文書質問 都営辰巳一丁目団地建替事業について・他 あぜ上三和子都議(江東区選出)
2022年第1回定例会で、以下の文書質問を提出しました。
令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 あぜ上三和子
質問事項
一 都営辰巳一丁目団地建替事業について
二 都の相談事業及び問い合わせ電話について
一 都営辰巳一丁目団地建替事業について
都営辰巳一丁目団地は、87棟3,326戸の大規模な団地ですが、現在、建替工事が進められています。建替工事が始まって既に9年がたとうとしていますが、4期14年で2027年には完成予定が、現時点で予定より3年遅れています。
建替期間中は新規の入居募集は停止されているため、空き住戸も増えているのが実態です。また、階段の昇降が困難な高齢者も増えています。
都営辰巳一丁目団地にお住まいの方々からは、「早く建替を進めてほしい」「果たして自分が生きている間に新しい住まいに引っ越せるのか、見通しを示してほしい」「これ以上延びるのであれば、エレベーターのある棟か1階に引っ越せるようにしてほしい」と切実な声が寄せられています。
現在、第3−1期の解体工事が5月末までに完了し、今後建替工事に入りますが、その後の工事完了の見通しや、3−2建替計画、第4期建替計画の見通しは明らかになっておらず、住民の皆さんは不安を抱えています。
1 工事の進捗状況を明らかにしてください。また、工事が遅れている原因と、今後の見通しをお示しください。
また、エレベーターのない棟に住む高齢者の方は、階段の昇降が困難になっていて住戸を変更しなければ生活に支障をきたす状況ですが、住宅変更を申請すると、団地内は認められず住み慣れた団地を離れなければなりません。団地ができた当時から入居しているある高齢者の方は「50年近くも辰巳団地に住み、ご近所の方々とも交流があったからこそ安心して住み続けられた。高齢になって別の団地に行き、また新しいコミュニティを築くなどとてもできない」と、将来の不安の声を上げています。
都営住宅条例第二十三条二号では、特別の事情があるときは住宅の変更が認められています。また、条例施行規則にも同じ団地内の移動はできない旨の記載はありません。
2 辰巳団地の場合は、建替対象となっていないエレベーター付き住宅(2街区9号棟)がありますが、その住宅での空き住戸は何戸ありますか。また、階段の昇降が困難で住み替えを急いでいる方が、希望すれば、その住宅に本入居できるようにするべきではありませんか。
3 都営辰巳一丁目団地の中には、建替対象外とならざるを得ない棟も残っていますが、耐震補強工事が行われていないため、住民の早急な移転が必要です。どのように対応されるのか伺います。
4 建替計画の遅れの中で、建替対象の住棟では排水管の老朽化も深刻で、各住棟ごとに毎年排水管の清掃を行っていますが、空き住戸も多くあることから清掃をしても空家の住戸の清掃が実施されずに排水管が詰まる等のトラブルが絶えない状態です。都が管理者の責任として、こうした都営住宅の排水管の清掃は行うべきです。いかがですか。
5 本建替工事計画では、高齢者施設用地が確保されています。身近で相談できる地域包括支援センターや、家族がすぐに会いに行ける特養ホーム、グループホームなど地元江東区とも協議し、地域住民の要望に応えた高齢者施設整備を求めますが、いかがですか。また、区とどのような協議を進めていますか。現在の進捗状況も含めお答えください。
6 住民からは「建替えによって郵便局、医療機関がなくなってしまうのではないか」「様々な年代がいる多様性のある活気ある団地にしてほしい」など声が寄せられています。住民の要望をよく聞き、住民が不安にならないよう建替事業をすすめるよう求めますが、認識を伺います。
二 都の相談事業及び問い合わせ電話について
以前から、私はコロナ禍の飲食店等における協力金の申請手続きの電話相談窓口を無料にすべきだと求めてまいりました。ある方は、協力金の相談窓口に電話したところ「お待ちください」と言われ、30分以上電話を待たされることが度々あったと言います。ある月の電話代は5万8千円で今まで請求されたことのない金額になっていたそうです。現在の感染拡大防止協力金等コールセンターは、今もなおナビダイヤルです。
また、自殺対策としての「こころといのちのホットライン」では生きているのがつらいという深刻な悩みを相談する窓口であるにもかかわらず、ナビダイヤル対応となっており、「コロナで生活が苦しくなって悩んだ末に電話したのに多額の電話代の請求に愕然とした」との声が寄せられました。さらに都営住宅の減免申請のお客様センター窓口もナビダイヤルの対応です。
あらためて、都の様々な相談窓口の電話について調べたところ、同じ局内でもナビダイヤルを使用しているところ、都の直接窓口を利用しているところ、フリーダイヤルを使用しているところと様々ありました。そこで伺います。
1 都としてナビダイヤルにする統一した判断基準があるのですか。
2 現在、相談窓口・問い合わせをナビダイヤルで対応しているところは具体的にどこですか。
3 行政としての相談を受ける窓口は都の直接窓口かフリーダイヤルにすべきではありませんか。
令和4年第一回都議会定例会
あぜ上三和子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 都営辰巳一丁目団地建替事業について
1 工事の進捗状況を伺う。また、工事が遅れている原因と、今後の見通しを伺う。
回答
都営辰巳一丁目団地建替事業は、4期に分けて実施することとしており、平成25年度から第1期事業を開始しました。
平成29年度に着手した第2期事業は、入札不調による工事着手の遅延及び新型コロナウイルス感染症の影響による工事の一時中止などがありましたが、令和4年度中の完了を目指しています。
引き続き、第3期事業は令和5年度に、第4期事業は令和9年度以降に着手することを予定しています。
質問事項
一の2 辰巳団地の場合は、建替対象となっていないエレベーター付き住宅(2街区9号棟)があるが、その住宅での空き住戸は何戸あるか伺う。また、階段の昇降が困難で住み替えを急いでいる方が、希望すれば、その住宅に本入居できるようにするべきではないか、見解を伺う。
回答
都営辰巳一丁目アパート9号棟は、現在、建替計画の対象とはしていませんが、昭和40年代に建設された住棟であり、住戸内の老朽化も進んでいることから、居住者から返還された住戸については、公募停止としています。
空き住戸の数は、こうした公募停止住戸も含め51戸となっています。
今後、移転対象となる住棟の居住者の方には、建替えを行った住棟に移転していただくことになります。
質問事項
一の3 都営辰巳一丁目団地の中には、建替対象外とならざるを得ない棟も残っているが、耐震補強工事が行われていないため、住民の早急な移転が必要だが、どのように対応されるのか伺う。
回答
都営住宅耐震化整備プログラムにおいて、令和7年度末までに都営住宅の耐震化率100パーセントとする目標を設定しています。
そのため、都営辰巳一丁目団地の耐震性が不足する住棟については、令和7年度末までに居住者の移転を完了するように進めていきます。
質問事項
一の4 建替計画の遅れの中で、建替対象の住棟では排水管の老朽化も深刻で、各住棟ごとに毎年排水管の清掃を行っているが、空き住戸も多くあることから清掃をしても空き家の住戸の清掃が実施されずに排水管が詰まる等のトラブルが絶えない状態である。都が管理者の責任として、こうした都営住宅の排水管の清掃は行うべきだが、見解を伺う。
回答
都営住宅における排水管の清掃については、東京都営住宅条例第16条に基づき居住者のみなさまが費用を負担することとなっており、都では清掃作業における注意事項や相談窓口について、居住者向け広報誌の「すまいのひろば」にて周知しています。
なお、団地の自治会から都に対して清掃の依頼があった場合には、都が居住者のみなさまから必要な費用を共益費として徴収し、排水管清掃を実施しています。
質問事項
一の5 本建替工事計画では、高齢者施設用地が確保されている。身近で相談できる地域包括支援センターや、家族がすぐに会いに行ける特養ホーム、グループホームなど江東区とも協議し、地域住民の要望に応えた高齢者施設整備を求めるが、見解を伺う。また、区とどのような協議を進めているのか、現在の進捗状況も含め見解を伺う。
回答
都営辰巳一丁目団地建替事業について、都では、江東区と協議を行いながら実施しており、高齢者施設等についても、建替事業の進捗を踏まえ、団地の中央部に約3,000平方メートルの整備用地を計画しています。
詳細については、引き続き区と協議していきます。
質問事項
一の6 住民の要望をよく聞き、住民が不安にならないよう建替事業をすすめるよう求めるが、認識を伺う。
回答
都営辰巳一丁目団地では、老朽化した住棟の更新にあわせて、公園、子育て支援施設及び高齢者施設等の整備による地域コミュニティの活性化を図るなど、計画的に建替えを実施しています。
さらに、団地南側のエリアで、今後、建替事業により創出される用地については、区のまちづくりと連携した活用を図ることとしています。
引き続き区と協議を行うとともに、計画説明会などを通じて、自治会や居住者等に丁寧に説明を行いながら、建替事業等を進めていきます。
質問事項
二 都の相談事業及び問い合わせ電話について
1 都としてナビダイヤルにする統一した判断基準があるのか、伺う。
回答
相談窓口の電話をナビダイヤルにするかどうか等については、各局部署において、事業の実態等を踏まえて判断しています。
質問事項
二の2 現在、相談窓口・問い合わせをナビダイヤルで対応しているところは具体的にどこか伺う。
回答
各局部署において、事業の実態等を踏まえて対応しています。
質問事項
二の3 行政としての相談を受ける窓口は都の直接窓口かフリーダイヤルにすべきだが、見解を伺う。
回答
各局部署において、事業の実態等を踏まえて適切に対応しています。