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質問・条例提案

2020.12.16

2020年第4回定例会に提出した文書質問

2020年第4回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

【文書質問】

  • 原のり子(地域公共交通の充実、移動支援について、子供シンポジウム ティーンズ・アクションTOKYO2020について、不登校の子どもたちの居場所について、障害のある成人・青年の余暇活動支援について)
  • とや英津子(としまえん「スタジオツアー施設」の建築用途の解釈について)
  • 尾崎あや子(特別支援教室について、新型コロナウイルス感染症対策について)
  • あぜ上三和子(特別支援学校のスクールバスの運転手並びに添乗員の新型コロナ感染リスク対策等について、地域猫ボランティアの活動支援等について)
  • 和泉なおみ(葛飾区東金町8丁目の加用水と水元公園との一体的整備について)

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 原のり子
質問事項
一 地域公共交通の充実、移動支援について
二 子供シンポジウム ティーンズ・アクションTOKYO2020について
三 不登校の子どもたちの居場所について
四 障害のある成人・青年の余暇活動支援について

一 地域公共交通の充実、移動支援について

 2020年第4回定例会の知事所信表明において、地域公共交通の役割や交通不便地域の解消について次のように述べられました。

 「超高齢社会の到来や『新しい日常』への対応など、私たちの生活を取り巻く状況が大きく変わろうとする中、地域生活を支える公共交通もまた、その時代にふさわしい役割を果たしていかなければなりません。2040年代における地域公共交通の目指す姿を描くべく、先般、新たな検討会を立ち上げました。精力的な議論を重ね、高齢者や障がい者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い、まさに『人』が輝く都市を実現するための基本方針を取りまとめてまいります。

 また、交通不便地域の解消のため、利用者の希望に応じて柔軟に運行するデマンド交通の普及に向けては、東久留米市による取組を支援するなど、区市町村の導入を後押しします。さらに年明けには、民間と共に、デジタルの力で交通利便性を向上させるMaaSの実証実験を開始するなど、多彩な施策を展開し、円滑な移動が豊かな暮らしを支える、活力ある東京を作り上げてまいります。」

 安心して地域で暮らしてゆくために、地域公共交通の充実、移動支援は欠かせません。所信表明で述べられた、「地域生活を支える公共交通」「高齢者や障がい者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い」、ということがどのように進められるのか、うかがいます。

Q1 地域生活を支える公共交通もまた、その時代にふさわしい役割を果たしていかなければならない、と述べられていますが、「その時代にふさわしい役割」とはどういうことですか。

Q2 都が新たに立ち上げた、「地域公共交通の在り方検討会」の目的、役割、構成メンバー、スケジュールについてうかがいます。

Q3 議事概要だけではなく、議事録を公開すべきと考えますがいかがですか。

Q4 基本方針案ができてからのパブリックコメントだけではなく、あらかじめそれぞれの地域の状況や都民の声などの実態調査をすべきと考えますがいかがですか。

Q5 共産党都議団は、これまで、都が区市町村に対し、コミバスへの支援を強化することや、道路事情などでコミバスの導入が困難な場合に、デマンド交通や乗り合いタクシーなどを実施する際の支援も求めてきました。地域の実情はそれぞれであり、区市町村が地域公共交通の充実を図るときに、できるだけ柔軟な支援が必要だからです。このたび、デマンド交通への支援が実施されることは重要です。その支援内容はどういうものですか。

Q6 実証運行の補助について、東久留米市が対象となったことは重要ですが、なぜ、デマンド交通に限定したのですか。地域の実情に応じて、乗り合いタクシーなどの実証運行を実施する場合には対象にしないのですか。

Q7 また、なぜ、補助を実証運行の自治体に限っているのですか。すでに実施している自治体は対象にしないのですか。

Q8 都内の多くの区市がコミュニティバスを導入しています。現在、区部及び多摩地域における導入区市町村はいくつになりますか。また、路線バスと同じように、だれもが予約なく利用できるコミュニティバスが、地域で果たしている役割についてどのように評価していますか。

Q9 知事は、「人生100年時代を安心・元気に暮らせる都政と題した項目」で、地域公共交通の重要性を述べていますが、そうであれば、コミバスなどを地域で継続して運行できるように支援を強化すべきではないでしょうか。清瀬市でも、コミバスをより充実させてほしいとの市民要望は強くありますが、財政面がネックとなっています。運行経費の支援を、運行開始後3年間だけでなく、継続的な支援策とすべきと考えますがいかがですか。

Q10 あわせて、人生100年に対応するのであれば、シルバーパスをコミュニティバスでも活用できるようにすべきではないでしょうか。2018年第1回定例会の池川友一議員の文書質問への回答では、区市町村とバス事業者の協議が整った場合は活用できるとのことでしたが、東京都市長会からも、すべてシルバーパスの通用区間とすること、という要望が出されています。都として、都内のどの地域に住んでいても、コミバスでのシルバーパス活用ができるように改めて検討することを求めますがいかがですか。

二 子供シンポジウム ティーンズ・アクションTOKYO2020について

  12月13日、子育て応援とうきょう会議主催の子育て協働フォーラムが開催され、この中でメイン企画として、中高生によるシンポジウムが行われました。公募によりコアメンバーが選ばれ、8月以降、5つのグループにわかれて調査・研究をおこない、その成果を発表するものでした。コロナ禍のもとでオンライン中心になり、様々苦労はあったと思いますが、そういう中でも子どもたちの発想はすばらしく、学ぶことがたくさんありました。

 たとえば、家庭と仕事を両立できる社会についてをテーマにしたグループは、子育ての悩みを、親が相談機関に相談しにくい現状をアンケートから分析していました。そして、子ども自身が困っていること、悩んでいることを安心していつでも声をあげられる環境づくりが大事だと指摘。親だってわからないことがある、子どもが親に言わなければ解決できないのではなく、子ども自身が発信できることが大事、という意見はとても考えさせられました。

 また、子どもたちの放課後改造計画をテーマにしたグループは、高学年になると学童クラブに行きづらくなった経験や、公園で遊んでいたら苦情があった経験などを交流しながら、放課後のキーワードは居場所だ、と考えアンケートを実施。そして、夢のある、誰もが行きたくなるような居場所の提案をしてくれました。そして、すぐにつくれなくても、今ある施設にコンセプトをもりこむことはできるのではないか、と現実的な意見まで添えていて、学ばされました。

 こうした子どもたちの意見を都政にどう生かしていくのか、これからが大事です。

Q1 シンポジウムでの子どもたちの研究成果を、広く都民に公表すべきと考えますが、見解を伺います。

Q2 子どもたちの提案を受けての対応について、子どもたちに返していくことが重要です。ただ良い提案だった、ということで終わりにせず、行政として検討して応えられるもの、応えられないものをきちんと返すことによって、子どもたちは大人を信頼し、より関心をもって都政や地域のことに関わるようになってくれるはずです。提案にどのように対応する考えですか。

Q3 子どもたち自身から、子どもが声をあげる大事さが指摘され、改めて子どもの権利条約で位置づけている意見表明権の保障が重要であると実感しました。こうした子どもの意見を聞く場を継続して開催していくことが大事だと思いますが、どのように考えていますか。

三 不登校の子どもたちの居場所について

 10月26日、決算特別委員会第二分科会の質疑で、不登校の子どもたちへの支援について質問しました。このなかで都教委は、「不登校は特定の子どもに特有の問題があることによっておこるのではなく、どの子どもにも起こりうることであり、その行為を問題行動として判断してはならないととらえて」いるとの認識を示し、支援については、「個々の状況に応じて行う必要があり、登校という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的にとらえて、社会的に自立できるようにすることを目指して行われるべきと考えて」いると述べました。大事な視点です。

 ただ、実際には、個々の状況に応じて、登校のみを目標としない支援が十分あるとはいえないのではないでしょうか。

 小学生のお子さんが不登校の保護者の方は、自治体の教育相談室に行き、共働きなので日中一人になってしまうと相談したそうです。すると、公としては児童館や適応指導教室があるが、児童館の日中は乳幼児とお母さんが中心で居心地悪いかもしれない、適応指導教室も中学生が多いので居心地が悪いかもしれない、と話され、民間の居場所が紹介されたそうです。

 ほかにも、地域に根差した民間の居場所はとても良心的だが、運営して下さっている方の善意で成り立っていて、ずっと居場所を続けてもらえるのか心配。また、ある居場所は運営が厳しくなり、利用者負担がふえ、1か月1万円以上になった、などの声があります。

 不登校になっても、経済的な心配なく、誰もがふさわしい過ごし方ができるように支援を強める必要があるのではないでしょうか。

Q1 「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」第13条は、学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援を位置づけています。このことをふまえ、児童館や図書館などを不登校の子どもたちが安心して行ける場所として位置付ける、また公が居場所事業を行うことが求められているのではないでしょうか。見解をうかがいます。

Q2 学校復帰のみを目標にしない、というのであれば教育支援センターの在り方も、柔軟な活用ができるように検討すべきではないでしょうか。また、教育支援センターとは言わず、適応指導教室という呼び方がまだ残っているため、不登校児は、適応できなかった子どもという見られ方をして、悲しい、という声を多く聞きます。名称について、一日も早く改善することを求めますがいかがですか。

Q3 地域に根差し、子どもたちを受けとめている居場所は、かけがえのない存在です。しかし、その活動に対する公からの支援はありません。都教委は、私の質問に対し、東京都フリースクール等協議会の対象に、「不登校児童生徒の保護者による組織や不登校児童生徒の居場所としての機能を果たしている施設等も対象に含」んでいると答えています。そうした位置づけなのですから、事業を継続できるように支援をしていくことが必要ではないでしょうか。見解をうかがいます。

四 障害のある成人・青年の余暇活動支援について

 学齢期は、放課後等デイサービスが広がり、保護者の就労保障も含めて対応されるようになりました。しかし、学齢期が終わると、日中活Q動後や休みの日に、安心して過ごせる場所がなくなります。東京都は、都民の世論と運動、議会論戦のなかで、補助を実施するようになりました。この補助の活用を広げること、あわせて、補助自体の拡充が求められています。

Q1 この間、補助の活用を広げるために、都としてどのようなことにとりくみ、現在は、いくつの自治体が補助を活用していますか。

Q2 市長会からの来年度予算要望では、次のように書かれました。青年・成人期の余暇活動に関する支援への補助の拡充として、「青年・成人期の余暇活動に関する支援については、包括補助事業の中で財政支援を受けているが、厳しい財政状況の中、二分の一の補助率では新規の事業を立ち上げるのが難しい。一方で、保護者が就労している時間帯、特に日中活動の終了後や休日に、障害者が定期的に活動できる場の拡充については、保護者の雇用を守るためにも、青年・成人期余暇活動に関して、都の10分の10補助制度を創設すること」と要望されています。
 区市町村が財政力に左右されず、また、事業所の運営にしわ寄せをしないように事業を実施できるよう、都の10分の10補助制度を確立すべきではないでしょうか。いかがですか。

Q3 本来国として明確に位置づけるべき課題でもあり、都から国に補助制度の確立を要請することを求めますがいかがですか。

 

令和2年第四回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 地域公共交通の充実、移動支援について
1 2020年第4回定例会において、地域生活を支える公共交通もまた、その時代にふさわしい役割を果たしていかなければならない、と述べられたが、「その時代にふさわしい役割」とはどういうことか伺う。

回答
本格的な少子高齢・人口減少社会を迎える中で、高齢者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い都市を実現するため、地域公共交通の在り方などについて検討しています。

質問事項
一の2 都が新たに立ち上げた、「地域公共交通の在り方検討会」の目的、役割、構成メンバー、スケジュールについてうかがう。

回答
「東京都における地域公共交通の在り方検討会」の目的は、地域の特性に即した地域公共交通ネットワークの形成を促進し、誰もが移動しやすい利便性の高い都市の実現に向けた必要な検討を行うことです。
検討会の役割は、「東京都における地域公共交通に関する基本方針」の策定に必要な検討を行うことです。
検討会の委員は、学識経験者、国、区市町村代表、庁内関係各局等で構成されています。
検討会は、令和2年10月から令和3年度末までの設置を予定しています。

質問事項
一の3 議事概要だけではなく、議事録を公開すべきと考えるが見解を伺う。

回答
検討会の議事録については、議論の要点を都民に分かりやすく発信するために、議事概要として取りまとめ、公開しています。

質問事項
一の4 基本方針案ができてからのパブリックコメントだけではなく、あらかじめそれぞれの地域の状況や都民の声などの実態調査をすべきと考えるが見解を伺う。

回答
検討に当たっては、既往の調査結果を活用するとともに、地域公共交通の現状や課題を熟知する区市町村と意見交換も行いながら進めています。
なお、都としての基本方針の取りまとめに当たっては、パブリックコメントを実施し、広く都民等の意見を伺う予定です。

質問事項
一の5 共産党都議団は、これまで、都が区市町村に対し、コミバスヘの支援を強化することや、道路事情などでコミバスの導入が困難な場合に、デマンド交通や乗り合いタクシーなどを実施する際の支援も求めてきた。このたび、デマンド交通への支援が実施されることは重要である。その支援内容はどういうものか伺う。

回答
都は、デマンド交通の導入促進に向け、導入調査や実証運行等を行う区市町村に対し財政支援を実施しています。

質問事項
一の6 実証運行の補助について、東久留米市が対象となったことは重要であるが、なぜ、デマンド交通に限定したのか。地域の実情に応じて、乗り合いタクシーなどの実証運行を実施する場合には対象にしないのか伺う。

回答
デマンド交通については、その導入促進に向け、実証運行等を行う区市町村に対し財政支援を実施しています。
乗合タクシーについては、既に事業の立上げ段階における運行経費などの一部を補助する仕組みがあります。

質問事項
一の7 また、なぜ、補助を実証運行の自治体に限っているのか。すでに実施している自治体は対象にしないのか伺う。

回答
地域の公共交通については、地域ごとのニーズに対してきめ細かく応える必要があることから、区市町村が公共交通事業者などの関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要です。
都は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、デマンド交通の導入に向けた取組を行う区市町村に対し支援することとしています。

質問事項
一の8 都内の多くの区市がコミュニティバスを導入している。現在、区部及び多摩地域における導入区市町村はいくつになるか。また、路線バスと同じように、だれもが予約なく利用できるコミュニティバスが、地域で果たしている役割についてどのように評価しているか伺う。

回答
区部及び多摩地域において区市町村が関与している、いわゆるコミュニティバスについては、令和2年12月現在、20区23市1町が導入しているものと承知しています。
コミュニティバスは、既存の路線バスや鉄道等では補えない交通需要に対応する地域の公共交通として、地域の高齢者等の社会参加を促進するための交通手段の一つであると認識しています。

質問事項
一の9 知事は、「人生100年時代を安心・元気に暮らせる都政と題した項目」で、地域公共交通の重要性を述べているが、そうであれば、コミバスなどを地域で継続して運行できるように支援を強化すべきではないか。清瀬市でも、コミバスをより充実させてほしいとの市民要望は強くあるが、財政面がネックとなっている。運行経費の支援を、運行開始後3年間だけでなく、継続的な支援策とすべきと考えるが見解を伺う。

回答
コミュニティバスの導入に際しては、自治体等による主体的・自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について、十分に検討することが必要であると考えています。
お話しの運行経費の支援は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、導入時の調査検討経費や車両購入費のほか、運行開始後3年間の運行経費の一部を自治体に補助しています。

質問事項
一の10 あわせて、人生100年に対応するのであれば、シルバーパスをコミュニティバスでも活用できるようにすべきではないか。2018年第1回定例会の池川友一議員の文書質問への回答では、区市町村とバス事業者の協議が整った場合は活用できるとのことだが、東京都市長会からも、すべてシルバーパスの通用区間とすること、という要望が出されている。都として、都内のどの地域に住んでいても、コミバスでのシルバーパス活用ができるように改めて検討することを求めるが見解を伺う。

回答
コミュニティバスは、交通手段の少ない地域の解消や公共施設などへの移動手段を確保するため、区市町村とバス事業者が路線や運賃、運行経費の負担等について協定を締結し、運行されています。
シルバーパス事業は、東京都シルバーパス条例に基づき、実施主体である一般社団法人東京バス協会に対し、都が補助を行い、利用を希望する方に対してシルバーパスを発行しているもので、利用対象交通機関は、都営交通及び路線バスとなっています。
コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて区市町村とバス事業者の協議が整った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっています。

 

質問事項
二 子供シンポジウムティーンズ・アクションTOKYO2020について
1 シンポジウムでの子どもたちの研究成果を、広く都民に公表すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
都は、令和2年12月13日に開催した子供シンポジウム「ティーンズ・アクション TOKYO 2020」の動画を、子育て世帯や子育て支援者向けのポータルサイトである「とうきょう子育てスイッチ」に掲載しています。

質問事項
二の2 子どもたちの提案を受けての対応について、子どもたちに返していくことが重要である。行政として検討して応えられるもの、応えられないものをきちんと返すことによって、子どもたちは大人を信頼し、より関心をもって都政や地域のことに関わるようになってくれるはずである。提案にどのように対応するか、見解を伺う。

回答
子供シンポジウムで発表された子供たちの意見は、東京都子供・子育て会議等で、庁内関係部署や関係機関に情報提供しており、その結果等は、参加した子供たちに報告します。

質問事項
二の3 子どもたち自身から、子どもが声をあげる大事さが指摘され、改めて子どもの権利条約で位置づけている意見表明権の保障が重要であると実感した。こうした子どもの意見を聞く場を継続して開催していくことが大事だと思うが、見解を伺う。

回答
都は、「子供を大切にする」視点から、子供の声に耳を傾け、子供目線に立った政策を展開することとしています。

 

質問事項
三 不登校の子どもたちの居場所について
1 児童館や図書館などを不登校の子どもたちが安心して行ける場所として位置付ける、また公が居場所事業を行うことが求められているのではないか。見解を伺う。

回答
不登校の児童・生徒に対しては、社会的な自立に向け、個々に応じた多様な学びの場における支援を実現することが求められます。
これまで、都教育委員会は、「教育支援センター機能強化モデル事業」を通して、教育支援センターにおける指導や相談体制の充実を図るとともに、分教室型の不登校特例校の仕組みを整備するなどして、区市町村が行う不登校児童・生徒の多様な学びの場を確保する取組を支援してきました。
なお、児童館や図書館等を、不登校児童・生徒の居場所として活用することについては、各施設の設置の目的、スペース、対象等を踏まえ、設置者が判断すべきものと考えます。

質問事項
三の2 学校復帰のみを目標にしない、というのであれば教育支援センターの在り方も、柔軟な活用ができるように検討すべきではないか。また、教育支援センターとは言わず、適応指導教室という呼び方がまだ残っているため、不登校児は、適応できなかった子どもという見られ方をして、悲しい、という声を多く聞く。名称について、一日も早く改善することを求めるが見解を伺う。

回答
都教育委員会は、平成28年9月及び令和元年10月の文部科学省の通知等を受け、不登校児童・生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す必要があることについて、区市町村教育委員会に対して、繰り返し周知してきました。
また、これらの通知の趣旨を踏まえ、平成29年度から3年間、11のモデル地区に対して、教育支援センターにおける指導員の配置や、フリースクールを活用した体験活動等に係る経費を補助してきました。
なお、都教育委員会は、平成31年度以降、「教育支援センター」の名称を用いています。一方、区市町村が設置している当該施設の名称は、条例や規則で定められている例もあり、それぞれ異なっています。

質問事項
三の3 地域に根差し、子どもたちを受けとめている居場所は、かけがえのない存在である。しかし、その活動に対する公からの支援はない。都教委は、私の質問に対し、東京都フリースクール等協議会の対象に、「不登校児童生徒の保護者による組織や不登校児童生徒の居場所としての機能を果たしている施設等も対象に含」んでいると答えている。そうした位置づけなのだから、事業を継続できるように支援をしていくことが必要ではないか。見解を伺う。

回答
都教育委員会は、令和2年度新たに、「東京都学校・フリースクール等協議会」を設置し、これまで、学校や区市町村教育委員会とフリースクール等が効果的に連携している事例について、意見交換を行うなどしてきました。
今後とも、本協議会で、学校や教育委員会とフリースクール等の連携を強化するために必要な取組について協議を重ねることを通して、区市町村教育委員会における取組が充実するよう支援していきます。

 

質問事項
四 障害のある成人・青年の余暇活動支援について
1 都は、都民の世論と運動、議会論戦のなかで、補助を実施するようになった。この間、補助の活用を広げるために、都としてどのようなことにとりくみ、現在は、いくつの自治体が補助を活用しているか、伺う。

回答
都は、青年・成人期の障害者が日中活動や就労の後に、障害者相互や地域住民等の様々な人々と交流し活動等を行うことで、コミュニケーション能力などの向上を図れるよう、ダンスや料理など障害者の余暇活動の場を確保する区市町村の取組を包括補助で支援しています。
また、包括補助の説明会等で地域の実践事例を紹介するなど、区市町村の取組が進むよう働きかけており、令和元年度には8区市が補助を活用しています。

質問事項
四の2 区市町村が財政力に左右されず、また、事業所の運営にしわ寄せをしないように事業を実施できるよう、都の10分の10補助制度を確立すべきではないか。見解を伺う。

回答
都は、区市町村が地域の実情に応じて、創意工夫による取組を円滑に実施できるよう、事業に要する経費の一部を包括補助で支援しています。
青年・成人期の余暇活動等支援事業については、必要な経費の2分の1を補助しており、引き続き区市町村の取組を支援していきます。

質問事項
四の3 本来国として明確に位置づけるべき課題でもあり、都から国に補助制度の確立を要請することを求めるが見解を伺う。

回答
国は、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業として、日中一時支援や地域活動支援センターの機能強化に要する経費を補助していますが、事業実績に見合った財源が交付されておらず、区市町村に超過負担が生じています。
都は、こうした実態を踏まえて、地域生活支援事業について、十分な財源措置を講じるよう、国に対し提案要求を行っています。


令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 とや英津子
質問事項
一 としまえん「スタジオツアー施設」の建築用途の解釈について

一 としまえん「スタジオツアー施設」の建築用途の解釈について

 豊島園跡地に予定されているスタジオツアー施設の敷地は用途地域が近隣商業地域と第二種住居地域を跨いでいますが、過半の規定により第二種住居地域の用途制限を受けると思われます。そして床面積が10,000平方メートルを超えることから確認申請の所轄は東京都になると思います。この2点を確認して頂いた上で建築基準法の用途の解釈について伺います。

 建築確認申請はまだ提出されていませんが、事前の「練馬区まちづくり条例」「東京における自然の保護と回復に関する条例」による手続きは始まっています。これらの手続きで事業者は建築用途を「博物館その他これに類するもの」と記しています。これについて質問します。

Q1 都はスタジオツアー施設の利用・運営形態を具体的にどのように捉えていますか。それは建築基準法のどの用途に該当すると考えますか。

 もし事業者と同じ考えである場合ですが、「博物館その他これに類するもの」の内容に二つの事が含まれると考えます。
〔イ〕博物館そのものである
〔ロ〕博物館ではないが類する他の用途である

Q2 東京都としてスタジオツアー施設は〔イ〕〔ロ〕のどちらと解釈していますか。もし〔ロ〕である場合は類する用途として他にどのような用途が挙げられますか。

Q3 住民説明会では事業者から単線の簡単なプランが提示され、展示スペース、売店、飲食とだけ室名が付けられ、博物館の表記はどこにもありません。このプランだけ見ると展示場のようにも思われます。都はこうした平面プランからどのようにして「博物館その他これに類するもの」であるとの解釈を引き出したのでしょうか、その根拠を示してください。

Q4 また事業者から説明を受けた結果であるのならばどのような説明を受けたのでしょうか。

Q5 その説明を受けた時期は何月なのでしょうか。

Q6 第二種住居地域に於いては、10,000平方メートルを超える店舗、飲食店、展示場、遊技場は建築できません。また劇場、映画館、演芸場、観覧場もできません。そこで、建築の全体としての用途を「博物館その他これに類するもの」とした場合においても、内部の各室の用途が前述の用途となるものは設けられないと解釈して宜しいでしょうか。

 

令和2年第四回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 としまえん「スタジオツアー施設」の建築用途の解釈について
1 都はスタジオツアー施設の利用・運営形態を具体的にどのように捉えているか。それは建築基準法のどの用途に該当すると考えるか。

回答
当該施設については、映画に関する資料の保管・展示などを行うものと受け止めており、運営については、営利法人である民間事業者により運営され、一般公衆の利用に供すると聞いています。
建築基準法上の建築物の用途については、「博物館その他これに類するもの」に該当するものと考えています。

質問事項
一の2 もし事業者と同じ考えである場合、「博物館その他これに類するもの」の内容に二つの事が含まれると考える。
〔イ〕博物館そのものである
〔ロ〕博物館ではないが類する他の用途である
都としてスタジオツアー施設は〔イ〕〔ロ〕のどちらと解釈しているか。もし〔ロ〕である場合は類する用途として他にどのような用途が挙げられるか。

回答
当該施設は、営利法人である民間事業者が設置することとされていることから、博物館法による博物館には該当しませんが、建築基準法上の建築物の用途としては、「その他これに類するもの」と考えています。

質問事項
一の3 住民説明会では事業者から単線の簡単なプランが提示され、展示スペース、売店、飲食とだけ室名が付けられ、博物館の表記はどこにもない。このプランだけ見ると展示場のようにも思われる。都はこうした平面プランからどのようにして「博物館その他これに類するもの」であるとの解釈を引き出したのか、その根拠を伺う。

回答
施設の内容等について事業者側から説明を受け、当該施設は、映画に関する資料の保管・展示などを行うことなどから、「博物館その他これに類するもの」と判断しました。

質問事項
一の4 事業者から説明を受けた結果であるならばどのような説明を受けたのか。

回答
当該施設については、映画に関する資料の保管・展示などを行うものであり、運営については、営利法人である民間事業者により運営され、一般公衆の利用に供すると聞いています。

質問事項
一の5 事業者から説明を受けた時期は何月か伺う。

回答
当該施設の内容等について、事業者側から説明を受けたのは、令和元年9月です。

質問事項
一の6 第二種住居地域に於いては、10,000平方メートルを超える店舗、飲食店、展示場、遊技場は建築できない。また劇場、映画館、演芸場、観覧場もできない。そこで、建築の全体としての用途を「博物館その他これに類するもの」とした場合においても、内部の各室の用途が前述の用途となるものは設けられないと解釈してよいか伺う。

回答
一般的に、施設内に設けられる主たる用途に付属する店舗等の部分については、もっぱら当該施設利用者の利用に限定して設けられており、当該施設と機能上分離し難いものである場合には、独立した用途とはみなしません。


令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 尾崎あや子
質問事項
一 特別支援教室について
二 新型コロナウイルス感染症対策について

一 特別支援教室について

 発達障害の児童・生徒が増えているといわれています。東京都は、2016年2月に発達障害教育推進計画を策定し、都内公立小・中学校での指導を、在籍校で受けられるようになりました。
2019年度に「特別支援教室に関する確認書」が導入されましたが、保護者の方から「特別支援教室に関する確認書が導入されたことで、教職員による特別支援教室への入級回避行動や退級圧力が以前よりも多くみられるようになった」との声が寄せられています。

 都教育委員会作成のリーフレット「東京都の発達障害教育」、学級編制事務説明会の配布資料「令和2年度学級編制調査の特別支援教室に係る変更点等について」、「令和3年度公立小中学校の特別支援学級等及び区立特別支援学校における学級編制等調査について(通知)」などを基に、いくつか質問します。

Q1 2019年10月31日に「令和2年度(2020年度)区市町村立小・中・義務教育学校、中等教育学校前期課程及び区立特別支援学校の学級編制に関する事務説明会」が開催されました。説明会の資料「令和2年度学級編制調査の特別支援教室に係る変更点等について」の中で、「特別支援教室に関する確認書」及びその例が示されて、保護者に署名・押印を求める同確認書が導入されました。
 「確認書」の導入目的は何か、保護者の署名・押印の必要性も含めて都の認識を伺います。

Q2 説明会の資料には「特別支援教室の目的」の「確認の観点」での文章や、確認書の例の「特別支援教室の目的」の文章の中に「長期間籍を置く場所ではなく」との一文があるため、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力が児童や生徒及びその保護者にかかり、さらに教職員による入級回避と受け止めざるを得ない行動が以前より多く見られるようになったとの声が寄せられています。
 これは教育基本法第4条(教育の機会均等等)第2項「国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状況に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない」、引いては憲法第26条第1項「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」を侵害しかねない行為であり、「確認書」の文言がその状況を創出したとも考えられますが、都の認識を伺います。

Q3 区市町村教育委員会学務担当部長宛で通知された2020年11月4日付2教学特第1471号の別紙2の2(2)の「確認書」に関する箇所において、「特別支援教室の目的」の「確認の観点」欄は、2019年10月31日付学級編制説明会資料同様に記載されています。
 「原則、長期間利用する場所ではなく」について、教職員向けの文書には、補足説明で「継続した指導が行われることを否定するものではありません。」と記載していますが、確認書の例によれば、保護者が実際に見ることができる「確認書」には、その補足説明の記載がないにもかかわらず、保護者に署名を要求することについて、都の認識を伺います。

Q4 2教学特第1471号通知の「確認書」に関する箇所において、「確認書」とともに「都教育委員会作成のリーフレット『東京都の発達障害教育』」を保護者に説明・配布するように記載されています。
 しかし、リーフレットにある「特別支援教室の目的」では「児童・生徒の学習上又は生活上の困難を改善・克服し、障害の状況に応じて可能な限り多くの時間、在籍学級で他の児童・生徒と共に有意義な学校生活を送ることができるようになること」と記載されているのに対して、確認書の例では、「特別支援教室の目的は、最終的には指導開始時に設定した目標を達成し、全ての期間、在籍学級で授業を受けることができるようになること」とし、「そのため、特別支援教室は、原則、長期間利用する場所ではなく、一定の期間の一部の時間に特別な指導を受ける教室」と表現され、本来の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服することは特別支援教室の指導として表現されています。
 また、2教学特第1471号の別紙2の2(2)の「確認書」に関する箇所において、「特別支援教室の目的」の「確認の観点」欄の中に「原則、長期間利用する場所ではなく、指導開始時の目標を達成し、可能な限り在籍学級で過ごすこと。」とされ、本来の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服は記載されておりません。
 このように確認書の例や通知では、本来の特別支援教室の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服を目的として記載せず、特別支援教室の退級を促す表現が強調されるあまり、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力や入級回避行動が助長せざるを得ない可能性があります。保護者が署名を求められる「確認書」のみに気を取られてリーフレットをよく確認せずに誤解したまま安易に退級等へ誘導させられてしまう可能性があることから、結果として、教育基本法第4条第2項、引いては憲法第26条第1項を侵害しかねない恐れがあると考えられます。教職員、児童・生徒、保護者が誤解しないよう工夫が必要だと思いますが、都の認識を伺います。

Q5 特別支援教室などの実態がどうなっているのか、校内委員会・コーディネーター・支援員等の仕組みがどのように機能しているのかなど都として調査を行う必要があると思いますが、どうですか。
 都は、実態についてどのような調査を行っていますか。

Q6 特別支援教室に入りたいと希望する児童・生徒が増えています。今後も増えるだろうといわれています。特別支援教室の教職員の配置を増やすべきですが、都の認識を伺います。

Q7 特別支援教室に通級している児童・生徒数の推移と、教職員の配置人数の推移はどうなっていますか。小学校は平成30年度から令和2年度まで、中学校は令和元年度及び令和2年度の推移はどうなっているのか、小中学校別に伺う。

Q8 特別支援教育にかかわる教職員の育成が求められていますが、どうですか。

 

二 新型コロナウイルス感染症対策について

 小池都知事は11月25日、新型コロナウイルスの新規陽性者が増え重症者が50人を超えたことなどを明らかにし、酒類提供の飲食店・カラオケ店の営業時間の自粛要請を11月28日から12月17日まで行うことを記者会見しました。

 同時に中小企業の取組に対する助成「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」すると述べました。

 また、都の「もっとTOKYO」(都内観光推進事業)について、11月28日から12月17日まで、旅行の新規販売を停止することを決めました。

 そこで、いくつか質問します。

Q1 ガイドラインに基づく取組への助成について、この間の実績について伺います。

Q2 今回の「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」する内容については、換気設備工事費を含む場合の助成限度額を引き上げ、これまでは1事業者あたり100万円を、1店舗あたり200万円に拡充することを決めたことは重要です。充分な財源は残っているのですか。

Q3 これまで、1事業者として助成を受けた事業者でも店舗が複数あれば、申請できるということにもなります。活用したいという事業者に知らせることが大事になります。事業者への周知はどのように行うのですか。

Q4 申請期間は6月18日から12月28日まででしたが、今回、2月26日までと延期されたことは重要です。申請期間を3月末までにさらに延期すべきですが、いかがですか。

Q5 都は、「もっとTOKYO」の新規販売を停止すると決めた根拠について伺います。

Q6 11月28日から12月17日までを新規販売を停止する期間に予約をしていた人で「65歳以上」「基礎疾患のある方」に該当しない都民がキャンセルをした場合にはどうなりますか。小池知事は「できれば、できるだけ外出は控えて」と「外出自粛のお願い」も同時に呼び掛けているわけですから、キャンセル料については都の責任で行うべきだと思いますが、いかがですか。

 

令和2年第四回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 特別支援教室について
1 2019年10月31日に開催された「令和2年度区市町村立小・中・義務教育学校、中等教育学校前期課程及び区立特別支援学校の学級編制に関する事務説明会」の資料「令和2年度学級編制調査の特別支援教室に係る変更点等について」の中で、「特別支援教室に関する確認書」及びその例が示されて、保護者に署名・押印を求める同確認書が導入された。「確認書」の導入目的は何か、保護者の署名・押印の必要性も含めて認識を伺う。

回答
特別支援教室を利用する児童・生徒の障害による困難さの改善・克服に向け、指導の効果を高めるためには、保護者が、特別支援教室の目的や指導内容等について理解することが重要です。
そのため、指導を開始するに当たって、対象児童・生徒の保護者が、学校から特別支援教室の制度について適切に説明を受けたこと、また、子供が特別支援教室での指導を受けることを了解したことが明確になるよう、保護者に書面による確認と署名を求めることとしました。
なお、令和2年度については、政府の方針等を踏まえ、押印の欄は削除しました。

質問事項
一の2 説明会の資料には「特別支援教室の目的」の「確認の観点」での文章や、確認書の例の「特別支援教室の目的の文章の中に「長期間籍を置く場所ではなく」との一文があるため、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力が児童や生徒及びその保護者にかかり、さらに教職員による入級回避と受け止めざるを得ない行動が以前より多く見られるようになったとの声が寄せられている。これは教育基本法第4条第2項、引いては憲法第26条第1項を侵害しかねない行為であり、「確認書」の文言がその状況を創出したとも考えられるが、認識を伺う。

回答
特別支援教室は、原則、長期間利用する場所ではなく、一定期間の一部の時間に特別な指導を受けることにより、障害による困難さへの対処方法等を習得し、最終的には、指導開始時に設定した目標を達成し、全ての期間、在籍学級で授業を受けることができるようにすることを目的としています。
そのため、特別支援教室での指導開始に当たっては、その必要性について、児童・生徒一人一人の障害の状態を適切に把握し、通常の授業を一部受けられなくなること等も考慮し、慎重に検討することが重要です。
また、指導開始後は、適切な目標を設定し、障害による困難さを改善・克服し、その目標を達成した場合には退室することになります。

質問事項
一の3 区市町村教育委員会学務担当部長宛で通知された2020年11月4日付2教学特第1471号の別紙2の2(2)の「確認書」に関する箇所において、「特別支援教室の目的」の「確認の観点」欄は、2019年10月31日付学級編制説明会資料同様に記載されている。「原則、長期間利用する場所ではなく」について、教職員向けの文書には、補足説明で「継続した指導が行われることを否定するものではありません。」と記載しているが、確認書の例によれば、保護者が実際に見ることができる「確認書」には、その補足説明の記載がないにもかかわらず、保護者に署名を要求することについて、認識を伺う。

回答
保護者の署名の必要性については、質問1の回答のとおりです。
特別支援教室の指導を受ける児童・生徒を決定した後、個々の児童・生徒の障害による困難さに応じて適切な指導目標を立て、指導開始後は、定期的に評価を行い、設定した目標を達成した場合には退室し、通常の学級において学習できるようにしていくことが必要です。
ただし、教員が指導を行うに当たっては、障害の状態等によって継続した指導が必要な児童・生徒がいることについて留意する必要があるため、御指摘の通知文に記載し周知しています。

質問事項
一の4 確認書の例や通知では、本来の特別支援教室の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服を目的として記載せず、特別支援教室の退級を促す表現が強調されるあまり、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力や入級回避行動が助長せざるを得ない可能性がある。保護者が署名を求められる「確認書」のみに気を取られてリーフレットをよく確認せずに誤解したまま安易に退級等へ誘導させられてしまう可能性があることから、結果として、教育基本法第4条第2項、引いては憲法第26条第1項を侵害しかねない恐れがあると考えられる。教職員、児童・生徒、保護者が誤解しないよう工夫が必要だと思うが、認識を伺う。

回答
御指摘のあった通知文の「指導開始時の目標」及び参考資料(確認書の例)の「指導開始時に設定した目標」という部分は、リーフレットに記載されている特別支援教室の目的である「学習上又は生活上の困難を改善・克服すること」と同義となることから、両者の趣旨が異なるものではありません。
なお、都は、これまでも、特別支援教室の目的については、リーフレットをはじめ、ホームページ、特別支援教室の導入ガイドライン等により、広く周知しています。また、各学校に対しては、入室の際、保護者に対し、リーフレットを用いて適切に説明し、共通理解が得られるよう指導しています。

質問事項
一の5 特別支援教室などの実態がどうなっているのか、校内委員会・コーディネーター・支援員等の仕組みがどのように機能しているのかなど都として調査を行う必要があると思うが、見解を伺う。都は、実態についてどのような調査を行っているか伺う。

回答
令和元年度、区市町村教育委員会へのヒアリングや学校訪問を通じて、特別支援教室の実態を把握しました。
また、令和2年度から、元校長等、特別支援教室の指導に関して知識やノウハウのある特別支援教室巡回運営指導員を設置しました。巡回運営指導員が各小・中学校を訪問し、授業観察、指導記録の確認、ヒアリング等を行うことによって、特別支援教室の運営実態を把握しています。

質問事項
一の6 特別支援教室に入りたいと希望する児童・生徒が増えている。今後も増えるだろうといわれている。特別支援教室の教職員の配置を増やすべきであるが、認識を伺う。

回答
特別支援教室の対象は、通常の学級に在籍し、知的障害はないが、自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥多動性障害があって、通常の学級での学習におおむね参加できるものの、一部特別な指導が必要な児童・生徒です。
特別支援教室の指導開始に当たっては、障害のある当該児童・生徒にとって、特別支援教室における指導が必要であるか否かについて、在籍学級での指導の工夫による効果や、一人一人の子供たちの状態を専門家も交えながら適切に把握し、通常の授業を一部受けられなくなることも考慮しながら、慎重に検討し、決定します。
なお、都教育委員会は、特別支援教室における指導児童・生徒数に基づき、区市町村ごとに必要な教員を配置しています。

質問事項
一の7 特別支援教室に通級している児童・生徒数の推移と、教職員の配置人数の推移はどうなっているか。小学校は平成30年度から令和2年度まで、中学校は令和元年度及び令和2年度の推移はどうなっているのか、小中学校別に伺う。

回答
小学校の特別支援教室における各年度の指導児童数は、平成30年度16,935人、令和元年度19,539人、令和2年度21,835人です。教職員配置数は、平成30年度1,744人、令和元年度1,982人、令和2年度2,204人です。
中学校の特別支援教室における各年度の指導生徒数は、令和元年度3,368人、令和2年度4,489人です。教職員配置数は、令和元年度473人、令和2年度531人です。

質問事項
一の8 特別支援教育にかかわる教職員の育成が求められているが、見解を伺う。

回答
特別支援教育は、発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒が在籍する全ての学校で実施されており、全ての教員には、障害の特性等に関する理解や、特別支援教育に関する基礎的な知識が必要です。
都教育委員会では、都内公立学校の教員が、悉皆で受講する初任者研修や中堅教諭等資質向上研修において、特別支援教育に関する内容を設定しています。また、希望者が受講することのできる専門性向上研修においても、特別支援教育に関する内容を設定し、教職員の特別支援教育における専門性の向上を図っています。

 

質問事項
二 新型コロナウイルス感染症対策について
1 都は11月25日、飲食店・カラオケ店の営業時間の自粛要請を11月28日から12月17日まで行うことを記者会見した。同時に中小企業の取組に対する助成「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」すると述べた。また、都の「もっとTOKYO」について、11月28日から12月17日まで、旅行の新規販売を停止することを決めた。ガイドラインに基づく取組への助成について、この間の実績について伺う。

回答
本助成事業は、令和2年12月末までの交付決定件数が4,266件、交付決定額が約19億円となっています。

質問事項
二の2 今回の「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」する内容については、換気設備工事費を含む場合の助成限度額を引き上げ、これまでは1事業者あたり100万円を、1店舗あたり200万円に拡充することを決めたことは重要である。充分な財源は残っているのか、伺う。

回答
本助成事業については、令和2年第二回定例会及び第三回定例会の補正予算により必要額を措置しており、これらにより適切に支援を実施していきます。

質問事項
二の3 これまで、1事業者として助成を受けた事業者でも店舗が複数あれば、申請できるということにもなる。活用したいという事業者に知らせることが大事になる。事業者への周知はどのように行うのか伺う。

回答
本助成事業を多くの中小企業等に活用いただくため、商工団体や金融機関等を通じた事業周知を図るとともに、中小企業振興公社に設置しているコールセンターで丁寧な説明を行っています。

質問事項
二の4 申請期間は6月18日から12月28日までだったが、今回、2月26日までと延期されたことは重要である。申請期間を3月末までにさらに延期すべきであるが、見解を伺う。

回答
本助成事業については、新型コロナウイルス感染症による影響が続いている状況を踏まえ、申請受付期間を令和3年2月26日まで、助成対象期間を同年4月30日まで、それぞれ2か月延長することとしました。

質問事項
二の5 都は、「もっとTOKYO」の新規販売を停止すると決めた根拠について伺う。

回答
令和2年11月下旬における新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、対策の強化を行うこととしました。都民に対し、できるだけ不要不急の外出を控えるようお願いするとともに、酒類の提供を行う飲食店等に対し、営業時間の短縮を要請しました。あわせて、「もっとTokyo」について、旅行の新規販売を停止しました。

質問事項
二の6 11月28日から12月17日までを新規販売を停止する期間に予約をしていた人で「65歳以上」「基礎疾患のある方」に該当しない都民がキャンセルをした場合にはどうなるか伺う。「外出自粛のお願い」も同時に呼び掛けているわけであるから、キャンセル料については都の責任で行うべきだと思うが、見解を伺う。

回答
「もっとTokyo」については、令和2年11月28日から出発する旅行の新規販売を停止するとともに、「65歳以上」「基礎疾患のある方」に該当する都民に対しては、令和2年12月1日午後6時から同月17日までに出発する旅行の利用の自粛を呼びかけました。呼び掛けに応じ、旅行のキャンセルを申し出た人に対し、キャンセル料を無料としました。


令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 あぜ上三和子
質問事項
一 特別支援学校のスクールバスの運転手並びに添乗員の新型コロナ感染リスク対策等について
二 地域猫ボランティアの活動支援等について

 

一 特別支援学校のスクールバスの運転手並びに添乗員の新型コロナ感染リスク対策等について

 特別支援学校は、緊急事態宣言時は休校となりましたが、子どもたちが学校で過ごすことを認め、スクールバスは通常の運行となりました。スクールバスは、緊急事態宣言下においても休むことなく子ども達の通学保障を担ってきました。特別支援学校の児童・生徒のなかには、自宅にいることによりストレスをため自傷行為や多動行動が激しくなってしまう子どもにとっても保護者にとっても休校中の自主登校は非常に大きな役割を果たしました。

 教員をはじめとした学校教職員、スクールバスの運転手並びに添乗員は、社会的PCR検査も実施されることはなく、感染リスクを抱えながら、まさに不安を抱えながら仕事を続けてこられました。にもかかわらず、デイサービスや通所訓練の事業所などの従事者には支給された慰労金は、支給されませんでした。その理由は、厚労省所管ではないからというものですが、緊急事態宣言下も使命感をもって業務に従事されてこられたことは同じです。そして、現在も緊張感の中で、仕事を続けられています。

Q1 特別支援学校の教員をはじめとした教職員、スクールバスの運転手並びに添乗員等に対し、都教育委員会として慰労金を支給すべきだと考えます。いかがですか。

Q2 また国に対し、これらの方々に慰労金を支給するよう求めるべきです。

 今、さらに感染リスクは高まっています。スクールバスの運転をされている皆さんや保護者の皆さんからは、「スクールバスは、2人がけの座席には2人座る状態で、ソーシャルディスタンスを保つ余裕がない」「マスクも取ってしまう生徒もいて感染リスクが非常に高いので心配」「介助で密接にならざるを得ないことも多く、自分が無症状のまま感染させていないかなど神経がすり減る」「せめて運転手や添乗員のPCR検査を実施してほしい」と要望が寄せられています。

Q3 PCR検査を特別支援学校の教職員とスクールバスの運転手並びに添乗員には定期的に実施すべきではありませんか。

Q4 厚労省は、4月28日、医師や看護師、介護従事者等が新型コロナに感染した場合、ご本人が申請すれば「労災保険給付の対象となる」という通知を出しました。市中感染が広がるなか、スクールバスの運転手並びに添乗員の場合も当然適応されなければなりません。都教育委員会としての認識を伺います。また、「労災保険給付の対象となること」を各学校や事業者に対し周知徹底する必要があると考えますが、いかがですか。

Q5 文部科学省は、3密状態にならないようスクールバスを増便した場合、所要経費の2分の1を補助するとしています。こうした制度も活用し、スクールバスの密を避ける対策をとることを求めます。

 

二 地域猫ボランティアの活動支援等について

Q都は「2020年に向けた実行プラン」において、動物の殺処分ゼロにする目標を掲げてきましたが、現在、都が集計する殺処分はゼロを更新しているという状況ですが、そのかげに動物愛護推進員の方をはじめボランティアの方々の並々ならないご苦労があることを忘れてはなりません。私は、地元の飼い主のいない猫の譲渡に取り組んでいらっしゃる方々にお話を伺い、譲渡会も視察させていただきました。動物の命も大切にされる共生社会の推進に都として取り組みを拡充するよう求め、以下、具体的に提案し伺います。

Q1 都は、健康上の理由等で飼い主が飼養を継続することが困難となった場合などに、身近な地域で相談や支援が受けられる体制づくりに取り組む区市町村に対し補助をする「地域における相談支援体制整備事業」ですが、今年度から3年間の時限事業です。しかし、最近では、「高齢者の方が特養に入所するので猫を引き取ってもらえないか」「亡くなられた方の飼い猫を何とかしてほしい」とボランティアに直接、地域包括支援センターから相談や依頼が寄せられるなど、地域猫ボランティアの方々に負担がかかってきています。本事業を各区市町村で実施することができるよう本事業の意義を区市町村に周知徹底を行うとともに、本事業を検証し、継続して実施することを求めます。

Q2 殺処分ゼロを持続させていくには、動物教室などの取組をいっそう促進することが重要です。川崎市では、ANIMAMALL・動物愛護センターを2019年2月に移転開設していますが、「動物を通じて、誰もが集い、憩い、学べる交流施設」として、動物に係る個人・団体等と連携・協働し、「いのちを学ぶ場」「いのちをつなぐ場」「いのちを守る場」としての役割が発揮できるよう整備されたと伺いました。このセンターでは譲渡会も開催されています。都の動物愛護相談センターについては、今後、審議会答申を受けて具体化されていくものと思いますが、是非、他都市の先進事例に学び、動物たちにより良い生活環境を提供し、譲渡をさらに推進し、命を守り、命を学ぶ場として、より充実した動物愛護相談センターを整備するよう求めます。

Q3 また、譲渡会を開催しているボランティアの方からは、都庁の都民広場など都施設を活用し、動物愛護週間などに譲渡会を開催することを求める声が出されており、実施を求めます。

 

令和2年第四回都議会定例会
あぜ上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 特別支援学校のスクールバスの運転手並びに添乗員の新型コロナ感染リスク対策等について
1 特別支援学校の教員をはじめとした教職員、スクールバスの運転手並びに添乗員等に対し、都教育委員会として慰労金を支給すべきだと考えるが、見解を伺う。

回答
都立特別支援学校では、都教育委員会のガイドラインに基づき、手指の消毒やマスクの着用、健康状態の把握などの児童・生徒への感染症対策を、外部事業者と連携しながら取り組んでいます。
なお、国の制度では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の慰労金について特別支援学校を支給対象としておらず、都教育委員会としても、慰労金を支給する考えはありません。
 

質問事項
一の2 また国に対し、これらの方々に慰労金を支給するよう求めるべきであるが見解を伺う。

回答
国の制度では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の慰労金について特別支援学校を支給対象としていません。
都教育委員会としても、特別支援学校のスクールバスの運転手及び添乗員を、国の当該制度の慰労金の支給対象とするよう国に対して要望する考えはありません。

質問事項
一の3 PCR検査を特別支援学校の教職員とスクールバスの運転手並びに添乗員には定期的に実施すべきではないか、見解を伺う。

回答
都立特別支援学校では、都教育委員会のガイドラインに基づき、手指の消毒やマスクの着用、教室等の換気、健康状態の把握などの児童・生徒への感染症対策を、保護者等と緊密に連携しながら、教職員中心に徹底して取り組んでいます。
また、陽性者が判明した場合には、学校において特別支援学校の特性を踏まえ、接触者情報を詳細に収集し保健所に提供しており、感染の可能性がある対象者に、保健所等によるPCR検査が実施されています。
今後も、保健所や福祉保健局等との連携を図りながら、適切に対応していきます。

質問事項
一の4 厚労省は、4月28日、医師や看護師、介護従事者等が新型コロナに感染した場合、ご本人が申請すれば「労災保険給付の対象となる」という通知を出した。市中感染が広がるなか、スクールバスの運転手並びに添乗員の場合も当然適応されなければならない。都教育委員会としての認識を伺う。また、「労災保険給付の対象となること」を各学校や事業者に対し周知徹底する必要があると考えますが、見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症に係る労災補償に関する取扱いについては、厚生労働省労働基準局通知に基づき、労働基準監督署が判断するものです。
労災補償に関する周知については、制度を所管する厚生労働省及びスクールバス乗務員と直接雇用関係にあるバス事業者において行うべきものであると考えます。

質問事項
一の5 文部科学省は、3密状態にならないようスクールバスを増便した場合、所要経費の2分の1を補助するとしている。こうした制度も活用し、スクールバスの密を避ける対策をとることを求めるが、見解を伺う。

回答
都教育委員会は、バス事業者に対し、乗務員の手洗い・咳エチケットの励行、バス車内の清掃と消毒、出発前及び到着後の換気を行う等、車両における感染症対策に係る取組を徹底するよう、従来から指導しています。
また、感染防止策を徹底する観点から、バスの形状に合わせた仕切りを座席の間に設置するなどの対策を行うこととしています。

 

質問事項
二 地域猫ボランティアの活動支援等について
1 「地域における相談支援体制整備事業」について、最近では、ボランティアに直接、地域包括支援センターから相談や依頼が寄せられるなど、地域猫ボランティアの方々に負担がかかってきている。本事業を各区市町村で実施することができるよう本事業の意義を区市町村に周知徹底を行うとともに、本事業を検証し、継続して実施することを求めるが、見解を伺う。

回答
都では、動物の飼い主等が身近な地域で飼養等に関する相談ができ、支援を受けられる体制の整備に取り組む区市町村を医療保健政策区市町村包括補助で支援する「地域における動物の相談支援体制整備事業」を、令和2年度から実施しています。
事業の周知に当たっては、事業の目的や区市町村が実施する取組の例等について記載したリーフレットを作成するほか、包括補助に係る説明会や区市町村の動物愛護管理担当者の会議等の場で情報提供しています。
今後、事業の実施状況を検証しながら、引き続き、各区市町村がボランティア団体と連携し、地域における相談支援体制づくりを進めていけるよう支援していきます。

質問事項
二の2 川崎市ではANIMAMALL・動物愛護センターを2019年2月に移転開設しているが、動物に係る個人・団体等と連携・協働し、「いのちを学ぶ場」「いのちをつなぐ場」「いのちを守る場」としての役割が発揮できるよう整備されたと伺った。都の動物愛護相談センターについては、他都市の先進事例に学び、動物たちにより良い生活環境を提供し、譲渡をさらに推進し、命を守り、命を学ぶ場として、より充実した動物愛護相談センターを整備するよう求めるが、見解を伺う。

回答
都は平成29年3月、動物愛護相談センター整備基本構想を策定し、これからのセンターで重点的な取組が必要な事項を、適正飼養の普及啓発や保護された動物の譲渡の推進、事業者等の指導・監督、動物に関する危機管理対応と整理しました。
また、令和2年12月に、東京都動物愛護管理審議会から「今後の動物愛護管理施策の方向性について」の答申を頂いており、その中で、施策の中核を担うセンターの在り方についても御意見を頂いています。
センターの整備に当たっては、審議会からの答申等も踏まえ、必要な機能の確保や利便性、業務の効率性等を勘案しながら検討を進めていきます。

質問事項
二の3 譲渡会を開催しているボランティアの方からは、都庁の都民広場など都施設を活用し、動物愛護週間などに譲渡会を開催することを求める声が出されており、実施を求めるが、見解を伺う。

回答
都では、動物の飼養等に関する知識や適正飼養等に係る普及啓発活動の経験を有し、都の譲渡事業に協力いただく約50のボランティア団体等を登録し、これらの団体等と連携して、動物愛護相談センターが保護した犬や猫の譲渡を進めています。
また、東京都動物情報サイト「ワンニャンとうきょう」では、動物愛護相談センターや都の登録を受けたボランティア団体等から、保護された犬や猫を譲り受ける方法や譲渡会の情報などを広く都民に発信しています。
さらに、譲渡事業の認知度向上のため、都独自に11月を譲渡促進月間に定めるとともに、都立公園等を活用した譲渡事業のPRイベントを開催するなど、動物譲渡の拡大に向けた様々な取組を行っています。


令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 和泉なおみ
質問事項
一 葛飾区東金町8丁目の加用水と水元公園との一体的整備について

一 葛飾区東金町8丁目の加用水と水元公園との一体的整備について

 東金町8丁目は東京都立水元公園拡張計画のもとで、「都立公園区市町村立施設の設置許可の基準」第5の「三分の一条項」に基づき、区も用地取得に努め、平成9年に葛飾区から東京都に東金町運動場4,000平方メートルが無償譲渡されたことに伴って、12,000平方メートルの設置許可を得ました。そこに、多目的運動場、少年野球場、テニスコート、それに加えてスーパー堤防等が整備されています。

 この公園整備と合わせて、その隣を走る加用水の対策が問われてきました。
加用水には、三郷市からの水路が接続されていましたが、平成13年6月に排水が下水への流入に切り替えられています。また、国道298号線の雨水排水もすでに下水に切り替えられており、ともに現在流入がありません。水元公園は、加用水を利用していないため、残っているのは都道松戸・草加線の雨水排水のみとなっています。

 加用水は、長い間の雑排水等が流れていたためヘドロが堆積し、悪臭を放つ一因となっています。堆積したヘドロには雑草が生い茂るなど環境的にも衛生的にも好ましいものではなく、水路管理者として葛飾区が悪臭の防止や草刈り、ゴミの取り除きなどの対策を行ってきましたが、いまなお年に1、2度除草などが続いています。また、加用水の周囲は錆びついた柵に覆われ、その安全対策として施された汚れた工事用フェンスが貼られています。景観としても、極めて荒んだ印象を与えます。

 加用水は水路そのものが都市計画公園区域内であり、水元公園との一体的計画として整備されることになっており、早期実施が住民からも強く求められています。

 とりわけ、2020オリンピック・パラリンピックにむけ、この東金町8丁目水元公園拡張部分には、葛飾区が東京都の支援も受けて「東金町スポーツクライミングセンター」を整備し、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)や公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会などによる大会などの開催や、多くの近隣住民等に利用されています。ところが、公共交通機関や車での来場者は、この施設のある公園と並行して存在する加用水を目にしながら通行し、来場することになるのです。最近では、あまりにも見た目が悪いということで、グリーンのフェンスを施設入口付近にだけ設置しています。

 この問題を解決する一番の近道は、当初からの計画である水元公園拡張と一体の加用水の整備です。

 そこで、以下質問します。

Q1 都道松戸・草加線の雨水排水は、いつまでに止めることとなっているのでしょうか。

Q2 雨水排水の流入を止めた後、速やかに整備に入れるよう、早期に地元区である葛飾区との調整を行い、整備するべきだと考えますが、都の見解を伺います。

Q3 整備に当たっては、地域住民の要望を丁寧に把握し、要望に沿って整備することが重要ですが、都の認識を伺います。

Q4 加用水の整備とともに、南側道路も含めて一体的整備を行うことを求めますが、いかがですか。また、東金町8丁目内における「東金町ポンプ場」の区域に整備計画があるのか、伺います。

Q5 東金町8丁目公園拡張部分において、最後に東京都が取得した土地周辺の整備が行われず、フェンスで囲われただけの状態となっています。早期に整備することを求めますが、いかがですか。

Q6 東金町5丁目と8丁目の間が、都道地方主要道松戸草加線で公園が分断されています。バリアフリーに配慮した橋梁などの設置が必要と考えますが、いかがですか。東京外かく環状自動車道により、せっかくできた公園が分断されています。以前示されていた北側に公園連絡橋を設置するとともに、南側には高架下を横断する緑道の整備によって一体感を生み出すことも必要と考えますが、いかがですか。

Q7 東京外かく環状自動車道の整備運用のもとで、東金町8丁目の大気汚染等が懸念されます。現状はどうなっているのでしょうか。あわせて測定局を設けるべきと考えますが、都の見解を伺います。

 

令和2年第四回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 葛飾区東金町8丁目の加用水と水元公園との一体的整備について
1 都道松戸・草加線の雨水排水は、いつまでに止めることとなっているのか。

回答
都では、以前から当該箇所の排水系統の見直しについて、調査・検討を進めています。
現在、排水系統の見直しに向けた設計は、令和3年度末を目途に進めています。設計などの完了後に工事着手を目指し、加用水への雨水排水の排出を止める予定です。

質問事項
一の2 雨水排水の流入を止めた後、速やかに整備に入れるよう、早期に地元区である葛飾区との調整を行い、整備するべきだと考えるが、見解を伺う。

回答
加用水や区道部分の整備については、地元区や関係機関等と調整を図りながら、検討しています。

質問事項
一の3 整備に当たっては、地域住民の要望を丁寧に把握し、要望に沿って整備することが重要であるが、認識を伺う。

回答
整備に当たっては、必要に応じて地元区との調整や工事説明会等を実施することとしています。

質問事項
一の4 加用水の整備とともに、南側道路も含めて一体的整備を行うことを求めるが、見解を伺う。また、東金町8丁目内における「東金町ポンプ場」の区域に整備計画があるのか、伺う。

回答
加用水及び区道部分の整備については、地元区や関係機関等とも調整を図りながら、検討しています。また、東金町ポンプ場区域については、当面整備の予定はありません。 
 

質問事項
一の5 東金町8丁目公園拡張部分において、最後に東京都が取得した土地周辺の整備が行われず、フェンスで囲われただけの状態となっている。早期に整備することを求めるが、見解を伺う。

回答
当該土地については、これまで環境確保条例等に基づく調査等を実施しており、整備に向けた調整を行っています。

質問事項
一の6 東金町5丁目と8丁目の間が、都道地方主要道松戸草加線で公園が分断されている。バリアフリーに配慮した橋梁などの設置が必要と考えるが、見解を伺う。東京外かく環状自動車道により、せっかくできた公園が分断されている。以前示されていた北側に公園連絡橋を設置するとともに、南側には高架下を横断する緑道の整備によって一体感を生み出すことも必要と考えるが、見解を伺う。

回答
東金町五丁目と東金町八丁目との間については、都道に横断歩道が2か所設置されています。また、都市計画上、東京外かく環状自動車道と公園が重複する区域のうち、加用水及び区道部分の整備については、地元区や関係機関等と調整を図りながら、検討しています。

質問事項
一の7 東京外かく環状自動車道の整備運用のもとで、東金町8丁目の大気汚染等が懸念される。現状はどうなっているのか伺う。あわせて測定局を設けるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
都は現在、大気汚染の状況を把握するため、都内80か所で大気汚染物質の濃度を測定しており、葛飾区東金町付近では、水元公園内において一般環境大気測定局を設置し、常時測定を行っています。
過去5年間に当該測定局で測定した大気汚染物質は環境基準に適合しており、東京外かく環状道路の三郷南インターチェンジから高谷ジャンクションまでの間が開通した平成30年度以降も汚染物質濃度は減少傾向にあります。
なお、東金町付近に新たな測定局を設置する予定はありません。