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質問・条例提案

2022.06.15

本会議 福手ゆう子都議(文京区選出)の討論

2022年6月15日の本会議で、福手ゆう子都議(文京区選出)が討論を行いました。

動画 (都議会ホームページより 3分22秒ぐらいから) 

★2022年都議会第2回定例会 討論全文(原稿)です。


 日本共産党都議団を代表して、第126号議案ほか5議案に反対、その他の議案に賛成の立場から討論を行います。

 ロシアのウクライナ侵略が長期化するなか、国連憲章にもとづき全世界が団結し、一刻も早く戦争を終わらせることが求められています。それだけに今定例会では、平和への取り組みが鋭く問われました。
 東京空襲の証言ビデオなどの資料の活用・公開にむけ、都が動き出したことは貴重な前進です。この問題を、ほぼすべての会派が取り上げたことは、大きな励ましです。わが党は平和祈念館建設にむけ、ひきつづき力をつくします。

 一方、米軍横田基地の大規模な実戦的訓練や基地機能の強化、軍事同盟の強化について、知事は、国の問題だと言うだけで、都民の安全にかかわる問題だという認識が、まったくありません。
 また知事は、いまや全自治体の92%に広がっている非核平和都市宣言を、「行う考えはない」と答弁しました。憲法9条をもち、戦争被爆国日本の首都の責任者として、その資格が問われることを厳しく指摘するものです。

 わが党は代表質問で、深刻な物価高騰から都民の暮らしと営業を守りぬく提案を行いました。知事提出の補正予算案には賛成ですが、暮らしと営業の支援も、コロナ対策も、さらなる充実が必要です。

 都立学校の給食費への補助は1食あたり3・5円であり、食材費高騰に対して、あまりにも少なすぎます。
 値上げは主食以外の野菜や果物等にも及び、食料提供を行うフードバンクには、子育て世帯が増えています。子どもたちの食事を取り巻く危機的事態であり、都の支援を小中学校も含め、全ての学校に広げ増額するべきです。

 国民健康保険料・保険税は、今年度、多くの自治体で大幅値上げされ、今月から各世帯に通知が届きます。
 負担軽減について、「国が責任を持って対応すべき」との答弁でしたが、都が対応してはいけないという決まりはありません。都として緊急に負担軽減の手立てを取ることを改めて強く求めるものです。

 都内で480軒にまで減った公衆浴場は、コロナ禍と燃料費の高騰にあえいでいます。知事が補正予算を組んだことは重要ですが、燃料代への直接補助など、さらなる支援が必要です。

 八王子、国分寺の労政会館は、年間約38万人が利用していました。都民・労働者の大切な施設にもかかわらず、利用者の意見も聞かず無くすことは許されません。

 一方、1兆円も内部留保のある東京ガスなどに、12億円も減税する議案が提出されています。このような大企業減税でなく、深刻な都民の暮らしと営業を守るために消費税減税を行うことを、国に強く要請すべきです。

 コロナ対策では、感染拡大を防ぐ検査の強化を求めました。
 無症状者の定期検査で都が増やしている抗原定性検査は、PCR検査と比べて精度が低く、感染者の見落としが生じます。見落とすと感染拡大は防げません。
 定期検査等は、PCR検査を原則とするよう改めて求めておきます。

 コロナ禍でかけがえのない役割を果たしている都立・公社病院の独立行政法人化の中止を求める署名は、合計40万人分を超えました。都民や職員の理解と納得は得られていません。
先行して独法化された東京都健康長寿医療センターでは、2018年度に常勤医師が14名も減り、今年度までに5名しか補充できていません。
 知事は、独法化によって安定的かつ柔軟な人材確保を行うと言いましたが、実態は真逆です。
 7月からの独法化は立ち止まり、不採算医療を担う都立・公社病院を、都が責任をもって拡充・強化することを、改めて強く求めるものです。

 再生可能エネルギーについて、知事が普及拡大の取り組みを強化すると述べたことは重要です。
 一方、新築住宅への太陽光パネル設置「義務化」という知事の発言には、様々な疑問や意見がよせられています。
 説明が不足しており、都民は「義務化」を一方的に押し付けられるように感じているのではないでしょうか。情報提供、説明をていねいに行い、都民の意見を十分に踏まえて進めるべきです。
 電力逼迫を口実にした原発再稼働を求める議論は、福島原発事故を忘れたものであり断じて許されません。知事は都のエネルギー戦略に原発は含まないと、明言すべきです。

 神宮外苑再開発について、知事が事業者に行った要請は、計画の抜本的見直しや、都民・専門家との協議を求めるものではないことが、わかりました。
 樹木や歴史的な景観を守る立場にたった見直しを、都民・専門家との協議で進めることが必要です。

 外環道の工事は、調布の陥没事故に続き、大泉で事故を起こし、再び工事停止となりました。国とネクスコには、工事を進める能力も責任感もないことが浮き彫りになりました。
 ところが知事は、事業認可の取り消しを求めた質問に対し、答弁にすら立ちませんでした。住民の不安や怒りの声に全く応えようとしない態度と言わざるを得ません。外環道工事の中止を改めて厳しく求めるものです。

 都立高校入試で活用されるベネッセの英語スピーキングテストの実施を11月に控え、批判の声が広がっています。
 最も重視されるべき公平性や採点の正確性が担保されず、やむを得ずテストを受験できない生徒の対応でも、他の生徒の成績を参考に点数をつけるといった、入試の根幹を揺るがす事態となっています。
 知事は、不安を抱えている中学生の声を聞き、テストの実施は中止すべきです。

 今定例会の代表質問では、ほとんどの会派が痴漢対策を求め、東京で最も身近な性暴力への対策が政治課題となりました。
 また、都が痴漢対策として、関係機関と連携し、幅広く対策を取ることを初めて表明したことは重要です。痴漢ゼロ対策会議の設置や、鉄道会社などとの連携の具体化を求めておきます。

 パートナーシップ制度は、いよいよ本日、可決成立する見込みです。昨年6月、請願が全会一致で趣旨採択されたことをはじめ、セクシュアルマイノリティの当事者、都民みなさんが声をあげつづけたことが、歴史を動かしました。
 私たちは、祝福される制度にしようと取り組んできました。手続きは、オンラインと窓口の併用にすることを強く求めます。
 パートナーシップ制度ができることは、偏見や差別のなかで、自分らしく生きることを阻害されてきた当事者にとってはもちろんのこと、誰もが、自分らしく生きられる東京に前進するうえで大切です。
 子どもを除外することはあり得ません。子どもの名前を記載でき、困りごとの軽減を位置付けたことは重要です。 
 「利用者の声を聞き取り、適切に運用等を改善していく」との答弁もありました。当事者の声を汲みあげ、より良い制度に改善していくことを呼びかけます。

 また手話言語条例が本日、すべての都議会議員共同で提出されます。
 この条例も、当事者団体のみなさんが粘り強く求めてきたことが実を結んだ成果です。
 手話は独自の文法をもつ、ひとつの言語であるという認識の下、手話を獲得し、手話で学び、手話を学び、手話を使い、手話を守る環境づくりを推進する重要な条例となっています。
 乳幼児期からの手話の獲得・習得の保障、手話に通じた教員などの確保、手話通訳者の派遣などの拡充を進めるものになりました。
 すべての会派が参加して、共通認識を広げながら、議論を重ねて条例案を作ったことも、画期的なことです。
 東京都がこの条例を重く受け止め、具体化を進めることを求めるものです。

 平和と憲法にとっても、暮らしと経済にとっても、今、日本の進路が問われています。都民のみなさんの大事な意思表示の機会が、参議院選挙です。
 日本共産党は、平和でも、暮らしでも、誰もが希望が持てる日本をつくるために全力を尽くすことを表明して、討論をおわります。