文書質問 新型コロナ対策融資について ほか 尾崎あや子都議(北多摩第一選出)
2022年第4回定例会で以下の文書質問を提出しました。
令和4年第四回都議会定例会文書質問趣意書
提出者 尾崎あや子
質問事項
一 新型コロナ対策融資について
二 北多摩地区特別支援学校(仮称)の建設について
三 国民健康保険について
答弁
一 新型コロナ対策融資について
二 北多摩地区特別支援学校(仮称)の建設について
三 国民健康保険について
一 新型コロナ対策融資について
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上が減少している中小企業を支援するため、都は利子補給、保証料補助などを行い(いわゆるゼロゼロ融資)支援してきました。コロナ禍で深刻な状況になり、藁をもすがる思いで借り入れを行い、「助かった」との声が寄せられています。
1 2020年3月から2021年3月までの申し込み期間で行われた、コロナ対応融資に対する、都が負担した利子補給の金額と保証料補助の金額はどうなっていますか。
2 ゼロゼロ融資の据え置き期間の設定について、利用状況について伺います。据置期間1年以内、1年から3年以内、3年から5年、それぞれの状況を伺います。
3 新型コロナ感染症の影響で債務の返済ができない個人事業主に対し、個人の債務者が法的倒産手続きによらず、債務整理を円滑にできることは重要です。個人事業者の事業再生を後押しするため、都はどのような支援を行っていますか。
4 「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」に基づいて、保証協会付きの融資の権利放棄について、5年間の実績について教えてください。
5 2021年度各会計決算特別委員会・第3分科会(2022年10月21日)で、弁護士から保証協会付きの制度融資を借りている場合、ガイドラインによる債務整理ができなくなり破産に追い込まれてしまうとの声を紹介し、都の条例を改善し保証協会付きの融資の債権放棄を行うよう求めると、都は「既に条例がある」「実績がある」と答弁しました。
新型コロナ対策融資も都の「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」に基づいて権利放棄の実績は、具体的にあるのですか。
6 保証協会との意見交換は定期的に行っているのですか。今回のガイドラインによる債務整理について、保証協会との意見交換は行ったのですか。
7 ガイドラインによる債務整理について、制度の仕組みなどを積極的に周知することが必要です。個人事業者や関係する団体等に対して丁寧な周知を求めますが、認識を伺います。
二 北多摩地区特別支援学校(仮称)の建設について
東大和市に住んでいる知的障害のある子どもたちは現在、羽村特別支援学校などに通っていますが、「もっと近くに特別支援学校があれば助かる」との声が以前から多く寄せられ、私も羽村特別支援学校を視察し文書質問も行ってきました。
都営住宅向原アパートの創出地を活用して北多摩地区特別支援学校(仮称)の建設について東大和市との協議が進み、ようやく建設にむけて動き出したことは大変うれしく思っています。
しかし、建設予定地の側道は狭く、住民からは「玄関の位置を変えられないのか」「スクールバスはどこを走るのか」「工事中の車両はどこを通るのか」などの質問・意見が寄せられています。
そこで、いくつか質問します。
1 東大和市内にある都営住宅向原住宅の創出地を活用した、北多摩地区特別支援学校(仮称)建設について、住民説明会が開催されました。住民説明会では、どのような意見や要望が出されましたか。
2 北多摩地区特別支援学校(仮称)の配置図によると、スクールバスの入り口が戸建ての住宅街の側になります。道路幅が狭い状況であり、住民から不安の声も寄せられていますが、都の認識を伺います。
3 近くに小学校があり、通学路になっています。工事中の安全確保のための対策が必要だと思いますが、どうですか。
三 国民健康保険について
長引くコロナと物価高騰のなかで、暮らしへの不安が増えています。こういう状況の中だからこそ、社会保障の拡充が必要です。税金や国民健康保険料・保険税の重い負担も深刻です。
そこで、国民健康保険にかかわり、いくつか質問します。
1 東京都の区市町村国民健康保険加入者の職業構成はどうなっていますか。
2 新型コロナの感染拡大の中で、国は、新型コロナに感染するなどした被用者を傷病手当の支給対象にしたことは大変重要です。2021年度の区市町村国民健康保険実績について伺います。
3 新型コロナの感染拡大は収束の見通しが見えません。国民健康保険に加入している人は、個人事業者やフリーランス、漁業者・農業者、パートやアルバイトなどの非正規雇用者、年金受給者などです。何かあった場合の補償が少なく、不安を抱えながら暮らしています。被用者以外も含めてすべての国民健康保険加入者に対する傷病手当の創設が求められています。都として、国に要望することを求めますが、いかがですか。
4 出産に係る費用が増えている中、国民健康保険には出産手当がありません。国民健康保険に加入している人から「出産育児一時金の額を増やしてほしい」「社会保険と同様の出産手当をつくってほしい」との要望が強く出されています。
2023年度から国民健康保険の出産育児一時金の増額されることは重要ですが、出産費用も値上がっているため出産費用を賄えるだけの出産育児一時金にすること。将来的には社会保険と同様に出産手当を創設することが求められます。都として、国に要望すべきですが、どうですか。
令和4年第四回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 新型コロナ対策融資について
1 2020年3月から2021年3月までの申し込み期間で行われた、コロナ対応融資に対する、都が負担した利子補給の金額と保証料補助の金額はどのようになっているか伺う。
回答
令和2年3月から令和3年3月までの申込期間で行われた、新型コロナウイルス感染症対応緊急融資等における保証料補助額は約1,400億円、利子補給額は約800億円です。
質問事項
一の2 ゼロゼロ融資の据え置き期間の設定について、据置期間1年以内、1年から3年以内、3年から5年、それぞれの状況について伺う。
回答
据置期間については、1年以内に設定されたものが6割、1年から3年以内が3割、3年から5年以内が1割程度となっています。
質問事項
一の3 個人事業者の事業再生を後押しするため、都はどのような支援を行っているか伺う。
回答
「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」に基づき、中小企業者等の事業の再生を促進しています。
質問事項
一の4 「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」に基づいて、保証協会付きの融資の権利放棄について、5年間の実績について伺う。
回答
「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」に基づき、都が平成29年度から令和3年度に放棄した権利は6件、金額は約2,600万円です。
質問事項
一の5 新型コロナ対策融資も都の「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」に基づいて権利放棄の実績は、具体的にあるか伺う。
回答
新型コロナウイルス感染症対応緊急融資等については、「東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例」に基づく権利放棄の実績は、ありません。
質問事項
一の6 保証協会との意見交換は定期的に行っているのか。また、今回のガイドラインによる債務整理について、保証協会との意見交換は行ったのか伺う。
回答
東京信用保証協会との間では、様々な取組に関わる意見交換を行っています。
質問事項
一の7 ガイドラインによる債務整理について、制度の仕組みなどを積極的に周知すべきであり、個人事業者や関係する団体等に対して丁寧な周知を求めるが、認識を伺う。
回答
金融支援に関わる内容については、関係する団体等に適切に周知を行っています。
質問事項
二 北多摩地区特別支援学校(仮称)の建設について
1 東大和市内にある都営住宅向原住宅の創出地を活用した、北多摩地区特別支援学校(仮称)建設について、住民説明会では、どのような意見や要望が出されたか伺う。
回答
令和4年8月30日に開催した都立北多摩地区特別支援学校(仮称)工事計画説明会においては、車両出入口付近の安全性や日影等についての意見や要望が出されました。
質問事項
二の2 北多摩地区特別支援学校(仮称)の配置図によると、スクールバスの入り口が戸建ての住宅街の側になり、道路幅が狭い状況であり、住民から不安の声も寄せられているが、都の認識を伺う。
回答
スクールバスの出入口については、安全確保に十分配慮していきます。
質問事項
二の3 近くに小学校があり、通学路になっており、工事中の安全確保のための対策が必要だが、見解を伺う。
回答
工事中の安全確保については、工事範囲に仮囲いを設置するほか、工事車両の出入口には、交通誘導員を配置するなど十分な安全対策を講じることとしています。
質問事項
三 国民健康保険について
1 東京都の区市町村国民健康保険加入者の職業構成はどうなっているか伺う。
回答
都内区市町村の国民健康保険に加入している世帯の世帯主の職業別世帯数の構成割合は、国が令和4年2月に公表した令和2年度国民健康保険実態調査報告によると、職業不詳分を除き、農林水産業0.1パーセント、その他の自営業20.5パーセント、被用者38.3パーセント、その他の職業5.1パーセント、無職36.0パーセントとなっています。
質問事項
三の2 新型コロナの感染拡大の中で、国は、新型コロナに感染するなどした被用者を傷病手当の支給対象にしたことは大変重要であるが、2021年度の区市町村国民健康保険実績について伺う。
回答
新型コロナウイルス感染症に感染した又はその感染が疑われる被用者に対する傷病手当金の令和3年度の支給決定件数及び支給額は、2,567件、172,764,219円です。
質問事項
三の3 被用者以外も含めてすべての国民健康保険加入者に対する傷病手当の創設が求められており、都として、国に要望することを求めるが、見解を伺う。
回答
病気や怪我の療養のため勤務できない被保険者に支給される傷病手当金は、被用者保険では法定給付とされていますが、国民健康保険では、区市町村及び国民健康保険組合が条例又は規約に基づいて実施する任意給付とされています。
国は、国民健康保険の被保険者は自営業者など様々であり、それぞれの就業状況や収入の把握が困難であることなどから、新型コロナウイルス感染症に感染した又はその感染が疑われる被用者に対して区市町村等が傷病手当金を支給する場合に特例的な財政支援を行っています。
質問事項
三の4 2023年度から国民健康保険の出産育児一時金の増額されることは重要であり、出産費用も値上がっているため出産費用を賄えるだけの出産育児一時金にすること。将来的には社会保険と同様に出産手当を創設することが求められ、都として、国に要望すべきだが、見解を伺う。
回答
出産育児一時金については、九都県市首脳会議において、出産費用の実態に合わせた額を支給できるよう、全ての健康保険で増額するとともに、国民健康保険では被保険者の負担増とならないよう、財源措置を講じることを令和4年5月に国に要望しています。
国は、社会保障審議会医療保険部会などでの議論を踏まえ、平均的な出産費用等を勘案し、現在原則42万円となっている出産育児一時金の額を、令和5年4月から50万円に引き上げるとしています。
国民健康保険における出産手当金の創設については、制度設計者である国において検討すべきと考えます。