2019年第2回定例会に提出した文書質問
2019年第2回定例会で、以下の文書質問を提出しました。
【文書質問】
- 原田あきら (多摩川のアユの遡上について)
- 藤田りょうこ (妊婦の医療費の負担軽減について)
- 原のり子 (東京都の人権施策について)
- 星見てい子 (東京都でのストリートファニチャーの導入状況について)
- とや英津子 (東京における人権侵害、へイトスピーチについて)
- 尾崎あや子 (コンビニエンスストアの本部と加盟店の不公平な取引問題について、公社病院 多摩北部医療センターの改修について)
- 和泉なおみ (中川左岸における国の高規格堤防整備事業について)
令和元年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原田あきら
質問事項
一 多摩川のアユの遡上について
一 多摩川のアユの遡上について
アユは川の中流域で産卵し、孵化した幼魚は海まで流されて海中のプランクトンなどを食べて稚魚となり、遡上を行います。環境さえ整えば、こうしたアユの遡上はどの川でも実現は可能です。アユ釣りはこれからの季節の貴重な多摩地域の観光資源であり、環境保全とともに地域振興にも重要な価値を有します。
ところが近年、都内ではどこでもアユがつれなくなってきたとの声が聞かれます。そのため、多摩川のアユの遡上について環境保全と対策を求める声が高まってきています。
その際、川に設けられてきた堰(せき)が大きな障害物となってきます。羽村の堰などでは魚道を設けるなどしているが、流心から外れ、取ってつけたような構造では魚道とならないなどの指摘もあります。そこでお聞きします。
1 近年の多摩川のアユの状況及び釣り人の数はどのようになっているか伺う。
2 現在、アユの遡上対策は国が行っているのか、東京都が行っているのか伺う。また、多摩川の魚道の整備状況についてその意義も含め伺う。
3 国とも連携し中流域の堰等でも中長期的にデータをとることで、魚道の効果や影響を把握するとともに、遡上向上のため不断の見直しが必要と考えるが、見解を伺う。
4 堰において堆積物がたまり、大雨が降ると小石や流木がそのままとなり、魚道を妨げると指摘されています。このような現状を都として把握していますか。どのような対策を講じていますか。
5 漁協や釣りの愛好家からは、駐車場の整備が求められているが、駐車場整備について都としての計画や方針はあるか。なければ一定の方針は持つべきと考えるがいかがか。
6 放流アユは現在、どのような形でどのような規模で行われ、結果をどのように分析しているか。
東京都勤労者つり団体連合会によるヤマメ発眼埋設放流が37年目を迎えている。これは10センチ四方の箱にヤマメの卵を入れ、沢に設置するものである。そもそも危険な箇所への設置であるが参加者が平均70代に達しており、支援が必要と考える。
7 ヤマメの発眼卵放流事業は、現在、奥多摩漁協、氷川漁協、秋川漁協管轄の三河川においてどのような規模で行われているか伺う。
8 都としてどのように当該事業を支援しているか。また、その意義について都としてどのように認識しているか伺う。
9 漁協や釣り団体はそれぞれ環境保全に尽力しており、要求も多々あると聞いている。都として専門家も交えた懇談の場を持ち、提言を受けるべきと考えるがいかがか。
10 アユ、ヤマメ等、水産資源を守り、さらに豊かにしていくことは環境保全のみならず、観光資源にもなり、地域の活性化にもつながります。地元自治体や漁協とも連携し、水産資源を守り、発展させていくプラン等の策定を検討すべきと考えますが見解を伺います。
令和元年第二回都議会定例会
原田あきら議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 多摩川のアユの遡上について
1 近年の多摩川のアユの状況及び釣り人の数はどのようになっているか伺う。
回答
アユの遡上数は、降水量などの自然条件により大きく左右され、年によるばらつきが大きいものの、多摩川での推定遡上数は、平成18年以降、毎年100万尾を超え、平成31年も約333万尾と高水準で推移しています。
一方、都内の河川などの内水面漁業協同組合が釣り人から徴収する遊漁料収入は減少傾向にあります。
質問事項
一の2 現在、アユの遡上対策は国が行っているのか、東京都が行っているのか伺う。また、多摩川の魚道の整備状況についてその意義も含め伺う。
回答
アユが遡上するためにはせき等における魚道の整備が重要であることから、多摩川については16箇所のせき等の全てに、国や都などが魚道を設置しています。
加えて、国や都、多摩川流域自治体を構成員とする魚道管理連絡会を設置し、情報を共有することで適切な管理に努めています。
質問事項
一の3 国とも連携し、中流域の堰等でも中長期的にデータをとることで、魚道の効果や影響を把握するとともに、遡上向上のため不断の見直しが必要と考えるが、見解を伺う。
回答
国が毎年実施している調査では、魚道の整備や改修等により、せきを通過するアユの数は増加傾向にあります。
また、都においても下流から中流域にかけて定期的に調査を実施しており、アユの遡上範囲が広がっていることなどが確認されています。
調査結果は、国、都及び多摩川流域自治体を構成員とする魚道管理連絡会で情報共有し、魚道管理方策の検討などに役立てられています。
また、遡上を補完する簡易魚道設置等の効果把握にも引き続き努めていきます。
質問事項
一の4 堰において堆積物がたまり、大雨が降ると小石や流木がそのままとなり、魚道を妨げると指摘されている。このような現状を都として把握しているか伺う。どのような対策を講じているか伺う。
回答
せき等における魚道の障害物については、国や都など各管理者が定期的な点検を行うとともに、アユの遡上が始まる前の時期等に重点的に清掃・撤去を実施しています。
加えて、せきの下流部に堆積している土砂については、流域の市町村が行う撤去に対し令和元年度から都が補助を実施しています。
質問事項
一の5 漁協や釣りの愛好家からは、駐車場の整備が求められているが、駐車場整備について都としての計画や方針はあるか伺う。なければ一定の方針は持つべきと考えるが見解を伺う。
回答
都は、漁協等からの要望を受け、管理釣り場に併設する駐車場整備等に対し補助を行っています。
質問事項
一の6 放流アユは現在、どのような形でどのような規模で行われ、結果をどのように分析しているか伺う。
回答
河川などの内水面漁業協同組合は、漁業法による漁業権対象魚種の増殖義務に基づいて、アユ等の放流を行っています。
平成30年度は、奥多摩漁業協同組合、秋川漁業協同組合及び多摩川漁業協同組合で合計約6.7トンのアユを放流しました。
各漁協では毎年の放流結果を踏まえ、放流時期やアユのサイズ等の検討を行っています。
質問事項
一の7 ヤマメの発眼卵放流事業は、現在、奥多摩漁協、氷川漁協、秋川漁協管轄の三河川においてどのような規模で行われているか伺う。
回答
平成30年度は、3漁協合計で約33万粒のヤマメの発眼卵放流が行われています。
質問事項
一の8 都としてどのように当該事業を支援しているか伺う。また、その意義について都としてどのように認識しているか伺う。
回答
都は、漁業権対象魚種の増殖義務が課されている漁協を支援するため、公益財団法人東京都農林水産振興財団に委託し、漁協に販売するヤマメの発眼卵等の種苗生産を行っています。
また、放流については、都の職員が立ち会い、技術的な指導を行っています。
こうした取組を通じ、内水面漁業の振興や活性化を図っています。
質問事項
一の9 漁協や釣り団体はそれぞれ環境保全に尽力しており、要求も多々あると聞いている。都として専門家も交えた懇談の場を持ち、提言を受けるべきと考えるが見解を伺う。
回答
都は、漁業法及び地方自治法に基づき設置している東京都内水面漁場管理委員会において、漁業者代表、遊漁者代表、学識経験者ら専門家からの意見を伺い、アユの良好な生育環境の確保など、内水面漁業振興施策に反映しています。
質問事項
一の10 アユ、ヤマメ等、水産資源を守り、さらに豊かにしていくことは環境保全のみならず、観光資源にもなり、地域の活性化にもつながる。地元自治体や漁協とも連携し、水産資源を守り、発展させていくプラン等の策定を検討すべきと考えるが見解を伺う。
回答
都は平成26年度からの10年間を計画期間とする水産業振興プランの中で、河川などの内水面漁業振興の目指すべき方向と具体的な取組を示しています。
令和元年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 藤田りょうこ
質問事項
一 妊婦の医療費の負担軽減について
一 妊婦の医療費の負担軽減について
2018年4月、政府は診療報酬の改正で「妊婦加算」を創設しました。それが導入後わずか9ヶ月、2019年1月から凍結になりました。
出産年齢の上昇に伴うリスク管理などの配慮が必要であるなか、妊産婦への質の高い診療を評価することを目的としたものが妊婦加算でした。
1 妊娠すると非妊娠時に比べて慎重な対応や胎児への配慮が必要となったり、妊娠中であることを踏まえた薬の安全性等に関する配慮をした処方や十分な説明が必要となり、診療に多くの時間がかかります。昨年成立した成育基本法も、第12条で「国及び地方公共団体は、成育過程にある者及び妊産婦に対し、成育過程にある各段階等に応じた良質かつ適切な医療が提供されるよう、医療の提供体制の整備、救急医療の充実その他の必要な施策を講ずるものとすること」としています。妊婦に対し、妊娠中であることに配慮した適切な医療を提供することの重要性をどう認識していますか?
産婦人科医師が不足していることからも、妊娠経過に直接かかわらない診療については、他の診療科での対応を促進する必要があります。また、日本産婦人科医会では妊婦の外来診療に対する評価を診療報酬で行うよう、以前から国に要望していました。
2 妊婦に対し、通常より丁寧な診療を行うことを診療報酬で評価すること自体は意義があると思いますが、いかがですか?
妊婦加算が凍結となった背景には、妊婦が病院などを受診したときに窓口負担が上乗せされることに対する「事実上の妊婦税だ」などの批判がありました。この背景には、現役世代の窓口負担が3割と高すぎることがあります。
今回創設された妊婦加算は乳幼児加算と同様の内容になっています。
乳幼児加算は、6歳未満の乳幼児が診療時間内に受診した場合、初診料では750円、再診料では380円が加算されます。さらに、受診先が小児科の場合には夜間では2,000円、休日では3,650円、深夜では6,950円が初診料に加算されます。小児科は不採算医療であり、小児科の医師も不足している背景から見れば、こうした加算は重要です。
例えば、6歳未満で急な病気になったとき、小児の病状は急速に変わるので、深夜であっても出来るだけ早く診察したほうが良い場合でも、深夜の初診の場合は7,500円が加算されます。診療費に加えて加算分の2割、1,500円が窓口負担に上乗せされますが、乳幼児の場合、この加算が問題になっていないのは、全ての自治体で乳幼児医療費助成制度が実施されているためです。
日本産婦人科医会は、今回の妊婦加算の凍結に対して、患者の負担増に対する軽減措置は社会保障全体の枠組みの中で議論すべきとしています。
3 厚生労働省の「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」のとりまとめでは、患者負担について「これから子どもをほしいと思う人にとって、ディスインセンティブとならないようにすることが必要」としつつ、「引き続き検討すべき」としました。妊婦への医療の充実のためにも、妊婦がお金の心配なく医療を受けられることが重要であり、それが子どもの健全な発育に資することからも、妊婦の窓口負担の軽減が必要だと思いますが、いかがですか?
全国では栃木県、富山県、岩手県、茨城県の4県で、妊産婦の医療費の保険診療自己負担分を自治体が公費で助成する、妊産婦医療費助成制度を実施しています。こうした自治体では、妊産婦の経済的負担を軽減しており、妊産婦から高く評価されています。
4 国に妊婦の医療費の自己負担に対する軽減を求めるとともに、都としても負担軽減について検討すべきと考えますが、いかがですか?
令和元年第二回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 妊婦の医療費の負担軽減について
1 妊婦に対し、妊娠中であることに配慮した適切な医療を提供することの重要性をどう認識しているか伺う。
回答
妊産婦の診療・治療は、妊娠中に特に重症化しやすい疾患があること、また、薬剤や放射線検査の胎児への影響を妊娠週数に応じて考慮する必要があること等から、非妊娠時とは異なる特別な配慮が必要と認識しています。
質問事項
一の2 妊婦に対し、通常より丁寧な診療を行うことを診療報酬で評価すること自体は意義があると思うが、見解を伺う。
回答
診療報酬は、国が設置する中央社会保険医療協議会での議論を経て、一律に定めるものであります。
質問事項
一の3 妊婦への医療の充実のためにも、妊婦がお金の心配なく医療を受けられることが重要であり、それが子どもの健全な発育に資することからも、妊婦の窓口負担の軽減が必要だと思うが、見解を伺う。
回答
国が設置した「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」が令和元年6月10日に公表した「議論の取りまとめ」では、「妊産婦が健診以外で医療機関を受診する際の負担が、これから子どもをほしいと思う人にとって、ディスインセンティブとならないようにすることが必要であり、他の受診者との均衡や政策効果といった点を勘案し、引き続き検討すべきである。」としています。
都としては、国の検討状況を注視していきます。
質問事項
一の4 国に妊婦の医療費の自己負担に対する軽減を求めるとともに、都としても負担軽減について検討すべきと考えるが、見解を伺う。
回答
都は、妊産婦の死亡原因となるとともに、出生児に対する影響も著しい妊娠高血圧症候群等の疾患に対し、入院治療に要する費用で、医療保険を適用して生じる自己負担額を対象とした医療費助成を実施しています。
妊婦の医療費の自己負担については、先に述べた「議論の取りまとめ」を踏まえた国の検討状況を注視していきます。
令和元年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原のり子
質問事項
一 東京都の人権施策について
一 東京都の人権施策について
1 東京都は2015年に東京都人権施策推進指針を15年ぶりに改定し、性同一性障害や性的指向、ヘイトスピーチなどについて拡充を行いました。東京都の人権施策の基本理念が発展したことは重要と考えます。
改定後この4年間に「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」(以下、人権条例)、「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」(以下、虐待防止条例)の人権に関する条例が制定されました。また犯罪被害者等支援条例(仮)の策定も検討されています。
人権条例では、憲法の遵守が明記され、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別を禁止する条項が盛り込まれました。虐待防止条例では子どもは「あらゆる場面において権利の主体として尊重される必要がある」との文言が盛り込まれました。
一方で東京都人権施策推進指針では憲法遵守の文言はありません。
子どもについては、いじめや虐待、子どもに対する犯罪等から子どもを守るという見地で記載されていますが、子どもの権利条約の柱である「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」が十分に述べられているとはいえず、とりわけ意見表明権を保障するものにはなっていません。
さらに性同一性障害については「国際疾病分類では疾病として認められていますが、社会では十分認識されていません」との文言がありますが、2019年5月25日、世界保健機関(WHO)の総会で、心と体の性が一致しない性同一性障害について、「精神障害」の分類から除外することが合意されました。
このように人権に関する認識は日進月歩で変化・発展しています。この間の変化・発展を踏まえ、東京都人権施策推進指針の全面的改訂を行うべきと考えますが、見解と今後の対応について伺います。
2 東京都が行う施策や事業の推進において、自身の性自認や性的指向、性表現などを公表すること、いわゆるカミングアウトが前提となることはあってはならないと考えますが、見解を伺います。
3 人権部で実施している性自認・性的指向に関する専門相談について、実施期間、相談人数、相談者の分類(本人、家族、友人など)、相談内容の特徴、対応策などの実施状況はどのようになっていますか。
4 人権条例で定めることになっている基本計画について、今後、どのようなスケジュールで策定するのですか。
5 基本計画は、都民の意見を十分に聞いて策定することを求めます。とりわけ、セクシュアルマイノリティの人たちの悩みや苦労をふまえること、同時に、SOGIの立場に立ったものになることが重要です。今後、どのように意見を聞いていくのか、どのように基本計画策定に参加してもらうのか、うかがいます。
令和元年第二回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 東京都の人権施策について
1 人権に関する認識は日進月歩で変化・発展している。この間の変化・発展を踏まえ、東京都人権施策推進指針の全面的改訂を行うべきと考えるが、見解と今後の対応について伺う。
回答
東京都人権施策推進指針は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、国際都市にふさわしい人権尊重の理念が浸透した社会の実現を目指し、都が取り組むべき人権施策の基本方針を示すため、平成27年8月に改定しました。
今後の改定の必要性や時期等につきましては、社会経済状況の変化等を踏まえ、慎重に検討していきます。
質問事項
一の2 東京都が行う施策や事業の推進において、自身の性自認や性的指向、性表現などを公表すること、いわゆるカミングアウトが前提となることはあってはならないと考えるが、見解を伺う。
回答
カミングアウトをするしないについては、当事者の自由であり、その意思は最大限尊重されるべきものと考えています。
質問事項
一の3 人権部で実施している性自認・性的指向に関する専門相談について、実施期間、相談人数、相談者の分類(本人、家族、友人など)、相談内容の特徴、対応策などの実施状況はどのようになっているか伺う。
回答
「東京都性自認及び性的指向に関する専門電話相談」は、性自認及び性的指向に係る様々な問題について、当事者のみならずその保護者の方々等も含めて相談をお受けしており、平成30年10月の事業開始以降3月までの実績件数は合計81件になります。
質問事項
一の4 人権条例で定めることになっている基本計画について、今後、どのようなスケジュールで策定するか伺う。
回答
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第5条第1項の規定に基づき策定する性自認及び性的指向に関する基本計画は、8月に素案を策定し、その素案をもとに、パブリックコメントを募集し、都議会での議論や区市町村からの意見も踏まえ、年内に計画を公表する予定です。
質問事項
一の5 基本計画は、都民の意見を十分に聞いて策定することを求める。とりわけ、セクシュアルマイノリティの人たちの悩みや苦労をふまえること、同時に、SOGIの立場に立ったものになることが重要である。今後、どのように意見を聞いていくのか、どのように基本計画策定に参加してもらうのか、伺う。
回答
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第5条第2項において、性自認及び性的指向に関する基本計画の策定に当たっては、都民等から意見を聴くものと定められています。
計画の策定に当たっては、引き続き個別ヒアリングなどを通じ、当事者等の意見を伺っていきます。
令和元年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 星見てい子
質問事項
一 東京都でのストリートファニチャーの導入状況について
一 東京都でのストリートファニチャーの導入状況について
東京都内で、ストリートファニチャーといわれる広告付きバス停上屋が広がっている。目黒区内でも、目黒通りなど都道で目につくようになった。国の規制緩和によって設置が可能になった。
一方で民間バス会社は、公共交通の担い手として利用者へのサービス向上のために設置してきた独自のバス停上屋を設置しなくなっている。そこで、以下をうかがう。
1 全都で広告付きバス停上屋は、何ヵ所あるのか把握しているか。また、これを設置している事業者は、何社あるのか。
2 都道に設置する際には、東京都が道路管理者として許可をしているが、都道上では何か所・何社になっているか。
3 都道での設置に伴う道路占用料を徴収しているか。徴収している場合の基準と額は、どのようになっているか。
4 都道での設置に伴う道路占用料を徴収していない場合は、その理由を伺う。
5 広告付きバス停上屋設置のバスルートで、独自のバス停上屋設置事業を中止しているバス事業者は、都内運行事業者全体で何社になっているか把握しているか。把握していれば、その状況をうかがう。不明の場合は、調査すべきであるが、伺う。
6 広告付きバス停上屋は、広告料で利益を上げるために設置されているため、高齢者、障がい者、通院者などが、利用のためにバス停上屋が必要な場所に優先して設置されるものではない。
都として、実態を調査すべきである。バス利用者から設置希望が出ているバス停には、福祉的観点からバス事業者と協議をして設置を進めるべきである。いかがか。
令和元年第二回都議会定例会
星見てい子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 東京都でのストリートファニチャーの導入状況について
1 全都で広告付きバス停上屋は、何ヵ所あるのか把握しているか伺う。また、これを設置している事業者は、何社あるのか伺う。
回答
バスをはじめ、地域の公共交通については、地域のニーズにきめ細かく対応するため、区市町村が主体となって取り組んでいます。都は、バス停上屋の全般的な設置状況について把握する立場にありません。
質問事項
一の2 都道に設置する際には、東京都が道路管理者として許可をしているが、都道上では何か所・何社になっているか伺う。
回答
令和元年6月20日現在で223か所・11社となっています。
質問事項
一の3 都道での設置に伴う道路占用料を徴収しているか伺う。徴収している場合の基準と額は、どのようになっているか伺う。
回答
東京都道路占用料等徴収条例に基づき徴収しています。占用料は広告表示面積1平方メートルにつき地域ごとの単価を用いて算出しており、例えば、4平方メートルの広告付きバス停上屋であれば、年間8,840円から148,800円の占用料を徴収しています。
質問事項
一の4 都道での設置に伴う道路占用料を徴収していない場合は、その理由を伺う。
回答
東京都道路占用料等徴収条例に基づき徴収しています。
質問事項
一の5 広告付きバス停上屋設置のバスルートで、独自のバス停上屋設置事業を中止しているバス事業者は、都内運行事業者全体で何社になっているか把握しているか伺う。把握していれば、その状況を伺う。不明の場合は、調査すべきであるが、見解を伺う。
回答
バスをはじめ、地域の公共交通については、地域のニーズにきめ細かく対応するため、区市町村が主体となって取り組んでいます。都は、バス停上屋の全般的な設置状況について把握する立場にありません。
質問事項
一の6 広告付きバス停上屋は、広告料で利益を上げるために設置されているため、高齢者、障がい者、通院者などが、利用のためにバス停上屋が必要な場所に優先して設置されるものではない。都として、実態を調査すべきである。バス利用者から設置希望が出ているバス停には、福祉的観点からバス事業者と協議をして設置を進めるべきである。見解を伺う。
回答
バスをはじめ、地域の公共交通については、地域のニーズにきめ細かく対応するため、区市町村が主体となって取り組んでいます。
なお、バス停設置時の配慮は、国のバリアフリー整備ガイドラインに基づき、都の福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルにも記載しています。
令和元年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 とや英津子
質問事項
一 東京における人権侵害、ヘイトスピーチについて
一 東京における人権侵害、ヘイトスピーチについて
近年各地でヘイトスピーチが問題になっています。
この間、在日韓国・朝鮮人などを排除・攻撃することを目的としたデモや集会が全国各地で開かれ、聞くに堪えない差別表現と扇動活動がくりかえされてきました。韓国・朝鮮出身者やその子孫、家族が多く居住する地域や、繁華街などで、「韓国人は出ていけ」「ソウルを火の海にしろ」「いい朝鮮人も悪い朝鮮人もいない、皆殺しにしろ」などの罵詈雑言(ばりぞうごん)を叫び、関係者と周辺住民の不安と恐怖心をあおってきました。インターネットなど一部のメディアにも、そうした言葉が横行しています。
特定の人種や民族にたいする常軌を逸した攻撃は「ヘイトスピーチ」と呼ばれます。差別をあおるこうした言葉の暴力は、「ヘイトクライム」(人種的憎悪にもとづく犯罪)そのものであり、人間であることすら否定するなど、人権を著しく侵害するものです。憲法が保障する「集会・結社の自由」や「表現の自由」とも、相いれません。
法務省が初めて行った実態調査によると、2012年4月から15年9月までに、ヘイトスピーチを伴うデモは1,152件、確認されました。年間の発生件数は、12年が4月以降で237件、13年は347件、14年は378件で、15年が1月から9月で190件でした。また、動画投稿サイトに掲載されたデモの様子を撮影した72件、約98時間分の映像を分析したところ、ヘイトスピーチに該当する「日本から出て行け」など特定の民族を一律に排斥する発言が最も多く、1,355回ありました。生命に危害を加える発言は216回、蔑称などで誹謗(ひぼう)中傷する発言も232回ありました。
1 2020オリパラ大会をひかえ、東京都は昨年、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を制定していますが、繰り返されるヘイトスピーチをどのように認識していますか。
2 練馬区では今年5月に、朝鮮学校の高校生が支援者とともに高校授業料の無償化を求めて宣伝活動をしているところに、ヘイト集団がきて大音量でヘイトスピーチを繰り返し、約40分間続いたそうです。都はこの事実を把握していますか。
3 この間のヘイトスピーチやヘイト言動については、インターネットでも投稿や配信など多数行われています。また区市町村施設や民間施設、使用許可の必要のない街頭宣伝などで行われたものや、印刷物や電磁的記録媒体等で外国や多国籍の人や集団を排斥・攻撃するものが広範に配布される事も起きています。
こうした行為等に対し、都知事が率先して毅然とした態度をとり、ヘイトスピーチ等が行われた際は絶対に許されないとした声明を行うなど積極的な行動が必要です。いかがですか。
また、各地でヘイトスピーチを繰り返している団体の代表による講演会が今年3月、練馬区役所本庁舎で企画され、中止を求める区民が駆けつけるという事態が発生しました。講演会参加者と抗議者との間で怒鳴りあいにまで発展し、練馬警察から40名が本庁舎で対応にあたったと聞いています。
4 今年3月、法務省はこれまで野放しとなっていた「選挙活動」に名をかりたヘイトスピーチに対して「適切に対応する」ことを求める通知を全国の法務局に出しています。
都は選挙活動の中で行われるヘイトスピーチについて、どのように認識していますか。
5 都は「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」第11条に規定する公の施設の利用制限に関する基準を定めていますが、選挙活動の中で行われるヘイトスピーチについても公共施設使用は許可すべきでないと考えますが、いかがですか。
ヘイトスピーチを法律や条例で規制することは重要ですが、肝心なのはヘイトを許さない社会をつくることです。
グローバル化が進むもと、東京で暮らす外国人のみなさんは52万人にのぼり、年々増加しています。ヘイトスピーチのような差別的言動は相手を傷つけ、外国籍の子どもは学校でいじめにあったり、不登校になるなど深い傷を負いその傷が癒えるのはとても困難です。どの国籍の人も尊重し、暮らしやすい社会をつくることが在京外国人のみなさんの人権を守るとともに、地域社会の分断やトラブルの発生を防ぐことになります。
6 学校教育の場では、教育委員会が「人権教育プログラム」で総合的な学習の時間の指導事例として「外国人」の人権課題を学べるように教員向けの手引きが作成されています。「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」でも教育が位置づけられています。
学校教育の場で、ヘイトスピーチは許されず、こうした問題をどう解決していくのかを考えることが大切だと思いますが、いかがですか。
7 京都府では「ヘイトスピーチと人権」と題してリーフレットを作成し、府民が学べる環境をつくっています。こうした事例に学び、都としてリーフレットの作成や啓発活動を強化することを求めますがいかがですか。
8 都は2016年9月、いったん削除していた朝鮮学校の調査報告書を生活文化局のホームページに再掲載しています。
これは、ことさら朝鮮学校を排除するような掲載であり、差別と分断を持ち込み、ヘイトスピーチをあおるようなものです。「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」の立場にも反していると思います。
このようなことは直ちにやめるべきです。いかがですか。
令和元年第二回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 東京における人権侵害、へイトスピーチについて
1 2020オリパラ大会をひかえ、東京都は昨年、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を制定しているが、繰り返されるヘイトスピーチをどのように認識しているか伺う。
回答
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第8条では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律第2条に規定する不当な差別的言動の解消を図るものとしています。
質問事項
一の2 練馬区では今年5月に、朝鮮学校の高校生が支援者とともに高校授業料の無償化を求めて宣伝活動をしているところに、へイト集団がきて大音量でヘイトスピーチを繰り返し、約40分間続いたそうである。都はこの事実を把握しているか伺う。
回答
令和元年5月20日に練馬区内において、ヘイトスピーチが疑われる表現を含む表現活動があったとの申出を受け付けています。
質問事項
一の3 都知事が率先して毅然とした態度をとり、ヘイトスピーチ等が行われた際は絶対に許されないとした声明を行うなど積極的な行動が必要である。見解を伺う。
回答
都は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律第4条第2項に基づき、都の実情に応じた施策を講ずることにより、不当な差別的言動の解消を図ることを趣旨として、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を制定しました。
質問事項
一の4 今年3月、法務省はこれまで野放しとなっていた「選挙活動」に名をかりたヘイトスピーチに対して「適切に対応する」ことを求める通知を全国の法務局に出している。都は選挙活動の中で行われるヘイトスピーチについて、どのように認識しているか伺う。
回答
法務省は平成31年3月12日付で各法務局に対し、「選挙運動、政治活動等として行われる不当な差別的言動への対応について」の事務連絡を発出しており、その内容は承知しています。
質問事項
一の5 都は「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」第11条に規定する公の施設の利用制限に関する基準を定めているが、選挙活動の中で行われるヘイトスピーチについても公共施設使用は許可すべきでないと考えるが、見解を伺う。
回答
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第11条に基づき、公の施設の利用制限について基準を定めており、この基準に則り、個別具体の利用ごとに判断することとなります。
質問事項
一の6 学校教育の場で、へイトスピーチは許されず、こうした問題をどう解決していくのかを考えることが大切だと思うが、見解を伺う。
回答
児童・生徒に、異なる習慣・文化をもった人々と共に生きていく態度を育成することは重要です。
都教育委員会は、人権教育の実践的な手引である「人権教育プログラム」に、ヘイトスピーチなど外国人についての人権課題に関わる教材を掲載し、都内公立学校の全教員に配布しています。
また、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」の趣旨も踏まえながら、この手引を校長や教員等を対象にした人権教育の研修会などで活用するなどして、児童・生徒と外国人が、互いの人権を尊重し豊かな関係を築くことができるよう各学校を支援しています。
質問事項
一の7 京都府では「へイトスピーチと人権」と題してリーフレットを作成し、府民が学べる環境をつくっている。こうした事例に学び、都としてリーフレットの作成や啓発活動を強化することを求めるが見解を伺う。
回答
都は、これまでヘイトスピーチ解消に向け、啓発ポスターの掲示や街頭大型ビジョンにおける啓発映像の放映などを行ってきました。引き続き様々な広報媒体を活用した効果的な啓発を進めていきます。
質問事項
一の8 都はいったん削除していた朝鮮学校の調査報告書を生活文化局のホームページに再掲載している。これは、へイトスピーチをあおるようなものである。「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」の立場にも反していると考える。このようなことは直ちにやめるべきである。見解を伺う。
回答
「朝鮮学校調査報告書」は、平成25年11月より生活文化局ホームページへ掲載し、平成28年2月のホームページのリニューアルに伴う全体構成の見直しの中で、掲載を終了しました。
しかしながら、本報告書は、詳細な調査に基づく資料であることから、同年9月、ホームページに改めて掲載することとしました。
平成29年4月には、施設財産の管理・運用の改善等の状況についても、併せてホームページに掲載しています。
こうしたことから、現段階でホームページへの掲載をやめる予定はありません。
令和元年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 尾崎あや子
質問事項
一 コンビニエンスストアの本部と加盟店の不公平な取引問題について
二 公社病院 多摩北部医療センターの改修について
一 コンビニエンスストアの本部と加盟店の不公平な取引問題について
2018年11月末時点の調査でコンビニエンスストア(以下、略してコンビニ)の店舗数は全国のなかで東京が1位、7,302店舗あります。コンビニは地域のなかで買い物をするだけの場所ではなく、税金や保険料の収納代行、ATM、保険等の加入手続き、住民票の発行などもできる場所となっています。自治体との防災協定を結んでいる店舗や配達業務の中で高齢者の見守りも行うなど、地域の中で大きな役割を担っています。高齢化が進む中、地域の人たちの生活にとって、なくてはならない存在になっています。
そこで、いくつか質問します。
1 経済産業省「コンビニ調査」の結果、「従業員不足」は2014年度調査では22%でしたが、2018年度では61%と、大幅に増加しており、深刻な事態が現れています。また、「加盟したことに満足していない」と答えたのは前回17%でしたが、39%に増加しています。
人手不足や人件費の高騰、高いままのロイヤルティ(上納金)、24時間営業の強制などにより、コンビニの経営が困難になっており、本部と加盟店が対等な関係にはなく、不公正な契約が問題の根本にあります。
長時間労働など経営者の暮らしも健康も限界になっているところが増えています。「このままでは、コンビニ自体が立ち行かなくなる」との声が寄せられています。
東京都は中小企業・小規模企業振興条例を制定しました。この立場から、コンビニ本部と加盟店の不公平な取引については、どのように認識していますか。
2 都は2002年3月に「小売業・サービス業におけるチェーン活動の実態調査報告書」をまとめました。その後、同様の実態調査は行っているのですか。
3 既に営業している加盟店があるにもかかわらず、本部が近くに新しく出店すること、営業時間を短縮することができないなどが問題になっています。こうした、コンビニなどのフランチャイズの本部と加盟店との問題などの相談は、中小企業振興公社が窓口になっていますが、この間の相談件数はどうなっていますか。
4 コンビニなどのフランチャイズの本部と加盟店との問題について、東京都に相談できる窓口があることを広く知らせるべきですが、いかがですか。
5 本部と加盟店とのトラブル解決にあたり、「中小小売商業振興法、独占禁止法はあるが、解決の役にたたない」と言われました。
中小小売商業振興法は、紛争のトラブルの有無などの本部の不利な情報を開示する義務はなく、罰則も強制権もありません。公正取引委員会のガイドラインも法律ではなく、考え方を示しているものです。いずれも、加盟店の権利・利益を保障するものではありません。新たな「ルール」が必要です。国に対し積極的に働きかけるべきですが、いかがですか。
6 東京のコンビニ店舗数は、全国一位です。東京都として「小売業・サービス業におけるチェーン活動の実態調査」を行うべきですが、いかがですか。
二 公社病院 多摩北部医療センターの改修について
東村山市内にある公社病院多摩北部医療センターは、住民にとってなくてはならない役割を発揮していただいています。また、東村山市と連携し病児保育にも取り組んでいただき、住民から喜ばれています。しかし、建物が老朽化しています。東京都も改修を検討していると聞いています。そこで、いくつか質問します。
1 公社病院多摩北部医療センターの改修について、進ちょく状況をうかがいます。
2 東村山市内のお産ができる産科は、現在、ゼロになってしまいました。お隣の清瀬市でもお産ができる産科はゼロになっています。医師の高齢化などが原因になっていると聞きますが、東京都として産科の医師を養成し増やすべきだと思います。
東京都周産期医療体制整備計画(2018年度から2023年度)の「周産期医療関係者の確保と育成」のところで、「地域により分娩を取り扱う産科・産婦人科医師の高齢化が課題となっています」と現状分析を行っています。長期的な政策も含めて東京都の認識を伺います。
3 公社病院多摩北部医療センターの医師と看護師の定数、現状はどうなっていますか。
4 都立清瀬小児病院が廃止され、府中市に小児総合医療センターができて9年になります。「都立清瀬小児病院を廃止しないで欲しい」という住民の声が大きく広がりました。当時、都立清瀬小児病院が担ってきたもの、地域の小児医療を後退させないと東京都は約束し、公社病院多摩北部医療センターが受け皿として担っていくと説明しました。清瀬小児病院が府中に統合された後、公社病院多摩北部医療センターでの機能が強化されたところはありますか。小児科の医師の推移はどうなっていますか。
5 東京都は、確保が困難な診療科の医師を多摩・島しょの公立病院等に一定期間派遣する「東京都地域医療支援ドクター事業」を実施し、地域の医療体制の確保を支援していますが、実績について伺います。
6 東京都周産期医療体制整備計画(2018年度から2023年度)では、都全域で周産期母子医療センター及び周産期連携病院に「NICU病床340床」を確保するとしていますが、現在、多摩地域のNICUはどうなっていますか。
7 公社病院多摩北部医療センターの改修の際に、お産ができる産科とNICUの設置を要望するものです。まずは、検討をお願いしますが、いかがですか。
令和元年第二回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 コンビニエンスストアの本部と加盟店の不公平な取引問題について
1 東京都は中小企業・小規模企業振興条例を制定した。この立場から、コンビニ本部と加盟店の不公平な取引については、どのように認識しているか伺う。
回答
コンビニエンスストアの本部と加盟店のフランチャイズ契約については、中小小売商業振興法に基づき、契約に際して、本部事業者の事業概要やロイヤリティの計算方法等、契約の主な内容等についての情報を、契約締結前に書面で交付し、説明することが義務付けられています。
都は、コンビニエンスストアの本部と加盟店の取引が、こうしたルールを遵守した上で、契約自由の原則という基本的な考え方のもとに適切に行われることが重要であると認識しています。
質問事項
一の2 都は2002年3月に「小売業・サービス業におけるチェーン活動の実態調査報告書」をまとめた。その後、同様の実態調査は行っているのか伺う。
回答
都は、東京の中小企業の現状(流通産業編)調査において、事業者のチェーン等への加盟状況に関する調査を行っています。
質問事項
一の3 コンビニなどのフランチャイズの本部と加盟店との問題などの相談は、中小企業振興公社が窓口になっているが、この間の相談件数はどうなっているか伺う。
回答
平成30年度におけるコンビニエンスストアの本部と加盟店との問題などの中小企業振興公社への相談件数は14件です。
質問事項
一の4 コンビニなどのフランチャイズの本部と加盟店との問題について、東京都に相談できる窓口があることを広く知らせるべきであるが、見解を伺う。
回答
都は、東京都中小企業振興公社の総合相談の窓口において、契約上の問題やトラブルについての法律相談を実施しています。総合相談の窓口の周知・広報については、パンフレットやガイドブック、ホームページ等を通じて広く周知を図っています。
質問事項
一の5 中小小売商業振興法は、紛争のトラブルの有無などの本部の不利な情報を開示する義務はなく、罰則も強制権もない。公正取引委員会のガイドラインも法律ではなく、考え方を示しているものである。いずれも、加盟店の権利・利益を保障するものではない。新たな「ルール」が必要である。国に対し積極的に働きかけるべきであるが、見解を伺う。
回答
コンビニエンスストアの本部と加盟店の取引については、「中小小売商業振興法」や公正取引委員会が公表している「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法の考え方について」などにルールが規定されており、それらを遵守した上で行われるべきものと考えています。
質問事項
一の6 東京のコンビニ店舗数は、全国一位である。東京都として「小売業・サービス業におけるチェーン活動の実態調査」を行うべきであるが、見解を伺う。
回答
都では、「東京の中小企業の現状」において、コンビニエンスストアを含む都内小売業やサービス業の経営実態や経営課題など、中小企業の現状を分析するほか、「東京都中小企業の景況」においては、コンビニエンスストアをはじめとする小売業やサービス業の業況などを定期的に調査しています。
質問事項
二 公社病院 多摩北部医療センターの改修について
1 公社病院多摩北部医療センターの改修について、進ちょく状況を伺う。
回答
多摩北部医療センターは、しゅん工から33年あまりを経過し、財務局が策定した「第二次主要施設10か年維持更新計画」において同計画の対象施設として選定されています。
同計画の推進に当たり、長寿命化の推進等の取組を進めていくこととされており、これに基づき、病院経営本部において検討を行っています。
質問事項
二の2 東京都周産期医療体制整備計画(2018年度から2023年度)の「周産期医療関係者の確保と育成」のところで、「地域により分娩を取り扱う産科・産婦人科医師の高齢化が課題となっています」と現状分析を行っている。長期的な政策も含めて東京都の認識を伺う。
回答
都は、周産期医療に従事する医師の確保のために、東京都地域医療医師奨学金制度による奨学金の貸与とともに、産科、NICU等の医師に手当を支給する医療機関への支援を行っています。
今後とも、周産期医療に従事する医師の確保を図っていきます。
質問事項
二の3 公社病院多摩北部医療センターの医師と看護師の定数、現状はどうなっているか伺う。
回答
多摩北部医療センターの医師数は平成31年4月1日現在、定数63人に対し現員58人、看護師は平成31年4月1日現在、定数257人に対し現員280人となっています。
質問事項
二の4 清瀬小児病院が府中に統合された後、公社病院多摩北部医療センターでの機能が強化されたところはあるか伺う。また、小児科の医師の推移はどうなっているか伺う。
回答
清瀬小児病院のあった北多摩北部地域では、多摩北部医療センターに新たに小児科を設置しました。
また、当初6床で開始した病床数を、平成22年には35床に拡大しました。
さらに、地域の医師会の協力のもと、「小児初期救急平日夜間診療事業」を行うなど、一次医療と二次医療の連携を図るとともに、小児総合医療センターから多摩北部医療センターに医師を派遣するなど、二次医療と三次医療の連携も進めてきました。
小児科の医師数については、各年度4月1日現在の現員数で、平成29年度は7名、平成30年度は8名、令和元年度は7名となっています。
質問事項
二の5 東京都は、確保が困難な診療科の医師を多摩・島しょの公立病院等に一定期間派遣する「東京都地域医療支援ドクター事業」を実施し、地域の医療体制の確保を支援しているが、実績について伺う。
回答
平成30年度は、多摩地域の5か所の公立病院等に計6人の医師を派遣しました。
また、事業開始の平成21年度から平成30年度までに、延べ40人の医師を派遣しています。
質問事項
二の6 東京都周産期医療体制整備計画(2018年度から2023年度)では、都全域で周産期母子医療センター及び周産期連携病院に「NICU病床340床」を確保するとしているが、現在、多摩地域のNICUはどうなっているか伺う。
回答
現在、多摩地域には、2つの総合周産期母子医療センターと4つの地域周産期母子医療センターがあり、NICU病床は63床あります。
質問事
二の7 公社病院多摩北部医療センターの改修の際に、お産ができる産科とNICUの設置を要望するものである。まずは、検討をお願いするが、見解を伺う。
回答
多摩地域においては、総合周産期母子医療センターである多摩総合医療センター・小児総合医療センターと杏林大学医学部付属病院を中心に、一次から三次までの機能に応じた役割分担と連携を進めています。
引き続き、限られた医療人材を有効活用しながら多摩地域における周産期医療体制を確保するため、多摩地域における周産期医療ネットワークグループの連携体制の強化等を図っていきます。
令和元年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 和泉なおみ
質問事項
一 中川左岸における国の高規格堤防整備事業について
一 中川左岸における国の高規格堤防整備事業について
葛飾区の中心部を蛇行しながら流れる中川は、高砂橋から下流は、上平井水門から下流の右岸を除き、都の管理区間となっています。都は、平成24年12月に策定した東部低地帯の河川施設整備計画によって中川の堤防の耐震強化を進め、平成28年6月の中川・綾瀬川圏域河川整備計画では、地震対策の強化と河川環境のために中川のスーパー堤防・緩傾斜型堤防の整備を進めていくとしています。さらに西新小岩地区については、蔵前橋通りを挟んで都型のスーパー堤防等整備事業の具体化が進められようとしています。
ところが、今年1月、都が現にスーパー堤防等整備事業計画を進めている地区よりわずか200メートルほど上流の都の管理区間に、国の高規格堤防整備事業計画が発表されました。しかも、国の高規格堤防は堤防の高さの30倍の幅で緩やかに傾斜をつけるものですが、西新小岩地区で計画されているのは堤防の高さ7メートルに対して必要な210メートルではなく、その3分の1の70メートルの幅しかない、いわゆる暫定整備です。
1 私は、地域の住民の方にも話を聞きましたが、計画地の北側の住民は「すでに西側に堤防があって、南側にもそんな高い堤防ができるなんて絶対に認められない」、また周辺一帯の住民の皆さんは共通して「そんな話は聞いていない」と驚きと不安を訴えています。
そもそも、都の管理区間である中川の流域の地元住民から、国の高規格堤防整備の動きについて、このような不安の声が出されていることをご存じですか。
いうまでもなく、河川管理は連続して一体的にすすめられてこそ、効果も上がり、安全性への信頼も高まります。なぜ突然のように都の管理区間に国が割り込んで計画を発表したのでしょうか。このようにばらばらに管理事業が計画されるのでは住民が不安を訴えるのは当然です。
2 そこで伺います。これまでに、西新小岩のように都が管理する河川区域に、国が同種の事業を実施しようとした例はあるのでしょうか。
同じ川に都型のスーパー堤防等と国型の高規格堤防とがつながる、ということになるわけですから、当然、技術的にも齟齬のないように慎重な連携が求められると思いますが、過日、国交省の担当部局に伺ったところ、東京都とその種の調整、話し合いは一度も行っていない、ということでありました。いったい都は国との話し合いは、どのようにやってきたのか、疑問の声があがっています。
3 西新小岩地区で国が進めようとしている高規格堤防について、都と国はどのような話し合いをしてきたのですか。計画発表に至る経過を明らかにしていただきたいと思います。
4 西新小岩地区のスーパー堤防等の規格について、都型でおこなう部分について、都と国はどのような話し合いをしてきたのですか。歴史的経過についてご説明ください。また、都が都型のスーパー堤防等で整備しようとしていることについて、国は了承しているのか、いなか、その理由もふくめてご説明ください。
5 発表されている国の事業計画によりますと、国の高規格堤防をつくる理由は荒川の超過洪水対策のため、と説明されています。超過洪水とは計画規模を上回る洪水であり、具体的には荒川の水位が背割堤を超え、中川に流れ込み、中川左岸の堤防を水が超えるような洪水と、国は説明しています。
そこで伺います。どういう状況と条件が重なったらこのような洪水が発生するのか、都として荒川の氾濫にともなう中川の超過洪水の想定ケースについて、あるいは他にも中川の超過洪水の想定ケースがあればそれについても、具体的にご説明ください。
6 かつて都は、平成12年に発生した東海豪雨、時間最大114ミリ、総雨量589ミリが、もし東京を襲ったらと仮定してシミュレーションを行い、その結果、下水道などの内水氾濫被害は想定されるが、東部低地帯の河川護岸からは、このような大豪雨でも溢水は発生しない、と議会答弁しています(※2006年10月25日、平成17年度各会計決算特別委員会第三分科会)。この想定は現在も変わりませんか。
7 そのうえで都は都としてのスーパー堤防等整備事業をすすめているわけですが、都のスーパー堤防等と超過洪水対策との関係をご説明ください。
8 なによりも、超過洪水被害が荒川と中川を分けている背割堤・中堤を越流することから始まるというのであれば、その中堤を高くすることが先決ではないでしょうか。少なくとも中堤(A.P. 6.3メートル)を荒川右岸(A.P. 7.8メートル)と同じ高さにすることが必要だと思いますが、国とはどのような協議を行っているのですか。中堤の整備についてどのような見解・方針をもっていますか。それぞれお答えください。
9 そして、中川左岸についても、荒川右岸と同じ高さにすることは、洪水への備えとしても、整備期間・費用ともに効率的、効果的と考えますが、いかがですか。
令和元年第二回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 中川左岸における国の高規格堤防整備事業について
1 都の管理区間である中川の流域の地元住民から、国の高規格堤防整備の動きについて、不安の声が出されていることをご存じか伺う。河川管理は連続して一体的にすすめられてこそ、効果も上がり、安全性への信頼も高まる。なぜ突然のように都の管理区間に国が割り込んで計画を発表したのか伺う。
回答
国の高規格堤防整備事業は、人口等が高密度に集積した低平地等を抱える大河川で堤防の決壊に伴う甚大な被害の発生を回避するため、超過洪水対策としてまちづくりと一体となって幅の広い堤防を整備するものです。
上平井水門より下流の中川は、荒川と並行しており、荒川で計画規模を超える洪水が発生した場合、都管理の中川の堤防を越えて氾濫することも予想されるため、国は中川の左岸側で荒川の高規格堤防を計画しています。
荒川の高規格堤防整備事業については、平成19年3月に策定された荒川水系河川整備基本方針及び平成28年3月に策定された荒川水系河川整備計画に既に位置付けられています。その上で、平成31年1月に国は西新小岩地区の高規格堤防整備事業について関東地方整備局事業評価監視委員会に諮り、その後、事業化に至ったと聞いています。
さらに、平成31年3月に国が当該地区を含む町会長会議で説明を行っており、当該会議の場では明確に反対する意見等は出されてはいませんでしたが、引き続き当該会議等で説明を行っていきたいと国から聞いています。
質問事項
一の2 これまでに、西新小岩のように都が管理する河川区域に、国が同種の事業を実施しようとした例はあるか伺う。
回答
隅田川と荒川が近接している足立区の小台地区など、都の隅田川スーパー堤防等整備事業計画区間において、国が荒川高規格堤防整備事業を実施した事例があります。
質問事項
一の3 西新小岩地区で国が進めようとしている高規格堤防について、都と国はどのような話し合いをしてきたのか。計画発表に至る経過を明らかにしていただきたく、伺う。
回答
荒川の高規格堤防整備事業については、平成19年3月に策定された荒川水系河川整備基本方針に位置付けられています。
平成28年3月、荒川水系河川整備計画を策定する際、国から意見照会があり、継続して洪水等による災害に対する安全性の向上を図ることなど回答しています。
平成30年12月には、西新小岩地区の事業化について国から意見照会があり、事業の進め方及び維持管理について引き続き協議することなど回答しています。
その後、平成31年1月、国は関東地方整備局事業評価監視委員会に諮り、西新小岩地区で事業を進めることを了承され、その旨を公表したと聞いています。
質問事項
一の4 西新小岩地区のスーパー堤防等の規格について、都型でおこなう部分について、都と国はどのような話し合いをしてきたのか、歴史的経過について伺う。また、都が都型のスーパー堤防等で整備しようとしていることについて、国は了承しているのか、いなか、その理由もふくめて伺う。
回答
都は、中川でスーパー堤防等を整備することを位置付けた利根川水系中川・綾瀬川圏域河川整備計画(東京都管理区間)の認可を国に申請し、平成18年3月に認可されました。
なお、超過洪水対策を目的とした国の高規格堤防は、堤防高の約30倍の幅を有する堤防であり、都のスーパー堤防等を包含する構造であることから、都のスーパー堤防等を国の高規格堤防に先行して整備することも可能であると聞いています。
質問事項
一の5 国の高規格堤防をつくる理由は荒川の超過洪水対策のため、と説明されている。どういう状況と条件が重なったらこのような洪水が発生するのか、都として荒川の氾濫にともなう中川の超過洪水の想定ケースについて、あるいは他にも中川の超過洪水の想定ケースがあればそれについても、具体的に伺う。
回答
荒川の超過洪水は、中堤を越え中川に流入するケースを含め、計画規模を超える洪水が発生した場合を想定していると聞いています。
質問事項
一の6 都は、平成12年に発生した東海豪雨が、もし東京を襲ったらと仮定してシミュレーションを行い、その結果、下水道などの内水氾濫被害は想定されるが、東部低地帯の河川護岸からは、このような大豪雨でも溢水は発生しない、と議会答弁している。この想定は現在も変わらないか伺う。
回答
平成18年に公表した中川・綾瀬川圏域浸水予想区域図は、平成12年に東海地方を襲った東海豪雨を想定して作成したものであり、その際に実施したシミュレーションでは、東部低地帯の河川護岸からは溢水が発生しないという結果になっています。
この想定は現在も変わっていません。
質問事項
一の7 そのうえで都は都としてのスーパー堤防等整備事業をすすめているが、都のスーパー堤防等と超過洪水対策との関係について伺う。
回答
都は計画規模の洪水等の対策に加え、スーパー堤防等の整備により地震に対する安全性と親水性の向上を図っています。
その上で、当該区間においては、国が荒川の超過洪水対策を目的として高規格堤防整備事業を実施することとしています。
なお、超過洪水対策としての高規格堤防の整備は、超過洪水時に洪水が堤防を乗り越え、堤防が洗掘されることなどによる決壊を防ぐことで、甚大な被害の発生を防止するために行う治水対策です。
質問事項
一の8 超過洪水被害が荒川と中川を分けている背割堤・中堤を越流することから始まるというのであれば、その中堤を高くすることが先決ではないか。少なくとも中堤を荒川右岸と同じ高さにすることが必要だと考えるが、国とはどのような協議を行っているのか伺う。中堤の整備についてどのような見解・方針をもっているか伺う。
回答
荒川の中堤は、洪水時に水位が異なる荒川と中川の合流点を約7キロメートル下流側とすることにより、水位差から生じる上流の水位上昇を抑制するために設けられています。
中堤は国の所管となっており、整備については国の見解・方針により、実施することになっています。
質問事項
一の9 中川左岸についても、荒川右岸と同じ高さにすることは、洪水への備えとしても、整備期間・費用ともに効率的、効果的と考えるが、見解を伺う。
回答
中川では、利根川水系中川・綾瀬川圏域河川整備計画(東京都管理区間)に定める計画規模の洪水に対応するための堤防の高さは既に確保されています。
その上で、当該区間においては、国が荒川の超過洪水対策を目的として高規格堤防整備事業を実施することとしています。