本会議 曽根はじめ都議(北区選出)の代表質問
2022年12月7日の本会議で、曽根はじめ都議(北区選出)が代表質問を行いました。
★動画(都議会ホームページです。令和4年第4回定例会 > 12月7日代表質問をご覧ください)
★質問全文(質問原稿)です。
一、経済政策について
二、暮らしの支援について
三、学校給食について
四、賃金の引き上げについて
五、中小企業・小規模事業者への支援について
六、芸術文化について
七、新型コロナ対策について
八、都立病院について
九、教育について
十、ジェンダー平等について
十一、気候変動対策について
十二、住宅の耐震改修について
十三、東京五輪について
十四、神宮外苑再開発、外環道について
十五、オスプレイについて
十六、統一協会について
★答弁(議事録速報版より)
- 知事(小池百合子君)
- 副知事(武市敬君)
- 副知事(潮田勉君〕
- 教育長(浜佳葉子君)
- 東京都技監(中島高志君)
- 主税局長(小池潔君)
- 財務局長(吉村憲彦君)
- 水道局長 (古谷ひろみ君)
- 福祉保健局長(西山智之君)
- 住宅政策本部長(山口真君)
- 総務局長(野間達也君)
- 産業労働局長(坂本雅彦君)
- 生活文化スポーツ局長(横山英樹君)
- 福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君)
- 環境局長(栗岡祥一君)
- 都市整備局長(福田至君)
- 政策企画局長(中村倫治君)
★再質問と答弁(議事録速報版より)
日本共産党都議団を代表して質問します。
一、 経済政策について
物価高騰とコロナ禍から、都民のいのちと暮らし、営業を守り抜くことが、東京の経済を立て直すうえでも急務です。
Q1 生鮮食品、電気・ガス代など、生きるために欠かせないものが軒並み大幅値上げで、暮らしと営業を追いつめています。
知事は所信表明で、世界競争力や、株価の時価総額ランキングで日本の順位が低いことをあげ、この現実を正面から受け止めなければならないと述べました。
しかし、知事が正面から受け止めるべきは、都民の暮らしと営業の現実ではありませんか。
出費が増えたのに給料が上がらない、年金が減らされ生活できない、バイト代が激減したなどの声が街にあふれ、多くの中小企業・小規模事業者が廃業の危機にあることを、知事はどう受け止めていますか。
Q2 一方、大企業の内部留保は505兆円にもおよびます。
知事、適正な内部留保は必要ですが、これほどのためこみは異常だと思いませんか。大企業の内部留保を、賃上げとグリーン投資などに使うことが重要だと思いますが、いかがですか。
Q3 消費税の緊急減税は、物価高騰から家計を守り、消費をあたためて景気を回復させる効果があることを、どう考えていますか。
Q4 都税収入は、法人二税をはじめ過去最高水準がつづいています。基金全体の残額も2兆円を超えています。
住民福祉の増進を責務とする地方自治体として、この財政力を、都民のいのちと暮らし、営業を守り抜くために、来年度予算で思い切って使うことが必要です。見解を伺います。
具体策について提案します。第一に、暮らしの支援です。暮らしのひっ迫で、水道料金の滞納が増えています。
ところが都は、これまでなるべく給水停止にしないために行ってきた、検針員による戸別訪問を非効率だとして、今年度から中止してしまいました。その結果、給水停止件数は昨年度にくらべ倍増しています。水が止められたら、お米が配られてもご飯を炊けません。お風呂に入れずトイレも流せません。給水停止で脅して支払わせるのは、地方自治体がやることではありません。
Q1 上下水道の基本料金を免除する自治体は、9月には全国で約160自治体でしたが、いまでは250を超える自治体にまで広がっています。ご存じですか。
Q2 速やかに上下水道料金の負担軽減に踏み出すことが必要です。いかがですか。
Q3 国民健康保険料の値上げも深刻です。
先月末の東京都国保運営協議会に示された現時点の試算では、来年度の一人当たり保険料は、今年度に比べ約1万5千円、8・9%もの大幅値上げとなります。協議会の座長も、8・9%増というのは普通はあり得ない、国レベルで変えていくことが必要だと発言しました。区長会なども都の財政支援を求めています。
都民に過大な負担とならない対策を国に求めるとともに、都として区市町村に対し、国保料軽減のための財政支援をすべきです。答弁を求めます。
住まいの支援も重要です。
Q4 住宅セーフティネットの要である都営住宅は、新規建設が23年間停止され、何度申し込んでも入れない深刻な状況です。
国は新規建設も補助対象としており、沖縄県は県営住宅の新規建設をしています。
住宅に困っている人が都営住宅に入れるよう、年間5千戸規模の緊急新規建設を行うことを提案します。いかがですか。
Q5 若い人にも入居を広げる見直しや、毎月募集の戸数をさらに増やすことも重要です。見解を伺います。
Q6 住まいを失った方などの、年末年始の居場所が必要です。誰ひとり取り残さず、温かい場所で過ごせるように、ホテルの確保を行うべきです。いかがですか。
Q7 ひとり親家庭の暮らしの困難は、とりわけ深刻です。
支援団体が行った物価高による影響調査では、ひとり親家庭の8割が、子どもの靴や衣類を買えないことがあったと答えています。
6割以上の親が、自分の食事を減らして子どもにだけはなんとか食べさせようとしており、エアコンや暖房を使わない、入浴回数を減らすなどの節約を強いられています。
自由記述には、「穴が空いた靴でがまん」「肉や野菜が買えない」「お金が準備できず修学旅行に行けなかった」などの声が寄せられています。
知事、ひとり親家庭のこのような切実な実態を、どう受け止めていますか。
Q8 ひとり親家庭を支える児童育成手当の支給額は、26年間も据え置かれています。
児童育成手当の重要性をどう認識していますか。直ちに引き上げるべきですが、いかがですか。
Q9 子ども食堂やフードパントリーへの補助を、さらに拡充することも重要です。認識と対応を伺います。
Q10 来年度から子どもの医療費助成が、18歳まで広がります。大事な前進ですが、多摩格差解消は知事の公約であり、補助率の引き上げを含め、多摩地域でも23区と同様、完全無料化できるようにすべきです。見解を伺います。
Q11 また、来年度予算で市町村総合交付金の大幅増額が必要です。いかがですか。
Q1 学校給食は、物価高騰の下、深刻な事態に直面しています。
「果物を半分にした」「必要なカロリーの確保が困難になっている」などの声が、あがっています。
「食材費は保護者負担」という対応では、給食の質を下げるか、保護者負担を増やすか、どちらかの選択しかありません。
知事は、こうした現状をどう認識していますか。給食の質の確保も、子育て世帯の負担軽減も、どちらも大事ではありませんか。
葛飾区が無償化に踏み出し、台東区長が、物価上昇は「看過できない」として、当面の間、保護者負担ゼロで学校給食を提供すると表明しました。清瀬市や青梅市なども、時限的な無償化を実施しています。
同時に、やりたくても財政的に難しい自治体が少なくありません。国、東京都、区市町村が連携した取り組みが必要です。
Q2 給食費の無償化に使える臨時交付金の継続を国に求めるとともに、都として区市町村への財政支援に踏み出すべきです。見解を伺います。
Q3 都教委が、コメ粉パンや地場野菜などを活用した給食への補助を、予算要求したことは重要です。この事業で、区市町村に都として補助を出す意義をお答え下さい。
第二に、賃金の引き上げです。
Q1 急激な物価高騰の下、労働者の賃金の引き上げは、生活を守るうえでも、経済の活性化のためにも待ったなしです。
「人」の力を高め、「人」の力を引き出すと言うなら、知事みずから都内の経営者団体に対し、賃金の大幅引き上げを要請することが必要ではありませんか。
Q2 東京商工会議所は、「東京都の中小企業対策に関する重点要望」で、積極的な賃上げを促す助成の拡充を求めています。
賃金引き上げのための中小企業・小規模事業者支援の重要性を、どう認識していますか。
Q3 第3回定例会の補正予算で、魅力ある職場づくりを進める企業への補助対象に、「賃上げ」を加えたことは重要です。
中小企業の賃上げを支援する助成制度を、抜本的に拡充すべきではありませんか。
Q4 最低賃金に近い時給で働く人もいる、都の会計年度任用職員の賃金を引き上げるべきですが、いかがですか。
Q5 他の業種に比べて著しい低賃金であり、そのことが人材確保の困難にもつながっている保育・介護・障害などのケア労働者の賃金は、都の財政支援で改善できます。認識と対応を伺います。
第三に、中小企業・小規模事業者への支援です。
Q1 東京の経済を支え、生産の5割、雇用の7割を担う中小企業・小規模事業者は、コロナ禍、物価・原材料の高騰と、過剰債務の三重苦に苦しんでいます。この年末を乗り越えられるかどうかの危機に直面する事業者への支援を、急ぐ必要があります。
「コロナ対応のゼロゼロ融資」を融資限度枠から外し借入枠を増やす、返済猶予期間の利子を都が負担するなど、都として保証協会とも協議して進めることを提案します。いかがですか。
日本のアニメや漫画は、世界中に普及し愛されていますが、その業界で働く人々が、インボイス制度によって仕事を続けられるかどうかの窮地に立たされています。
アニメーターの多くは年収300万円未満、漫画家のアシスタントは多くがフリーランスとして年収150万円程度で働いています。
インボイス制度が導入されれば、日本のアニメ・漫画文化を支えてきた、こうした方たちは、免税業者ではなく課税業者となり、適格請求書を出さなければ仕事をもらえなくなる可能性があります。
関係者へのアンケートには、「私は一生、国に夢と職を奪われたのだと、自国を恨んでしまうかもしれません」など、切実な声が寄せられています。
単価の高い中国発注アニメに人材が流れ、優秀な技術者や新人が育てられなくなることで、日本のアニメ業界の衰退を懸念する声もありました。
Q2 日本の文化の担い手や、技術を磨き頑張ってきた多くの若者から、夢を奪い、才能の芽を摘み、文化の衰退を招く、インボイス制度導入の中止を国に求めるべきです。いかがですか。
Q1 演劇緊急支援プロジェクトのアンケートに、9百件近い回答が寄せられ、約5割の方が、コロナ第7波による公演の中止や延期があったと回答しました。
時間をかけて作り上げた作品が中止になった無念さ悔しさや、経済的打撃が語られ、次の世代が育たないとの声も寄せられています。
知事は、芸術文化の担い手であるアーティストが活動を継続できるための支援に、どう取り組むのですか。
Q2 コロナ禍で、子どもや若者が芸術文化に触れる機会が激減しており、次の世代が育つ環境整備がいまこそ重要です。来年度予算で、そのための事業を思い切って拡充する必要があります。見解を伺います。
新型コロナ対策について知事は、先手先手で手立てを講じると述べました。しかし早くも第8波が始まり、1日当たり陽性者数が1万人を超えており、すでに出遅れています。
Q1 インフルエンザとの同時流行による感染急拡大も懸念されています。これまでの経験を生かすというなら、医療崩壊を起こさないためには、感染者数を増やさない取り組みがとりわけ重要です。知事の認識を伺います。
Q2 知事は所信表明で、ワクチン接種を呼びかけましたが、今回もPCR検査に触れませんでした。感染者数を増やさないカギを握るのは、ワクチン接種と同時に、無症状の陽性者を早期に発見する検査です。
ところが、都の無料検査の件数は、ピークだった8月上旬の4分の1近くまで減っています。
人の往来が活発になる年末年始を控えたいま、検査体制を急いで強化するとともに、検査を受ける人が増えるよう、知事が、つよく発信することを求めるものです。いかがですか。
Q3 職場など、身近な場所で検査ができるようにすることも重要です。PCR検査を実施する企業・事業所等への支援を行うことを提案します。見解を伺います。
Q4 知事は、熱が出た時に備えた検査キットの備蓄を呼びかけました。
そもそも検査は、行政の責任で、無料で行うべきものです。検査キットの備蓄を求めるのであれば、都民の負担で買うのではなく、都が責任をもって無料で入手できるようにすべきではありませんか。
Q5 都の保健所のあり方について、検討会が始まりました。
検討会では、多摩府中保健所について、保健師さんが40数名、それしかいなかったんだというふうに驚いておりますとか、医療圏自体が現状に合わない、などの発言がありました。
市長会も、都の予算に対する重点要望で、保健所の新設や職員増員も含めた抜本的な見直しを図ることを求めています。こうした声をどう受け止めていますか。
Q6 保健所の増設や職員の増員も含めて、検討と具体化を急ぐべきです。いかがですか。
Q1 コロナ対策や行政的医療のために、都立・公社病院を独法化すると知事は述べてきました。
ところが、独立行政法人都立病院機構の来年度の予算編成の方針には、行政的医療という言葉がありません。
それどころか、「全ての経費について徹底したコスト縮減に取り組むこと」を強調し、人員の「増員を検討する場合は、費用を超える収益を確実に見込めるかどうかを検証すること」を求めています。感染症医療などの不採算医療の充実とは、正反対の方針です。
知事が説明してきたことと、都立病院機構がやろうとしていることは、全く違うのではありませんか。
Q2 都民のいのちを守る最後の砦としての役割を果たしてきた都立病院にふさわしく、不採算であっても都民が必要とする医療を拡充する予算編成方針に改めるべきです。知事いかがですか。
新型コロナの感染拡大のたびに医療はひっ迫し、都民が必要な医療を受けられない状況に陥りました。
第7波では、職員の感染拡大による人手不足などで、都立病院のコロナ病床利用率は4割程度でした。教訓を生かすべきです。
Q3 医療提供体制強化の要は、職員の確保です。
独法化された都立病院で、第8波に対応するため、緊急に医師と看護師を何人増やすのですか。
都民の反対の声が広がる英語スピーキングテストESAT‐Jが、11月27日に強行され、6万9千人の中学3年生が受験しました。
私も参加する42名の議員連盟と都民団体は、試験当日の実施状況のアンケートを行い、1週間で478件もの回答がありました。
6割が中学3年生自身から、3割が保護者からの回答です。記入があっただけでも、全197会場中125の試験会場の生々しい声が寄せられました。
ESAT‐Jが、いかに問題だらけで、批判がつよいかを示しています。
公平・公正に実施されなかったことを示す事例が、多数寄せられました。
Q1 同じ教室で30人がいっせいに解答するため、「イヤーマフをつけても前後左右の人の声ははっきり聞き取れました」「声が丸聞こえで、ほかの人の答えが分かってしまっていた」など、防音具のイヤーマフ越しに他の受験者が解答する声が聞こえたという事例が166件も寄せられました。
その中には、テスト開始のボタンを遅れて押したり、出題音声のボリュームを下げたりすることで、カンニングができてしまうという証言もありました。
録音確認の際に周りの生徒の声が録音されていたという証言は55件あり、「きちんと採点されるのか心配になった」という声もありました。
こうした、教室内で試験中に起きた不公平な事例は都教委にも届いていると思いますが、いかがですか。
Q2 さらにテストは、生徒を前半組、後半組に分け、同じ問題で行われましたが、前半組が解答する声が、隣の教室で待機する後半組に聞こえてきた、それを聞いて問題を予測することができた、前半組と後半組がトイレで会うことができたなどの声も、46もの会場から寄せられました。
これらについても、把握されているのか伺います。
Q3 具体的な証言がこれだけ多数ある下で、都教委は、テストが公平・公正に行われたと明言できるのですか。
Q4 都教委として、当日の状況について、テストを受けた子どもたちの声を直接聞いて調査することが必要です。いかがですか。
Q5「このような不公平な試験結果を高校入試の点数に組み込むことは反対です」「今回は見送るべき」というのが、中学生、保護者の声です。
ESAT‐Jの都立高校入試への活用は、きっぱりやめるべきです。答弁を求めます
Q6 今年度の教員不足は、小学校では4月時点で約50人、9月には約130人にも上り、特別支援学校は58校しかないのに、4月当初で30人も不足していたことが明らかになりました。
これは、期限付きや臨時的任用の教員を配置してもなお不足している数であり、実態はきわめて深刻です。応募が少ない、見込み違いでは済まされません。
教員不足を生じさせないため、抜本的な対策が必要です。認識と対応を伺います。
9月に不足が増えているのは、年度途中からの産休・育休などの代替教員を確保できないからです。
年度途中から、一定期間だけ都合よく働いてくれる人など簡単に見つからないのは当然です。
Q7 国は、年度途中に見込まれる産休・育休代替教員を、4月から前倒しで雇用する場合の人件費を措置する方針を示し、来年度からの積極的な活用を呼びかけています。
教員の確保とともに、学級担任のスムーズな交代などのメリットがあると考えますが、見解を伺います。
Q8 東京都でも実施すべきですが、いかがですか。
教員志望者を支援することも重要です。
Q9 山梨県では今年度から、小学校教諭になった方の奨学金返還を補助する制度を始めました。岐阜県も、来年度から実施するとしています。
東京都でも、教員の奨学金返還補助制度を創設することを求めます。いかがですか。
根本的な対策として、少人数学級の前倒し実施や、教員が受け持つ授業時数の軽減、長時間労働の解消なども、合わせて強く求めるものです。
2003年、当時の都立七生養護学校の性教育に対して、都議会議員や都教委による乱暴な介入が行われました。私も都議会で、不当な介入は許されないと徹底追及しました。
その後、こころとからだの学習裁判によって、都議や都教委の違法行為が最高裁で確定しましたが、いまなお学校現場は萎縮しています。
Q1 20年もの間、まともに性教育が行われなかったことで、子どもや若者が、望まぬ妊娠や性感染症などのリスクにさらされています。
この状況を変えていくため、人権の視点を貫き、ジェンダー平等を土台にした、科学的で包括的な性教育を、子どもも、おとなも学ぶ重要性を、知事はどう認識していますか。
Q2 現状は深刻です。性感染症である梅毒が、調査が始まって以降、最多を更新しつづけていることを、都はどう考えていますか。対策の強化が必要です。いかがですか。
Q3 包括的性教育は、性感染症に関する知識とスキルを身につけることを位置付けています。
性感染症について学校教育で学ぶことが重要ですが、都教委はどう取り組むのですか。
Q4 ハラスメントや差別、暴力に対し、第三者が見て見ぬふりをせず、被害を軽減したり未然に防ぐため、状況に応じて行動する人は、アクティブ・バイスタンダー(行動する傍観者)と呼ばれています。
性被害やジェンダーによる差別をなくしていくために、「行動する傍観者」を増やしていく取り組みが重要です。認識と対応を伺います。
先月開かれたCOP27で、気候変動対策に後ろ向きな国に贈られる「化石賞」を、日本は3回連続で受賞しました。
化石燃料事業に投入する公的資金が、世界最大であることが大きな理由です。
日本が、水素やアンモニアを化石燃料に混ぜて発電する事業を進めていることに、厳しい批判が寄せられています。
Q1 知事はCOP27の演説で、海外から大量に輸入する水素を供給するパイプラインの構想を表明しました。
輸入しようとしている水素は、海外で低品質の石炭を使って生産され、CO2を排出します。その水素をパイプラインで火力発電所に送り、化石燃料と混ぜて発電することも、都は想定しています。
これは、化石燃料事業の延命に手を貸すものであり、化石賞は、知事の演説に贈られたと言っても過言ではありません。知事は、どう考えていますか。
Q2 研究グループによる、既存の省エネ・再エネの技術だけでも、CO2排出量を9割以上削減できるとの提言もあることを、どう認識していますか。太陽光パネルの設置「義務化」を柱とする、環境確保条例改正が提出されました。
再エネ発電の場所を確保するのが困難な中、住宅への太陽光パネル設置は、有効な対策であり、最大限取り組む必要があります。
Q3 都民や事業者の疑問や不安の声を受けて、都が、初期費用をゼロにする制度や、希望する中小事業者も参入できるようにする支援策などを、具体化したことは重要です。
一方で、今回の「義務化」には、引き続き様々な不安や疑問の声が出されています。
気候危機打開の主人公は都民であり、誰もが納得して取り組めるようにすることが大事だと考えますが、知事の見解を求めます。
太陽光パネル「義務化」にともなう住宅購入時の費用負担や、リサイクルへの疑問など、都民の不安や疑問にひとつひとつていねいに答え、必要に応じて制度の改善にも取り組むべきですが、いかがですか。
太陽光発電は多くの産業への波及効果があり、雇用拡大の効果も高いとされています。
Q4 大学や研究機関、都内の産業集積も活かして、薄型軽量パネルなど国産パネルの開発、実用化に取り組むことを提案します。見解を伺います。
Q5 わが党が実施した、都内全自治体へのアンケート調査の結果、温室効果ガス排出量やエネルギー消費量の削減など、自治体の目標設定に遅れや困難があることがわかりました。
また、住宅や事業所の省エネ・再エネ機器設置補助や、再エネ電気の購入など、取り組みにアンバランスがありました。
都は、都内各自治体による気候変動対策の取り組み状況を、どう把握し分析していますか。
Q6 各自治体の目標設定などへの技術的支援や補助制度拡充などに、都としてさらに取り組む必要がありますが、いかがですか。
住宅の耐震化も緊急課題です。
Q1 1981年の耐震基準から2000年基準の間に建築された、いわゆる「8100住宅」の耐震化の重要性が、熊本地震の経験などから注目されています。
今年5月に都が発表した「首都直下地震による東京の被害想定」によれば、1980年以前の「旧耐震住宅」の耐震化がすべて実現した場合、建物倒壊や死者数は現在の想定数から約6割減少します。
さらに、「8100住宅」まで含めて耐震化が実現すれば、実に約8割減少するという推計結果が示されています。
「8100住宅」の耐震改修の効果を示したこの推計結果を、知事はどう受け止めていますか。
Q2 来年度予算で、「8100住宅」の耐震診断や改修補助を、新規事業として実施して思い切った予算措置を行い、区市町村や都民に対し、積極的に活用するよう呼びかけることが必要です。知事いかがですか。
Q1 東京五輪をめぐる疑惑は深まるばかりです。
高橋元理事の汚職問題につづき、新たにテスト大会の計画立案業務での談合が明らかになり、組織委員会職員が関わった疑いも報じられています。
知事は、談合問題の調査チームを立ち上げましたが、所信表明では、「当該契約に係る手続き、意思決定過程等についてしっかりと確認していく」と述べるにとどまりました。何のために確認するのですか。確認して、その先どうするのですか。調査結果は公表するのですか。
Q2 談合問題と合わせて、汚職問題も調査すべきです。知事いかがですか。
Q3 調査チームのメンバーは、潮田副知事も中村政策企画局長も元オリパラ準備局長であり、かつ組織委員会の元理事です。第三者ではありません。第三者機関による調査が必要です。知事の答弁を求めます。
Q4 組織委員会の評議員会は、清算手続きをチェックするため、いまも存続しており副知事2人が入っています。
談合や汚職により組織委員会がこうむった損害は、組織委員会の資産として財産目録に記載しなければなりません。
そのために、評議員会の招集を求めるなど、評議員として持っている権限を全面的に行使すべきです。評議員である武市副知事の答弁を求めます。
Q5 談合の対象となったテスト大会の一部は、組織委員会と東京都の共同実施事業であり、都民の税金が使われています。
談合については、都として損害賠償も検討すべきではありませんか。
Q6 知事は所信表明で、今後の国際大会に向け「改めるべきは改める」と言いました。そのためには、東京五輪大会をめぐる数々の疑惑の徹底解明が大前提です。知事の認識を伺います。
Q7 都として、記録文書や関係者の証言を検証し、積極的に情報公開してこそ次に活かせると考えますが、いかがですか。
Q1 神宮外苑再開発は、いよいよ国政問題に発展しました。
国会で、自民党から日本共産党まで超党派16人が発起人となり、銀杏並木の保全のみならず、再開発の大規模な見直しを求める議員連盟が発足しました。
発起人代表の船田元衆院議員は、「東京五輪がひとつのきっかけになったと思うが、超高層ビルが3棟建設されるなど、ゆるやかな神宮外苑の景観が壊れてしまう。樹木の伐採についても、一部修正が行われ、本数はやや減ったとはいえ、樹齢100年を経過した樹木の大半が伐採される」と、再開発計画の問題点を指摘しています。
議連の趣意書でも、樹木の大量伐採や、超高層ビルによる景観破壊などをあげ、「懸念される内容が数多く含まれている」と述べています。
知事は、国会でこうした議員連盟が発足したことを、どう受け止めていますか。
外環道も、都政をゆるがす大問題です。
シールドマシンの損傷事故で中断していた練馬区大泉ジャンクションの工事が再開され、住宅直下のトンネル工事が明日にも始まろうとしています。断じて許されません。
調布の住宅街での陥没事故から2年がたちましたが、何も解決していないではありませんか。
Q2 調布市内では事業者のネクスコ東日本が、陥没の発生した場所の地盤補修工事を行う計画ですが、工法や補修の範囲などについて住民の納得は得られていません。見切り発車は許されません。
計画されている地盤補修は、地下深くに大量のセメントを噴き付けて、巨大な壁を造る工事です。地下水への影響なども懸念されます。
工事箇所までセメントを送るパイプを、近くの入間川に敷設する予定ですが、周辺住民から、騒音や安全性などにも疑問が寄せられています。
都は、住民の同意がない下で、入間川の占用許可をおろすべきではありません。見解を伺います。
Q3 また、この地盤補修工事に法的根拠はあるのですか。
Q1 横田基地のCV22オスプレイにも、重大な問題があります。
米軍は2010年には、クラッチの不具合で制御不能に陥る危険があることを確認していました。日本政府も、2016年までには把握していたことを認めました。
2018年に横田基地に配備される時、東京都には情報提供や説明はあったのですか。
知事、都民の安全を脅かす重大な問題だと思いますが、認識を伺います。
米軍と日本政府の背信行為に対し、厳重に抗議すべきです。いかがですか。
Q2 欠陥を隠して配備されたCV22オスプレイは、横田基地から撤去するのが当然ではありませんか。また、今後の増配備計画など、とうてい認められません。知事の見解を求めます。
Q3 陸上自衛隊の木更津駐屯地に配備されたV22オスプレイが、来年1月以降、自衛隊立川飛行場に飛来するとの情報提供が、関係8市にありました。
8市長は連名で、「米軍CV22オスプレイの飛行再開に住民の不安は解消されていない。このような状況でのV22オスプレイの飛来は、周辺住民の不安を一層高める」と、防衛大臣に申し入れをしています。
知事は、この申し入れをどう受け止めていますか。
Q4 自衛隊は、V22オスプレイの主な任務は、島しょが他国から侵攻を受けるような場合、いち早く駆け付け奪還することだとしています。そのことを都は把握していますか。
自衛隊のオスプレイは、神津島で行われた総合防災訓練に、米軍といっしょに参加しました。
米軍は今年5月、横田基地で、中国との緊張が高まる南西諸島などに緊急展開するための大規模な実戦的訓練を行いました。自衛隊のオスプレイの主任務と符合します。
Q5 自衛隊のオスプレイの立川飛行場への飛来は中止するよう、都として政府と自衛隊に求めるべきです。知事いかがですか。
最後に、統一協会の問題です。
Q1 わが党は第3回定例会で、統一協会への知事の認識を問いましたが、答弁は、総理と同じ、というものでした。ことの深刻さを認識していると思えません。
その後、統一協会による被害の深刻さが、ますます明らかになっていることを、知事は、どう認識していますか。
福岡県は、「旧統一教会と関連があると考えられる団体に対する表彰、後援、登録について」という調査結果を、9月に発表しています。前回調査の150団体に加え、新たに把握した約60団体を対象とした調査も行っています。
Q2 都として、後援、補助金交付、制度融資や貸付なども含め、文書保存期間にかぎらず、幅広く調査すべきです。また調査結果は、該当事例がなかったとしても速やかに公表すべきです。答弁を求めます。
Q3 統一協会に関する相談が増えています。相談活動を行う団体に運営費などを支援すべきですが、いかがですか。
東京都も都議会議員も、統一協会との一切の関係を断ち切ることを改めて訴え、再質問を留保して質問を終わります。
【答弁】
○知事(小池百合子君) 曽根はじめ議員の代表質問にお答えいたします。
まず、経済対策でございますが、物価高騰、長引くコロナ禍によって都民生活、事業活動が厳しさを増す中、これまでも数次にわたる補正予算の編成などによりまして、様々な対策をきめ細かく講じております。引き続き、機動的に必要な施策を実施し、都民生活、そして東京の経済をしっかり支えてまいります。
大企業の内部留保に関するご指摘でございます。
企業それぞれの経営判断に基づくものと認識をいたしております。都は引き続き、機動的に必要な施策を実施し、都民生活、そして東京の経済をしっかり支えてまいります。
ひとり親家庭について、ひとり親家庭の親は、子育てと生計の担い手の二つの役割を一人で担っておられ、負担が大きいものがあります。また、物価高によって、家計に影響を受けているひとり親家庭もあると、そのように認識をいたしております。
次に、学校給食の質の確保についてでございます。
物価が高騰する中にありましても、栄養バランスなどを確保した給食は、子供たちの健やかな成長を支えるために必要でございます。なお、学校給食の支援につきましては、財源確保などの対応を国の責任において行うべきものでございます。
また、都立学校では、既に国の地方創生臨時交付金を活用しまして、保護者負担の軽減を図っております。また、区市町村立小中学校におきましては、学校設置者である区市町村が、保護者の負担軽減について適切に対応している、このように認識をいたしております。
次に、賃金の引上げについて、賃金などの労働条件は、労働者と使用者が対等な立場において、労使間の協議で自律的に定めることが基本でございます。都は、労働者の処遇改善に向けました中小企業による様々な取組に支援を行っておりまして、働く方の所得水準の向上につなげております。
芸術文化の担い手の活動支援について、都はコロナ禍におきまして、アートにエールを!東京プロジェクトを実施いたしましたほか、様々な助成事業などによって、多くのアーティストなどを支援しております。引き続き、アーティストなどの継続的な活動を支援する仕組みを検討するなど、その活動を支援してまいります。
次に、新型コロナ対策についてであります。
感染拡大防止と社会経済活動の両立を進めるため、都はこれまで、東京モデルとして構築してまいりました保健、医療提供体制の枠組みをさらに拡充をいたしまして、先手先手で必要なコロナ対策を講じているところでございます。
そして、この冬は、インフルエンザとの同時流行も念頭にしまして、診療、検査体制を強化するとともに、重症化リスクの高い高齢者への医療提供体制や自宅療養者への支援を拡充いたします。都民の皆様に対しましても、引き続き、ワクチン接種、換気の徹底など、感染防止対策に協力を求めてまいります。
次に、都立病院について、感染症医療や周産期医療など、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供は、都立病院が果たすべき重要な役割でございます。都は、都立病院機構の定款や中期目標におきまして、行政的医療等の安定的、継続的な提供を明示いたしております。
次に、グリーン水素、COP27におきましては、再生可能エネルギーにより製造するグリーン水素を海外から大量に受け入れることを前提に、将来のサプライチェーンをつくる構想について発信したものでございます。都は、引き続き、エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に向けました鍵を握る水素の普及拡大を図ってまいります。
次に、太陽光発電設備の設置義務化について、新制度の実施に当たりましては、都民や事業者の共感と協働を得ながら取り組むことが必要でございます。太陽光発電設備を備えまして、断熱、省エネなどの環境性能の高い住宅は、経済性、防災性、快適性など、多様なメリットを有しております。
都は、こうした住宅をより取得しやすくなるよう、初期費用への補助制度の新設や相談窓口の開設など、設置時からアフターフォローまでの支援を総合的に推進をいたします。こうした取組を通じまして、住まい手や事業者と共に、太陽光発電設備の設置ムーブメントを醸成してまいります。
テストイベントに関する調査についてでございます。
都は清算法人に対しまして、捜査に全面的に協力するよう求めるとともに、当該契約の手続などの適正性などを確認いたしております。調査につきましては、捜査に支障を来さない範囲で確認を行いまして、関係局で連携し、必要に応じてコンプライアンスや契約調整の担当部署などからの助言も得ながら、確認を進めてまいります。
今後の国際スポーツ大会に向けた取組については、新たに設置する有識者会議で、そのガバナンスや情報公開、都の関与の在り方などにつきまして、東京二〇二〇大会の経験も踏まえ、将来の国際大会に向けた改善を議論し、ガイドラインを策定することといたしております。
最後に、V22オスプレイの立川駐屯地への飛来についてであります。
安全保障に関することは、国の専管事項でございます。国からは、V22の機体の安全性は問題なく、教育訓練や機体点検等を確実に実施することで、飛行の安全が確保できると聞いております。
また、八市から国に要請したことは承知しておりますが、国からは、安全面や騒音等に最大限配慮する旨の回答がなされたものと、このように聞いております。
残余の質問につきましては、副知事、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
○副知事(武市敬君) 清算法人の評議員についてでございますが、私は、これまで法令及び定款に定められた評議員の職務を遂行してまいりました。今後も法令等にのっとり、職務を遂行してまいります。
○副知事(潮田勉君) 東京大会に関する調査チームについてでありますが、都は清算法人に対し、捜査に全面的に協力するよう求めるとともに、テストイベントに係る契約手続等の適正性を確認するため、関係局により調査を進めることといたしております。調査結果は、今後の捜査の状況によりますが、今月中を目途に中間のまとめを公表する予定であります。
○教育長(浜佳葉子君) 十二点のご質問にお答えいたします。
まず、学校給食の区市町村への財政支援についてでございますが、学校給食法では、学校給食は設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされております。区市町村立小中学校の学校給食費については、学校設置者が決定しており、保護者負担の軽減策等についても、各自治体の判断により行われていると認識しております。都教育委員会は、物価高騰等の今後の状況も見ながら、国の動向も注視し、必要な対応を行ってまいります。
次に、区市町村に補助を行う意義についてでございますが、区市町村立小中学校において、国産食材や地場産物を給食で提供する食育の取組は、児童生徒が日本の食文化や生産地への理解を深める上で有効でございます。都教育委員会では、各学校でこうした食育の取組が推進されるよう、区市町村教育委員会を支援してまいります。
次に、スピーキングテストの実施状況についてでございますが、テストはイヤーマフにより外部の音を遮断するとともに、ホワイトノイズと呼ばれる音を流して周囲の音声を聞こえにくく処理をして実施いたしました。こうした環境で、多くの受験生が一斉に発語している中で特定の解答を聞き分けてそれをまねることや、他の生徒の声を聞くためにタブレットからの出題音声の音量を下げて自分への出題を聞こえなくすることが現実的とは考えられません。
また、都教育委員会は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告により、受験教室等では、音声は聞こえても発言内容を聞き分けることはできず、解答に影響を与えることはなかったことを確認しております。
さらに、区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないことを確認しております。
次に、スピーキングテストの実施状況に関するもう一点のお尋ねについてでございますが、繰り返しになりますが、都教育委員会は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告により、待機教室等では、音声は聞こえても発言内容を聞き分けることはできず、解答に影響を与えることはなかったことを確認しております。
また、運営に当たっては、前半の受験者と後半の受験者では休憩が重ならないよう、時間をずらして設定しております。
さらに、区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないことを確認しております。
次に、スピーキングテストの公平、公正な実施についてでございますが、都教育委員会は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員、また、区市町村教育委員会への聞き取りにより、解答に影響を与えるようなトラブルがなく行われたことを確認しており、適切に実施されたものと認識しております。
スピーキングテスト当日の状況についてでございますが、都教育委員会はテスト終了後に、区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないことを確認しております。
スピーキングテストの都立高校入試での活用についてでございますが、先月行ったスピーキングテストは適切に実施されており、都教育委員会は、都立高校入試において、その結果を活用してまいります。
次に、教員不足への認識と対応についてでございますが、子供たちの学習環境を整えるためには、適切な教員確保が重要でございます。都教育委員会では、これまで採用選考の応募者の増加に向けて、オンラインによる大学説明会の開催やSNSを活用した情報発信などを実施してまいりました。
今年度は、志望者に直接PRする機会として、大学説明会を訪問実施しているほか、現役教員と対話できる採用セミナーを開催しています。引き続き、採用情報や教員の魅力を発信し、教員の確保に努めてまいります。
次に、産休、育休代替教員の前倒し採用についてでございますが、教員不足の改善を図る方策の一環として、現在、文部科学省において、年度初期の産休、育休見込みに対する年度当初からの代替教員の配置支援策が検討されております。
次に、産休、育休代替教員の前倒し採用の実施についてでございますが、都教育委員会は、国の動向を踏まえ対応を検討してまいります。
次に、教員の奨学金制度についてでございますが、奨学金の返還補助は、教員志望者の増加に向けて、国において行われるべきものであり、全国都道府県教育委員会連合会で、国に対し、教員に採用された場合に返済を免除できる奨学金制度の創設を要望しております。
次に、性感染症に関する教育についてでございますが、平成三十年度に学習指導要領の内容を踏まえて改訂した性教育の手引には、性感染症の予防について、発達段階に応じた指導事例を掲載しております。この手引に基づき、児童生徒が性感染症等に関する正しい知識を身につけられるよう、学校の取組を支援しております。
○東京都技監(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、外環の地盤補修工事についてでございますが、今回、事業者は、地盤補修箇所周辺の方々を対象に、オープンハウス及び意見交換会を九月と十月の二度開催して、工事の内容や安全対策等について説明し、広く意見を聞くとともに、今週末にも地元の方々との意見交換会を予定しております。
補修工事の実施に当たり必要となる管路を入間川に設置することが計画されておりますが、都はその許可申請について、河川法等に基づき審査を行っているところでございます。都は事業者に対して、引き続き、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう求めてまいります。
次に、外環の地盤補修工事の法的根拠についてでございますが、陥没、空洞事故の発生に伴い、事業者は周辺にお住まいの方々の社会的不安を早急に解消し、被害を回復するための対応を進めており、今回の地盤補修工事につきましても、シールドトンネル工事が原因で緩みが生じた地盤を元の地盤強度に回復させるために行われるものと聞いております。
○主税局長(小池潔君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、消費税の減税についてでありますが、先月の月例経済報告によりますと、景気は緩やかに持ち直している一方、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるとされております。
持続可能な社会保障制度の構築を図るためには、安定財源の確保が必要不可欠でありまして、消費税は重要な役割を果たしております。消費税の在り方については、こうした点に加え、経済や国民生活に与える影響など、様々な観点を踏まえながら、国において議論されるべき問題であると認識しております。
次に、インボイス制度についてであります。令和元年十月の消費税率引上げに伴う低所得者対策として軽減税率が導入された際に、複数税率制度の下において、適正な課税を確保するため、令和五年十月からの導入が決定されているところでございます。
インボイス制度による小規模事業者の負担増が懸念されていることから、現在、政府・与党は、負担軽減措置の導入について検討を行っているとの報道がなされていることは承知しております。都といたしましては、今後の国の動向を注視してまいります。
○財務局長(吉村憲彦君) 来年度予算についてでございますが、これまでも、物価高騰やコロナ禍の影響から都民の暮らし、東京の経済を守るため、的確に予算措置を講じており、今回の補正予算においても、対策のさらなる強化を図っております。来年度予算編成におきましても、持続可能な財政運営にも配慮しながら、東京の経済、都民生活を守る取組など、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。
○水道局長(古谷ひろみ君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、他自治体における上下水道料金の減免の実施状況についてでございますが、減免を実施している自治体があることは承知しております。
次に、上下水道料金の減免についてでございますが、上下水道料金の減免措置は、受益者負担の原則、公営企業における独立採算制の原則及び使用者間の負担の公平に対する例外措置でございまして、その拡充については慎重に考えるべきものであると認識しております。
○福祉保健局長(西山智之君) 十一点のご質問にお答えをいたします。
まず、国民健康保険についてでございますが、国民健康保険の保険料、保険税の賦課方式や料率は、各区市町村が自ら定めるものであり、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されるものでございます。都は制度設計者である国に対し、今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の強化等を要望しております。また、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づく財政支援を行っています。
次に、住居を失った方への支援についてでございますが、都は住居を失い不安定な就労に従事している方等に対し、TOKYOチャレンジネットにおいて、生活相談や一時利用住宅の提供など、居住支援、就労支援等を一体的に実施しています。
また、ホームレスの方に対しては、特別区と共同で設置している自立支援センターにおいて、巡回相談を実施し、必要な支援につながるよう取り組んでいます。
次に、児童育成手当についてでございますが、児童育成手当は、制度が発足した当時は不十分であった国の所得保障を補完し、ひとり親施策が未整備の中、子供の健全育成を支援する役割を担ってまいりました。現在は、国の児童扶養手当が増額されており、都では様々なひとり親家庭の支援策に取り組んでいます。
次に、子供食堂やフードパントリーへの支援についてでございますが、子供食堂やフードパントリーなどは、地域における食の支援として重要な活動であり、都は、子供食堂に対し、区市町村を通じて、会食の開催や配食、宅食の経費を支援しており、今年度は物価高騰対策として事業の立ち上げ経費を補助しています。
また、フードパントリーの設置に取り組む区市町村へ立ち上げ経費を支援しており、今年度からはフードパントリーを運営する事業者に食料調達費等を補助しています。
次に、高校生等医療費助成事業についてでございますが、都は所得制限や一部自己負担を設けた上で、区市町村との負担割合を二分の一とすることを基本的な枠組みとしており、早期の事業開始を促進するため、令和五年度から三年間は都の負担割合を十分の十としています。なお、令和八年度以降の財源や所得制限の取扱いなどにつきましては、今後、都と区市町村との間で協議の場を設置し、検討することとしています。
次に、福祉人材の確保についてでございますが、事業者が安定的にサービスを提供するためには、人材の確保、定着が必要であり、都は国に対し、健全な事業運営ができる報酬とすることなどを繰り返し提案要求をするとともに、宿舎借り上げ支援や保育人材のキャリアアップ補助などの支援を行っています。
次に、都保健所についてでありますが、市長会からのご要望については承知しています。多摩地域の都保健所は、二次保健医療圏における広域的、専門的、技術的拠点として、地域の感染症対策の重要な役割を担っています。都は新型コロナの感染拡大に伴い、保健師の増員や業務の効率化など、体制強化や負担軽減に取り組んでおり、引き続き、感染状況に応じ体制の確保を図ってまいります。
次に、都保健所の体制についてでございますが、都は新型コロナの感染拡大に伴い、保健師の増員や業務の効率化など、体制強化や負担軽減に取り組んでおり、引き続き、感染状況に応じ体制の確保を図ってまいります。
なお、都は現在、感染症対応を踏まえた都保健所のあり方検討会を設置し、その在り方について検討しております。
次に、都立病院機構の予算編成についてでございますが、都は行政的医療の提供に必要な財源をこれまでと同様、措置することとしています。都立病院機構では、先月、各病院に通知した令和五年度当初予算編成要領で、基本方針において、中期計画の達成や令和元年度決算の経常収支差額を目標として上げており、予算編成に当たっての考え方として、人件費や材料費、経費など、個別の事項について記載したものでございます。
次に、都立病院の職員の確保についてでございますが、独法化後の都立病院では、病院長の裁量で常勤看護師の採用が可能となり、七月以降、着実に確保しているほか、柔軟な単価設定による非常勤看護師の確保や介護業務を担う看護助手の機動的な採用などに取り組んでいます。
最後に、予期しない妊娠への対応についてでございますが、年齢や性別にかかわらず、妊娠、出産などに関する正しい知識を持つ必要がございます。都は予期しない妊娠や性の悩みなど、妊娠や出産に関する様々な悩みに妊娠相談ほっとラインで対応しているほか、小冊子やチャットボット等により普及啓発をしています。
○住宅政策本部長(山口真君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、都営住宅の新規建設についてでございますが、都営住宅につきましては、これまでも既存ストックの有効活用を図りまして、適切な供給や適正な管理に努めてまいりました。これからも既存ストックの有効活用を図りまして、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるよう取り組んでまいります。
次に、都営住宅の入居者募集についてでございますが、都は若年夫婦や子育て世帯向けに、年二回の定期使用住宅の募集や毎月募集を実施しておりまして、令和元年から定期使用住宅の対象者をひとり親世帯にも広げるなど、拡充に取り組んでおります。また、毎月募集につきましては、平成三十年の開始以来、募集戸数を段階的に増やしておりまして、令和四年四月からは、月百二十戸から二百戸、年間二千四百戸としまして、入居機会の拡大を図っております。今後とも、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるよう取り組んでまいります。
○総務局長(野間達也君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、市町村総合交付金についてでございますが、都はこれまでも市町村総合交付金を活用し、人口減少や少子高齢化、交通インフラの整備、防災対策など、各市町村の課題解決に向けた取組に要する一般財源を補完することで、各市町村の実情に即した支援に努めております。
次に、会計年度任用職員の報酬の額についてでございますが、法律及び条例等に基づき、職員の職務の複雑性、困難性、特殊性及び責任の軽重に応じ、かつ常勤職員の給与との均衡を考慮して、各職ごとに適切に定めております。なお、会計年度任用職員につきましては、在職期間等に応じて期末手当も支給してございます。
次に、V22オスプレイの主な任務についてでございますが、十一月に東京都と八市に配られた陸上自衛隊V22オスプレイの今後の運用についてによりますと、主として水陸機動団を迅速に島しょに輸送する任務を実施するものとされております。また、災害救助や離島の急患搬送でも能力を発揮するものとされてございます。
最後に、V22オスプレイの立川駐屯地への飛来についてでございますが、安全保障に関することは国の専管事項であり、V22の運用について、機体の安全性をしっかりと確認するとともに、教育訓練や機体の点検、整備を確実に実施することで、安全管理を徹底していると聞いてございます。
○産業労働局長(坂本雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、賃金引上げのための支援についてでございますが、中小企業が事業の発展に向け、生産性を高め、賃金の引上げを図ることは必要であると考えております。
次に、中小企業の賃上げの支援についてでございますが、都は、働き方のルールを改善し、勤務の仕組みなどを見直すとともに、賃金の引上げを行う事業者に奨励金を支給しております。
最後に、中小企業への金融支援についてでございますが、厳しい経営環境にある中小企業の支援は必要でございます。そのため、都は、制度融資により資金繰りのサポートをしております。
○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、子供の芸術文化体験についてでありますが、都に集積する芸術文化資源を生かし、都内の芸術文化団体と協力して、子供たちに芸術文化体験を届ける仕組みを教育庁とも連携しながら検討してまいります。
次に、性暴力や配偶者等暴力への対応についてでありますが、周囲の人が適切にサポートをすることが重要でございます。そのため、都は、講演会や啓発リーフレット等を通じて、被害者等に接する際の行動や発言の留意点等について、都民に啓発を行っております。
次に、旧統一教会についてでございますが、都は、旧統一教会に関連して不安や困難を抱える都民のために必要な対応を、消費生活相談や弁護士会など様々な機関との連携等により適切に行っております。
最後に、旧統一教会に関する相談活動を行う団体への対応についてでありますが、都としては、関係機関と連携しながら多様な相談に応じております。民間団体には、自主性を持って相談活動に取り組んでいる団体があると承知しております。
○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 四点のご質問にお答えをいたします。
まず、新型コロナの無料検査についてでございますが、都は、感染が拡大傾向にある場合、感染に不安を感じる無症状者に無料検査を実施しており、現在もこの夏と同程度の検査需要に対応できる十分な体制を確保しております。
また、都のホームページでの検査施設の一覧や地図の表示、専用コールセンターで電話相談にも対応するなど、検査を希望する都民が無料検査にアクセスしやすい環境を整えております。
次に、新型コロナの検査についてでありますが、都は、感染不安を感じる無症状の都民の方を対象に、都内約千二百か所で無料検査事業を実施しております。
また、高齢者施設や障害者施設、医療機関、保育所等の職員を対象に集中的検査を実施しております。
さらに、症状がある方や濃厚接触者に対しては、抗原検査キットを自宅に配送しており、今後とも、必要な方が適切に検査を受けられるよう取り組んでまいります。
続いて、新型コロナ検査キットの備蓄についてでございますが、都は、この冬の感染拡大に備えまして、発熱外来の逼迫を回避するため、重症化リスクの低い方が自ら検査を行い、陽性者登録センターに登録の上、自宅療養できるよう、一般医薬品として承認された検査キットをあらかじめ購入し備蓄することを都民に呼びかけております。
また、症状がある方や濃厚接触者に対しては、検査キットを無料で配送しております。
最後に、梅毒の予防対策等についてでございます。
今年は、昨年を上回る梅毒患者数が報告されており、都は、正しい知識の普及と早期発見のため、東京都性感染症ナビで情報発信を行うとともに、若者向けのポスターを作成し、HIV陽性者の支援団体と協力して梅毒対策の周知活動を行っております。
また、都検査・相談室では、匿名、無料で、HIVと梅毒の同時検査を実施しており、今後とも、梅毒の予防、蔓延防止等の対策を進めてまいります。
○環境局長(栗岡祥一君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、既存の省エネ、再エネ技術の活用についてでございますが、都はこれまでも、エネルギーの大消費地の責務として、現在利用可能な技術を全面活用しながら、さらなる省エネと再エネ電力の利用を高める取組を展開してまいりました。
あわせて、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現に向けては、電化が困難な熱エネルギーの脱炭素化など、次世代技術の発展、定着が必要なことから、さらなる技術革新を後押しするための施策も積極的に推進してございます。
次に、太陽光発電等に係る技術開発の促進についてでございますが、都はこれまでも、普及の初期段階にある新たな再エネ技術による設備を都有施設に設置し、見える化を図ることで普及促進等につなげてございます。
加えて、国内で生まれた技術であるペロブスカイト太陽電池の共同研究を国内企業と開始するなど、新たな再エネ技術の普及状況や開発動向を注視しながら、多様な主体による技術開発や、その普及を後押ししてございます。
次に、都内各自治体の気候変動対策の取組状況の把握についてでございますが、区市町村においては、ゼロカーボンシティ宣言など二〇五〇年の脱炭素化に向けた取組を強化してございまして、各自治体が地域の実情等を踏まえた目標設定や施策展開を推し進めてございます。
こうした区市町村の取組につきましては、個別の情報共有や意見交換など、様々な機会を通じて情報を得てございます。
最後に、各自治体に対する技術的支援等への取組についてございますが、ゼロエミッション東京の実現に向けては、住民に最も身近な区市町村との連携を高めていくことが重要でございます。
このため、都は、地域の環境課題に取り組む区市町村に対する財政支援など、各自治体の実情に応じた連携支援を行ってございます。
また、区市町村との情報共有、意見交換を通じてニーズや課題を把握し、二〇五〇年CO2排出実質ゼロへ向けた計画策定を補助対象に加えるなど、適宜支援内容の見直しを行ってございます。
今後も、こうした取組を通じまして、区市町村と連携して、脱炭素化を加速させてまいります。
○都市整備局長(福田至君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、新耐震基準の住宅の耐震化についてでございます。
新たな被害想定において、平成十二年以前に建築された新耐震基準の建築物の耐震化が進むと、人的被害や建物被害がさらに軽減されることが示されました。
地震による被害を最小限に抑えるため、新耐震基準の住宅の耐震化も推進していく必要があると認識しております。
次に、新耐震基準の住宅の耐震化への支援についてでございます。
地震による被害を最小限に抑えるため、平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅の耐震化に向けて、所有者への支援や都民への普及啓発のさらなる強化について検討しております。
今後とも、区市町村と連携し、取組を進めてまいります。
次に、神宮外苑の再開発についてでございます。
再開発の見直しを求める国会議員連盟が発足したことについては、承知しております。
なお、この再開発は、明治神宮などが所有する土地において民間事業者が実施するものであり、事業者からはきめ細かな情報発信や関係者一体となった樹木の保全などに取り組むとの報告を受けております。
次に、CV22オスプレイについてでございます。
安全保障に関することは国の専管事項であり、米軍機の安全確保は国が責任を持って行うべきでございます。
横田基地への配備時において、国からは、お話のクラッチに関する情報提供等は受けておりませんが、飛行再開に当たっては、機体自体の安全性に問題はなく、教育訓練や機体点検などを継続的に行うことで、飛行の安全が確保できると確認したと聞いております。
都は、国や米軍に対して、機体の安全性や運用に関する基地周辺住民の不安が解消されるよう、十分な説明責任を果たすことを強く要請しております。
最後に、CV22の増配備計画についてでございます。
安全保障に関することは国の専管事項であり、米軍の運用に当たり、住民に不安を与えないよう最大限の配慮が払われなければなりません。
都はこれまでも、安全対策の徹底等について、地元自治体と共に、国や米軍に要請してまいりました。
今後も、都民の生命、安全・安心を守る立場から、必要なことを申し入れてまいります。
○政策企画局長(中村倫治君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、組織委員会元理事に係る事件についてでございます。
本件は、元理事個人と事業者との金銭の授受が賄賂に当たるとして、既に起訴されており、捜査により事実関係が明らかにされるものと考えております。
次に、テストイベント契約に係る対応についてでございます。
本件は、組織委員会の契約であり、法令等に基づき、清算法人が対応を判断するものと認識しております。
次に、情報公開でございます。
都はこれまでも、都民の理解を得るため、組織委員会に対して、情報公開を推進するよう働きかけてまいりました。
なお、調査チームの調査結果は、今後の捜査の状況にもよりますが、今月中を目途に中間のまとめを公表する予定でございます。
最後に、旧統一教会との関わりに係る調査でございます。
都においては、旧統一教会及び報道、インターネット等で関連団体とされる団体等との関わりについて、現在、文書保存年限三年の後援名義等や、同じく五年の委託事業、補助事業、寄附等を対象として、可能な範囲で各局において調査を実施しております。
調査結果については、公表を含め、適切に対応することとしております。
【再質問】
○七十九番(曽根はじめ君) 英語スピーキングテストについて再質問いたします。
第一問です。教育長は、解答に影響を与えるような事例の報告はないといいましたが、私たちの下には、影響があったという事例が数百件、大量に寄せられています。
例えば、やっている途中、前の人の声が聞こえた、結構はっきりと単語が聞こえたという証言、また、イヤーマフが意味をなさないほど周囲の声が聞こえた、時間差を使って解答をまねすることも可能な環境だったとか、前半の人と後半の人で、休み時間中、情報が提供されていたという証言など、体験したからこその証言内容です。これらの声は、先日発表し、都教委にもお届けしてあります。
不公平な試験の状況についての、これらの中学生の証言はうそだというのですか。中学生本人の声を聞くべきではありませんか。
第二問です。中学校からも、解答に影響を与えるような事例の報告は受けていないと答弁がありました。
しかし、中学校の教員は、試験会場には行っていません。また、都教委が中学校に報告を求めているのは、受験人数や欠席人数、予備日の受験対象人数だけで、トラブルの報告は求めていません。
その中学校からあえて報告がないからといって、解答に影響を与えるような事例がなかったとなぜいえるのですか。
以上、二問について答弁を求めるとともに、改めて、ESAT-Jの都立高校入試への活用をきっぱり断念するよう求めて、再質問を終わります。
○教育長(浜佳葉子君) 二点の再質問にお答えいたします。
まず、都教育委員会は、テスト終了時に事業者及び配置した都職員、また区市町村教育委員会の聞き取りにより、解答に影響を与えるようなトラブルがなく行われたことを確認しており、適切に実施されたものと認識しております。
中学校は、スピーキングテストの実施状況に限らず、課題があると認識した場合には、いつでも区市町村教育委員会にその内容を伝え、区市町村教育委員会から都教育委員会に報告が上がる仕組みがあります。こうしたことから、トラブルがあれば報告が上がってくるということになっています。
さらに、今回、スピーキングテストにおきましては、都教育委員会がテスト終了後に、全ての区市町村教育委員会に聞き取りをし、その結果、解答に影響を与えるようなトラブルがなく行われたことを確認しているということでございます。
適切に実施されたものと認識しており、都立高校入試において、その結果を活用してまいります。