文書質問 警視庁八坂住宅の解体工事について・他 尾崎あや子都議(北多摩第1選出)
2022年第2回定例会で、以下の文書質問を提出しました。
令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 尾崎あや子
質問事項
一 警視庁八坂住宅の解体工事について
二 東京ベイeSGプロジェクトについて
三 都営住宅の省エネ・再エネについて
一 警視庁八坂住宅の解体工事について
私の活動地域である東村山市富士見町2丁目には、警視庁の八坂住宅があります。現在、八坂住宅の入居者の方がいなくなり、解体工事が始まることについて、地元住民の方からは「住民に説明がなく、今後どうなるのか不安」「八坂住宅の解体工事で騒音などが心配」など不安や心配の声が届いています。そこで、いくつか質問いたします。
1 八坂住宅の土地は、現在どのような状況ですか。土地の所管はどこになるのですか。
2 建物を解体した後は、どのようになるのですか。
3 建物の解体に係る費用について、今年度予算額と内訳及び予算規模はどのくらいになるのか伺います。
4 建物の解体など、今後のスケジュールについて伺います。また、住民への説明会は、どの場面でいつ頃行う予定ですか。
5 八坂住宅の周辺には、日体大桜華高校や明法中・高、明治学院東村山中・高などの学校、保育園や特養老人ホームなどがあり、建物の解体工事の騒音や振動を心配する声がありますが、騒音や振動などの対策はどのように行うのですか。
6 周辺の住宅・建物などへの影響が心配されます。工事前と工事後の住宅への影響調査を求めますが、いかがですか。
7 八坂住宅周辺の道路は通学路にもなっていますが、道幅も狭く大きなトラックや重機などの往来に不安の声もありますが、安全対策などはどのように考えているのですか。
二 東京ベイeSGプロジェクトについて
日本共産党都議団は、この間の臨海開発の総括もなく、東京五輪終了後、臨海副都心の50年、100年先をバラ色に描く再開発に厳しく批判しました。
政策企画局の今年度予算には、東京ベイeSGプロジェクトに4億円が計上されています。
都議会開会日(6月1日)の小池知事所信表明では、「最先端の都市モデルを誕生させる『東京ベイeSGプロジェクト』は、この夏、新たな一歩を踏み出します。広大な中央防波堤エリアを最新テクノロジーの実装フィールドとして開放し、様々な都市課題の解決に繋げていきます」と述べました。
そこで、今年度、どのような取り組みを行うのか、いくつか質問します。
1 政策企画局の東京ベイeSGプロジェクトの4億円の予算の内訳について伺います。今年度の具体的な取り組みについて伺います。
2 「先行プロジェクト」に着手するとありますが、「先行プロジェクト」はどこで決めたのですか。また、プロジェクトの体制はどうなっていますか。
3 先行プロジェクトは、公募テーマを「A:次世代モビリティ」「B:最先端再生可能エネルギー」「C:環境改善・資源循環」の3テーマとしましたが、3テーマに決めた経過、議論はどのように行われたのですか。
4 「次世代モビリティ」「最先端再生可能エネルギー」「環境改善・資源循環」の3つのテーマにつき、2件程度、合計6件程度のプロジェクトを採択する予定だということですが、最終的な採択件数については、事業プロモーターが調整することが4月に出された実施方針に記載されています。事業プロモーターは、どんな人が担うのですか。また、どのように決められたのか、伺います。また、今回の補正予算で増額する理由について伺います。
5 「採択事業者は、事業プロモーター等と調整の上、本プロジェクトの実施期間において当該エリアを無償で使用することができます」とあるが、無償にする根拠について伺います。また、「プロジェクトの実施は、最長3年(2025年3月末まで)を予定しています」とあるが、実施期間や無償にすることなどについては、どこで決めたのですか。
6 「東京ベイeSGまちづくり戦略」では、空飛ぶ車を描き、現在車道になっているところを人が歩く歩道と描く一方で、「第二湾岸道路」を描いています。「第二湾岸道路」について、国土交通省や関係する千葉県などとの話し合いなどは行っているのですか。
7 宮坂副知事は、3月26日から4月3日までUAE(アラブ首長国連邦)に出張しましたが、出張の目的、経費、視察などの具体的な行動と場所・日程はどうなっていましたか。また、同行者はどこの部署の方で何人でしたか。
8 今回の宮坂副知事の出張に係る「報告書」などは、どうなっていますか。
9 宮坂副知事の海外出張で、「東京ベイeSGプロジェクト」にかかわるものはありますか。今後に生かすべき成果などについて、伺います。
10 小池都知事の所信表明で「様々な都市課題の解決に繋げていきます」と述べていますが、都市課題とは具体的にどのようなことですか。
三 都営住宅の省エネ・再エネについて
第1回定例会の財政委員会で、日本共産党都議団の質問に「都有施設の省エネ・再エネの推進について、今後の改築・改修の中でZEB化(省エネと再エネで消費エネルギーゼロをめざす)建築物を目指す」と重要な答弁をしています。都有施設である都営住宅でこそ、断熱・窓・LEDなどの省エネ性能、太陽光パネル設置を増やすなどの再エネの推進が早急に求められます。
国は今年4月1日、「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を行いました。
そこで、いくつか質問します。
1 国土交通省の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」では断熱性能がどのように改正されたのですか。
2 国の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を受けて、都営住宅への対応はどのようになりますか。現在の都営住宅の建替え工事によって、断熱性能等級は4ですが、改正された整備基準を準拠して実施することで、どのように変わりますか。
3 建替えの基準設計はいつから変更されますか。また、その設計に基づく建設工事の発注はいつ頃実施になりますか。おおまかなスケジュールを示してください。
4 また、既存の都営住宅での断熱性能について、どのように考えているのか、伺います。
令和4年第二回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 警視庁八坂住宅の解体工事について
1 八坂住宅の土地は、現在どのような状況か。土地の所管はどこになるのか伺う。
回答
現在は、既存住宅が建っていますが、解体工事に向け、居住者は全員転居しており、閉鎖した上で管理をしています。
土地は、警視庁が所管しています。
質問事項
一の2 建物を解体した後は、どのようになるのか見解を伺う。
回答
解体工事後の予定については、未定です。
質問事項
一の3 建物の解体に係る費用について、今年度予算額と内訳及び予算規模はどのくらいになるのか伺う。
回答
建物の解体に係る令和4年度の予算額は、1億1,898万8,000円です。
内訳は、
設計委託費 958万8,000円
工事監理委託費 220万円
工事費 1億720万円
です。
また、予算規模は、総額約5億円を見込んでいます。
質問事項
一の4 建物の解体など、今後のスケジュールについて伺う。また、住民への説明会は、どの場面でいつ頃行う予定か伺う。
回答
解体工事のスケジュールは、令和4年度中に工事契約を締結し、令和6年度中に工事を完了する予定です。
また、住民説明会は、現時点で工事業者が決定していないため、開催の有無を含めて未定です。
質問事項
一の5 八坂住宅の周辺には、日体大桜華高校や明法中・高、明治学院東村山中・高などの学校、保育園や特養老人ホームなどがあり、建物の解体工事の騒音や振動を心配する声があるが、騒音や振動などの対策はどのように行うのか伺う。
回答
決定した工事業者において、関係法令に基づき、住民に配慮した施工を行うなど、適切な対策をするものと承知しています。
質問事項
一の6 周辺の住宅・建物などへの影響が心配される。工事前と工事後の住宅への影響調査を求めるが、見解を伺う。
回答
決定した工事業者において、適切に家屋調査を行うものと承知しています。
質問事項
一の7 八坂住宅周辺の道路は通学路にもなっているが、道幅も狭く大きなトラックや重機などの往来に不安の声もあるが、安全対策などはどのように考えているか伺う。
回答
通学時間帯における工事車両の通行を含め、安全を最優先とした施工計画が立案、実行されることが重要であると考えています。
質問事項
二 東京ベイeSGプロジェクトについて
1 東京べイeSGプロジェクトの4億円の予算の内訳について伺う。今年度の具体的な取り組みについて伺う。
回答
令和4年度は、先行プロジェクトの事業者公募・選定、事業者の事業実施に向けたインフラ整備を行います。また、官民連携の促進に向け、庁外にプロジェクトの推進拠点設置等を行います。令和4年度予算は、これらの事業実施のために用いるものです。
質問事項
二の2 「先行プロジェクト」に着手するとあるが、「先行プロジェクト」はどこで決めたのか。また、プロジェクトの体制はどうなっているのか伺う。
回答
庁内関係局から成る社会の構造改革の実装に向けたタスクフォースで検討の上、決定しました。
また、先行プロジェクトは政策企画局が中心となり、関係局と連携しながら実施します。
質問事項
二の3 先行プロジェクトは、公募テーマを「A:次世代モビリティ」「B:最先端再生可能エネルギー」「C:環境改善・資源循環」の3テーマとしたが、3テーマに決めた経過、議論はどのように行われたのか伺う。
回答
先行プロジェクトのテーマは、令和3年度策定した「東京ベイeSGプロジェクト(Version1.0)」で示した将来像の実現に向け、庁内関係局から成るタスクフォースで検討の上、決定しました。
質問事項
二の4 最終的な採択件数については、事業プロモーターが調整することが4月に出された実施方針に記載されている。事業プロモーターは、どんな人が担うのか。また、どのように決められたのか、伺う。また、今回の補正予算で増額する理由について伺う。
回答
専門的見地に基づいて、事業の公募や進捗管理を行い、事業効果を最大限発揮するためにプロモーター方式を採用しており、事業プロモーターは、最先端再生可能エネルギーや次世代モビリティなど、幅広い技術分野を総合的に取りまとめるとともに、これら最先端テクノロジーの実装まで支援できる事業者を想定しています。
また、事業プロモーターは、総合評価方式での指名競争入札により決定しております。
補正予算での増額は、今般のウクライナ情勢を契機としたエネルギー危機に対応する観点から、最先端再生可能エネルギーについて拡充を行うために行います。
質問事項
二の5 「採択事業者は、事業プロモーター等と調整の上、本プロジェクトの実施期間において当該エリアを無償で使用することができます」とあるが、無償にする根拠について伺う。また、「プロジェクトの実施は、最長3年(2025年3月末まで)を予定しています」とあるが、実施期間や無償にすることなどについては、どこで決めたのか伺う。
回答
官民が協働して社会構造改革に取り組む観点から、先行プロジェクトの実施期間や進め方は、庁内関係局から成る社会の構造改革の実装に向けたタスクフォースで検討の上、実施方針を決定しました。
質問事項
二の6 「東京ベイeSGまちづくり戦略」では、空飛ぶ車を描き、現在車道になっているところを人が歩く歩道と描く一方で、「第二湾岸道路」を描いている。「第二湾岸道路」について、国土交通省や関係する千葉県などとの話し合いなどは行っているのか伺う。
回答
第二東京湾岸道路は、三環状道路などと一体的な道路ネットワークを形成し、都県間の広域的な交流・連携を促進するとともに、湾岸エリアの交通混雑を緩和する路線であり、「東京ベイeSGまちづくり戦略」にも位置付けています。
都としては、国への提案要求や九都県市首脳会議の要望などを通じて、本路線の計画の具体化などについて、国に働きかけています。
質問事項
二の7 宮坂副知事は、3月26日から4月3日までUAE(アラブ首長国連邦)に出張したが、出張の目的、経費、視察などの具体的な行動と場所・日程はどうなっていたか。また、同行者はどこの部署の人で何人だったか伺う。
回答
UAE(アラブ首長国連邦)への出張は、海と緑の環境に調和したサステナブルな次世代都市の実現に向けて、海外都市の先進事例や「2020年ドバイ国際博覧会」などの視察及び現地担当者との意見交換を行うことを目的に実施しました。
出張に係る総経費は、約4,720千円です。
随行した職員は5名で、都市整備局からまちづくり調整担当部長をはじめ3名が、政策企画局から2名の職員が出張しました。
日程は、令和4年3月26日に出発し、同月27日から同月30日にドバイ首長国、同月31日にアブダビ首長国、同年4月1日にシャルジャ首長国を視察し同月3日に帰国しました。
質問事項
二の8 今回の宮坂副知事の出張に係る「報告書」などは、どうなっているか伺う。
回答
都市整備局及び政策企画局の両局で出張復命書を作成し、視察内容や成果を報告しています。
質問事項
二の9 宮坂副知事の海外出張で、「東京ベイeSGプロジェクト」にかかわるものはあるか。今後に生かすべき成果などについて、伺う。
回答
東京ベイeSGプロジェクトは、「自然」と「便利」が融合する持続可能な都市の実現に向けて、ベイエリアから世界最先端の取組を展開・実装することを目指しています。
今回の出張では、デジタルと先端技術の実装などの先進事例を調査するとともに、UAE政府AI担当大臣や現地担当者と意見交換などを行いました。こうした調査結果を、東京ベイeSGプロジェクトが目指す持続可能な都市づくりに活かしていきます。
質問事項
二の10 小池都知事の所信表明で「様々な都市課題の解決に繋げていきます」と述べているが、都市課題とは具体的にどのようなことか伺う。
回答
ゼロエミッションの実現や、水と緑溢れる都市づくりなどといった課題の解決に繋げていきます。
質問事項
三 都営住宅の省エネ・再エネについて
1 国土交通省の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」では断熱性能がどのように改正されたのか伺う。
回答
新たに建設する公営住宅の断熱性能については、これまでの「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく断熱等性能等級の等級4から、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づく建築物エネルギー消費性能誘導基準を満たすことに改正され、いわゆるZEH水準に準拠して公営住宅を整備することが必要となります。
質問事項
三の2 国の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を受けて、都営住宅への対応はどのようになるか。現在の都営住宅の建替え工事によって、断熱性能等級は4だが、改正された整備基準を準拠して実施することで、どのように変わるか伺う。
回答
「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を踏まえ、今後、都営住宅の基準設計を見直し、複層ガラスの窓の採用や断熱材の増強などにより、断熱性能をZEH水準に引き上げていきます。
質問事項
三の3 建替えの基準設計はいつから変更されるか。また、その設計に基づく建設工事の発注はいつ頃実施になるか。おおまかなスケジュールを伺う。
回答
都営住宅の基準設計については、今後、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」の改正を踏まえ、図面や仕様書として取りまとめ、東京都営住宅条例に基づく都営住宅の整備基準として決定することとしています。
このため、新たな整備基準に基づく建替え工事の発注開始時期については、未定です。
質問事項
三の4 既存の都営住宅での断熱性能について、どのように考えているのか、伺う。
回答
既存の都営住宅については、今後とも、耐用年数や屋根の断熱材の仕様等を勘案して、屋上防水の改修工事に併せて、断熱性能の向上を図っていきます。