熱中症から都民を守るためのエアコンの購入・使用を支援する2本の条例案について
★記者会見する(左から)白石たみお、藤田りょうこ、とや英津子、アオヤギ有希子、斎藤まりこの各都議(2022.9.21)
熱中症から都民を守るためのエアコンの購入・使用を支援する
2本の条例案について
2022年9月
日本共産党東京都議会議員団
1、提案理由
○毎年、夏の時期に多くの方が熱中症により亡くなっています。東京都監察医務院の資料によると、今年、23区で熱中症で亡くなった方は202人に上ります(速報値、9月8日時点)。亡くなった場所は、屋内が191人と大半を占めています。
○屋内で亡くなった方のうち、エアコンの使用状況が分かったのは177人でしたが、そのうちエアコンが設置されていなかった方は43人、エアコンがあっても使用していなかった方は119人で、合わせて92%に上りました。エアコンを使用していたのは15人でした。熱中症から命を守るために、エアコンの使用が極めて重要です。
○東京では、最高気温が35度以上となる猛暑日が10日を超えた年は、2009年以前は100年で1回しかありませんでしたが、2010年以降は今年を含めて7回もあり、今年は8月までに16日と過去最高を更新しました。気候変動の下で夏の暑さが深刻になる中、エアコンは熱中症から命と健康を守るための必需品となっています。
○しかし、経済的な理由でエアコンの購入が難しい方や、電気料金を節約するためにエアコンの使用を控えている方が少なくありません。しかも、コロナ危機によって景気の低迷、生活の困難が長期に及んでいるところに、電気料金を含めた物価の急速な高騰が重なり、都民のくらしと営業は深刻な打撃を受けています。安心してエアコンを使えるようにするための経済的支援は、緊急の課題となっています。
○したがって、エアコンの購入費用と使用に伴う電気料金への支援を行うため、2本の条例案を提出するものです。
2、エアコンの購入費用の補助についての条例の概要
○対象者
・自宅にエアコンがない(故障含む)世帯
・所得制限あり(都営住宅入居の基準に準拠することを考えています)
○助成額
・エアコンの購入費用(設置費用含む)の実費(7万円を上限とします)
○助成の実施方法
・区市町村を通じて助成(助成額の全額を東京都が負担)
○施行日
・2023年4月1日
3、夏期の冷房使用のための電気料金の補助についての条例の概要
○対象者
・生活保護受給世帯、中国残留邦人支援給付受給世帯
・住民税非課税世帯で次のいずれかに該当する世帯
―65歳以上の方のみの世帯
―介護保険の要介護者または要支援者のいる世帯
―障害者手帳を所持している方等のいる世帯
―難病患者、小児慢性特定疾病児童等のいる世帯
―ひとり親世帯等
○給付額
・年度ごとに1世帯5000円
○給付の実施方法
・区市町村を通じて給付(給付額の全額を東京都が負担)
○施行日
・2023年4月1日
以上