文教委員会 燃料費の直接支援など公衆浴場への支援強化を とや英津子都議(練馬区選出)
★都議会の議事録に日本共産党都議団スタッフが見出しをつけたものです。
○とや委員
公衆浴場は、現在では四百八十軒程度に減ってしまって、一時期は百軒くらい減っていた時期と比べれば、今、年々、二十軒ぐらいの減少と聞いています。
私どもは、この委員会でも、代表質問でも、浴場の支援について、活性化について、度々お聞きしてきたわけですが、地域のコミュニティの拠点としても、震災時の役割や文化的価値を考えても、都民にとって貴重な財産であります。減らさずに充実発展してもらいたいと思っています。
今回は、補正予算で、クリーンエネルギー化等推進事業で九千万円、そしてスポーツイベント等と連携した公衆浴場利用促進事業補助で一億四千万円が計上されています。どちらも、事業者にも、利用者にも喜んでもらえるように活用を進めていただきたいと思っています。
そこで、まずお聞きしたいのが、クリーンエネルギー化の推進事業です。
初めに、公衆浴場の現在使用しているエネルギーの種類とそれぞれの割合についてお答えください。
○片岡消費生活部長 令和三年の実績では、都市ガスが約七割と最も多く、次いで、雑燃料、重油、廃油等の併用が約二割となってございます。
○とや委員 ガスへの切替えが進んできて、ほとんどがガスを活用して営業しているということです。
今回の補助は、クリーンエネルギーということで、これまであった二分の一の補助を三分の二に引き上げて活用を図ってもらいたいということなんですけれども、私たち、この間、浴場さんに、銭湯に何回か訪ねて伺ってきました。
太陽光発電を既に利用している方もいらっしゃいました。その方は、七台、屋根に上げているそうですが、夏は百度のお湯が千リットルぐらい取れるので、足しにはなるということをお聞きしました。
ところが、この間のクリーンエネルギー、太陽光やLEDの利用の実績を見ますと、非常に少ない。この五年間を見ても、太陽光は一件とか、ない年も、ゼロとかいうことがありました。
補助率を上げて、太陽光については、それに関わる費用について、蓄電池とかもつけて補助するということですから、利用拡大につなげられることを期待しています。
一方、私たちは、この間、浴場の経営者さんたちからお話を伺うと、やはり燃料については直接の支援が重要だということをおっしゃっています。これは本当に重要だと思ったんです。
コロナ禍で自主的に一か月半休業した方が、痛手は非常に大きいと訴えていらっしゃる方、サウナをやっている方は、感染拡大協力金をもらったけれども、間に合わないという方もいらっしゃいました。利用者が減った浴場もあれば、何とかお客さんを減らさない努力をしている浴場もありました。
そういう努力をしながらも、一番負担が大きいのが水光熱費、特にガス代だというふうにおっしゃっています。燃料は、ガスを皆さん使っているのですけれども、料金が非常に上がって大変だという声を聞いてきました。ある浴場では、キロリットル十万円上がってしまったというところもありました。
直接の補助や、水道代、電気代への補助も必要ではないでしょうか。
○片岡消費生活部長 今回の措置は、国の臨時交付金を財源としているものなんですけれども、省エネ、創エネの促進を行うものでありまして、都の独自予算でのガス代への直接補助を行う考えはございません。
水道料金、下水道料金については、現在も減免制度がございます。
○とや委員 ガス代への補助はしていないということであります。
燃料費への補助は、都内の自治体の事業を見ますと、行っている区とそうでない自治体があります。このような差が、結構、自治体によってあるわけで、それをカバーする上でも、東京都がガス代などの補助をすることは重要だと考えます。
今回、臨時交付金を活用してクリーンエネルギーの導入ということですけれども、都独自の予算を組んでいただいて、公衆浴場の支援を強化していただきたいと求めておきます。
スポーツイベントのモバイルクーポン、それから、定期的な変わり湯も、今回実施されるということです。利用客がこれで増えていけばいいなと思うのですが、この間、東京都は、浴場活性化支援実証事業を平成三十年から令和二年の三年間やってきて、終了をしています。公衆浴場が五百軒を切って、固定客はもちろん、今後どのようにお客を増やしていくのかが課題だと思います。
特に、この間、コロナ禍で予定されていたイベントも中止になるなど、浴場にとっても、非常に苦難が続いてきたと思います。
今回、スポーツ、文化イベントとのコラボで、都民に公衆浴場を知ってもらう機会となり、それをきっかけに、また行ってみようという行動につながるということを目的とされているということですが、まずお聞きしますが、このモバイルクーポンですが、どういう文化、スポーツ事業が対象になるのか。そして、スポーツの参加者あるいは観戦者ともに配布をするのかどうか、確認をさせてください。
○片岡消費生活部長 無料入浴券につきましては、多くの都民が参加するイベント等と連携し、会場等において配布します。来場した方がご入手いただけます。
○とや委員 来場すれば、参加者、観戦者ともに配布してもらえるということですが、大体、十二万人ぐらいだというふうにお聞きしていますが、もらったとしても、行ける銭湯と行かない銭湯が出てきてしまうというのは、そういった懸念は各方面からあると思いますので、満遍なくこのクーポンを各浴場で享受できるように、努力、広報などもしていただきたいと思います。
それから、定期的に変わり湯を実施するということですが、定期的というのはどのくらいの間隔をいうのか、教えてください。
○片岡消費生活部長 実施回数につきましては、現在、浴場組合と調整中でございます。
○とや委員 調整中ということでありますが、変わり湯についていえば、各自治体でやはり補助を行っているところもあって、様々、取り組まれております。
今回の取組が、先ほども申し上げましたが、銭湯に行ったことがない人が銭湯の魅力を知るきっかけになればよいと思いますが、こういった取組というのは、続けなければ、いずれ利用者は遠のいてしまうんじゃないかというふうに思います。広く活用できるように、広報もしっかりしていただきたいということを求めておきます。
そして、やっぱり根本的な問題として、これ以上、公衆浴場を減らさないということが非常に大事だと思います。
安定的に経営できる環境をつくってほしいなと思いますが、その重要性についてお答えください。
○片岡消費生活部長 都はこれまで、浴場組合が実施する情報発信等への補助や改築支援など、様々な補助事業を通じて公衆浴場を支援してまいりました。
今回、これらに加えて、新たに、スポーツ、文化イベント等と連携した利用促進と、省エネ、創エネに資する設備の設置支援の拡充を行います。
○とや委員 その重要性を聞いたのですけれども、はっきりとお答えいただけませんでした。この間も様々な、代表質問でも、あるいは一般質問等でも、この重要性については、東京都も自覚して認識しているわけだから、きちんと正面から答えていただきたかったなと思います。
以 上