本会議 里吉ゆみ都議(世田谷区選出)の代表質問
2021年12月7日の本会議で、里吉ゆみ都議(世田谷区選出)が代表質問を行いました。
★動画(都議会ホームページです。令和3年第4回定例会 > 12月7日代表質問をご覧ください)
★質問全文(質問原稿)です。
一、都立・公社病院について
二、新型コロナ感染症対策について
三、保健所の拡充・増設について
四、都民の暮らしを守る支援について
五、住まいの支援について
六、事業者への支援について
七、ジェンダー平等について
八、子ども・若者政策について
九、教育施策について
十、気候危機打開について
十一、防災対策について
十二、基地対策について
十三、外環道とリニア新幹線工事について
十四、臨海地域の開発計画について
十五、情報公開について
☆【答弁】
○知事(小池百合子君)
○教育長(藤田裕司君)
○東京都技監(上野雄一君)
○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君)
○総務局長(村松明典君)
○福祉保健局長(中村倫治君)
○主税局長(砥出欣典君)
○住宅政策本部長(榎本雅人君)
○産業労働局長(坂本雅彦君)
○生活文化局長(武市玲子君)
○政策企画局長(野間達也君)
○環境局長(栗岡祥一君)
○建設局長(中島高志君)
○財務局長(吉村憲彦君)
日本共産党都議団を代表して質問します。
はじめに、都立・公社病院についてです。
都民のいのちを守る都立・公社病院を大後退させる、独立行政法人化に向けた定款が第3回定例会で可決されましたが、わが党をはじめ5会派37人の議員が反対しました。可決後も、都民による反対の声と運動は、ますます広がっています。
ところが知事は、まともな説明ができないのに聞く耳もたずで、都立病院条例を廃止して、来年7月にすべての都立・公社病院を独法化しようとしています。とうてい許されません。
Q1 知事は、都立・公社病院の行政的医療を将来にわたって続けるための独法化だという、意味不明の説明を繰り返しています。
しかし、地方独立行政法人法第30条は、3~5年ごとに、業務の継続や組織の存続の検討を行い、業務・組織の廃止などの措置を講ずると定めています。総務省は、「廃止・民営化を含めた定期的見直し」を行う条文だとしています。
都立・公社病院の独法化には、この第30条は適用されないのですか。
都民を欺く説明はやめるべきです。
独法化された国立精神・神経医療研究センターは、採算性の低い精神病床を、段階的に7割削減しました。
都の健康長寿医療センターは、160床以上の病床を削減する一方、差額ベッドを大幅に増やしました。
宮城県立病院は、独法化されて10年になる今年、県内の公的病院との統合・再編方針を突如発表しました。
見直しの最大の指標にされるのが、効率性や採算性です。
都の健康長寿医療センターをふくめ、独法病院の37%が自治体からの運営費負担金が不足していると、独法化後の現状調査に回答しています。
一方、独法化されると、住民や議会の関与が弱くなります。独立法人の独立性が優先されるからです。
地方独立行政法人法成立時の国会審議で、当時の担当大臣は、議会の関与を少なくすることが独法化のメリットの一つだと答弁しています。
Q2 住民参加や議会の関与は、独法化によってどのように変わるのですか。地方独立行政法人法の規定では、住民監査制度、住民訴訟制度の対象外になるのではありませんか。お答え下さい。
Q3 知事が来年7月までに独法化すると決めたのは、コロナ感染第5波まっただなかの今年8月27日であることを、都はしぶしぶ認めました。
モニタリング会議が、「現在の感染状況が続けば、医療提供体制の限界を超え、救える命が救えない事態が更に悪化する」と、切迫した状況を指摘していた時です。都内の入院患者が4千人を超え、重症患者がピークとなっているさなかに、独立行政法人設立の日程を、知事が病院経営本部長と話し合っていたのは驚くべきことです。
感染拡大が深刻になっていた日に、あえて独立行政法人の設立日を話し合って決めなければならなかった理由が何かあったのですか。
知事は所信表明で、コロナ禍であらわとなった構造的な課題は、デジタル化の遅れだと述べました。
東京と日本の医療の脆弱さが、コロナ禍であらわとなった構造的な課題だという認識が知事にはありません。そのことが、かけがえのない都立・公社病院を、強引に独法化しようとすることにつながっています。
感染症医療や災害医療、小児・周産期医療、難病・障害者医療、島しょ医療など、不採算であっても都民のために必要な医療が後退し、廃止・民営化への定期的見直しが迫られ、都民や議会の関与が弱くなる独法化は中止すべきです。
都立・公社病院の抜本的充実を進めることを、改めて厳しく求めるものです。
新型コロナは、これまで何度も感染拡大を繰り返してきました。第5波では、入院できずに自宅で亡くなるケースも相次ぎました。二度と起こさない対策が必要です。
新規陽性者が抑えられている今大切なのは、ワクチンと検査で感染拡大させないこと、感染しても重症化させないことです。
Q1 新たな変異株オミクロン株を、早く見つけることが重要です。
都の健康安全研究センターが、オミクロン株のスクリーニング検査を始めたのは重要ですが、検体を広く集めるなどにより、可能なかぎりすべての陽性者の検体を調べるべきです。知事の見解を伺います。
3回目のワクチン接種を着実に進めると同時に、今こそ感染拡大を防ぐための検査の拡充が必要です。
Q2 補正予算案に盛り込まれた無料の検査は、普段は健康上の理由でワクチン接種ができない人などに限定されています。
先日、話を伺った東京都医師会の尾﨑会長は、「検査はだれでも無料でできるようにした方がよい」と話していました。
都の研究で、ワクチン接種後7カ月で抗体が大きく低下していることがわかりました。接種済みの人の感染が起きていることも踏まえれば、ワクチン接種した人も検査対象とすべきではありませんか。
Q3 感染拡大の兆候を把握するため、徹底したモニタリング検査が必要です。
現在の都のモニタリング検査は、繁華街や駅、空港、飲食店などすべて合わせて1日平均1000件程度であり、思い切った拡充が必要です。いかがですか。
Q4 都が実施する高齢者施設・障害者施設・医療機関の職員などへの定期的な検査は、検査事業者との契約が今年末までですが、継続すべきです。いかがですか。
Q5 コロナ病床も宿泊療養も、第5波では大きく不足しました。最大の課題はマンパワー不足です。
効率的に患者を診るためには、収束するまでの間、1000床規模の臨時医療施設を設置しておくことが望ましいと、尾﨑会長は話されていました。都の見解を伺います。
Q6 国は、コロナ病床の使用率が、東京都平均の7割未満の医療機関に対し、病床確保の補助金を3割減らすことを決めました。しかし、都がやむを得ない事情があったと判断すれば、補助金は減らされません。
中等症までの受け入れを想定していたが、人手のかかる重症患者を受け入れざるを得ずマンパワー不足になったなど、やむを得ない理由で病床使用率が下がった医療機関が多いのです。こうした実態を踏まえた対応が必要です。いかがですか。
Q7 知事は、毎週開いていたモニタリング会議を突如、月2回に減らしました。オミクロン株が確認された新たな事態にも関わらず、先週も開かれませんでした。これは、「先手を打つ」と述べた知事の所信表明と、逆行しているのではありませんか。
Q8 モニタリング会議は、専門家による詳細な分析にもとづき現状を評価する場であり、公開することで都民との共通認識をつくる大事な役割も果たしています。毎週開くべきです。いかがですか。
Q9 また、福祉保健局の感染症対策部を局相当の体制にするなど、感染症対策の体制強化を提案します。見解を伺います。
Q1 都の保健所の拡充強化も急務です。都は保健所の在り方検討に着手しましたが、市町村の意見も踏まえ、速やかに具体化することが必要です。
来年度の保健所予算を大幅に増額し、保健師、公衆衛生医師を増員するとともに、計画的な増設に踏み出すべきです。知事の答弁を求めます。
Q2 公衆衛生医師についても、大学医学部への寄附講座の開設、公衆衛生医師育成奨学金などに取り組むことを提案します。見解を伺います。
Q1 コロナ禍による失業や収入減、倒産・廃業が深刻になるもとで、原油高騰などによる物価高が、都民の生活苦に追い打ちをかけています。
都庁前をはじめ都内各地で取り組まれている食料支援には、女性や若い人をふくめ、長い列ができています。
4日間、何も食べていない青年、仕事がなくなり体調を崩し、気持ちも不安定になり孤独の中に暮らしている女性など、多くの人が年を越せるかどうかの瀬戸際にあります。お店の客足も戻っていません。
しかし知事の所信表明には、こうした都民の実態が全くありませんでした。
知事は、切迫している都民、中小・小規模事業者の暮らしの実態を、どう認識しているのですか。
Q2 「人が大事」と言うなら、食料支援や街頭相談の現場に足を運び、生の声を聞くべきです。いかがですか。
Q3 自殺や貧困の増大など問題が深刻なだけに、相談や申請を待つのでなく、支援を必要とする人に対し、行政から出向いて情報を届けて悩みを聞いて解決策を考える、しかも早くて簡易な「プッシュ型」の積極的支援が必要です。都はどう取り組むのですか。
Q4 消費税5%への減税は、多くの人に効果が及び、しかも最も困っている人の確かな助けになります。暮らしと営業を守り、消費を温める決め手になると思いますが、認識を伺います。
Q5 岸田政権は、「コロナでお困りの皆様への給付金の支給」を総選挙の公約にしながら、生活に困っている非正規で働く多くの方々を支給対象にしない、きわめて不十分な給付金制度を進めています。
国に改善、再検討を求めるとともに、都独自の給付金を実施すべきではありませんか。
Q6 こんな時に、国民健康保険料・保険税の値上げは許されません。
法定外繰り入れを行わない場合、都内の一人当たり国保料が、来年度9・4%も上がり、17万2155円にもなる試算が示されました。都の国保運営協議会では、被保険者の複数の委員から、「納得しがたい状況」「すごく大変なこと」などの意見が出されました。
都として一般財源を投入し、国保料・国保税の引き上げにならない手立てをとることが必要です。見解を伺います。
Q7 来年度から、子どもの均等割保険料が5割軽減されますが、未就学児だけです。市長会は都独自の軽減措置を要望しています。東京都も、対象拡大を国に求めています。
東京都自身が必要性を認識しているのですから、率先して都として拡充すべきです。いかがですか。
住まいの支援も重要です。
Q1 TOKYOチャレンジネットは、臨時のアパートやホテルを確保し、住まいを失った人を支援する重要な役割を果たしています。補正予算だけでなく来年度の予算を増やして、事業を拡充すべきです。見解を伺います。
Q2 国の住居確保給付金は、コロナ禍の緊急対策で対象者などが拡充され、利用が急増しています。
家賃を直接支援する大事な制度であり、都独自に、1年間の支給期間の制限をなくす、支給上限額を引き上げるなど拡充し、継続して実施することを提案します。いかがですか。
Q3 都営住宅を、4年間に2万戸規模で増設することを提案します。見解を伺います。
Q1 東京商工リサーチは、コロナ関連の経営破綻は、緊急事態宣言解除後も減少する気配はなく、とくに小規模事業者にコロナ破たんが集中していると指摘しています。知事は、どう認識していますか。
Q2 中小・小規模事業者が事業を再開し、軌道に乗るまでは、国や都の支援が欠かせません。
持続化給付金・家賃支援給付金を再度支給するよう国に求めるべきですが、いかがですか。また、都独自の支援も行うべきです。答弁を求めます。
Q1 コロナ禍で明らかになった女性への影響は、自殺や失業、DVの増加、ひとり親、若年女性、単身女性の状態の深刻化など多岐にわたります。家事、育児、介護などの負担が、女性に大きくのしかかっています。
コロナ禍による直接的影響だけでなく、日本の構造的な問題となっているジェンダー不平等がその背景にあるという認識が、知事にはありますか。
Q2 ジェンダーの視点を、あらゆる政策や施策の基本にすえる「ジェンダー主流化」が、国連をはじめ世界の流れになっています。東京都も実践すべきです。知事いかがですか。
Q3 男女別賃金格差をはじめとしたジェンダーギャップを「見える化」し、事実に基づいて格差をなくしていくための「ジェンダー統計」の重要性を、どう認識していますか。
Q4 性犯罪・性暴力支援で重要な役割を果たしているのが、ワンストップ支援センターです。
国は「第5次男女共同参画計画」で2025年度までに、13カ所増やし、60カ所にすることを目標としています。都は、どう対応するのですか。
国が作成した「ワンストップ支援センター開設・運営の手引」は、病院拠点型を「支援活動を行う足場となる重要な場所」と位置づけています。
しかし都内には、その重要な病院拠点型ワンストップ支援センターが、1カ所もありません。都立・公社病院などにつくることを、強く求めておきます。
Q1 全会派共同で議員提案し、全会一致で可決・成立した「こども基本条例」が4月から施行されました。
都政において、子どもの権利を位置づけた条例ができたことは画期的な意義をもつものだと考えますが、知事はどう受け止めていますか。
Q2 条例を具体化するために、ほぼすべての局で構成する施策推進連携部会が設置されたことは重要です。
この条例を生かし、子どもの権利を保障する取り組みを、東京都全体でどう進めるのですか。
Q3 子どもをはじめ都民に広く、「こども基本条例」を周知することが必要です。いかがですか。
今年度2回目となったティーンズアクションの子どもシンポジウムでは、条例が生かされ、中学1年生から高校3年生が学校を超えてグループを作り、アンケート調査も行い研究して、集団的に深めて提言を行っています。
私たちも、とても学ばされるものでした。
Q4 子どもの意見表明権は、子どもの権利の大事な柱です。そして、子どもたちの意見を聞くだけでなく、その意見を施策に適切に反映しなければなりません。
知事は、乳幼児から18歳までの多様な子どもたちの意見表明権を、どう保障していくのですか。また、子どもたちの意見をどう都政に反映するのですか。
Q5 子どもとともに、若者の声を都政に反映する仕組みづくりが重要です。
山形県は、若者の視点・考えが県政に反映されるよう、県の審議会等に39歳以下の若者委員を1名以上登用することを定め、実行しています。
愛知県新城市などは若者議会、また全国の多くの自治体が子ども議会を実施しています。
いずれも、未来を担う若者、子どもたちの都政への参加を促す意義は大きいと思いますが、いかがですか。都も検討すべきではありませんか。
Q6 東京都に、学生や若者の声を受け止める組織がないことは大きな課題です。
私たちは全国調査を行い、若者・青少年を専管する組織があるのは35道府県、学生を担当する組織は22道府県にあることがわかりました。
三重県は、学生にアンケート調査を行い、施策に反映しています。また、奨学金を利用している学生に1万円の食事券を配布しています。
徳島県は、継続的に食料配布をしているほか、県内の大学と連携し、大学や学生を支援しています。
知事、若者や学生が最も多い東京都こそ、「若者・学生政策推進局」など担当組織を設置し、声を反映することが必要ではありませんか。
Q1 「こども基本条例」第8条は、「都は、こどもの学ぶ意欲や学ぶ権利を尊重し、こどもの可能性を最大限に伸ばすことができるよう、一人一人の個性に着目し、自立性や主体性を育むために必要な環境の整備を図る」、「こどもに寄り添ったきめ細かな支援に取り組む」と定めています。
知事は条例第8条の重要性を、どう考えていますか。
Q2 都教育委員会が、昨年度の公立小中学校の長期欠席の状況を発表しました。不登校の子どもの数は8年連続で増加し1万7千688人、9年前の2倍以上になっており、きわめて深刻です。
不登校は「過度に競争的で管理的な学校社会から自分の心と命を守るための緊急避難・自己防衛」とも言われ、文科省も「どの子にも起こりうるもの」と認めています。
不登校の子どもが、小中学生とも、これほど増え続けていることを、知事はどう受け止めていますか。
Q3 都の資料によれば、不登校の最も多い要因は「無気力・不安」ですが、子どもたちの多くは「登校しなければならない」「進学や進路に不利になる」とがんばって登校し、心身とも疲弊して不登校になります。
成績などで競争させられ、校則で管理される学校生活のプレッシャーなど「学校現場の要因」を分析して、改善を図るべきではありませんか。
Q4 不登校となった子どもたちに、学校復帰を求めるだけでなく、様々な学びの場を保障することが重要です。見解を伺います。
Q5 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの役割も重要です。人数を増やすとともに、研修の充実が必要です。いかがですか。
Q6 何よりも、子どもたちが行きたくなる学校にすることが重要です。
文科省の「不登校児童生徒への支援の在り方について」各知事と教育長あての通知では、「きめ細やかな指導が可能となるよう、適切な教員配置を行うことが必要」と述べています。
東京都市教育長会も、35人学級の前倒し等を国に要請するよう都に求めています。
教育長会からの要望をどのように受け止めていますか。都として、小学校の35人学級前倒し実施を求めます。
Q7 また、不登校加配教員の拡充が必要です。いかがですか。
Q8 国は今年9月、特別支援学校の「設置基準」を制定しました。教育条件を改善するうえで大きな意義があります。
しかし、これは最低基準です。この基準をふまえ、障害者権利条約の、「障害のある人の最大限の発達と社会参加を保障する」第24条にふさわしい条件整備を図ることが重要です。知事いかがですか。
Q9 教室をパーテーションやカーテンで仕切り、ひとつの教室で学年の異なる生徒が学ばざるを得ない事態が続いています。
音楽室など特別教室を普通教室に転用する状況も解消されていません。
それぞれの教室数をお答え下さい。
また、校舎と校庭が国の基準を満たさない学校は何校ですか。
こうした状況は一日も早く解消する必要があります。いかがですか。
Q10 都は今定例会に、特別支援教育推進計画の実施計画(素案)を示しました。
知的障害児の数は10年後に約2千800人増えるとされています。学校の新規建設や増改築等に、どう取り組むのですか。一校200人程度として、10校以上は増設が必要ではありませんか。
Q11 生徒数300人、400人を超える大規模化に歯止めがかかっていないことも問題です。通学しやすく、落ち着いた小規模な特別支援学校の増設を求めます。
そのため、全庁的に位置づけて土地を洗い出して、活用すべきです。見解を伺います。
Q1 気候危機の打開は急務です。
若者たちが行動に立ち上がっています。「若者に残された時間は少ない」「未来の自分が苦しんでいる姿を想像すると眠れない」と訴えています。
この若者たちの危機感を、知事は共有していますか。
Q2 COP26では、気温上昇を「1・5度に制限する努力を追求する」ことが、初めて合意されました。
イギリス、フランス、ドイツなど46の国と地域が、石炭火力を段階的に廃止する宣言に賛同する中で、岸田首相は「脱石炭」にふれず、批判を招き、国際NGOから「化石賞」を送られました。
わが国政府の姿勢を、元環境大臣である知事はどう考えていますか。恥ずかしいと思いませんか。
Q3 東京都が本気で脱炭素化をめざすというなら、知事が先頭に立ち、全庁一体となって取り組む局横断の気候危機対策本部をつくり、気候危機対策予算を抜本的に増やすことが必要です。知事いかがですか。
Q4 来年度に向け、消防庁は太陽光パネルの既存施設への設置を、環境局は既存都営住宅への設置を予算要求しています。
全庁的指針をつくり、軽量パネルなども活用して、既存都有施設への太陽光パネル設置を促進すべきです。
Q5 また、都内全自治体で、所有施設への太陽光パネルの設置も一気に進めるべきです。そのための財政支援の拡充を求めます。見解を伺います。
Q6 補正予算案で東京ゼロエミ住宅導入促進事業の予算を増やし、対象戸数を拡充したのは重要です。来年度予算でも増額、拡充すべきです。答弁を求めます。
Q7 省エネ・再エネによるゼロエミ化を、新築・既存をふくめ都営住宅でこそ率先して進めることを提案しますが、いかがですか。
Q1
わが党は、首都直下地震などの被害想定見直しを進めている、東京都防災会議地震部会長の平田直・東大名誉教授から話を伺いました。
平田氏は、高齢化や単身化、タワーマンション開発など、都内の状況の大きな変化をリアルにとらえた被害想定にすることを強調されました。
「都政新報」のインタビューでは、「東京が10年前より安全になっているとは言えない」と述べています。
同時に、死者数や建物被害などを中心とした、従来の被害想定に加え、たとえば災害関連死や長周期地震動による高層階被害など、都民がより実感をもって理解し行動できる被害想定にすることが重要だと指摘されました。
被害想定の見直しは、こうした指摘を踏まえて行うことが重要です。
さらに、新たな被害想定を反映した地域防災計画に改定し、都の責務を明確にすることを求めます。知事いかがですか。
Q2 都は今年度、戸建て住宅の耐震化助成の上限額を引き上げ、区市町村の申請にもとづく来年度予算案の見積り件数が前年度より増えています。
この事実も踏まえ、助成額のさらなる引き上げなど、区市町村や住民が使いやすい制度へ、さらに改善することが必要です。
Q3 また、震災による通電火災を減らすため、区市町村が行う感震ブレーカ―設置への助成を支援すべきです。見解を求めます。
Q4 激甚化、ひん発化する災害への対応力を強化するため、「防災局」の設置を提案します。答弁を求めます。
Q1 横田基地にもたびたび飛来する米軍三沢基地所属のF16戦闘機が、青森空港に緊急着陸し、着陸前に上空で、燃料タンク2個を投棄しました。そのうちひとつは民家の近くに落下しました。青森県知事は厳重に抗議しています。
その2日後、横田基地所属のCV22オスプレイが、千葉県館山航空基地に緊急着陸しました。横田基地のオスプレイは、これまでもエンジントラブルなどで山形空港や仙台空港に緊急着陸を繰り返しています。
相次ぐ事故の背景には、日米合同の訓練の激化があります。
重大事故が、人口密集地の横田基地周辺をはじめ、都内で起きる可能性もあります。米空軍によれば、CV22オスプレイの重大事故率は3年連続右肩上がりです。
都としてもF16の重大事故および飛行再開に、厳重に抗議するとともに、CV22オスプレイなど米軍機の横田基地での飛行中止を求めるべきです。知事の答弁を求めます。
Q2 私の地元世田谷区をはじめ都内では、米軍ヘリが危険な低空飛行を繰り返しています。
世田谷区長は区長会に23区内の低空飛行の実態調査を提起し、実施されました。世田谷区の調査結果には、「早朝6時40分頃から、2機の米軍ヘリが爆音を立てて低空飛行、騒音の苦情50件」など実態が記載されています。
ところが、都が保有する区長会の調査結果をわが党が情報公開請求し、開示されたのは全面「黒塗り」でした。
貴重な調査結果です。区長会とも協議して調査結果を公表し、危険な低空飛行の中止を米軍に厳しく求めるべきです。知事いかがですか。
Q3 米軍に航空法など日本の国内法を守らせる、基地内への立ち入り調査を認めさせるなど、日米地位協定の抜本改正は、いよいよ緊急課題です。知事はどう認識していますか。具体的にどう行動するのですか。
次に、外環道工事についてです。
陥没事故から一年になります。新たな重大問題が浮かび上がっています。
Q1 芝浦工大の稲積真哉教授が9月に行った調査で、本線ルート上から数十メートル離れた地点で、家を建ててはならないレベルの緩んだ地盤が発見されました。
稲積教授は、振動が地盤に影響を与えた可能性があるとしています。この調査結果は有識者委員会の報告書にはなく、見逃されていました。
知事、国と事業者が設置した有識者委員会ではなく、完全な第三者による検証が必要ではありませんか。
Q2 国と事業者は、工事による振動や低周波の発生を、建物被害や健康被害の原因と認めていません。都として調査すべきです。いかがですか。
有識者委員会のずさんな調査報告をもとに、事業認可の継続をすべきでなかったことは明らかです。
Q3 事故現場は現在、「支持地盤」と言われる固い地盤がないことがわかっています。都はそのことを把握していますか。
わが党国会議員団の聞き取りに対し、国交省の担当者は、「こうした緩んだ地盤が認可前に確認されれば認可は難しい」と答えています。
Q4 そもそも、外環道工事の環境アセスでは、本線直上のボーリング調査は行われていません。当時、「支持地盤」の特定は、事故現場から250メートル以上離れた地点のボーリングに基づいて行われています。
このような不十分な調査にもとづいて事業認可した国と東京都の責任が厳しく問われます。
知事、事業認可も認可継続も、してはならなかったのではありませんか。認可を取り消すべきです。答弁を求めます。
Q5 外環と同じ大深度地下シールド工法で、リニア新幹線の工事が都内でも始まっています。品川区の現場では今年度中に、シールドマシンを実際に300メートル動かす予定です。
JRは「調査掘進」だと称していますが、民有地の下まで掘り進む事実上の掘進工事開始ではありませんか。反対する住民の声に耳を傾けるべきです。都は、どう認識していますか。
岐阜県、静岡県の崩落事故、外環道工事の陥没・空洞事故の検証も不十分なまま、都内のリニア新幹線工事を始めるべきではありません。
Q6 大深度法第7条は、大深度地下の適正かつ合理的な利用を図るため「大深度地下使用協議会」の設置を定めています。小池知事は協議会の委員です。
ところが、こうした重大局面なのに協議会が開かれていません。知事、早急に開催を求めるべきではありませんか。
Q1 都は、「東京ベイまちづくり戦略」のたたき台を発表しました。
東京・千葉を結ぶ「第二東京湾岸道路」の建設をはじめ、築地、有明、お台場など臨海地域全体の巨大開発計画です。
知事は所信表明で、「世界のモデルとなる未来の都市づくり」などと述べましたが、壮大な無駄遣いを生み出し、大手デベロッパー、開発事業者が利益を得るために描く夢物語ではありませんか。
Q2 都はかつて、バラ色に描いた臨海副都心開発に失敗し、都民に巨大な「負の遺産」をもたらしました。知事はその教訓を、どう考えているのですか。
Q3 「東京ベイまちづくり戦略」は、「官民連携チーム」の提案を参考にするとしています。この提案には、IR・カジノの誘致が盛り込まれています。
知事、IR・カジノの具体化も考えているのですか。
Q4 この「戦略」では、築地市場の跡地が「陸の玄関口」とされ、巨大開発のタネ地にされようとしています。
2017年都議選の時、知事が表明した「築地は守る」の公約とまったく違う姿になることを、知事はどう考えているのですか。当時から想定していたのではありませんか。
Q5 知事は「未来への投資」だと言いますが、五輪の終了と同時に動き出した「東京ベイまちづくり戦略」などによる新たな巨大開発への財政投入はやめるべきです。
そして、コロナ禍で都民のくらしが深刻な中、地方自治体の本来の仕事である住民福祉の増進に、都政の力を注ぐべきではありませんか。答弁を求めます。
最後に、情報公開について質問します。
「都民の声」窓口に寄せられた都民意見など、以前は開示されていたものが、最近非開示扱いにされました。さらに、新たな問題が起きました。
Q1 都が情報公開の要綱を変え、非開示部分の従来の「黒塗り」を「白塗り」にできるようにしたことに、疑問の声があがっています。
知事は、非開示部分を「白塗り」に変えたら、「のり弁をなくす」という公約実現だと考えているのですか。
たんなる印象操作ではありませんか。
非開示そのものを減らすことが、知事の公約ではないのですか。
知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
【答弁】
○知事(小池百合子君) 里吉ゆみ議員の代表質問にお答えいたします。
都立病院、公社病院の独法化についてのお尋ねでございます。
感染状況が大変厳しい中で、都立、公社病院は、コロナ患者の受入れに全力を挙げて取り組んでいました。
感染状況の変動が著しく、臨機応変な対応が求められる今回のコロナ対応を踏まえますと、感染状況に応じた対応や、また、新たな感染症への備えなど、感染症医療提供体制のさらなる強化は急務であり、コロナ禍におきましても、独法化の準備を進め、早期に体制を整備することといたしました。
オミクロン株への対応についてのお尋ねです。
都はこれまで、新たな変異株の発生の都度、変異の有無を確認するためのPCR検査を実施してまいりました。
今回取りまとめました緊急対応におきまして、東京都健康安全研究センターが独自に構築した変異株PCR検査手法によって、持ち込まれた検体は全て検査をいたしております。
今後とも、検査手法の民間検査機関への拡大など、変異株PCR検査を進めてまいります。
次に、都民、事業者等の暮らしについてのお尋ねであります。
コロナ禍や原油高の影響を受けて、厳しい経営状況にある事業者や、失業等により生活に困窮する方がおられ、こうした方々を支援することは、感染症対策とともに重要な取組でございます。
今回の補正予算案には、都民生活や経済活動を支えるセーフティーネットの強化を図るために必要な様々な経費を計上しておりまして、引き続き、都民や事業者の方々の生活の安定に取り組んでまいります。
中小事業者の経営状況についてでございます。
都内の感染状況は低い水準にとどまっておりまして、経済の回復に向けました期待は高まりつつある一方で、長期にわたるコロナ禍の影響などによって、中小事業者の経営は厳しい状況にございます。
このため、都は、資金繰りの支援を行うほか、専門家が助言を行うサポートなどによりまして、中小企業の事業の継続を後押ししております。
引き続き、都内経済を支える中小事業者の経営を着実に支援をしてまいります。
次に、こども基本条例についてのお尋ねです。
子供は、無限の可能性を秘めた未来を担う社会の宝であります。都は、未来の東京戦略におきまして、子供施策を中核に位置づけて、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援など多様な取組を展開しております。
子供をあらゆる場面において権利の主体として尊重するこども基本条例の理念も踏まえまして、子供の目線に立った施策を推進してまいります。
こども基本条例第八条についてのお尋ねです。
子供たちの学ぶ権利を尊重し、社会全体で成長を支えていくことで、子供たちは、未来の社会の担い手として生き生きと活躍していく、こうした考え方で、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って自ら伸び、育つ教育を実現してまいります。
不登校の子供が増えていることについてであります。
学校に通えない子供が増加している要因や、また、背景は多様かつ複合的でありまして、教育のみならず、福祉などの視点も含めまして、様々な関係機関の協力を得て施策を講じていくことが重要です。
今後とも、社会全体が一体となって、未来を担う子供たちを大切に育んでまいります。
次に、気候危機への対応です。
気候危機への対処は、一刻の猶予も許されないものであります。持続可能な社会経済を実現して、将来世代に引き継いでいくためにも、今後十年間の行動が極めて重要であります。
このため、都は、二〇三〇年カーボンハーフを掲げ、現在、環境審議会におきまして、未来を担う若者等、多様な立場からの意見も聞き、施策の抜本的強化に向け、検討しております。
タイム・ツー・アクト、今こそ行動を加速するとき、都民、企業、行政等あらゆる主体に行動の加速を呼びかけまして、ゼロエミッション東京を実現してまいります。
被害想定と地域防災計画の見直しについてのお尋ねです。
東日本大震災後の十年間、高齢化の進展など人口構造が変化する一方で、地震に強いまちづくりが着実に進展をしております。こうした状況を踏まえて、今般、被害想定を見直すことといたしました。
都民生活に直結する項目や、救出救助活動において重要な項目につきまして、発災後の時間軸に沿って被害の状況を示してまいります。
新たな被害想定の見直しを地域防災計画の修正につなげてまいります。
F16の事故及び米軍機の横田基地での飛行中止についてのお尋ねがございました。
今回のF16の事案は、青森県三沢基地所属の航空機により、青森県内で発生したもの。この緊急着陸及び燃料タンクの投棄につきまして、国は、住民の安全に関わる極めて遺憾な事案であるとしまして、安全を最大限優先することや、飛行の安全が確認されるまでの間のF16の飛行停止などを米軍に強く申し入れています。
横田基地所属のCV22オスプレイの館山航空基地への予防着陸に対しましては、都は、地元自治体と共に国及び米軍に対しまして、安全確認までの間のCV22オスプレイの飛行中止等について要請を行っております。
今後も都民の命や安全・安心を守る立場から、国や米軍に対しまして、必要なことを申し入れてまいります。
東京ベイeSGまちづくり戦略でありますが、国の発展を牽引することが首都東京の果たすべき使命でありまして、その中にあって、ベイエリアは世界から人と投資を呼び込み、成長と成熟が両立した持続可能な都市東京をリードするエリアとして発展させることが重要であります。
先般公表いたしましたドラフトでは、次世代の都市モデルとなる成長戦略として、質の高い緑と魅力的な水辺の空間の形成、防災減災対策の推進、まちの魅力や活動の基盤となる移動手段の充実などを示しております。
まちづくり戦略の具体化に当たりましては、国をはじめ、地元区、民間企業など様々な主体とも連携するとともに、民間の創意工夫を生かした都市開発を誘導するなど、ベイエリアの将来像の実現に向け取り組んでまいります。
その他のご質問については、教育長、東京都技監及び関係局長からの答弁といたします。
○教育長(藤田裕司君) 九点のご質問にお答えいたします。
初めに、学校における不登校の要因の分析についてでございますが、不登校は取り巻く環境によって、どの子供にも起こり得ることとして捉える必要がございます。
都教育委員会が実施している調査の中で、子供の意識を踏まえた教育活動の改善を行っているかなどの項目を設定しており、これらを踏まえ、区市町村の担当者の連絡会において、学校の取組の情報を共有し、不登校対策につなげております。
次に、不登校の子供への多様な学びの場についてでございますが、子供たちが将来、社会的に自立できるようにするためには、一人一人の状況に応じた多様な教育の機会を確保することが大切であります。
都教育委員会では、分教室型の不登校特例校を開設する場合や、教育支援センターを区市町村が新規に設置する場合に、経費の一部を補助しております。また、フリースクール等との連携を推進するための協議会を実施しております。
次に、心理や福祉の専門家の活用についてでございますが、都教育委員会は、全ての小中高等学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、平成二十八年度からは、勤務日数を拡充してまいりました。
スクールソーシャルワーカーにつきましては、区市町村が策定する配置計画に沿って経費を補助しております。
また、引き続き連絡会において、学識経験者による講演や参加者同士の協議を通して学び合う場を設定し、対応力の向上を図ってまいります。
次に、小学校の三十五人学級等についてでございますが、義務教育における一学級の児童生徒数の標準は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により定められており、国は、小学校について、今年度から、学級編制を五年かけて学年進行で三十五人に引き下げることとしました。
東京都市教育長会から要望のあった小学校の三十五人学級の前倒しを国に要請すること等について、都教育委員会は、義務教育における学級編制を教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えており、引き続き国の動向を注視してまいります。
次に、不登校の生徒への支援に伴う教員の加配についてでございますが、都内公立学校では、管理職、学級担任、養護教諭等の教職員が、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家や、福祉等の関係機関と適切に連携して、児童生徒や保護者を支援しております。
都教育委員会では、生徒の状況に応じたきめ細かい対応ができるよう、必要な中学校に教員の加配を行っております。
引き続き、必要な教員の加配により、学校が組織的な支援体制を構築し、適切に対応できるようにしてまいります。
次に、特別支援学校における施設の整備についてでございますが、障害のある子供の能力を最大限に伸ばしていくためには、子供たちの学びの場となる教育環境の整備が重要です。
このため、これまでも、特別支援学校の新設や増改築、教室や体育館の冷房化など、施設の整備を図ってまいりました。
国の設置基準も踏まえつつ、今後とも、障害のある子供たちの教育環境を整えてまいります。
次に、特別支援学校における施設の状況についてでございますが、令和三年五月一日現在、特別支援学校において、間仕切りを行っている普通教室は百七十八教室、特別教室等の普通教室への転用は三百七十四教室でございます。
また、国の設置基準は、令和五年四月一日以降に着工する学校に適用されるものでありますが、既存の学校に適用したとする場合、校舎面積が基準面積を下回る特別支援学校は二校、校庭面積が基準面積を下回る特別支援学校は四十一校でございます。
今後とも、児童生徒数の将来推計等を踏まえ、特別支援学校の新設や増築、老朽校舎の改築等を行ってまいります。
次に、今後整備を行う特別支援学校についてでございますが、都教育委員会が公表した東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画素案におきましては、令和四年度以降、特別支援学校五校の新設と、五校の増改築等を予定しているところでございます。
また、同素案に示したとおり、新たに必要な新設校や増改築等について、現在検討中でございます。
最後に、特別支援学校の増設と土地の確保についてでございますが、都教育委員会は、児童生徒数の将来推計を踏まえ、都有地等の最新の情報を基に、配置のバランス等を勘案しながら、必要な学校用地の確保に努めております。
○東京都技監(上野雄一君) 九点のご質問にお答えをいたします。
まず、住宅耐震化につきましては、これまでも必要な見直しを行いながら、改修助成などによりまして、所有者の主体的な取組を支援してきております。
引き続き、住宅の耐震化を促進してまいります。
次に、区長会調査結果と低空飛行中止についてでございます。
区長会調査結果の開示請求につきましては、区長会に意見照会の上、東京都情報公開条例第七条の規定に基づき対応しております。
安全保障に関することは、国の専管事項であり、米軍機による低空飛行につきましても、国において対応されるべきことであることから、都は、国への提案要求におきまして、従前から市街地上空での低空飛行の回避を求めております。
また、国からは、米軍の運用に際しましては、安全性が最大限確保されることは極めて重要であり、米国にあらゆるレベルで累次にわたり申し入れていると聞いております。
都といたしましては、国における事実関係の確認結果を踏まえ、必要に応じ、適切に対応してまいります。
次に、日米地位協定の見直しについてでございます。
日米地位協定は、締結以来一度も改定されておらず、補足協定などにより運用の改善が図られているものの、国内法の米軍への適用がないなど、我が国にとって依然として十分とはいえない状況でございます。
都はこれまで、国への提案要求のほか、全国知事会や米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会を通じて、最低安全高度等を定めた航空法など日本の国内法の適用や、環境に影響を及ぼす事故が発生した場合の米軍基地への立入調査など、日米地位協定の見直しを国に求めてきております。
引き続き、知事会等を通じて他の自治体とも連携し、日米地位協定の見直しを国に要請してまいります。
次に、外環の事業認可についてでございます。
都ではこれまで、高速道路会社に対し事業計画の認可及び変更認可を行い、いずれも都市計画法に定める基準に基づき、適切に対応しております。
なお、外環では、地盤状況を把握するため、ボーリング調査に加えて物理探査を実施し、ボーリング調査地点間に地盤急変部が存在しないことを事業者において確認しております。
次に、リニア中央新幹線のトンネル工事についてでございます。
本事業の事業者であるJR東海は、シールド工事の本格的な掘進に先立ち、安全対策の実地確認を主眼に置いた調査掘進を行うとし、本年十月から作業に着手しております。
調査掘進の範囲にある民有地は、JR東海や他の企業の用地でございまして、当該企業の理解を得て、作業を行っていると聞いております。
なお、調査掘進での確認結果につきましては、結果がまとまり次第、計画路線周辺の住民の方々へ説明し、その上で本格的な掘進を開始するとしております。
都といたしましては、事業者であるJR東海が安全対策を講じるなど、適切に対応していくものと考えております。
次に、大深度地下使用協議会の開催についてでございます。
本協議会は、議長である関東地方整備局長が招集するとされておりまして、対象となる議題等については、国において判断することでございます。
次に、臨海地域のまちづくりについてでございます。
臨海副都心は、臨海地域の都市づくりの計画などに基づき、世界中から人、物、情報が集まるMICE、国際観光機能が集積し、国内外の人々でにぎわうエリアとして発展してきております。
東京ベイeSGまちづくり戦略は、世界から人と投資を呼び込み、成長と成熟が両立した持続可能な都市東京をリードするベイエリアとして発展させていくための、次世代の都市モデルとなる成長戦略であり、その将来像の実現に向け、取り組んでまいります。
次に、官民連携チームの提案についてでございます。
まちづくり戦略の検討に当たりましては、若手の研究者や職員などが自由な発想で取りまとめた官民連携チームの提案を参考にしております。
一方、まちづくり戦略は、東京二〇二〇大会の成功、気候危機、新型コロナ危機も踏まえ、次世代の都市モデルとなるベイエリアの成長戦略として策定するものでございます。
なお、IRにつきましては、都は、メリット、デメリットの両面から総合的に検討しております。
最後に、築地市場跡地についてでございます。
平成二十九年六月に知事が基本方針でお示ししたのは、豊洲と築地の両方を生かすことを趣旨とする大きな方向性であり、豊洲と築地の両方を生かすという大きな方向性については変わっておりません。
この基本方針をベースとして、これまで行政の取組として具体化を図るための検討を進め、今回実施方針の方向性を公表したものでございます。
○病院経営本部長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
まず、地方独立行政法人法の適用についてでございますが、地方独立行政法人法に基づき設立される東京都立病院機構には、同法第三十条の規定が適用されます。
この規定は、中期目標期間の終了時までに、設立団体の長が地方独立行政法人の業務の継続や組織の存続など全般にわたる検討を行うことを明示的に定め、必要に応じて所要の措置を講ずることを趣旨としてございます。
次に、地方独立行政法人に関する法制度についてでございますが、地方独立行政法人法では、地方自治法に定める住民監査請求や住民訴訟については、規定がございません。
一方、都から地方独立行政法人への財政支出などについては、都の財務会計上の行為に対して、地方自治法上の住民監査請求等を行うことができます。
また、議会の関与につきましては、中期目標の策定や中期計画の認可等における議会の議決、評価結果の議会への報告が法定されているとともに、都が措置する運営費負担金などの予算、決算の議決がございます。
○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 五点のご質問にお答えをいたします。
まず、ワクチン・検査パッケージ等に伴う検査についてでございます。
国は、無料検査の対象を、無症状者のうち、健康上の理由によりワクチン接種を受けられない者及び十二歳未満の子供としております。
都は、この国の方針に沿いまして、検査無料化の取組を進めてまいります。
続いて、モニタリング検査についてのご質問でございます。
都は、感染の予兆を早期に探知するため、繁華街など様々な場所で実施をしておりまして、来年三月まで継続することとしております。
続きまして、高齢者施設等における集中的検査についてのご質問でございます。
既に来年三月まで引き続き実施することとしておりまして、現在、契約手続を進めているところでございます。
次に、今後の感染拡大への対応についてでございます。
都は、病床の確保に加えまして、これを補完する臨時の医療施設を、地域バランスや既存施設の活用などを考慮して整備を進めておりまして、合計で約九千四百四十床の体制を確保し、次の感染拡大に備えております。
また、東京都医療人材登録データベースを設置し、人材確保にも取り組んでおります。
最後に、病床確保料についてでございますが、都は、受入れ実績や病床使用率が低い医療機関に、個別のヒアリングや書面による理由確認を実施しており、国による通知も踏まえ、引き続き補助金に関する業務を適切に執行してまいります。
○総務局長(村松明典君) 八点のご質問にお答えいたします。
まず、モニタリング会議についてですが、現在、都内の感染状況や医療提供体制は改善傾向が継続しておりますが、第六波に備え、感染状況等を専門家が分析、評価し、感染再拡大の兆候などを見逃さないことが重要でございます。
こうした状況を踏まえまして、日々の感染状況等を専門家がモニタリングし、その分析結果や評価を毎週木曜日に公表するとともに、モニタリング会議を月に二回開催することとしたところでございます。
次に、モニタリング会議の今後の開催についてですが、感染の再拡大等の兆候が見られた場合には、専門家の意見を踏まえて、モニタリング会議の開催回数を含め、状況に応じて適切に対応してまいります。
次に、感染症対策に係る執行体制についてですが、都はこれまで、新型コロナウイルス感染症対策本部の下で、全庁を挙げた職員の応援体制を構築するとともに、昨年七月、東京における感染症対策等の基盤を強化するため、福祉保健局に健康危機管理担当局長と感染症対策部を新規に設置したところでございます。
また、今年度には、東京iCDC運営、防疫体制、保健所連携支援などについて、執行体制を大幅に強化してきたところでございます。
引き続き、感染症対策等に係る万全の体制を確保してまいります。
次に、ジェンダー統計についてですが、総務省が平成三十年三月に策定しました公的統計の整備に関する基本的な計画におきましては、施策上のニーズを踏まえ、可能な限り性別ごとのデータを把握し、年齢別、都道府県別にも把握、分析に資する統計の作成、提供を推進するとされているところでございます。
都は、こうした国の方針を踏まえて、様々な統計業務を実施しており、今後も適切に対応してまいります。
次に、性犯罪等被害者を支援する窓口についてですが、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターでは、都内全域からの電話相談を受け付けており、被害等の状況に応じて、都が協力を依頼している医療機関と連携し、支援を行っているところでございます。
被害者がより身近な地域で受診できますよう、本年二月に策定した第四期支援計画では、連携先を百三十か所に拡大する目標を掲げるなど、支援センターの機能向上を図ることとしております。
次に、学生、若者施策の推進体制についてですが、都は、若者等からの仕事や生活支援等の相談に対して、各所管局がきめ細かく対応しているところでございます。
また、必要に応じて、都内にある専門の窓口や支援機関等につなぐなど、国や各関係機関と緊密に連携を図り対応しております。
今後とも、都政を取り巻く状況変化等を見据え、適切な執行体制の確保に努めてまいります。
次に、感震ブレーカーの設置助成についてですが、感震ブレーカーは、電気火災防止に一定の効果がある一方、揺れと同時に電源が遮断されることによる避難路の確保などの課題がございます。
また、火災による被害を防止するためには、初期消火力の強化や建物の不燃化などを合わせた多面的な取組を進めることが重要でございます。
このため、東京都防災ホームページなどにおいて、感震ブレーカーだけではなく、漏電遮断器や消火器の設置、建築物の耐火性向上への支援など様々な防火対策を周知しているところでございます。
最後に、防災の組織体制強化についてですが、首都直下地震等の大規模な災害が発生し、または発生するおそれがある場合におきましては、直ちに知事を本部長とする災害対策本部を設置し、全庁を挙げて災害対策を行う体制を整備しているところでございます。
また、平時から、災害種別ごとに地域防災計画の策定や総合防災訓練の実施など、全庁横断的に防災事業を行っております。
引き続き、各局連携の下、防災施策に取り組んでまいります。
○福祉保健局長(中村倫治君) 十二点のご質問にお答えします。
まず、多摩地域の東京都保健所についてであります。
都ではこれまでも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いまして、保健師の増員、応援職員の配置、会計年度任用職員等の活用、業務の委託化など、体制強化や負担軽減に取り組んでおりまして、引き続き、感染状況に応じ、体制の確保を図ってまいります。
なお、今後、感染拡大から終息に至るまでの都保健所の取組について検証した上で、その在り方について検討していくこととしております。
次に、公衆衛生医師の養成についてであります。
都ではこれまでも、都内の医科大学で公衆衛生医師の業務に関する講義を行うとともに、保健所での実習の受入れや保健所業務説明会などを実施しております。
また、国に対し、医師養成等において保健所での研修を必修とすることを提案要求しているところでございます。
なお、将来、保健所に勤務しようとする医学生を対象に実施しておりました修学資金貸与は、社会情勢の変化等による貸与者数の低迷を受けまして、平成十一年度で終了しております。
今後とも、多くの医学生が公衆衛生医師の業務に関心を持つ機会を提供してまいります。
次に、生活に困窮されている方等への対応についてでございます。
都ではこれまでも、様々な機会を通じて、コロナ禍の影響等により住まいを失うおそれのある方や、生活に困窮されている方々の状況を把握しております。
今回の補正予算案においても、年末年始に支援を必要とする女性のための相談体制の拡充や、失業等により住まいを失った方への宿泊場所の提供に必要な経費を計上しておりまして、引き続き、きめ細かな支援を図ってまいります。
次に、支援の手法についてでございます。
都ではこれまでも、自立支援センターや、ひきこもりサポートネットなどの支援機関等において、巡回相談や訪問相談などのアウトリーチによる支援等を行っておりまして、引き続き、様々な手法で支援してまいります。
次に、生活困窮者に対する給付金制度についてであります。
先月十九日に公表された経済対策に盛り込まれている子育て世帯や非課税世帯への給付金等につきましては、現在、国においてその制度の詳細を検討しているところでございます。
都としては、区市町村による給付が円滑に進むよう対応してまいります。
次に、国民健康保険についてであります。
国民健康保険制度では、都道府県は、見込んだ保険給付の必要総額から、国や都道府県の公費等を差し引いて、区市町村の納付金総額等を算出することとされております。
保険料、税の賦課方式や料率は、区市町村が自ら定めるものでありまして、それぞれの議会での議決を経て決定されております。
都といたしましては、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づく財政支援を行っているところであります。
次に、子供の均等割保険料についてであります。
国民健康保険制度は、全国統一の制度でありまして、子供に係る均等割保険料の軽減措置を含め、その制度上の課題については、国が責任を持って対応すべきものであると考えております。
国は、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児に係る均等割保険料を令和四年度から軽減することとしております。
都は国に対し、全国知事会等を通じて、子育て世帯の負担を軽減するという趣旨に鑑み、対象年齢の拡大とそれに必要な財源措置を行うよう要請しているところであります。
次に、TOKYOチャレンジネットについてであります。
都は、ネットカフェで寝泊まりしながら不安定な就労に従事している方々を支援するため、TOKYOチャレンジネットを設置し、居住支援や就労支援などを一体的に提供しております。
昨年度から、必要な都度、補正予算により経費を確保し、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、失業等により住まいを失った方に一時的な宿泊場所を提供するなど、事業を拡充しており、引き続き感染状況や社会経済動向に応じ、適切に対応してまいります。
次に、住居確保給付金についてであります。
住居確保給付金は、区市等が離職等により住居を喪失するおそれのある方に家賃相当分の給付金を支給するものでありまして、新型コロナウイルス感染症を受け、国において支給要件の緩和や支給期間の延長等が行われております。
引き続き、区市等と連携して対応してまいります。
次に、子供の権利を尊重した施策についてであります。
都では、子供・子育て施策推進本部の下に設置した施策推進連携部会において、子供を権利の主体として尊重するこども基本条例の理念を共有し、各局が連携して、子供の目線に立った取組を展開しているところであります。
次に、こども基本条例の周知についてであります。
都では、条例成立後、区市町村や関係機関等に条例の内容を説明するほか、ホームページで広く周知しております。
引き続き、子供をはじめ都民に対し、条例を分かりやすく周知してまいります。
最後に、子供の意見表明についてであります。
都では、こども基本条例に基づき、関係局が連携して施策を推進するため、子供・子育て施策推進本部の下に二十二局から成る部会を設置しております。
この部会において、子供を対象とした広報広聴等の状況を共有しており、条例の趣旨を踏まえ、子供の意見を施策に反映する環境の整備を進めてまいります。
○主税局長(砥出欣典君) 消費税の減税についてでございますが、先月、内閣府が発表した月例経済報告によりますと、景気は新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、引き続き持ち直しの動きに弱さが見られるとされております。
一方、持続可能な社会保障制度の構築を図るには、安定財源の確保が必要であり、消費税は重要な役割を果たしております。
消費税の在り方につきましては、こうした点に加え、経済や国民生活に与える影響など様々な観点を踏まえながら、国において議論されるべき問題であると認識しております。
○住宅政策本部長(榎本雅人君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、都営住宅の増設についてでございますが、都営住宅につきましては、これまでも既存ストックの有効活用を図り、適切な供給や適正な管理に努めてまいりました。
これからも既存ストックの有効活用を図り、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるよう取り組んでまいります。
次に、都営住宅の省エネ、再エネの取組についてでございますが、現在、建て替え住棟では、いわゆる住宅の品確法に定める断熱性能につきまして、最上位の等級四とするとともに、高効率な給湯器や共用部のLED照明の採用と併せ、原則全ての住棟に太陽光発電設備を整備しております。
また、既存住棟につきましては、共用部の照明をLED化するとともに、設置可能な住棟に太陽光発電設備の設置を進めております。
○産業労働局長(坂本雅彦君) 中小、小規模事業者への支援についてですが、都はこれまで、感染症の影響を受ける事業者に十分な支援を行うよう、国に対し、様々な給付金の再開などについて要望を行ってまいりました。
また、コロナ禍により打撃を受けた飲食事業者に対して、専門家による助言を行い、新たな事業展開に必要となる経費に助成するとともに、国の月次支援金等を受けた中小企業に対して、販路開拓に必要な経費の助成も行っております。
こうした取組により、引き続き中小企業の事業継続に向けた支援を行ってまいります。
○生活文化局長(武市玲子君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、ジェンダー平等に関する認識についてでございますが、全ての都民が性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりは重要でございます。
コロナ禍において、都は、困難な状況を抱える女性に対し、相談の拡充などを行ってまいりました。
固定的な性別役割分担意識は、社会の中に今なお存在しており、今後も男女平等参画社会の実現に向け、取り組んでまいります。
次に、ジェンダーの視点を基本に据えることについてでございますが、政策や施策の企画立案の段階から男女平等参画の視点を持って進めることは重要でございます。
都は、男女が性別に関わりなく個人として尊重され、対等な立場で社会のあらゆる活動に参画し、責任を分かち合う男女平等参画社会の実現に向け、男女平等参画推進総合計画を策定し、幅広く様々な施策に取り組んでおります。
最後に、情報公開についてでございますが、対象公文書の体裁によって、従来の方法のみでは開示部分と非開示部分の判別がしづらい事例があったことから、視認性の向上を図るために、非開示とする部分の表示方法を追加いたしました。
情報公開の推進は重要でありまして、都はこれまでも、ICTを活用した積極的な情報提供を行うなど、様々な取組を進めております。
引き続き、都民の負託に応えられるよう取り組んでまいります。
○政策企画局長(野間達也君) 子供等の声の都政への反映についてでございますが、子供や若者の意見に耳を傾け、施策に生かしていく意義に鑑み、本年三月の未来の東京戦略の策定に当たっては、都内の小中学校で出前授業を実施するなどの取組を行ってきました。
さらに、東京都こども基本条例が制定されたことを受け、夏に公表した重点政策方針におきまして、子供の参加等を通じた政策強化の方向性を示してございます。
○環境局長(栗岡祥一君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、COP26における国の対応についてでございますが、COP26における岸田首相のスピーチでは、二〇五〇年カーボンニュートラルを新たに策定した長期戦略の下、実現していくことが表明されてございます。
全国の電源構成などのエネルギー政策の在り方につきましては、国レベルで議論、検討がなされるべきものでございます。
都は、ゼロエミッション東京の実現に向けて、引き続き、脱炭素エネルギーである再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を図ってまいります。
次に、全庁一体となった気候危機対策についてでございますが、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現に向け、ビジネス、市民生活、都市づくりなど、あらゆる側面の社会経済構造を脱炭素型に移行していくことが重要でございます。
このため、都は、二〇三〇年カーボンハーフスタイルを提起し、都民、企業、行政等あらゆる主体に行動の加速を呼びかけてございます。
都庁自身も、多くのエネルギーを消費する事業者として、ゼロエミッション都庁行動計画の下、再エネの導入拡大など、率先行動を加速させてございます。
今後も全庁を挙げて、あらゆる施策を総動員し、ゼロエミッション東京の実現に取り組んでまいります。
次に、既存都有施設への太陽光パネル設置についてでございますが、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けて、大量のエネルギーを消費する都自身が隗より始めよの意識の下、再生可能エネルギーの導入等の取組を一層強化していくことが重要でございます。
このため、既に全庁横断的に既存施設への設置を進めていくための指針の策定に着手してございます。
次に、都内自治体における太陽光パネル設置への財政支援についてでございますが、都は、東京の広域的な環境課題の解決に資する取組や、地域特性、地域資源を活用した環境面の取組を行う区市町村に対して財政支援を行う地域環境力活性化事業を実施してございまして、公共施設への太陽光発電設備の導入もその対象としてございます。
これまで本事業につきましては、事業説明会や課長会等での説明や、個別の意見交換等を通じまして、積極的な活用を促しており、今後もこうした取組を進めることで、区市町村を支援し、一体となってゼロエミッション東京の実現に努めてまいります。
最後に、東京ゼロエミ住宅導入促進事業についてでございますが、ゼロエミッション東京の実現に向けては、住宅等建物の脱炭素化を図ることが重要でございます。
このため、都は、住宅用地が狭小など、都の特性を踏まえて設定した都独自の基準を満たす住宅を新築する建築主に費用の一定額を助成してございます。
また、既にゼロエミッション東京戦略二〇二〇 Update&Reportにおきまして、東京ゼロエミ住宅基準の多段階化を掲げてございまして、環境審議会等において、住宅の高断熱化等を一層促進するための検討を進めてございます。
○建設局長(中島高志君) 三点のご質問にお答えいたします。
初めに、陥没事故の第三者による検証についてでございますが、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
昨年十月に発生した陥没事故を受けまして、有識者で構成される委員会により、公正、中立な立場から技術的な検討が行われ、本年三月に報告書が取りまとめられております。
また、現在事業者は、住民の不安払拭のため、入間川東側において追加の地盤調査を実施していると聞いております。
都は、国など事業者に対し、引き続き丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう求めてまいります。
次に、工事による振動等に伴う被害についてでございますが、これまで事業者は、陥没箇所周辺の約千件に対する戸別訪問などによりまして、個々の事情を聞きながら、家屋の調査や補修を進めております。
令和三年九月末現在で、補修対象地域内約千件のうち、約二百五十五件から家屋調査の相談があり、既に約二百件につきまして、家屋の補修等を実施中もしくは完了したと事業者から聞いております。
また、健康被害等に対する補償につきましても個別に事情を丁寧にお伺いし、誠意を持って対応すると聞いております。
都は、国など事業者に対し、住民の不安払拭に向け、引き続き丁寧な説明や、きめ細やかな対応を行うよう求めてまいります。
最後に、陥没、空洞箇所周辺の地盤についてでございますが、有識者委員会におきまして、陥没、空洞箇所周辺のトンネル直上の一定の範囲に地盤の緩みが生じている可能性があるとされました。
事業者は、その後の地盤調査等から、本年九月に、今後、地盤補修が必要となる範囲が約二百二十メートルの区間であるとしております。
現在、事業者におきまして、地盤補修工事の実施に向けて、補修範囲の土地所有者等に仮移転などの相談をしながら施工方法等の検討が行われております。
○財務局長(吉村憲彦君) 財政運営についてでございますが、都はこれまでも、子育て環境の充実や高齢者の暮らしへの支援などに加えて、コロナ禍にある都民を支えるセーフティーネットの強化にも取り組んでおり、今回の補正予算においても、孤立、孤独状態の方々への支援など、都民生活を守るために必要な対策を講じております。
あわせて、東京の都市機能を支えるインフラ整備は、都民の利便性と東京の活力の向上などに不可欠でございまして、真に必要な取組は着実に進めていくことが必要でございます。
今後とも、都民福祉の向上をはじめ、都政の諸課題の解決に向けまして、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。
[里吉ゆみ都議] 再質問
初めに、都立、公社病院の独法化についてです。
東京都は、独法については制度上のデメリットはないと答弁してきました。病院経営本部長は、都立、公社病院の独法化に地方独立行政法人法第三十条が適用されることを認めました。
つまり、都立、公社病院を独法化すれば、業務や組織の廃止や民営化を含めた見直しを定期的に行わなければならなくなるのです。このことは独法化のメリットですか、デメリットですか、お答えください。
次に、都立病院を独法化すれば、住民監査制度、住民訴訟制度の対象外となる、このことは独法化のメリットですか、デメリットですか。
以上二問、端的にお答えください。
次に、東京ベイまちづくり戦略について知事に質問します。
こういう巨大開発は、一旦動き出すと容易に止めることはできません。大手ティベロッパー、開発事業者は利益にしがみついて、何としても進めようとします。臨海副都心開発の大失敗の総括もしないまま、総事業費も示さず、ばら色に描いて既成事実にするようなことはやめるべきです。知事、いかがですか。
最後に、情報公開についてです。
ノリ弁をなくす、非開示をなくすという知事の公約について質問しましたが、知事は答弁に立ちませんでした。
知事、思い出してください。情報公開は、都政大改革の一丁目一番地ではないのですか。非開示そのものをなくすことが知事の公約ではないのですか。知事、ぜひお答えください。
以上、四問の答弁を求め、再質問を終わります。(拍手)
[再質問への答弁]
○病院経営本部長(西山智之君) 繰り返しのご答弁になりますが、法三十条の規定は、中期目標期間の終了時までに設立団体の長が地方独立行政法人の業務、組織の全般にわたる検討を明示的に定め、業務の継続を含めて所要の措置を講ずることを定めているものであり、廃止、民営化のみを前提とした見直しを行うという趣旨ではございません。
独法化の目的は、行政的医療をはじめとした質の高い医療の安定的、継続的な提供などの役割を将来にわたって果たし続けることにございます。
次に、これも繰り返しのご答弁になりますが、住民監査請求や住民訴訟は、地方自治法に基づき、地方公共団体の違法または不当な財務会計上の行為に対し、住民が監査等を求める制度でございます。
一方、都から地方独立行政法人への財政支出などについては、都の財務会計上の行為に対して、地方自治法上の住民監査請求等を行うことができ、住民の監視等については担保されてございます。
○東京都技監(上野雄一君) 東京ベイeSGまちづくり戦略についての再質問についてお答えいたします。
臨海副都心は、臨海地域の都市づくりの計画などに基づき、国内外の人々でにぎわうエリアとして発展してきております。
国の発展を牽引することが首都東京の果たすべき使命であり、その中にあって、ベイエリアは世界から人と投資を呼び込み、成長と成熟が両立した持続可能な都市東京をリードするエリアとして発展させることが重要でございます。
まちづくり戦略は、東京二〇二〇大会の成功、気候危機、新型コロナ危機も踏まえ、次世代の都市モデルとなるベイエリアの成長戦略として策定するものでございまして、その具体化に当たりましては、国をはじめ地元区、民間企業など、様々な主体とも連携しながら、ベイエリアの将来像の実現に向けて取り組んでまいります。
○生活文化局長(武市玲子君) 情報公開についてでございますが、先ほど答弁したとおり、情報公開の推進は重要であり、都はこれまでも、ICTを活用した積極的な情報提供を行うなど様々な取組を進めており、引き続き、都民の負託に応えられるよう取り組んでまいります。
以上