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質問・条例提案

2022.03.25

文書質問 東京外かく環状道路(関越から東名まで)について 里吉ゆみ都議(世田谷区選出)

2022年第1回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 里吉ゆみ

質問事項
一 東京外かく環状道路(関越から東名まで)について


一 東京外かく環状道路(関越から東名まで)について

 東京外かく環状道路(関越から東名まで)16キロメートルをめぐっては、調布陥没事故現場付近はじめ周辺住民が起こした裁判で9キロメートル部分の工事差し止めの仮処分決定が下されました。陥没事故の再発防止策を事業者が示すことができない以上、当然であり、16キロメートル全ての事業区間の中止を求める声が多くの都民からあがっています。
 ところが国もネクスコも大泉JCTから中央JCTまでについては住民の反対を押し切って掘進を再開しました。
 このまま工事を進めることは、陥没地域周辺住民には圧力と不安、恐怖を与えることになり、断じて許されることではありません。さらに、16キロメートルがつながる見通しもなく無駄に税金を使うだけではないでしょうか。
 東京都はこうした国と事業者に対し、丁寧な対応、細やかな対応を求めるのみで、実際には丁寧どころか、強引なやり方が進められてきたのが実情です。
 そもそも国も事業者も住民に納得のいく説明をしてきませんでした。
 工事に関連し、以下うかがいます。
 国とネクスコがこの間、住民に対して行った説明や報告は、もっぱらトンネル直上の陥没・空洞の推定メカニズムの調査結果に限られたものでした。
 そこでお聞きします。

1 調布陥没事故で起きた家屋・地盤損傷がなぜ起きたのか。メカニズムについてお答えください。
この間の建設委員会などでの質疑では、陥没事故で補償対象とされた地域以外でも家屋損害があることが報告されていますが、個別対応すると答えるのみで、何件と交渉しているのか明らかになっていません。

2 補償対象地域外の家屋損傷について、補償を約束した家屋はあるか。また、調査中の家屋はあるか。

 もともと外環自動車道の事業期間は2021年3月まででした。時代が変わってきていると思います。

3 外環自動車道を整備する目的の一つに、首都圏道路の渋滞緩和とあるが、どの道路の渋滞が緩和するのでしょうか。
大深度法そのものも問われています。

4 大深度法では事業区域に事業者の「使用権」が設定されています。しかし、土地の所有者の「補償」については規定がありません。これは、土地の所有者に損失を与えないことを前提としているからです。そのため、所有者の承諾を必要としていません。
ところが調布の事故が起き、その前提が崩れたのではないか。

5 すでに練馬の大泉JCTと中央JCTから掘進が再開されているが、3D点群データはいつからどのように計測しているか、うかがう。

令和4年第一回都議会定例会
里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 東京外かく環状道路(関越から東名まで)について
1 調布陥没事故で起きた家屋・地盤損傷がなぜ起きたのか。メカニズムを伺う。

回答
 外環事業は国及び高速道路会社により事業が進められています。
 令和2年に調布で発生した陥没・空洞事故は、特殊な地盤条件下において、シールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工が要因と推定され、施工に課題があったことが、有識者委員会で確認されました。
 当該作業を行う過程で、土圧の不均衡が生じて地山から土砂がチャンバー内に流入し、結果として地山に緩みが発生したことにより、緩み領域がトンネル直上で煙突状に進展したと推定されています。
 事業者がホームページにおいて、説明会で頂いた質問等への回答として、「家屋損傷については、陥没・空洞箇所周辺で、トンネル通過前後の家屋調査の比較において、損傷の拡大及び新たな損傷が確認されており、トンネル掘進による地表面変位や振動の影響により生じたものであることの否定は難しい」と掲載しています。

質問事項
一の2 補償対象地域外の家屋損傷について、補償を約束した家屋はあるか。また、調査中の家屋はあるか伺う。

回答
 事業者は補償対象地域以外からのお問合せについて、個別に状況を確認の上、対応することとしており、これまで数件の問合せがあったと聞いています。

質問事項
一の3 外環自動車道を整備する目的の一つに、首都圏道路の渋滞緩和とあるが、どの道路の渋滞が緩和するのか伺う。

回答
 首都高や圏央道等の高速道路や、環状8号線や国道20号等の幹線道路などの渋滞緩和が見込まれています。

質問事項
一の4 大深度法では事業区域に事業者の「使用権」が設定されているが、土地の所有者の「補償」については規定がない。これは、土地の所有者に損失を与えないことを前提としているからであり、所有者の承諾を必要としていない。ところが調布の事故が起き、その前提が崩れたのではないか、見解を伺う。

回答
 大深度法に関することについては、所管する国において判断されるものと考えます。

質問事項
一の5 すでに練馬の大泉JCTと中央JCTから掘進が再開されているが、3D点群データはいつからどのように計測しているか、伺う。

回答
 事業者は、令和3年12月に大泉及び中央側の「再発防止対策及び地域の安全・安心を高める取り組み」をとりまとめ、地表面変状の把握に当たって、これまで行ってきた水準測量や衛星データの活用に加え、新たに3次元点群データを計測するとしています。
 事業者からは、大泉ジャンクション側で令和4年2月から、中央ジャンクション側で同年3月から、モービルマッピングシステムにて計測を実施していると聞いています。