本会議 尾崎あや子都議(北多摩第1選出)の代表質問
2024年2月27日の本会議で、尾崎あや子都議(北多摩第1選出)が代表質問を行いました。
★質問全文(質問原稿)です。
★動画(都議会ホームページです。令和6年第1回定例会 > 2月27日代表質問をご覧ください)
1防災対策について
2子育て支援について
3暮らしの支援について
4経済政策について
5都市政策について
6気候危機対策について
7PFAS汚染対策について
8平和政策について
★答弁(議事録速報版より)
○知事(小池百合子君)
○教育長(浜佳葉子君)
○東京都技監(中島高志君)
○都市整備局長(谷崎馨一君)
○総務局長(野間達也君)
○保健医療局長(雲田孝司君)
○生活文化スポーツ局長(横山英樹君)
○子供政策連携室長(田中慎一君)
○住宅政策本部長(山口真君)
○産業労働局長(坂本雅彦君)
○環境局長(栗岡祥一君)
★再質問
○百三番(尾崎あや子君)
○教育長(浜佳葉子君)
○都市整備局長(谷崎馨一君)
日本共産党都議団の代表質問を行います。
能登半島地震で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
また、自らも被災しながら懸命の救援活動をされている地元自治体をはじめ関係者の方々に、敬意と感謝を申し上げます。
都として、被災地支援とともに、首都直下地震などの災害から都民を守る対策強化に、全力をあげることが必要です。
都の防災対策は、石原都政からつづく、自助が一番、共助が二番、最後が公助で極力小さく、という姿勢からの転換が求められています。
Q1 地震は自然現象ですが、地震による災害は人間の英知と技術と努力で未然に防止し、被害を最小限にくい止めることができます。
東京都がかつて震災予防条例で掲げたこの立場に、改めて光を当てることが重要です。知事の見解を伺います。
住宅の耐震化についても、自己責任だとする石原都政以来の姿勢からの転換が必要です。ところが小池知事は、新年度の住宅耐震化助成の予算を減らしました。練馬区、江戸川区は拡充しています。
Q2 能登半島地震の住宅の被害について、輪島市にお聞きしました。木造、非木造2万件の調査が終わり、被害なしは約80件だけで、残りはすべて全壊、半壊、一部損壊だそうです。本当に深刻です。
倒壊した建物の下敷きなどで多くの方が亡くなりました。
知事は、住宅の甚大な被害を、どう受け止めていますか。
Q3 都の住宅耐震化助成の予算は5億円、一般会計予算のわずか0・006%です。
「倒壊ゼロ」をめざし、耐震化工事の「自己負担ゼロ」も視野に入れ、予算を大胆に増やして住宅耐震化を進めるべきです。答弁を求めます。
Q4 避難所における温かい食事の提供、ダンボールベッドの確保、冷暖房環境など、課題が山積する避難所の環境改善を進める重要性を、どう考えていますか。
Q5 学校体育館だけでなく、災害時にホテルなどを指定避難所にすることも検討すべきではありませんか。
Q6 避難所運営の担い手を養成する研修事業の実施を提案しますが、いかがですか。
Q7 大きなストレスがかかり不衛生にもなりがちな避難生活で、心身の健康維持、エコノミー症候群や感染症、災害関連死を防ぐために大事な役割を発揮するのが、公衆衛生の専門職である保健師です。
災害時における保健所、保健師等の役割は重要です。知事はどう認識していますか。
Q8 自治体リストラで職員を減らし、公共部門を小さくして自助共助にまかせる新自由主義の政策が、災害への対応力を弱くしていることに改めて警鐘が鳴らされています。公助の力、公共部門の力を強めることこそ必要ではありませんか。知事の答弁を求めます。
2 子育て支援について
新年度予算案に、区市町村の学校給食費の負担軽減や都立学校の給食無償化、所得制限なしの都立・私立高校、都立大学などの授業料実質無償化が盛り込まれました。
都民の世論と運動、都議会での野党共闘の広がりと、日本共産党都議団が取り組んできた論戦や条例提案が、後ろ向きだった小池知事を動かした成果です。「署名運動がやっと実を結び前進した」と、喜びの声が寄せられています。
よりよい制度にしていくために、日本共産党都議団は引き続き力をつくします。
Q1 給食費の負担軽減は重要な前進ですが、区市町村が行う学校給食費補助の半分を都が支援するという制度では、財政力の違いによる格差が生じます。
実際に多摩地域では、現在までに全員を対象に無償化すると表明しているのは、30市町村のうち12自治体にとどまっています。一方、23区はすべて無償化されます。
23区と多摩地域で教育格差が生じないようにしてほしい、財政力の違いによる地域間格差を平等であるべき教育に持ち込まないでほしいという、市長会、町村会、そして都民の願いを、知事は、どう受け止めていますか。
Q2 また、私立小中学校の保護者から、「公立だけが給食無償となり置いていかれているような気がする」との声が寄せられています。私立初等学校協会からも要望が出ています。この声を、どう受け止めますか。
Q3 青森県は、県が全額負担して、全県の公立・私立の小中学校、特別支援学校などの給食費を無償化する予算案を発表しました。
すべての子どもたちが無償で給食を食べられるようにすることこそ、東京都の役割です。負担軽減からさらに踏み込み、都の全額負担で無償化すべきです。知事の答弁を求めます。
Q4 給食費負担軽減に踏み出す今こそ、安全でおいしく質の高い給食を保障することが重要です。
韓国では、オーガニック給食の取り組みが進んでいます。輸入に頼らず、地域の農家がつくり、厳しい検査を経た野菜や加工品が学校に提供されます。流通過程が明確で、農家の経営も環境も守り、食育にも役立ちます。日本でも、土壌のミネラルを多く含むオーガニックな給食により、子どもの免疫力や体温が上がり、欠席数が減ったという報告があります。
オーガニック食材活用による食育の重要性への認識を伺います。また、都として給食にオーガニック食材の活用を進めることを求めます。いかがですか。
Q5 私立高校の授業料無償化は、後から補助金がもらえるとしても、いったん払わなければならないのは負担だという声があがっています。
また国の制度と併用するため、すべての世帯が所得状況の提出を求められます。様々な事情で手続きできない生徒がいることが懸念されます。
こうした声や懸念にこたえる、ていねいな制度構築が必要です。認識を伺います。
Q6 私立高校生への授業料以外の学費への給付型支援は、年収270万円でも一切ないことが第4回定例会で改めて明らかになりました。
埼玉県や神奈川県などは、入学金への助成も行っています。東京都も入学金への給付型支援に踏み出すべきです。いかがですか。
Q7 都立大学などの授業料無償化は、学生の権利保障の立場に立ち、設置者として対象を都外の学生に拡大することも必要です。いかがですか。
同じ都立の学校なのに、看護専門学校は無償化の対象外です。都立大学の看護学科は実質無償なのに、都立看学は有料という問題が生じることは、見過ごせません。
このため日本共産党都議団は今定例会に、都立看護専門学校の授業料等を無償化する条例案を提出します。みなさんのご賛同を心から呼びかけます。
誰ひとり取り残さないことを位置づけた「こども基本条例」にもとづき、私立外国人学校教育運営費補助から朝鮮学校だけ排除している状態を、ただちに是正することを強く求めます。
Q8 知事は施政方針で、少子化対策を先送りにしたら国際競争力の低下が免れない、という姿勢を表明しました。国のために子どもを産め、と言っているようなものです。
国力の先細りや経済成長を、個人の権利や選択の上に置くような議論はすべきではありません。見解を求めます。
都民が物価高騰に苦しむなか、新年度予算案では生活支援の予算は減額され、都営住宅の新規建設は石原都政以来25年間連続ゼロが続いています。
高すぎる国民健康保険料を引き下げる財政支援はなく、ひとり親家庭や障害者に対する児童育成手当、障害者福祉手当の額は28年間1円も上がっていません。
「都民の暮らしに無関心」な、小池都政の姿勢が表れています。暮らしに希望がもてる都政への転換が必要です。
Q1 東京都の財政規模はスウェーデンの国家予算に匹敵します。そのうえ、人件費抑制や円安による大企業の収益改善などにより、都税収入はバブル期を超える史上最高水準が続いています。
所得再分配という税の本来の機能を発揮して、この豊かな財政力を、都民の福祉・暮らしを守り、地域経済を立て直し、広がる格差を是正するために使うなら、東京から貧困をなくし、都民の生活の質を格段に向上させる大きな可能性がひらかれると思いますが、知事いかがですか。
子ども・子育て支援の拡充が進み始めたのに比べて、高齢者の暮らしへの支援はあまりにも手薄です。
Q2 80代の女性は、電気・ガス代の高騰で貯金が底をつき、離れて暮らす娘さんから援助を受けざるを得なくなりました。娘さんの世帯も家計が厳しいので、「負担をかけてまで長生きしたくない」と、涙ながらに訴えています。
90代のひとり暮らしの女性は、一日の食費は600円以内と決め、それを超えたら何日か買い物に行かないようにしています。部屋には「節電」の貼り紙が至る所に貼られています。
都営住宅に住む70代の男性は、ガス代の負担を抑えるため、毎日メーターを確認し、一日に使う量を決めて暮らしています。「神経がすり減ってしまいそう」と言います。
知事、こうした高齢者の厳しい生活実態を、どう受け止めますか。
これは、決して少数の人たちの話ではありません。「都民の暮らし向きは様々」などと言って目をつぶるのは、政治の責任放棄です。
都が行った「高齢者の生活実態」調査によれば、都内のひとり暮らし高齢者の3人に1人は年収150万円未満です。平均支給月額5万5千円程度の国民年金のみで暮らす高齢者は、少なくありません。わずかな年金から介護保険料などが天引きされ、食費、光熱水費に医療費もかかります。家賃の負担がある借家住まいの高齢者の暮らしは、とりわけ深刻です。
知事は施政方針で、「Choju」の政策を展開すると言いましたが、こうした苦しい生活状態におかれた高齢者の暮らしを支えるために、どういう手を打つのですか。経済的支援の強化が必要ではありませんか。
Q3 新年度予算案に、若者と就職氷河期世代の就労支援と一体に都営住宅に入居ができるようにする新規事業が盛り込まれたことは大きな一歩です。どのように取り組むのですか。また事業の意義、目的をお答え下さい。
Q4 東京の家賃相場は全国平均の約2倍におよび、都民の重い負担になっていることを、どう認識していますか。家賃助成や都営住宅の増設が必要ではありませんか。
賃金が上がる東京への転換は急務です。
Q1 都民の暮らしを支え、経済の好循環をつくりだすためには、物価高騰を上回る賃上げがカギを握ることを、知事は、どう認識していますか。
わが党は、政治の力で賃上げができるよう、大企業の内部留保課税を財源に、中小企業の賃上げ支援を行うことを提案しています。
Q2 知事は、賃上げに取り組む中小企業を支援すると表明しましたが、どう取り組むのですか。新年度予算案による対策の効果は、どのように見込んでいますか。
Q3 東京商工リサーチの調査によると、中小企業ではコスト増が十分に価格転嫁できていないなどの理由から、今年の春闘の賃上げ水準は昨年実績を下回る見込みです。
中小企業が賃上げできる環境をつくるために、特別チームを設置するなど、都庁の総力をあげて取り組むことを求めます。いかがですか。
世界的規模で儲けの拡大を追及するグローバル企業や、投資家の目先の利益のために、国際競争力や都市間競争を声高にさけぶ小池都政の経済政策、都市政策からの転換も大事な課題です。
「経済界ファースト」の最たるものであり、知事が施政方針で述べた「明るい未来への道筋」を示すどころか、都の政策をゆがめ、多くの矛盾を引き起こしています。
Q4 石原知事は1999年、就任直後の所信表明で、国際競争力を強調するとともに、「すべての中小企業を一様に保護育成するような政策から、すぐれた発想力や高い技術力の創造を支援する政策へと転換していく」、それにより「産業活動を活性化させる」と宣言しました。
この政策を、小池知事も引き継いでいます。
結果は、どうでしょうか。7万件あった都内製造業は石原都政以来、半減し、2015年を最後に全数把握すらやめてしまいました。まちの賑わいをつくる商店街は500カ所も減少し、小池都政のもとでも毎年27カ所姿を消しています。
この現実を、知事はどう受け止めますか。
Q5 知事は、石原都政以来の、伸びるところしか応援しない政策を、是正するどころか、より極端に進めています。
新年度予算案では、急成長などが見込まれる一部企業の支援に516億円もの大判振る舞いをしています。一方、厳しい国際競争に勝ち残れない企業は退場すればよいという姿勢を示しています。
こんなやり方で、実体経済を立て直すことはできません。都内の事業所の9割、雇用の7割を担う中小企業、町工場や商店街が、地域のなかで豊かに発展していける経済政策への転換が必要です。知事の見解を伺います。
Q6 都内では、2年連続で企業の倒産件数が増加し、ゼロゼロ融資の返済が再びピークを迎える今年は、さらに増えると予想されています。知事はどういう手を打つのですか。
家賃や設備のリース代など固定費への直接助成や燃料費補助、上下水道料金減免などの支援が必要ではありませんか。
Q7 東京都に対して答申や提言を行うことを地方自治法で認められている中小企業振興対策審議会は、石原都政以来20年間、雇用就業対策審議会は11年間、開かれていません。
審議会を開く権限は、知事がもっています。多くの課題があるのに、なぜ開かないのですか。
中小企業の賃上げや物価高騰対策をどう進めるのか、町工場や商店街をどう守り抜くのか、最低賃金の基礎となる都内の最低生計費調査の実施、人材不足対策などを諮問して、検討を求めるべきではありませんか。
都民の意見に耳をかさず「経済界ファースト」で小池都政が進める再開発の見直しも、重要な課題です。
住民参加の、都民が住み続けられるまちづくりへの転換が急務です。
Q1 都と森ビルが進めた麻布台ヒルズの再開発では、古くからのまちを壊して、325メートルの巨大ビルが建設されました。最上階のマンションの価格は200億円です。
北青山3丁目地区では、都営住宅の敷地4万平米が差し出され、月額家賃が最高200万円の賃貸マンションが建設されています。一方で都営住宅の戸数は580戸から300戸へと激減しています。
都庁の近くで行われている食料支援には、コロナ前の10倍を超える700人が列をなしています。
知事が進める再開発は、「グローバル企業や投資家、国内外の富裕層、デベロッパーのための東京大改造」にほかなりません。
都の政策によって、低所得者は居場所を奪われ、格差が拡大していることを、知事はどう考えているのですか。
Q2 北青山3丁目地区だけでなく、板橋区の大山ハッピーロード、八重洲の東京トーチタワーなど、都有地を提供し、都が加わって再開発を進めるケースが目立つようになりました。
この10年間に、いったい何件の組合施行の再開発事業に加わったのですか。
Q3 国際競争力の名のもと、容積率の緩和や補助金の投入などにより、都内では100メートルを超える再開発ビルが、この10年間に137棟も建設されています。今後も、さらなる開発が計画されています。
一方、湾岸エリアでは、オフィスの空き室が目立ちます。2001年にオープンした晴海トリトンは、都心の新しいビルにテナントを奪われ、対応に追われています。
空き室率5%が「オフィス過剰」を示す指標と言われますが、トリトンのある晴海を含む東日本橋・新川エリアの空き室率は10%、北品川・東品川エリアは12%弱、浜松町・高輪エリアは13%を超えています。
知事は湾岸エリアでさらなる巨大開発を進めようとしていますが、その一帯で空き室率が高止まりしている状況を、どう考えていますか。
Q4 築20年程度で空き室が増える、いわば超高層ビルの「使い捨て」を促進するようなまちづくりが果たして持続可能と言えるのか、認識を伺います。
Q5 知事は都心の再開発で、6万平米の緑地が創出されたと誇っています。しかし、これらの再開発で何十万トンというCO2が排出され、気候危機を加速させていることには口をつぐんでいます。
知事、麻布台ヒルズや品川駅周辺の再開発終了後に排出されるCO2は、年間10万トンにおよびます。このような超高層ビルを次々建てる再開発は、気候危機対策に逆行し、将来を脅かすのではありませんか。
温暖化ガス50%削減に大胆に取り組むと言うなら、超高層ビルの開発に歯止めをかけることこそ必要ではありませんか。
Q6 知事は施政方針で、神宮外苑再開発にひと言もふれませんでした。
知事選を前に、外苑再開発は大きな社会的関心を集めています。政治家としての説明責任を、知事はどう考えているのですか。
Q7 知事が昨年9月に要請した樹木の具体的な保全策について、事業者は予定していた年内の提出ができず、今に至るまで見通しが示されていません。事業者から、いつ提出されると聞いていますか。事業者は保全策を示すことができないのが、実態ではありませんか。
Q8 日本イコモスは昨年末に記者会見を開き、事業者の環境影響評価書に明らかな間違いや認識の誤りがあると指摘し、再アセスを求めています。
都議会の神宮外苑議連でもこれを徹底検証し、事業者と日本イコモスの直接対話の場が必要であるとの声明を発表しました。
なかでも銀杏並木が今、危機に瀕していることを、事業者がどのように認識しているかは重大です。
石川幹子東大名誉教授は、8本の銀杏に衰退、枯損の危険があり、これ以上の負荷をかける再開発は問題外と指摘しています。ところが事業者は、いまだに銀杏並木の健全度についての調査結果を更新していません。
知事、このような再開発を進めてはなりません。今後予定される権利変換計画を認可しないと明言すべきです。答弁を求めます。
外環道工事も、進めることは許されません。
Q9 調布市内の陥没から3年半になりますが、問題は深刻化する一方です。
東京地裁は「具体的な再発防止策が示されていない」として、一部工事の差し止めを命じる決定を下しました。この判決は今も生きています。
ところが事業者のネクスコは、大深度地下工事を再開することを前提にした地盤補強工事を、住民合意がないまま開始しました。多くの住民が立ち退きを迫られ、まち全体が工事現場と化しています。
その地盤補強工事で、近隣の河川から想定外の気泡が発生して工事が止まり、再発する可能性を認めながら先日、地盤補強工事が再開されました。
この間、知事はただの一度も現地に足を運ばず、住民の意見を聞くこともしていません。知事、被害住民の不安に目をつぶり、政治家としての責任を放棄していると言われて仕方ないのではありませんか。
Q10 地盤補強工事の経過を見ただけでも、事業者が地下の状況を正しく把握できていないことは明らかです。陥没事故の再発を防止することなどできません。
所有者の許可なく住宅の地下を掘り進め、陥没事故を起こし、地盤補強工事でもトラブル続きです。
大深度地下工事は、住民の財産権を侵害する憲法違反であることがいよいよ明らかになっていることを、知事は、どう認識しているのですか。
小池都政の気候危機対策には、先ほど述べた再開発推進をはじめ、多くの問題点があります。
2050年までに求められる温暖化ガス排出ゼロを、前倒しで実現しようと取り組む国もあるなか、「やっているふりはもうやめて」という若者たちの声を受け止め、省エネ・再エネに本気で取り組む都政への転換が必要です。
Q1 知事は、2030年までに温室効果ガス排出量を半減する目標を掲げています。しかし2021年速報値では、東京都の温室効果ガスの年間排出量は約6千万トンで、2000年比2・3%しか減っていません。あと6年でカーボンハーフを達成できるという、どういう見通しがあるのですか。
Q2 住宅の省エネで、カギとなるのが断熱です。東京ゼロエミ住宅の断熱で、より高い基準が設けられたことは重要です。同時に、空気を遮断する気密性の基準を設けることが必要ですが、いかがですか。
東京には、電力需要の半分を太陽光、太陽熱、風力などの再エネでまかなうポテンシャルがあることが分かっています。
Q3 都内では農地の8割以上が生産緑地です。その敷地を活用し、売電を目的とした太陽光発電を可能にすることが重要です。
都として、国に制度の実施を求めるとともに、都が先駆けて農業アカデミーなどでモデル実施することを提案します。いかがですか。
Q4 太陽熱を、お風呂などの給湯や冷暖房に利用することは、費用も手ごろな再エネ利用であり効果的な省エネです。ところが普及していません。
都は、太陽熱利用の効果と重要性をどう認識していますか。メリットを広く知らせ、住宅、ホテルや病院、福祉施設、公共施設での設置を進めていくことが必要ではありませんか。
Q5 太陽光と風力発電の出力抑制問題が起きています。東京電力も今年1月に、太陽光・風力発電の出力抑制を実施する手続きに入ると表明しました。一方で石炭火力や原子力発電はそのままです。
都は東京電力に対し、石炭火力や原発からの撤退を、強く求めるべきではありませんか。
知事が施政方針で、「世界の潮流を追うのではなく」とまで言って、「水素社会の実現」を力説したことは驚きです。世界の常識に背く無理筋の水素政策は、すでにほころびが見られます。
Q6 都は2021年度までの6年間で、燃料電池自動車の導入に13億円、水素ステーションの導入に78億円の税金を投入しました。
しかし2022年度、都が運営費を助成した水素ステーションで水素を供給した台数は、1カ所1日当たり約9台にすぎません。こうした明らかな失敗について何の検証もなく、新たに水素自動車の事業に税金をつぎ込むのは、「賢い支出」の観点からも許されないのではありませんか。
Q7 知事は京浜島に大規模な「グリーン水素」の製造拠点を整備すると表明しましたが、水素製造に使用する再エネ由来の電気のうち、98%は購入することになります。その再エネ由来の電気を、そのまま使えばよいのではありませんか。
Q8 知事は先日、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州と、水素活用等に向けた合意書を締結しました。その中に、「グリーン水素」とひと言も書かれていないのはなぜですか。化石燃料由来の「グレー水素」を含む合意なのですか。
都の本気度が問われるのは、緑の政策も同じです。
先日発表された「東京グリーンビズ・バージョン2」は、民間再開発の緑や、都のこれまでのグリーン政策を寄せ集めただけのものでした。
Q9 欧米や東アジアの国々は、樹木の葉が地表を覆う面積を示す「樹冠被覆率」を重視し、その向上を目標に掲げています。
都も「樹冠被覆率」の目標をもつこと、街路樹や公園の樹木を適切に育てる造園職の採用を抜本的に増やすことを提案します。見解を伺います。
PFAS汚染対策について、小池知事は今回も施政方針でふれませんでした。重要課題に位置づけて対策に全力をあげる都政への転換が必要です。
Q1 知事はPFAS汚染対策の重要性を、どう考えているのですか。
Q2 国の食品安全委員会が、PFASの健康影響に関する評価書案をとりまとめました。今、パブリックコメントが行われています。
評価書案が、代表的なフッ素化合物であるPFOSとPFOAそれぞれについて毎日摂取し続けても健康に影響がないとした指標値は、欧州食品安全機関が示した値の数十倍以上です。これに都民の不安が広がっています。
世界保健機関WHOの専門組織・国際がん研究機関は、PFOAについて、「ヒトに対して発がん性がある」に分類しました。ところが評価書案は、これに否定的な見解を示すとともに、発がん性についての証拠は「限定的」「不十分」などとしています。
健康への悪影響を未然に防ぐ立場から、より厳しい指標値に見直すなどの意見を、都として述べるべきではありませんか。
Q3 都内全域260ブロックの地下水の水質調査を前倒し、一年で実施することや追加調査を行うことは重要です。
しかし、都民の不安の声を考えれば、検査地点をもっと増やすべきです。同時に、検査のための人員を増やすことも必要です。いかがですか。
Q4 地下水調査を行う区市町村への財政支援も、予算案に盛り込まれました。使いやすい制度にすることが重要です。どのように進めるのですか。
Q5 都が所有する約30施設の駐車場などに、PFASが含まれる消火剤が設置されていることが、調査で分かりました。
PFASが含まれない消火剤に交換するとのことですが、各局まかせにせず、全庁的な体制をとり、一気に進めることを求めますが、いかがですか。
最後に平和をめぐる課題です。
世界に平和を発信する東京への転換が必要です。
Q1 横田基地所属のCV22オスプレイが墜落した事故について、機体のどこに不具合が生じたかは判明しましたが、なぜ不具合が生じたかは、いまだに特定されていません。オスプレイの製造ラインは、2026年予定で閉鎖することが報道されています。
飛行を再開すれば、またいつ事故が起こるかわかりません。国からは、どのような報告があったのですか。都民の安全を守るため、横田基地からオスプレイを撤去するよう、アメリカに直接、働きかけるべきです。知事いかがですか。
Q2 沖縄県は米軍基地の運用について各国との比較調査を行い、東京でシンポジウムを開いて、玉城知事が報告しました。
県が調査したドイツ、イタリア、ベルギー、イギリス、オーストリア、フィリピン、韓国にある米軍基地などには、所在国の国内法が適用されています。国内法が「原則不適用」となっているのは日本だけです。
管理権や訓練・演習、航空機事故についても、各国では立ち入り権が確保され、規制できる仕組みがあります。ところが日本だけは、日米地位協定によって立入り調査することも、規制をすることもできません。
日本の主権が侵害されている実態を明らかにした大事な調査結果だと思います。知事はどう受け止めますか。
不平等な日米地位協定を見直す重要性を、知事はどう認識していますか。知事会との連携だけでなく、沖縄県知事のように独自の行動が必要ではありませんか。
Q3 知事は施政方針で、「ミサイルの脅威から都民を守るため、地下鉄や地下駐車場等を活用した避難施設整備のモデル事業に着手する」と述べました。
知事、ミサイルが飛んでくるようなことがないようにすることこそ政治の責任ではありませんか。
平和の地域構想を進める東南アジア諸国と連携するなど、都として平和外交を進めることが必要です。知事いかがですか。
Q4 東京空襲などの証言ビデオが、明日から都内4カ所で公開されます。
平和祈念館の建設に向けて都が収集したまま26年間にわたり封印されてきたものが公開される意義を、知事はどう受け止めていますか。
より広く活用できるようにするとともに、こうした取り組みを継続・発展させて、平和祈念館建設につなげていくことを求めるものです。知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
【答弁】
○知事(小池百合子君) 尾崎あや子議員の代表質問にお答えいたします。
震災対策についてであります。
大規模地震から都民の生命と財産を守るためには、自助、共助、公助、それぞれの機能を発揮することが重要です。
都は、TOKYO強靱化プロジェクト等、ハード、ソフトの両面におきまして防災対策を着実に進めており、引き続き東京の安全・安心を確保してまいります。
能登半島地震における住宅の被害についてであります。
本年一月に発生いたしました能登半島地震では、道路が寸断するとともに、戸建て住宅が多数倒壊するなどの被害が発生いたしました。
地震によります被害を軽減し、都民の生命と財産を守るためには、住宅の耐震化を進めていくことが重要です。
学校給食費の負担軽減についてでございます。
学校給食費につきましては、国がその責任と財源において無償化を実現すべきものでございます。
都として、国に先行し、区市町村が学校給食費の保護者負担軽減に取り組む場合、その費用の二分の一を都が支援することといたしたものでございます。
暮らしの支援についてでございます。
都はこれまでも、都民の暮らし向きの向上を図るため、きめ細かな対策を講じてまいりました。
令和五年度最終補正予算では、長引く物価高騰の影響を踏まえまして、低所得者世帯への緊急支援を実施いたします。
また、六年度予算におきましては、都民が将来に希望を持ち安心して暮らせるよう、子育て世帯の負担軽減など対策の充実を図りました。
引き続き、必要な施策に的確に財源を振り向け、一人一人が輝く明るい未来の東京を実現してまいります。
高齢者の暮らしについてであります。
都民の暮らし向きは様々であります。高齢者を含め、暮らしに余裕がないと感じている方がいらっしゃると認識をいたしております。
都は、都民の生活を守るため、経済的に厳しい環境に置かれた方への支援に取り組んでおります。
賃金の引上げについてであります。
都内経済の活性化を図り、職場で働く方が安心して生活できる環境を整えることは必要でございます。
そのため、都は、賃上げなど労働者の処遇改善に向けた中小企業の様々な取組につきまして、経営や職場づくりの面から引き続き促進してまいります。
二〇三〇年カーボンハーフについてのお尋ねでございます。
二〇三〇年までの行動が重要との認識の下、都は、二〇三〇年までに温室効果ガスを半減する目標を掲げております。
その実現に向けまして、二〇二五年度から施行します太陽光パネルの設置義務化や、キャップ・アンド・トレード制度の強化など、条例制度をはじめ各種施策の拡充を図っております。
今後も、より一層の省エネとともに、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を図ってまいります。
最後に、東京空襲関連資料の活用などについてでございます。
平和に対する意識が高まっている今、戦争の記憶を風化させないためにも、同意を得た方の証言映像を都民の方々にご覧いただけますよう、資料展で公開することといたしました。
なお、平和祈念館、仮称でございますが、その建設につきましては、平成十一年の予算審議において、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議がなされた経緯がありまして、都議会での一定の審議と合意が必要であると、このように考えております。
なお、その他の質問につきましては、教育長、都技監及び関係局長がお答えいたします。
〔教育長浜佳葉子君登壇〕
○教育長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、区市町村が実施する学校給食費の負担軽減に対する支援についてでございますが、円滑な事業実施に向けて、来年度の主要事業の一つである学校給食費の負担軽減事業について、市長会、町村会に対し、丁寧に説明を行ったものでございます。
次に、有機農産物を活用した食育についてでございますが、有機農産物を活用し、その生産過程や環境問題への理解を深めることは、食育を推進するために有効であることから、立川国際中等教育学校附属小学校において、食育の取組を実施する際に、給食に有機農産物を提供するとともに、学校栄養職員に対する研修等の機会にこうした食育の取組事例について周知を図っております。
〔東京都技監中島高志君登壇〕
○東京都技監(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、外環事業の地元対応についてでございますが、事業者は、陥没、空洞事故発生以降、緩んだ地盤を早急に元に戻すため、繰り返しオープンハウス及び意見交換会を行った上で、買取り等にご協力いただいた場所から地盤補修工事を進めてきております。
また、地盤補修工事中に発生した気泡について、工事を一時中止して調査等を行い、周辺環境へ影響を与えるものではないことを有識者に確認しており、現在、モニタリングを強化し、安全を確保しながら進めているところでございます。
都は、引き続き、事業者に対し、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう求めてまいります。
次に、外環事業への認識についてでございますが、外環事業は、国の法令に基づき、大深度地下使用の認可等を受けて、国及び高速道路会社により事業が進められております。
都は、事業者に対して、引き続き、再発防止対策等の確実な実施、丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めてまいります。
〔都市整備局長谷崎馨一君登壇〕
○都市整備局長(谷崎馨一君) 十点の質問にお答えいたします。
まず、住宅の耐震化についてでございます。
戸建て住宅の耐震化を促進するため、今年度から、旧耐震に加え新耐震基準の木造住宅への耐震化助成を開始しております。
令和六年度からは、耐震改修等の補助限度額を引き上げることとしております。
次に、再開発等についてでございます。
都民にとって安全で快適な都市を実現するためには、質の高い民間プロジェクトを適切に誘導していくことが重要でございます。
なお、再開発事業等におきましては、法令に基づき、従前居住者の生活再建などが図られております。
次に、再開発事業についてでございます。
平成二十六年度から令和五年度までの十年間に、第一種市街地再開発事業の組合設立を認可したもののうち、都が地権者として参加した地区は十六件でございます。
次に、湾岸エリアのオフィスの空室率についてでございます。
空室率は、景気の動向やその時々の社会経済の状況などにより、絶えず変動するものでございます。
次に、まちづくりについてでございます。
まちづくりは、都市の活力、防災、環境、景観形成など、多様な視点から長期的に考える必要があり、今後とも適切に対応してまいります。
次に、超高層ビル等の大規模な都市開発についてでございます。
都市再生特別地区等の制度を活用した開発においては、CO2排出量削減に向け、最先端技術の活用や再生可能エネルギー由来の電力利用等に取り組むこととしており、今後とも制度を適切に運用してまいります。
次に、神宮外苑の再開発についてでございます。
今回の開発は、明治神宮など民間事業者が、自らの所有地において実施するものでございます。
都は、都市計画や環境アセスなどについて、法令等に従って適切に対応するとともに、まちづくりの経緯等も含め、詳細に情報公開しております。
次に、神宮外苑地区の権利変換計画についてでございます。
今後、権利変換計画の申請がなされれば、都は、都市再開発法にのっとり審査を行い、適正に手続を進めてまいります。
次に、オスプレイについてでございます。
安全保障に関することは、国の専管事項でございます。
都は、今回の事故を受け、飛行停止や原因究明、安全対策の徹底等について、地元自治体と共に、国や米軍に要請してまいりました。
国からは、現時点において、発生した物質的不具合は判明しているが、その原因は特定されていない、また、オスプレイの飛行に関わる安全が確認されなければ、飛行は行われないものと認識していると聞いております。
最後に、日米地位協定の見直しについてでございます。
日米地位協定は、締結以来一度も改定されておらず、国内法の適用がないなど、我が国にとって、依然として十分とはいえない状況にあります。
都は、知事会との連携のみならず、国への提案要求や、米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会を通じて、日米地位協定の見直しを国に求めてまいりました。
今後も、他の自治体とも連携し、日米地位協定の見直しを国に要請してまいります。
〔総務局長野間達也君登壇〕
○総務局長(野間達也君) 六点のご質問にお答えいたします。
まず、避難所の環境改善についてでございますが、都は既に、地域防災計画に基づき、食料、生活必需品、段ボールベッドなどの備蓄や健康観察体制の強化などについて、区市町村と連携し進めてございます。
次に、指定避難所についてでございますが、都は、地域防災計画において、可能な限り多くの避難所等を確保するため、ホテル、旅館等を活用することとしてございまして、宿泊団体との協定締結等により、区市町村と連携し、避難先を確保する仕組みを構築してございます。
次に、避難所運営の担い手についてでございますが、都は、地域防災計画において、区市町村が運営する避難所の管理運営が混乱なく円滑に行われるよう、事前に避難所管理運営マニュアルを作成し、これに基づき訓練を行うことを定めてございます。
次に、災害への対応力についてでございますが、首都直下地震などの大規模災害から都民の暮らしを守るためには、自助、共助、公助を合わせた総合的な取組が不可欠でございます。
都は、昨年五月に修正した地域防災計画等に基づき、都民や地域、区市町村等と連携しながら、ハード、ソフト両面から防災対策を着実に進めてございます。
次に、東京都立大学等の授業料実質無償化についてでございますが、今般の無償化は、少子化の現状を踏まえ、都内子育て世帯の教育費の負担軽減を図る観点から、住所等の要件を満たす世帯を対象に授業料を免除するものでございます。
最後に、より安全に避難できる施設の整備についてでございますが、弾道ミサイルが繰り返し発射されるなど、武力攻撃などの脅威が高まっております。
これまで都は、都民の生命を守るため、爆風等からの被害を軽減する緊急一時避難施設の指定を進めてまいりました。
これに加え、来年度は、より安全に避難できる施設整備に向け、モデル事業の準備を進めるとともに、技術的調査を実施いたします。
〔保健医療局長雲田孝司君登壇〕
○保健医療局長(雲田孝司君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、災害時の保健師等の役割についてでございますが、被災等で避難所生活を送る方々の健康の維持は重要であり、東京都地域防災計画におきまして、区市町村は、保健師や管理栄養士等から成る保健活動班を編成して、健康管理のための活動などを行うこととしております。
また、都保健所におきましては、市町村の保健活動等を支援することとしております。
次に、PFOS等についてでございますが、国の食品安全委員会によるPFASの食品健康影響評価書案は、専門家のワーキンググループにおきまして、国内外の学術文献など現時点での科学的知見や関係省庁の調査結果等を基に作成されたものと承知しております。
〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕
○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 三点のご質問にお答えをいたします。
私立小中学校における給食についてでございますが、私立学校における給食の実施につきましては、各学校において教育方針等を踏まえ判断するものでございます。
次に、授業料に対する保護者の負担軽減についてでございますが、都はこれまでも、私立高校の授業料負担軽減に取り組んでおり、来年度は対象者についての所得制限を撤廃いたします。
今後、引き続き、本制度の円滑な執行に努めてまいります。
次に、私立高校の授業料以外の学費への支援についてでございますが、都は、私立高校の授業料について、国と都の制度を合わせて都内私立高校の平均授業料までを支援しており、来年度からは所得制限を撤廃することとしております。
また、奨学給付金、育英資金、入学支度金貸付などの制度を設け、負担軽減を図っております。
〔子供政策連携室長田中慎一君登壇〕
○子供政策連携室長(田中慎一君) 少子化対策についてでございますが、都は、子育て世帯などが抱える様々な不安を取り除き、望む人が安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けて、多様な価値観や考え方を尊重しながら取組を進めております。
〔住宅政策本部長山口真君登壇〕
○住宅政策本部長(山口真君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、都営住宅を活用した若者等への支援についてでございますが、就職氷河期世代等の低所得の若年、中年単身者が住まいの安定を図りながら就労自立していくモデルの構築を目的に、来年度から区市町、社会福祉法人等、関係局と連携し、就労支援等のフォローを行いながら、都営住宅の空き住戸を試行的に期限付で提供いたします。
次に、都民の家賃負担についてでございますが、家賃水準の高い東京において、住宅の確保に配慮を要する都民の居住の安定を図ることは重要でございます。
住宅ストック全体が量的に充足している中で、今後、人口が減少する見込みであることから、都民の居住の安定の確保につきましては、都営住宅のストックを最大限に活用するとともに、民間賃貸住宅ストックを活用した東京ささエール住宅の供給促進等に取り組み、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図ってまいります。
なお、家賃補助制度につきましては、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識しております。
〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕
○産業労働局長(坂本雅彦君) 十一点のご質問にお答えいたします。
まず、賃上げに取り組む中小企業への支援についてでございますが、中小企業が生産性向上のために機器などを導入する際の支援について、その成果を従業員の収入増加に結びつけることは必要であり、引き続き手厚い助成を行ってまいります。
次に、中小企業の賃上げの支援についてでございますが、中小企業が適正な条件で取引をすることは重要でございまして、都では、専門家による価格交渉等のサポートなどを行っております。
これによりまして、中小企業を支援いたします。
次に、中小企業への支援についてでございますが、都は、厳しい経営環境にある中小企業に対して的確な施策を展開してまいりました。
次に、地域の中小企業等への支援についてでございますが、東京の地域経済を支えて雇用を創出する中小企業は重要な役割を担っています。
そのため、都は、その事業の継続と展開に向けた後押しを的確に行います。
次に、中小企業のコストについてでございますが、都は、厳しい経営環境にある中小企業に対し、エネルギーのコスト等を削減できるよう支援を行っています。
これにより、その経営の持続と発展をサポートいたします。
次に、中小企業や雇用就業に係る支援についてでございますが、都は、中小企業の業界や働き手の実情に詳しい団体のほか、経営者や研究者から意見を聞く場などを設け、施策に反映をしております。
次に、都内の生産緑地についてでございますが、東京の生産緑地は、農産物を提供する基盤であり、都は、農業生産の場として支援をしております。
また、八王子研修農場は、農業の担い手を増やす後押しをしております。
次に、エネルギー政策についてでございますが、電源構成等のエネルギー政策の在り方については、国レベルで議論、検討がなされるべきものでございます。
次に、燃料電池車等の普及等についてでございますが、脱炭素社会の実現に向け、都は、燃料電池車の普及と水素供給を担うステーションの整備を進めているところです。
次に、グリーン水素の製造についてでございますが、東京でゼロエミッションを実現するため、再生可能エネルギーによるグリーン水素について、モビリティーや電気では対応が難しい熱の供給等での利用を図ってまいります。
最後に、水素に係る海外都市との連携についてでございますが、東京の脱炭素化に向け、都は、グリーン水素について海外都市との連携により、供給ルートの確保等を進めてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕
○環境局長(栗岡祥一君) 八点のご質問にお答えいたします。
まず、神宮外苑における都の要請に対する事業者の見直し案についてでございますが、事業者からは、保全策の精査中と聞いており、都としては、事業者からアセス図書が提出され次第、条例に基づき、内容を踏まえて環境影響評価手続を進めることになります。
次に、東京ゼロエミ住宅の性能基準についてでございますが、気密性の確保は、暖冷房負荷の削減に有効でございます。
一方、施工技術の向上等により、気密性は一定程度確保される状況にあるため、国は定量的な基準は設けてございません。
東京ゼロエミ住宅においては、都民に分かりやすいよう、国と同じ断熱、省エネ性能の基準を用いてございます。
次に、太陽熱利用の促進についてでございますが、太陽熱利用は再生可能エネルギーとして有効な手段の一つでございます。
都は、東京ソーラー屋根台帳でポテンシャルを視覚的に表示するとともに、ガイドブック等で導入メリットを分かりやすく紹介しております。
また、設備の導入促進に向け、引き続き、都民や事業者などに補助等を実施してまいります。
次に、緑の目標と造園職の採用についてでございますが、都は、みどり率を用いて東京の緑地等の現状や推移を把握してございます。
また、東京グリーンビズにおいて、東京の緑を守る、育てる、生かす観点から取組を強化してございます。
造園職の採用につきましては、事業執行に必要な人員の確保や職員の退職数などを総合的に勘案して実施してございます。
次に、PFOS等の汚染対策の重要性についてでございますが、都は、都民の不安払拭を図るため、国に先んじて水道水における都独自の水質検査を実施し、一部の水源井戸からの取水を停止するほか、地下水等の調査を実施してきており、暫定指針値を超える地下水を飲用しない取組を実施してございます。
次に、PFOS等の検査地点等についてでございますが、都は、飲用しない取組の徹底に向け、来年度、都内全域の調査を行うほか、比較的高濃度の地域では、地域の状況を丁寧に把握する追加調査を地元区市町村とも連携して実施してまいります。
次に、地下水調査の区市町村への支援についてでございますが、国はPFASに関する今後の対応の方向性の中で飲用しない取組の徹底を掲げており、都として比較的高濃度の地域において、都の追加調査を補完する調査を実施する区市町村に対して費用の一部を負担してまいります。
最後に、PFOS等を含む泡消火薬剤の交換についてでございますが、これまでも各局が計画的に交換を進めており、今後、各施設の管理者が計画的に非含有の消火薬剤に交換していくこととしてございます。
〔百三番尾崎あや子君登壇〕
★再質問
○百三番(尾崎あや子君) 私は、神宮外苑再開発への政治家としての説明責任をどう考えているのか知事に質問しました。しかし、答弁したのは局長でした。
また、外環道について、住民の不安に目をつぶり、政治家としての責任を放棄していることを知事に質問しました。答弁したのは技監でした。
知事は施政方針で、政治の責任放棄を戒めました。しかし、責任放棄したのは小池知事です。政治家として議会の場できちんと答弁されることを厳しく求めて、再質問します。
まず、給食費です。
都の全額負担で無償化するよう知事に求めましたが、二分の一を都が負担するという答弁でした。
青森県では、県の取組により、県の子供たち全員が無償になることが歓迎されています。青森県の取組を調べた上での答弁なのですか。青森県で実施できることを都が実施できないという理由が何かあるのですか。お答えください。
次に、住宅耐震改修等の補助限度額を新年度から引き上げるとの答弁がありました。重要です。
そこで伺います。補助限度額は幾らから幾らに引き上げるのですか。二点目、予算の額は増やすのですか。三点目、補助限度額の引上げはいつ決めたのですか。以上三点、お答えください。
この二つのテーマについて答弁を求めて、再質問を終わります。(拍手)
〔教育長浜佳葉子君登壇〕
○教育長(浜佳葉子君) 学校給食費の負担軽減についてでございますが、学校給食費については、国がその責任と財源において無償化を実現すべきものでございます。
都として、国に先行し、区市町村が学校給食費の保護者負担軽減に取り組む場合、その費用の二分の一を都が支援することといたしました。
〔都市整備局長谷崎馨一君登壇〕
○都市整備局長(谷崎馨一君) 三点ご質問いただきました。
まず、住宅耐震化のための補助限度額の引上げでございますが、地域や対策によって異なりますが、一例として十万円の引上げを予定しております。
予算につきましては、昨年度と今年度で、今年度微減となっております。
最後の質問につきましては、現在、都議会で予算審議をいただいているという認識でございます。