文書質問 宝生ハイツの建て替え計画について、 マイナンバーについて 福手ゆう子(文京区選出)
2023年第1回定例会で以下の文書質問を提出しました。
質問事項
一 宝生ハイツの建て替え計画について
二 マイナンバーについて
答弁
一 宝生ハイツの建て替え計画について
二 マイナンバーについて
一 宝生ハイツの建て替え計画について
総合設計制度を利用した宝生ハイツの建て替え計画は、46メートルの高さ制限がある地域に地上20階、高さ約70メートルの高層マンションを建設する計画です。
しかし、町会、住民、学校からは、閑静な町並みにそぐわない高層マンションがたてられれば町が壊れてしまうと声があがり、日照やプライバシーの問題など近隣住環境、教育環境を悪化させる計画の見直しを求めています。
こうした地域住民の思いは、東京都が総合設計の許可を機械的に進めないでほしいという思いを込めて、慎重な判断を求める請願が、1万4,714筆の署名と共に出されました。
署名請願が付託された昨年9月15日の都市整備委員会と文教委員会ではいずれも全会一致で継続審議となりました。その後、この宝生ハイツの総合設計については、建築審査会への付託が見送られています。
現在、あっせん調停が行われています。この問題の根本的解決は、容積率緩和で高層建築物が建てられることの見直しであり、そうでなくても、それに近い中身の変更が建築主には問われています。同時に、建築指導の立場にある東京都は、公開空地の設置を地域貢献にあたるとして容積率緩和を行いますが、地域住民からは、全く評価されていません。地域貢献と称して周辺環境が悪化する計画を進めてよいのかが問われています。
東京都は2月14日の都市整備委員会において、尾崎あや子都議の質問に対し「外壁面の後退距離を確保させることや、終日日影を隣接敷地内に発生させないことを建築主に求めるなど、教育環境に配慮された建築計画の誘導に向け、許可要綱に基づき指導をしている」と答弁しています。そこで以下、現在の状況や都の認識を伺います。
1 東京都は指導が必要と認識したのは、どの段階で何によってですか。
2 建築主への指導は具体的に、いつ、誰が、どのように指導しましたか。
3 東京都の指導内容の根拠をうかがいます。
4 外壁面の後退距離の確保の指導は、距離としてどの程度を確保することを指導していますか。そして、その指導に対し建築主はどう対応するのですか。
5 終日日影を隣接敷地内に発生させない指導について、建築主の対応はどのようなものですか。
6 建築主が対応してもなお日影が発生する場合はどうなりますか。
7 指導の内容が達成されなかった場合には、都民にとってどのような影響があると都は考えていますか。
8 地域住民からマンションの入り口付近の公開空地は、実質的にはマンション住人が使用し地域住民が使えるものではなく、地域の貢献にはならないと意見がでていますが、見解をうかがいます。
9 隣接する女子校が公開空地から覗かれ、プライバシーの問題が指摘されています。この状態で公開空地が設置されるのは問題だと考えますが、見解をうかがいます。
二 マイナンバーについて
岸田内閣は現行の保険証を廃止しマイナンバーカードに一本化する法案を閣議決定しました。日本弁護士連合会の水永誠二氏は「国民皆保険制度の日本で健康保険証を廃止することは、マイナンバーカードの事実上の強制で、本人の申請により発行すると条文で明記している番号法に違反する」と院内集会で指摘をしています。さらにマイナンバーカード保険証を使った場合には初診料が安くなるとしたやり方は、国民を強引に誘導するやり方でありやめるべきです。
共通番号によって個人を特定することができるのがマイナンバーです。個人のプライバシーや人権にかかわる情報がたった一つの番号によって管理され、どんなに対策を行っても、万が一漏えいや悪用されたときには、重大な被害、人権侵害が起こりうる非常に危うい制度で、多くの国民は不安に感じています。事実上作成を強制する政府や行政のやり方は許されません。
都としてもこれまでマイナンバーによる情報連携先を広げてきており、マイナンバーを利用する際に情報連携の希望の有無を確認したとしても、都民としては自分の個人情報がどこへ提供され、どこが自分の個人情報を知っているかわからなくなる、と言うのが実態ではないでしょうか。行政として都民の個人情報を守る立場で対応していくことが求められています。
現時点で東京都は、マイナンバーを利用することの案内やマイナンバーによる情報の使われ方などについて、都民に対して詳しくわかりやすく説明することが必要です。以下質問していきます。
1 どんな行政手続きも、基本的にはマイナンバーを記入しなくても、手続きは可能であるということで間違いないですか。
2 「特定医療費(指定難病)受給者証の更新手続きのご案内」の中で、「難病医療費助成制度では認定されている方の情報をマイナンバーにより管理していますので、個人番号に係る調書は、全員の方の提出が必要」とありますが、どういう意味ですか。
3 マイナンバーを記入しなければ、難病医療費助成の受給者証の更新の手続きはできないということですか。
4 国は難病医療費の支給認定や医療費の給付に関する事務において、医療保険給付関係情報、生活保護関係情報や中国残留邦人等支援給付等関係情報、地方税関係情報や住民票関係情報、国民年金の支給に関する情報についても照会をかけ情報連携できるとしています。都としては、どこまで利用するとしていますか。
5 難病医療費助成制度以外に、医療費助成に関わる制度で認定されている方の情報をマイナンバーで管理しているため、手続きの際にマイナンバーの記載が必要と案内しているものは、他になにがありますか。
令和5年第一回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 宝生ハイツの建て替え計画について
1 都は指導が必要と認識したのは、どの段階で何によってかについて伺う。
回答
都は、総合設計制度の運用に当たり総合設計許可要綱を制定し、公開空地の確保や地域の防災、環境への貢献などを通じて、市街地環境の整備改善に資する建築計画を誘導することとしています。
本計画については、許可申請を受理する1年以上前から事前相談を受けており、この中で外壁面の後退距離の確保など総合設計許可要綱の内容との整合性等について確認を行い、周辺の市街地環境などに配慮した建物形態となるよう、必要に応じて建築主を促してきました。
質問事項
一の2 建築主への指導は具体的に、いつ、誰が、どのように指導したか伺う。
回答
都は、総合設計許可の手続を進めるに当たって、事前調整を行うべき項目や必要な手続を示した許可申請フローを作成し、公表しています。
このフローに基づき、許可申請を受理する1年以上前から、外壁面の後退距離の確保など総合設計許可要綱の内容との整合性等について確認を行い、周辺の市街地環境などに配慮した建物形態となるよう、必要に応じて建築主を促してきました。
質問事項
一の3 都の指導内容の根拠について伺う。
回答
都は、総合設計許可要綱に基づき、市街地環境の整備改善に資する建築計画を誘導することとしています。
質問事項
一の4 外壁面の後退距離の確保の指導は、距離としてどの程度を確保することを指導しているか。そして、その指導に対し建築主はどう対応するのか伺う。
回答
本計画地には、都市計画法などによる外壁面の後退距離の規制はありません。
しかし、本計画は総合設計制度の適用を前提として計画されているため、許可要綱で、計画建築物の地表面からの高さに応じて、隣地境界線から外壁面までなどの後退距離を規定し、市街地環境の整備改善に資する建築計画となるよう建築主に求めています。
なお、建築主の対応については、審査中であることからお答えできません。
質問事項
一の5 終日日影を隣接敷地内に発生させない指導について、建築主の対応はどのようなものか伺う。
回答
本計画地は、近隣商業地域に位置しており、建築基準法などに基づく日影規制の対象外です。
しかし、本計画は総合設計制度の適用を前提として計画されているため、周辺の市街地環境等に配慮した建物形態となるよう、冬至日の午前8時から午後4時までの8時間全てが日影となる、いわゆる「終日日影」を隣接敷地内に発生させないことを建築主に求めています。
なお、建築主の対応については、審査中であることからお答えできません。
質問事項
一の6 建築主が対応してもなお日影が発生する場合はどうなるか伺う。
回答
本計画地は、建築基準法などに基づく日影規制の対象外です。
しかし、本計画は総合設計制度の適用を前提として計画されているため、いわゆる「終日日影」を隣接敷地内に発生させないことを建築主に求めており、周辺の市街地環境等に配慮した建物形態となるよう誘導しています。
質問事項
一の7 指導の内容が達成されなかった場合には、都民にとってどのような影響があると都は考えているか伺う。
回答
総合設計の許可に当たっては、許可要綱に基づき、周辺の市街地環境等に配慮した建物形態となるよう、外壁面の後退距離を確保させることや、いわゆる「終日日影」を隣接敷地内に発生させないことを建築主に求めるなど誘導しています。
質問事項
一の8 地域住民からマンションの入り口付近の公開空地は、実質的にはマンション住人が使用し地域住民が使えるものではなく、地域の貢献にはならないと意見がでているが、見解を伺う。
回答
総合設計の許可に当たっては、許可要綱に基づき市街地環境の整備改善に資するよう、公開空地の整備を建築主に求めています。
本計画では、敷地西側のマンションの出入口付近に広場状の公開空地が計画されており、地域住民の方も利用しやすい空間となるよう促しています。
なお、建物しゅん工後は、誰もが日常的に利用できる空間であることを示した掲示板を設置するとともに、適切に維持管理されるよう、その状況について報告することを義務付けています。
質問事項
一の9 隣接する女子校が公開空地から覗かれ、プライバシーの問題が指摘されての状態で公開空地が設置されるのは問題だが、見解を伺う。
回答
本計画では、桜蔭中学校高等学校に隣接した敷地南側に広場状の公開空地が計画されており、近隣住民等のプライバシーに配慮した計画となるよう建築主を促しています。
質問事項
二 マイナンバーについて
1 どんな行政手続きも、基本的にはマイナンバーを記入しなくても、手続きは可能であるということで間違いないか、見解を伺う。
回答
いわゆるマイナンバー法及び条例で定められている行政手続の申請の際にマイナンバーを記載いただくことで、住民票等が省略できるなど、利便性の向上に繋がることから、制度の周知に努めています。なお、具体的な行政手続については、それぞれの事務処理要領等で定めています。
質問事項
二の2 「特定医療費(指定難病)受給者証の更新手続きのご案内」の中で、「難病医療費助成制度では認定されている方の情報をマイナンバーにより管理しているので、個人番号に係る調書は、全員の方の提出が必要」とあるが、どういう意味か、見解を伺う。
回答
都は、マイナンバー法及び条例に基づき、難病患者の医療費助成に関する事務において、申請に必要な住民票等の添付書類の一部を省略し、患者等の利便性の向上を図るとともに、生活保護事務などを行う区市町村等からの医療費助成に係る照会に回答するため、マイナンバーの提出を求めています。
質問事項
二の3 マイナンバーを記入しなければ、難病医療費助成の受給者証の更新の手続きはできないということか、見解を伺う。
回答
マイナンバーの記入がない場合は、住民票及び住民税(非)課税証明書等の提出により、更新申請ができます。
質問事項
二の4 国は難病医療費の支給認定や医療費の給付に関する事務において、医療保険給付関係情報、生活保護関係情報や中国残留邦人等支援給付等関係情報、地方税関係情報や住民票関係情報、国民年金の支給に関する情報についても照会をかけ情報連携できるとしている。都としては、どこまで利用するとしているか伺う。
回答
都は、難病医療費助成の支給認定において、生活保護、中国残留邦人等支援給付等、地方税及び住民票の各関係情報を、マイナンバー法及び条例に基づく情報連携により取得しています。
質問事項
二の5 難病医療費助成制度以外に、医療費助成に係る制度で認定されている方の情報をマイナンバーで管理しているため、手続きの際にマイナンバーの記載が必要と案内しているものは、他になにがあるか伺う。
回答
難病医療費助成制度以外の医療費助成制度でマイナンバーの提出を求めているのは、小児慢性特定疾病医療費助成、結核児童療育給付、医療型障害児入所施設に契約入所している方への医療及び自立支援医療(精神通院医療)です。