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質問・条例提案

2021.12.15

文書質問 川辺堀之内土地区画整理事業にかかわる不正疑惑について・他 清水とし子都議(日野市選出)

2021年第4回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和3年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 清水とし子
質問事項
一 川辺堀之内土地区画整理事業にかかわる不正疑惑について
二 市立たかはた保育園の民営化にかかわる問題について


一 川辺堀之内土地区画整理事業にかかわる不正疑惑について

 2021年2月、日野市の元副市長が虚偽の土地区画整理事業計画を提出して市の補助金8,000万円をだまし取った容疑で逮捕されました。そして11月18日、懲役2年6か月の実刑判決がくだされました。この裁判のなかで、元副市長の逮捕容疑となった2018年以外にも不正な会計操作が行われていたことが判明しており、その全容解明が求められています。
 また、組合業務を受託していた企業公社に関して、組合業務に従事していない本社職員に休日手当などが支払われていたことが判明しており、この問題についても調査、解明が求められます。

1 市職員が、区画整理組合の業務委託を受けることは、地方公務員法第38条(営利企業等の従事制限)の「職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」に抵触すると考えますが、いかがですか。

2 日野市の臨時職員である元副市長が、区画整理組合の業務を受託することは、地方公務員法の兼業規定に抵触すると考えますが、いかがですか。

3 川辺堀之内土地区画整理組合が、元副市長個人と業務委託契約を結んでいたことは不適切であると考えますが、いかがですか。

4 元副市長の業務委託契約に関する事実を把握した段階で、都は組合と日野市に是正を求めるべきであったと考えますが、いかがですか。
 当時、そうした対応がとられなかったのはなぜですか。

二 市立たかはた保育園の民営化にかかわる問題について

 2021年11月15日に公表された「大坪市政における地方公務員法違反疑惑及び旧日野市立たかはた保育園の機能移転に伴う一連の疑惑に関する第三者実態調査委員会報告書」(以下、第三者委員会報告書)では、元副市長はたかはた保育園の民営化に伴う民間保育園の新設にも最初から最後まで関わっていたことが明らかになりました。この民間保育園に関して元副市長は、補助金増額をくり返し要求しており、都が交付した内装費や家賃への補助について、改めて調査することが求められています。
 たかはた保育園の廃止に伴い、民間保育園が新設されました。
 この民間園は、地主が建物を建設し、その一部に保育園が入るという形態でしたので、内装工事についての補助金申請を2013年に都に申請し、2億1,317万8千円の補助金が交付されました。
 その後、2014年3月20日付けで内装工事に関する工事請負変更契約が行われました。
 しかし、日野市は、そのことは東京都に報告せず、2014年4月10日付で2013年度保育所緊急整備事業補助金の実績報告書を提出し、工事の完了を報告しています。
 都の「保育所緊急整備事業補助要綱」は、その第8の2項で「補助金交付決定後、事情の変更により、申請の内容を変更する場合は、別に定める期日までに必要な書類を添付して変更交付申請を行うものとする」と定めています。
 補助要綱に照らして、日野市の対応は不適切であったと考えますが、いかがですか。

 

令和3年第四回都議会定例会
清水とし子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 川辺堀之内土地区画整理事業にかかわる不正疑惑について
1 市職員が、区画整理組合の業務委託を受けることは、地方公務員法第38条(営利企業等の従事制限)に抵触するが、見解を伺う。

回答
地方公務員法第38条第1項によれば、一般職に属する全ての地方公務員(同項ただし書の非常勤職員を除く。)は、任命権者の許可を受けなければ、営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならないとされています。

質問事項
一の2 日野市の臨時職員である元副市長が、区画整理組合の業務を受託することは、地方公務員法の兼業規定に抵触するが、見解を伺う。

回答
元副市長の任命権者であった日野市長によれば、元副市長が市立病院に勤務する臨時職員でありながら、報酬を得て当該区画整理組合の業務を受託したことは、地方公務員法第38条に違反する行為だとしています。

質問事項
一の3 川辺堀之内土地区画整理組合が、元副市長個人と業務委託契約を結んでいたことは不適切だが、見解を伺う。

回答
元副市長の任命権者であった日野市長によれば、元副市長が市立病院に勤務する臨時職員でありながら、報酬を得て当該区画整理組合の業務を受託したことは、地方公務員法第38条に違反する行為だとしていることからすれば、当該区画整理組合が元副市長と契約していたことは適切ではないと考えます。

質問事項
一の4 元副市長の業務委託契約に関する事実を把握した段階で、都は組合と日野市に是正を求めるべきだが、見解を伺う。当時、そうした対応がとられなかったのはなぜか伺う。

回答
都は、平成29年7月に都民から元副市長の当該区画整理組合の相談役への就任の有無について問合せを受け、当該区画整理組合に対して当該区画整理組合と元副市長との雇用関係を確認したところ、「元副市長の相談役への就任については、総会に諮り、組合員に了解を得ている」とのことでした。
元副市長と当該区画整理組合が業務を委託契約していた事実については、その際把握したものであり、書類上明白な法令違反は認められませんでした。
その後、都は、令和2年2月12日に日野市から日野市の元副市長の不正疑惑に関する第三者委員会の報告を踏まえた当該区画整理組合の事業運営に係る調査の依頼を受け、調査を進める中で組合の会計の不正に関して把握したことから、同年5月に是正の勧告を行いました。

質問事項
二 市立たかはた保育園の民営化にかかわる問題について
たかはた保育園の廃止に伴い新設された民間保育園は、内装工事についての補助金を都に申請し、交付された。その後、変更契約が行われたが、日野市は、そのことは都に報告せず、補助金の実績報告書を提出し、工事完了を報告している。都の補助要綱は「補助金交付決定後、事情の変更により、申請の内容を変更する場合は、別に定める期日までに必要な書類を添付して変更交付申請を行うものとする」と定めている。補助要綱に照らして、日野市の対応は不適切であったが、見解を伺う。

回答
平成25年度の保育所緊急整備事業における補助金の手続きは、保育事業者が区市町村に申請し、区市町村は施設整備計画や所要経費等を精査した上で、都に交付申請することとなっていました。
補助金を申請した工事等の内容に変更がある場合は、保育事業者は区市町村に変更申請し、区市町村は内容を確認した上で、都に変更交付申請することとなっていました。
申請手続きは、都の補助要綱に基づき行われており、都が改めて日野市に確認したところ、補助金交付申請に係る工事が申請どおりに完了したことを確認した上で、都に実績報告したとの説明を受けています。