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質問・条例提案

2023.10.06

文書質問 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について 原純子(江戸川区選出)

 2023年第3回定例会で以下の文書質問を提出しました。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書 提出者 原純子

質問事項
 一 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について

答弁
 一 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について

 

一 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について
  全国的に、火葬場はほとんどが公営であり、公衆衛生の観点からも公共性の高い事業であることから「その永続性と非営利性が確保されなければならない」(昭和43年4月5日環衛第8058号・厚生省通達)とされています。
  しかし東京23区の火葬場は、公営は2か所のみで、残り7か所は民営となっています。都内でも市町村の葬儀所の火葬料が0円から数千円、多くても1万円程度なのに対し、都立瑞江葬儀所は59,600円、公営の臨海斎場(港区、品川区、目黒区、世田谷区、大田区の共同設置)は44,000円に対し、東京博善株式会社経営の6か所の火葬料金は一般的な場合で現在87,200円と著しく高額になっています。火葬料75,000円に加え、他の地域では例のない燃料費特別付加火葬料12,200円を徴収しているため、このような額になっています。さらに、東京博善は今年5月に、式場、休憩室、お別れ室などの室料も大幅引き上げをしたことで関係事業者を驚かせています。
  特別区にあたっては、区長が許可権限を持つとされていますが、利用者は区をまたいで利用する実態がある以上、広域の観点から葬儀所の利用料金のあり方を考える必要があり、都として課題を共有し、対応策を持ち、誰もが費用の心配なく故人を送ることのできる葬儀を保障することが急務です。
  都の認識について伺います。
 1 民間事業者である東京博善株式会社の火葬料について、高額との認識は、ありますか。
 2 東京博善は、2021年1月以降、本年10月1日現在までに数回にわたり火葬料を実質値上げし、その引き上げ額は28,200円値上げで、1.47倍です。この度重なる料金引き上げが、他の葬祭業者の経営を苦しめていますが、関連事業者や利用者の声を聞いていますか。どんな声ですか。
 3 火葬は亡くなった方が必ず通らなければならない過程です。公共性を担保する保障について、今の課題と、都としての対応策について伺います。
 4 「火葬料金の公定価格を決める」、「民間事業者による火葬料や葬儀費用の値上げについて、区または主な利用区の許可制にする」などの関連事業者や住民からの提案について、都はどのように考えますか。
 5 そもそも葬儀料金はどうあるべきと考えますか。
 6 都は、瑞江葬儀所の火葬料を2002年の7,200円から、現在は59,600円(2022年4月度改定)となっており、2年ごとの改定のたびに値上げをしてきました。ここ20年間でじつに8倍になり、利用者にとって重い負担となっています。都立葬儀所の料金設定は、同エリア同種業界のベースとなります。都が受益者負担の考え方に立ち、料金を引き上げてきたことが、民間事業者のさらなる値上げをもたらしたとも言えると思います。
   0円から数千円が全国自治体の公設葬儀所料金のスタンダードになっている中、本来の公共性の立場に立つならば、都立葬儀所の火葬料金は、無料または低額にするべきと考えますが、いかがですか。

 

令和5年第三回都議会定例会
原純子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について
  1 民間事業者である東京博善株式会社の火葬料について、高額との認識はあるか伺う。

回答
  墓地、埋葬等に関する法律では、火葬場の管理等は、火葬場の経営主体にかかわらず、国民の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることが求められています。
  また、「火葬場の経営・管理について」(令和4年11月24日付厚生労働省通知)では、指導権限を有する自治体に対し、公衆衛生の確保のほか、永続性の確保や利用者の利益の保護等の観点から、適正な火葬場の経営・管理について指導監督の徹底を求めています。

質問事項
 一の2 東京博善の度重なる料金引き上げが、他の葬祭業者の経営を苦しめているが、関連事業者や利用者の声を聞いているか伺う。

回答
  葬祭事業者の団体から、火葬料金等に関する意見が出ていることは承知しています。

質問事項
 一の3 火葬は亡くなった方が必ず通らなければならない過程である。公共性を担保する保障について、今の課題と、都としての対応策について伺う。

回答
  墓地、埋葬等に関する法律では、火葬場の管理等は、国民の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることが求められています。
  また、令和4年の国通知では、指導権限を有する自治体に対し、公衆衛生の確保のほか、永続性の確保や利用者の利益の保護等の観点から、適正な火葬場の経営・管理について指導監督の徹底を求めており、区が適切に対応していると認識しています。

質問事項
 一の4 「火葬料金の公定価格を決める」、「民間事業者による火葬料や葬儀費用の値上げについて、区または主な利用区の許可制にする」などの関連事業者や住民からの提案について、都の見解を伺う。

回答
  火葬場等の管理については、墓地、埋葬等に関する法律に基づき、経営の許可を行う自治体が必要に応じ検査や報告の徴取等を行うこととされています。
  また、令和4年の国通知では、指導権限を有する自治体に対し、公衆衛生の確保のほか、永続性の確保、利用者の利益の保護等の観点から、指導監督を行うことを求めています。

質問事項
 一の5 葬儀料金はどうあるべきと考えるか、見解を伺う。

回答
  葬儀の内容や費用等は、故人の遺志や遺族の意向によるものと考えます。

質問事項
 一の6 0円から数千円が全国自治体の公設葬儀所料金のスタンダードになっている中、本来の公共性の立場に立つならば、都立葬儀所の火葬料金は、無料または低額にすべきだが、見解を伺う。

回答
  瑞江葬儀所の火葬料は、受益者負担の適正化を図る観点から、施設整備に要した費用や維持管理に要する費用など、原価相当額を基に設定することとしています。