通じて、家庭の経済状況にかかわらず、希望する教育を受けられる、そのような環境を築いてまいりたいと考えております。
そして、石原都政についての評価についてのご質問でございます。
石原都政の評価は、最終的には、お選びになった都民の皆様が行うべきものと考えておりますが、私は、冷静に、客観的に過去の都政を検証して、その上でよいものはよいとし、また、正すべきは正す、それが今現在、都政を預かる者の責務だと考えているところでございます。
情報公開の徹底と都政の透明化についてのご質問もございました。
都政の透明化を進める上で何よりも重要なことは情報公開の推進であります。そしてそのためには、都庁全体の意識改革から始めなければなりません。そこでまず、今般の都政改革本部の模様はインターネット中継をしておりますし、また、会議資料も迅速に公表するなど、都政の課題についての検討過程の透明化を進め始めたところでございます。
また、公文書の開示請求に対しては、情報公開条例に定められた原則開示の趣旨にのっとるとともに、積極的な情報発信に努めるよう、改めて各局に指示したところでございます。
このように情報公開を進めることで、都民ファーストの都政を一歩一歩実現してまいりたいと考えております。
最後に、舛添前知事の問題についてのご質問がございました。
舛添前知事の問題、ひとえに公私混同といえるかと存じますが、具体的には、公用車の使用や海外出張経費についてが問題となったと存じます。私は、就任以来、既に公用車を厳格に運用し、また、海外出張経費の縮減を図っている。つまり、この舛添前知事の問題について、同じ轍は繰り返さないということを毎日実行していると考えております。
そしてまた、この問題についての究明でございますけれども、都政改革本部に内部統制プロジェクトチームが設置されたところでございまして、ここでは、都庁内の自律改革に資するテーマといたしまして、都庁内、すなわち知事も含むわけでございますけれども、まさしく第三者である外部有識者を交えた議論を行いまして、舛添前知事の問題について、できるだけ早く取りまとめをしてまいる所存でございます。
なお、その他の質問につきましては、関係局長から答弁をさせていただきます。
〇環境局長 豊洲新市場の環境影響評価についてでございますが、環境影響評価書の内容に関する変更届が提出され、その変更内容が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときには、知事は環境影響評価審議会の意見を聞いた上で、手続の全部または一部を再度実施するように求める場合がございます。
中央卸売市場からは、変更届を提出していきたいとの意向が示されておりますが、変更の内容や変更に伴う環境影響の変化の程度が明らかでないため、現時点では手続のやり直しの必要性については判断できません。今後、中央卸売市場から変更届が提出された時点で、環境影響評価審議会がその内容について審議をすることとなります。
〇中央卸売市場長 豊洲市場に関する三点のご質問にお答えします。
まず、地下水管理システムの見積もり参加の条件についてでございますが、見積もり参加の条件は、汚染水に関する対策検討業務の実績を有すること、地下水流動解析を行うための実験研究施設を有することなどでございます。
株式会社日水コンにつきましては、測量調査設計業務実績情報システム、いわゆるテクリスにより業務実績を確認し、また、会社概要パンフレットなどにより実験研究施設を有していることを確認の上、契約しておりまして、本委託は適切に契約されたものと認識しております。
次に、委託の特命随意契約についてでございますが、本受託者は、豊洲市場予定地におきます地下水管理システムに関する施設等詳細設計などを受託し、システムの各設備や、建物配置を踏まえた地下水の流動特性など、地下水管理に係る種々の現場条件を熟知しております。本契約の履行には、こうした現場条件を踏まえた検討や運転管理が必要不可欠であり、本受託者と契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことから、唯一可能な業者として特命随意契約としたものでございます。
最後に、市場敷地の分断についてでございますが、豊洲市場は、水産卸売り場棟が建つ七街区、水産仲卸売り場棟が建つ六街区、青果棟が建つ五街区の三つの街区に分かれております。
七街区と六街区では、補助第三一五号線の高架下に建物をつなぐ連絡通路を設けることで連続性を確保しております。また五街区と七街区、六街区と七街区の間は、それぞれ道路下をくぐる敷地内通路を設けて、敷地外に出ることなく三つの街区間での車両移動を可能としております。
さらに買い回り人など歩行者に対しましては「ゆりかもめ」市場前駅に接続する歩行者デッキと連絡ブリッジにより各街区の建物をつないでおり、歩車分離を図ることで安全性と利便性に配慮した動線を実現しております。
〇財務局長 三点のご質問にお答えいたします。
まず、都有地の活用についてでございますが、東京都は、都有地を活用した保育所の整備を進めるため、副知事をトップとする全庁横断的な都有地活用推進本部を設置し、先月、その第一回を開催いたしました。その中で、財務局所管の都有地に加え、各局等の都有地についても活用可能な土地の洗い出しを依頼したところでございます。
今後、こうした取り組みを踏まえまして、区市町村に対し、適切に都有地の情報を提供してまいります。
次いで、都有地活用推進本部についてでございますが、都は、待機児童解消に向けた緊急対策における取り組みの一つとして、都有地活用推進本部を設置したところでございます。今後、待機児童解消に向け、都有地を効果的に活用していく取り組みを着実に進めてまいります。
最後に、財政運営についてでございます。
東京都はこれまでも、都民福祉の向上に向け、子育て環境の充実や高齢者の暮らしへの支援、福祉、医療人材の確保など、都民にとって必要な施策に的確に財源を振り向けております。
あわせまして、外環道を初めとする都市インフラの整備も、都民の利便性の向上や国際競争力の向上に必要不可欠な取り組みでありまして、新しい東京を実現するために着実に進めていかなければならないものでございます。
今後とも、財政の健全性に十分留意しながら、ソフト、ハード両面にわたり、山積する都政の諸課題にしっかりと取り組んでまいります。
〇主税局長 認可保育所に係る固定資産税についてでありますが、都におきましては、有料貸付の場合、所有者が貸し付け料を得ており、その負担について別段の考慮をする必要性が低いと考えられることから軽減措置を講じておりません。
こうした保育所用地を軽減する場合、他の非課税用途に供された土地との公平性など、さまざまな課題があるものと認識しております。
〇総務局長 認可保育所に係る市町村における固定資産税の軽減措置に対する財政支援についてですが、都内市町村においては、認可保育所の用に供する土地の有料貸付の場合、所有者が貸し付け料を得ており、その負担について別段の考慮をする必要性が低いことから、都と同様に固定資産税の軽減措置を講じておりません。
こうした保育所用地に対する固定資産税を軽減する場合、市町村においても、他の非課税措置との公平性等の課題があるものと考えております。
市町村の軽減措置に対する都の財政支援については、市町村の課税自主権に配慮しつつ、特別区における対応等を踏まえて慎重に対応する必要がございます。
豊洲新市場予定地における地下水管理システムにかかわる問題について、小池知事に再質問します。
都が重視する地下水管理システムは、地下水が盛り土まで上がらないよう管理するとともに、ベンゼン、シアンなどの有害物質の濃度を測定、一定の処理も行うことで、市場の安全・安心を確保しようというものです。
ところが、この地下水管理システムを設計するとして受注した日水コンは、入札参加の条件とされた地下水流動解析を行う実験研究施設が社内にありません。都が確認したというパンフレットを私も見ましたけれども、地下水管理システムという文字すらありませんでした。
また、新宿本社ビルの総務課長さんは、私たちに対し、当社には実験研究施設はない、実験は外部委託になる。こういっていました。また、総務課長さんは、弊社のメーンは、水道、下水道のコンサルティングで、地下水管理システム、土壌汚染対策技術は主力商品ではないともいっていました。
都が、地下水管理システムの受託可能な唯一の企業として、この会社を、設計調査、工事の監理から運転保守業務に至るまで、特命随意契約を続けていいのかという問題提起をしているんです。
さらに、地下水管理システムは、土壌汚染がある埋立地の地盤特性を踏まえ、地下水を管理するわけですから、高度な技術力も必要とされ、土壌汚染対策法に基づく環境省の指定調査機関であることが求められます。しかし、日水コンは二〇一一年三月三十一日に指定調査機関の業務を廃止しています。その後、二〇一五年六月二十四日に登録するまでは指定調査機関ではありません。にもかかわらず、日水コンは、この指定調査機関ではない期間に地下水管理システムにかかわる事業を五件受注しているんです。日水コンは、最初に約四千万円の随意契約をしてから、この四年間で十件、計三億円の仕事を全て特命随意契約で受注しています。
知事、地下水管理システムの契約をめぐる全経過は、入札参加の条件を欠いた会社と、競争によらない公募型見積もり合わせで契約を結び、以降今回まで、可能な唯一の企業として特命随意契約を続けるという極めて異常な事態であると指摘せざるを得ません。事は、盛り土問題に続き、都が重視する地下水管理システムの信頼性を失わせる重大な問題です。
市場の安全・安心第一の立場から、日水コンの入札、契約をめぐる経過について、全面的な調査が必要だと考えますが、知事の見解を求め、再質問を終わります。
〇知事 改めましてのご質問にお答えをさせていただきます。
先ほどからのご指摘の豊洲問題、各種ございますが、そのためのプロジェクトチームを設けていること、先ほど述べたとおりでございます。ご指摘がございました件については、必要があればそこで調べることとなります。以上でございます。