コロナ対策特別委員会での調査を終了することへの反対意見
日本共産党都議団の原のり子都議(北多摩第四(清瀬市、東久留米市)選出)は10月3日、新型コロナウイルス感染症対策特別委員会で、コロナ対策についての調査を終了し、委員会を閉じることに反対する意見表明を行いました。
委員会では、報告書をまとめて調査を終了し、委員会を閉じる方針が自民党、都民ファーストの会、公明党の賛成多数で決定されました。日本共産党都議団、都議会立憲民主党、ミライ会議は反対しました。
★意見表明する原のり子都議(新型コロナウイルス感染症対策特別委員会・2023.10.3)
★動画(都議会公式ホームページです)
日本共産党都議団を代表して、ただいまの委員会調査報告書案について反対の意見を述べます。
これまでのとりくみについて報告書をまとめることは重要ですが、現在、第9波という状況であり、医療のひっ迫も招いています。冬には第10波という状況にもなりかねません。後遺症も引き続き深刻であり、今後も迅速に対策をとっていくことが必要です。コロナの感染症法上の位置づけが、5類に引き下げられたからといって、ウイルスの性質が変わったわけではありません。特別委員会の役割はますます重要です。現段階では中間報告とすべきであり、この調査報告書をもって特別委員会を閉じるべきではないと考えます。
コロナ対策特別委員会は、感染が広がる2021年8月20日に設置されました。コロナ感染症にかかわる多くの局が一堂に会し、一問一答で質疑できる重要な場として役割を果たしてきました。副知事、教育長、病院経営本部などにも出席していただきました。9月21日の特別委員会では、多くの会派がコロナ後遺症をとりあげました。
コロナ対策は、もっとも最初の段階で緊急に取られるべき対策、感染が広がってきてからの対策など、フェーズごとに変化、発展してきています。
第2波の対応に関連して、9月21日の特別委員会において、2020年に日本共産党が「感染震源地」という言葉を使ったことなどにより、不安をあおり、風評被害が発生したとの発言がありました。しかし、これは、共産党だけが使っていた言葉ではありません。
感染震源地という言葉は、エピセンターを訳したものです。WHOが2020年3月の文書で「ヨーロッパが感染の震源地(エピセンター)になりつつある」と述べています。2020年当時、東京都医師会や、研究者も感染震源地への対策を求めていました。また、2020年8月18日には、自民党、立憲民主党、日本共産党の国会議員が、感染震源地を明確にし、集中的にPCR検査を行うなどを求める、超党派の「医師国会議員の会」の提言書を、厚生労働大臣に提出しました。新型コロナウイルスは、無症状の感染者からも感染が広がることが特徴であり、感染を抑え込むためには、無症状者も含めて地域の全体に対して検査を行うことが、当時の状況下では必要でした。しかし、徹底した検査は行われず、感染者数は大きく減らないまま、その後の第3波につながったのです。
その一方で小池知事が行ったことは、新宿歌舞伎町などの地域について「夜の街」という言葉をくりかえし使い、感染者が多いと述べて注意を呼び掛ける、すなわち自衛を求めることでした。6月30日には、小池知事は記者会見で、「夜街注意」とパネルを掲げて注意をよびかけたのです。行政としてやるべきことをやらずに、都民と事業者の自己責任であるかのように言う、このような知事の姿勢が地域で営業されているみなさんに困難をもたらしたのではないでしょうか。日本共産党都議団は、こうした知事の姿勢を厳しく批判してきました。
自己責任論ではなく、政治が感染対策に責任をもつ姿勢を明確にする、そのうえで必要な施策を行うことこそが、安心して営業を続けるために必要であることを強調するものです。
このように、コロナ対策は、フェーズごとにしっかり対策を取っていくことが必要です。そして、多岐にわたり、局を横断する内容であるため、全庁的にとりくむ必要があります。この特別委員会の役割がますます重要になっています。今、特別委員会を閉じてしまえば、都民のみなさんに向けて、コロナ感染は終わったかのようなメッセージとならないでしょうか。委員会を閉じることには反対し、意見といたします。