ご意見・ご要望
ページトップヘ

質問・条例提案

2022.06.15

文書質問 都立篠崎公園高台化事業における住民と利用者への情報提供と説明責任について 原純子都議(江戸川区選出)

2022年第2回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原 純子

質問事項
 一 都立篠崎公園高台化事業における住民と利用者への情報提供と説明責任について


一 都立篠崎公園高台化事業における住民と利用者への情報提供と説明責任について

 都立篠崎公園A地区は、都の公園高台化事業の他、国の篠崎公園地区高規格堤防(スーパー堤防)整備事業、区の上篠崎一丁目北部土地区画整理事業・東京都市計画道路事業幹線街路補助線街路第288号線・東京都市計画緑地事業第13号江戸川緑地を併せて実施する計画として進められています。すでに2016年に国・都・区による基本協定書が締結されています。
 一方で、現在の公園は、江戸川区最大のイベントである「江戸川区花火大会」「江戸川区民まつり」をはじめ、桜並木での花見、近隣の小学校や保育園の学習、遠足、バーベキュー広場利用等、広く区民が多目的に利用する場所です。テニスコートやバスケットゴールなどのスポーツ利用者も多く、近隣住民の散歩やジョギングする姿も多い地域の大事な公園です。
 工事による影響は、広範囲に及ぶことが想定されるため、工事計画の周知、説明について、広く住民や利用者を対象とし行うこと、その際、事業の全体像を丁寧に説明すること、充分な理解を得る努力をすることを、私どもは求めてきたところです。
 そして、国・東京都・江戸川区は、ようやく5月27日と28日、合同での説明会を実施しました。しかし、質問時間が30分と限定され、出された質問に十分答えを得ないうちに終了となってしまい、参加者の不満と疑問が多々残りました。
 続けて6月10日と11日には、東京都による公園内仮設道路工事(園路改修工事)の説明会が行われましたが、ここでは、「道一つ挟んだ知人には何の通知もない」との意見が出され、説明会のお知らせ配布範囲が狭すぎたこと、また「学校からのお知らせもなく、公園で遊ぶ子どもたちは何も知らされないまま」との質問(10日)に対する都の回答は、「学校から依頼されたお知らせは、今作成中」と、周知が後手後手になっていることが明らかになりました。
 そして仮設道路工事開始が6月13日と、説明会の3日後であることが、その時初めて説明されるなど、「説明が遅すぎる」「都の住民軽視がひどすぎる」との声が、私のところにも寄せられたところです。これでは工事についての都の説明責任が果たせているとは到底言えません。

1 住民・利用者への説明責任について、以下質問します。
 ア 本事業の全体計画や当面の園路改修工事について、住民への十分な情報提供と理解を得るという説明責任を負う東京都として、5月と6月に行った2回の説明会では全く不十分であり、住民の疑問に答えられていないという認識はありますか。
 イ 住民説明会で答えきれなかった質問への対応や今後の説明責任を果たしていくためにどのように考えていますか?
 ウ 仮設道路の工事開始日が6月13日で、説明会が3日前と、きわめて短期間です。これまでの都立公園などの工事で、これだけの短期間であった前例はありますか?
 エ 公園を日常的に子どもたちが使っているのに、近隣の小学校、幼稚園などを通じて保護者や児童へのお知らせがされないまま、工事を開始することは許されません。お知らせはいつ配布されるのですか?
 オ スポーツ施設など公園利用者は、今回説明会の開催すら知ることができなかったことは、問題です。利用者に対してはどのように周知と説明をされる予定ですか。
 カ 今回の説明会で出された資料は、ホームページへ掲載していますか?当然ですが、閲覧できるようにしてください。あわせて、説明会会場で出された疑問をQ&A形式で、ホームページに掲載すべきと思いますが、いかがですか?
 キ 事業に関する説明資料や工事日程などの情報は、公園管理事務所でいつでも入手できるようにすべきと思いますが、いかがですか?

2 篠崎公園高台化事業について、お聞きします。
 ア 仮設道路及び隣接する園路の工事期間中および供用開始にともなう安全確保について、どのような対策をしていますか?仮設道路は公道(区道)となる為、公園内とはいえ安全確保の徹底が不可欠です。設置される横断防止柵は、子どもや散歩等の高齢者のくぐり抜けを防ぐ形状となっていますか?
 イ 既設の公園駐車場の廃止と新設の駐車場の使用開始の間に空白期間ができないように要望してきたところですが、どうなりますか?
 ウ バーベキュー広場、テニスコート等の利用休止期間中の代替施設は確保されていますか?
 エ 本事業にともない、伐採される公園内の樹木は800本と聞いていますが、新設駐車場の敷地分は含まれていないのではないですか?その範囲では、何本の樹木の伐採または移植を予定しているのですか?
 オ 江戸川区東部地域においても本公園の樹木は貴重な存在ですが、伐採による環境への影響について、調査はされたのでしょうか?調査したのであれば、結果の詳細をお示しください。
 カ 第1工区の敷地内にある3か所の地盤沈下観測所は、経年に渡る地盤沈下を測定する重要な施設ですが、維持されるのでしょうか?
 キ B地区の篠崎町八丁目において2017年3月に実施された試験盛土の観測結果はどうなっていますか?

3 本事業について、住民と利用者への情報提供と説明責任が全く不十分な現状において、公園高台化工事を開始すべきではないと考えます。工事を中止させるべきではありませんか?

令和4年第二回都議会定例会
原純子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都立篠崎公園高台化事業における住民と利用者への情報提供と説明責任について
 1 住民・利用者への説明責任について
  ア 本事業の全体計画や当面の園路改修工事について、住民への十分な情報提供と理解を得るという説明責任を負う都として、5月と6月に行った2回の説明会では全く不十分であり、住民の疑問に答えられていないという認識があるか伺う。

回答
 都は、篠崎公園地区まちづくり工事実施に向けた事業説明会については、国及び区と共同で令和4年5月に2回開催し、篠崎公園園路改修工事説明会については、同年6月に2回開催しました。各説明会において、事業や工事の内容について説明を行うとともに、住民等から寄せられた質疑への回答を行っています。

質問事項
一の1のイ 住民説明会で答えきれなかった質問への対応や、今後の説明責任を果たしていくためにどのように考えているか伺う。

回答
 住民説明会の質問のうち、確認を要するものについては後日対応しております。また、今回の事業や工事に関して問合せができるよう、都をはじめ各事業者の連絡先をお知らせしています。
 今後も、各事業者が工事に着手する際に、工事内容について周辺住民や利用者に周知を図っていきます。

質問事項
一の1のウ 仮設道路の工事開始日が6月13日で、説明会が3日前と、きわめて短期間であるが、これまでの都立公園などの工事で、これだけの短期間であった前例があるか伺う。

回答
 説明会については、内容や規模等を踏まえて開催しており、その場合、工事に着手するまでに開催することとしています。

質問事項
一の1のエ 公園を日常的に子どもたちが使っているのに、近隣の小学校、幼稚園などを通じて保護者や児童へのお知らせがされないまま、工事を開始することは許されないが、お知らせはいつ配布されるのか伺う。

回答
 近隣の小学校等へは事前に説明した上で、工事のお知らせを令和4年6月14日から同月16日までの間に配布しました。

質問事項
一の1のオ スポーツ施設など公園利用者は、今回説明会の開催すら知ることができなかったことは問題だが、利用者に対してはどのように周知と説明をする予定か伺う。

回答
 工事に伴うスポーツ施設等の使用中止については、あらかじめ公園のホームページや園内掲示でお知らせしています。

質問事項
一の1のカ 今回の説明会で出された資料は、ホームページヘ掲載しているのか。当然だが、閲覧できるよう求める。あわせて、説明会会場で出された疑問をQ&A形式で、ホームページに掲載すべきだが、見解を伺う。

回答 
 説明会資料等については、都のホームページに掲載しています。

質問事項
一の1のキ 事業に関する説明資料や工事日程などの情報は、公園管理事務所でいつでも入手できるようにすべきだが、見解を伺う。

回答 
 事業内容や工事日程等については、引き続き公園管理事務所等への掲示により、周知を図っていきます。

質問事項
一の2 篠崎公園高台化事業について
   ア 仮設道路及び隣接する園路の工事期間中および供用開始にともなう安全確保について、どのような対策をしているか。仮設道路は公道(区道)となる為、公園内とはいえ安全確保の徹底が不可欠だが、設置される横断防止柵は、子どもや散歩等の高齢者のくぐり抜けを防ぐ形状となっているか伺う。

回答 
 工事期間中においては、工事場所を常に囲い、利用者が立ち入らないようにするとともに、作業中はガードマンを配置し、安全確保を図っています。
 また、供用開始後も、警察や江戸川区と協議し、必要な安全対策を行っていきます。
 なお、横断防止柵は、東京都の道路工事設計基準に合わせた構造のものを設置します。

質問事項
一の2のイ 既設の公園駐車場の廃止と新設の駐車場の使用開始の間に空白期間ができないように要望してきたところだが、どうなるか伺う。

回答
 新設の駐車場が供用開始されるまでの間、既設駐車場の一部の利用を継続する予定です。

質問事項
一の2のウ バーベキュー広場、テニスコート等の利用休止期間中の代替施設は確保されているか伺う。

回答 
 利用休止期間中のバーベキュー広場の代替施設は予定していません。
 また、テニスコートは当面の間、現状の8面を2面に縮小して運用することとしています。

質問事項
一の2のエ 本事業にともない、伐採される公園内の樹木は800本と聞いているが、新設駐車場の敷地分は含まれていないのではないか。その範囲では、何本の樹木の伐採または移植を予定しているのか伺う。

回答
 新設駐車場の敷地は、高台化事業の範囲外であり、新設駐車場の工事に伴い、高木については、8本を移植、28本を伐採する予定です。

質問事項
一の2のオ 江戸川区東部地域においても本公園の樹木は貴重な存在だが、伐採による環境への影響について、調査はしたのか。調査したのであれば、結果の詳細について伺う。

回答
 既存の樹木の取扱いについては、今後調査を行うこととしています。

質問事項
一の2のカ 第1工区の敷地内にある3か所の地盤沈下観測所は、経年に渡る地盤沈下を測定する重要な施設だが、維持されるのか伺う。

回答 
 都が設置している3か所の地盤沈下観測所は、高台化後も維持します。

質問事項
一の2のキ B地区の篠崎町八丁目において2017年3月に実施された試験盛土の観測結果はどうなっているか伺う。

回答 
 平成29年4月から平成30年2月までの試験盛土に伴う地盤の沈下量は、盛土中央部において0.6センチメートルです。

質問事項
一の3 本事業について、住民と利用者への情報提供と説明責任が全く不十分な現状において、公園高台化工事を開始すべきではないと考える。工事を中止させるべきだが、見解を伺う。

回答
 篠崎公園では、水害時にも対応する広場の高台化や江戸川堤防への避難
 動線の確保に取り組むこととしています。今後とも、事業の内容について、適切に周辺住民や公園利用者への周知を図りながら、工事を進めて行きます。