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質問・条例提案

2023.06.21

文書質問 一、日野市三沢3丁目の斜面地開発について  二、畜産農家への支援について 清水とし子都議(日野市選出)

2023年第2回定例会で以下の文書質問を提出しました。

質問事項
  日野市三沢3丁目の斜面地開発について
  畜産農家への支援について
答弁
  日野市三沢3丁目の斜面地開発について
  畜産農家への支援について


令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書 提出者 清水とし子

質問事項
 一 日野市三沢3丁目の斜面地開発について
  2023年6月3日深夜、三沢3丁目48番地の開発区域の崖地が崩れ、すぐ下にある集合住宅の玄関前に土砂が流入しました。
  この崖地は、2014年に土砂崩れを起こし京王動物園線内に土砂が流入し、その後も2019年の台風19号の際にも、京王動物園線を止める土砂崩れがくりかえされています。
  多摩丘陵では、以前は開発事業者が手を付けなかった土砂災害の危険があるような急傾斜地の開発がみられるようになっています。
  都として、土砂災害の危険がある斜面地等での宅地開発は、法や条例を駆使して、抑制することを求めます。
 1 今回の開発区域では、土砂災害の防止や、宅地の安全性確保がとりわけ求められていました。
   土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、都の開発許可の審査基準はどのようなものが設けられていますか。
 2 開発事業者の計画では、土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、どのような対策が講じられることになっていましたか。
  近隣住民の方から、戸建て住宅側にある擁壁について、当該開発のアパートの地下構造部分が、戸建て住宅側にある既存の擁壁のすぐ裏側にできたため、擁壁の水抜き穴が十分に機能しなくなり、行き場を失った水が、擁壁の上などから泥とともに戸建て住宅側の道路に流れ出し、困っているとの声が寄せられています。
 3 どうして開発区域の土砂や雨水が近隣にあふれ出る事態が起きるのですか。
 4 開発に際しての審査基準に適合していた事業で、土砂崩れの事故が起きたことについて、都はどのように認識していますか。
  2023年6月2日の豪雨の際には、アパートの裏山が土砂崩れを起こし、直下にあるアパートに設置されている1メートルほどの塀を乗り越えて土砂が玄関の前に流入しました。
  今後も、裏山に擁壁を作るなど、さらなる土砂崩れの追加対策を講じなければ、再び、土砂の流入が起きる恐れがあります。
  今後、開発区域に建設される新しいアパートでも同様に裏山の土砂流入の危険性があります。
  また、6月2日の降雨量は174.5ミリメートル/日でした。八王子の観測情報によれば、同等以上の降雨は1998年以降の25年間で13回もあり、今後も同様の降雨があることは十分に考えられます。
 5 この開発計画の土砂災害防止対策が十分であったのか、検証することが必要ではありませんか。
 6 裏山に擁壁を作るなどの追加の対策が必要ではありませんか。

二 畜産農家への支援について
 1 外国産の飼料が高騰していることや持続可能な農業を促進していくなどの観点から、国産の飼料の利用を促進していくことが重要と考えますが、都の認識についてうかがいます。
  都内の養鶏農家からお話を伺いました。
  この農家は、安全性やおいしさにこだわり、餌には遺伝子組み換えをしていないトウモロコシや大豆かす、国産の飼料米、魚粉を自家配合して鶏を育てています。そこで出る鶏糞は、近隣農家などに肥料として活用されています。
  物価高騰のなかで、トウモロコシは1トン当り3万円から9万円へと3倍になり、国産の飼料米や魚粉も外国産飼料の高騰につられるような形で値上がりをし、餌代は月300万円にも上っています。さらに、ヒナ鳥の購入価格も値上がりしていますが、その全てを価格転嫁することはできません。
  飼料代の高騰対策として、国の配合飼料価格安定制度がありますが、自家配合農家は対象外のため、支援が受けられません。
  国の低コスト配合飼料自家製造推進緊急対策があるものの、その対象はトウモロコシに限定されています。
 2 都として、飼料米や魚粉など、自家配合飼料についての独自の価格安定制度を創設することや、飼料代の高騰等に対する支援を講じるべきと考えますが、いかがですか。
 3 昨年度、都は「飼料価格高騰に伴う畜産経営緊急支援事業」を実施し、多くの農家から「大変助かった」との声が寄せられています。
   その後も、飼料価格や電気代の高騰が続いています。
   都として、再度「飼料価格高騰に伴う畜産経営緊急支援事業」を実施すべきと考えますが、いかがですか。


令和5年第二回都議会定例会
清水とし子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 日野市三沢3丁目の斜面地開発について
  1 土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、都の開発許可の審査基準はどのようなものが設けられているか伺う。

回答
  都市計画法及び宅地造成等規制法の規定に基づく許可等に関する都の審査基準では、土砂崩れ防止対策については、30度を超える崖面の場合には基準に基づき擁壁を設けるなど、地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が取られていること、雨水排水処理対策については、排水施設や雨水流出抑制施設の設計が5年に1回の確率で想定される降雨強度に対して適切であること、道路については、行き止まりであっても避難上及び車両の通行上支障がない設計となっていることを、事業者から提出された図面や計算書等の資料により審査することとなっています。

質問事項
 一の2 開発事業者の計画では、土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、どのような対策が講じられることになっていたか伺う。

回答
  土砂崩れ防止対策については、必要な箇所に擁壁を設置するなど、関係法令に適合した設計としています。
  雨水排水処理対策については、貯留施設で集水した後、管きょで排水する計画となっています。
  道路については、幅員が6メートルで、接続先道路を含めた行き止まり道路延長が120メートル以内であることから、行き止まり道路に関する基準を満たしています。

質問事項
 一の3 開発区域の土砂や雨水が近隣にあふれ出る事態が起きるのか伺う。

回答
  一般的に、土砂や雨水の流出については、気象状況や施設の管理状況等が複合的に関係していると考えられます。

質問事項
 一の4 開発に際しての審査基準に適合していた事業で、土砂崩れの事故が起きたことについて、どのように認識しているか伺う。

回答
  当該事故の発生については、気象状況や工事完了後の土地の管理等が複合的に関係していると考えられます。

質問事項
 一の5 この開発計画の土砂災害防止対策が十分であったのか、検証することが必要ではないか、見解を伺う。

回答
  本箇所における開発工事は、事業者からの申請内容が都市計画法の規定に適合していたことから、都は平成30年5月に許可を行いました。
  対策が十分であったかについては、土地の保全義務を負う土地所有者等が検証すべきものです。

質問事項
 一の6 裏山に擁壁を作るなどの追加の対策が必要ではないか、伺う。

回答
  令和5年6月2日から3日にかけての豪雨に伴う土砂崩れに対しては、事業者が応急的な措置を行っており、都はその状況を既に確認しています。
  また、同月20日付けで、事業者に対して宅地造成等規制法に基づき、土砂の流出防止対策を行うことを勧告しています。
  この勧告に基づき、事業者に対して必要な対応を求めていきます。

質問事項
 二 畜産農家への支援について
  1 外国産の飼料が高騰していることや持続可能な農業を促進していくなどの観点から、国産の飼料の利用を促進していくことが重要だが、都の認識についてうかがう。

回答
  都は、乳牛等を飼育する農家が、飼料となる国産の牧草の購入等を行う経費への支援を充実しています。

質問事項
 二の2 都として、飼料米や魚粉など、自家配合飼料についての独自の価格安定制度を創設することや、飼料代の高騰等に対する支援を講じるべきと考えるがいかがか。

回答
  飼料を買い入れる畜産農家について、国による支援制度の利用に係る負担を減らす助成を行っています。

質問事項
 二の3 都として、再度「飼料価格高騰に伴う畜産経営緊急支援事業」を実施すべきだが、いかがか。

回答
  都は、畜産農家が生産性を高めるための設備等を導入する経費への支援等の充実を行っています。

以上