文書質問 都営地下鉄12号線(大江戸線)の延伸について とや英津子(練馬区選出)
2023年第3回定例会で以下の文書質問を提出しました。
令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書 提出者 とや英津子
一 都営地下鉄12号線(大江戸線)の延伸について
都営地下鉄12号線(以下大江戸線)は、1991年に都営12号線として練馬区の光が丘駅から練馬駅までの区間が開業し、1997年には新宿駅まで延伸されました。その後計画が進み2000年には現在の区間が全面開通しています。
今後、光が丘駅から大泉学園町方面に向かって約3.2キロメートル延伸予定で、新たに3つの駅を設けることが予定されています。この区間の延伸については、2016年に交通政策審議会答申第198号で、進めるべきプロジェクトの一つに位置づけられました。
大江戸線を延伸するからと区画整理で立ち退いた住民もおり、長年待ちわびている地元の人々からは、いつ工事が始まるのか、いつ開通するのかなどの声が寄せられ、大江戸線延伸の情報が流れるたびに一喜一憂する状況です。
こうしたもと、東京都は2022年2月に公表した「『未来の東京』戦略 version up 2022」で、関係者と事業化について協議、調整を進める路線として大江戸線光が丘駅から大泉学園町を位置づけました。さらに今年に入って地元練馬区との話し合いも行われているとお聞きしています。
延伸予定区域の住民の悲願である地下鉄大江戸線の光が丘から大泉学園町区間について、以下、これまでの経過や進捗、今後の開通の見通しについてうかがいます。
1 昨年度東京都は、地下鉄大江戸線に関する調査をおこなっています。この調査の内容と分析結果についてお答えください。また、今年度も引き続き調査を行うとしていますが、どのような調査ですか。
2 2022年度調査・分析結果の公表はいつですか。
3 大江戸線の過去10年間の乗車人員の推移についてお答えください。また、同期間の年間収支についても示してください。
4 都は2023年3月、副知事をトップとする庁内検討組織を設置したと公表しました。検討会のメンバー、この間の会議の開催状況と議題についてお答えください。
5 この間地元区である練馬区との話し合いをおこなってきたとお聞きしていますが、開催日時と都区双方の出席理事者についてお答えください。その際の議題と内容をそれぞれお答えください。
大江戸線導入空間となる都市計画道路補助230号線は、2023年春に練馬区が発行した「大江戸線延伸ニュース」によれば、土支田通りから外環道の約850メートルの用地取得率は93%、同区間の道路整備における事業認可は2028年3月までです。また外環道から大泉学園通りの用地取得率は68%です。
6 導入空間である補助230号線の事業認可期間について伺います。
また、大泉学園町方面への大江戸線延伸の工事着手は、補助230号線の整備終了後になりますか。
7 大江戸線を建設した際には、計画作成や都市計画決定、工事着手にどのくらいの期間を要し、いつ開業したのかお答えください。
8 今後、都として大江戸線延伸に向けてどのような取り組みをしますか。
9 地下鉄の新線建設における国や都の財政支援制度を教えてください。
令和5年第三回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 都営地下鉄12号線(大江戸線)の延伸について
1 昨年度東京都は、地下鉄大江戸線に関する調査をおこなっている。この調査の内容と分析結果について伺う。また、今年度も引き続き調査を行うとしているが、どのような調査か伺う。
回答
昨年度は、新型コロナウイルス感染症に伴うお客様の行動変容も踏まえながら、将来の旅客需要について調査を行いました。
今年度は、最新の知見を基に将来の旅客需要や収支採算性について調査を行っています。
質問事項
一の2 2022年度調査・分析結果の公表はいつか伺う。
回答
調査結果は、公にすることで当該情報が確定した情報と誤認され、混乱を生じさせる等のおそれがあるため、公表を予定していません。
質問事項
一の3 大江戸線の過去10年間の乗車人員の推移について伺う。また、同期間の年間収支についても伺う。
回答
大江戸線の一日平均乗車人員と損益額の過去10年間の推移は、下表のとおりです。
一日平均乗車人員(千人) 損益額(億円)
平成25年度 859 ▲ 81
平成26年度 879 ▲ 49
平成27年度 914 ▲ 13
平成28年度 934 3
平成29年度 956 9
平成30年度 977 10
令和元年度 978 ▲ 10
令和2年度 654 ▲142
令和3年度 677 ▲112
令和4年度 750 ▲ 98
質問事項
一の4 都は2023年3月、副知事をトップとする庁内検討組織を設置したと公表した。検討会のメンバー、この間の会議の開催状況と議題について伺う。
回答
「大江戸線延伸にかかる庁内検討プロジェクトチーム」は、副知事をトップとし、交通局、財務局、都市整備局、建設局によって構成されており、令和5年3月の第1回以降、5月、9月に開催し、将来の旅客需要や収支採算性に関する調査・検討を進めています。
質問事項
一の5 この間地元区である練馬区との話し合いをおこなってきたと聞いているが、開催日時と都区双方の出席理事者、その際の議題と内容をそれぞれ伺う。
回答
都と練馬区では、大江戸線延伸に関係する職員による打合せを今年度複数回開催しており、「大江戸線延伸にかかる庁内検討プロジェクトチーム」の状況報告や地区計画など区の沿線まちづくりに関する意見交換を行っています。
質問事項
一の6 導入空間である補助230号線の事業認可期間について伺う。また、大泉学園町方面への大江戸線延伸の工事着手は、補助230号線の整備終了後になるか伺う。
回答
補助第230号線の事業認可上の事業施行期間は、東京外環道から土支田通りまでのⅠ期区間が令和9年度末までであり、大泉学園通りから東京外環道までのⅡ期区間が令和8年度末までです。
大江戸線延伸については、現在、将来の旅客需要や収支採算性に関する調査・検討を進めている段階です。
質問事項
一の7 大江戸線を建設した際には、計画作成や都市計画決定、工事着手にどのくらいの期間を要し、いつ開業したのか伺う。
回答
大江戸線の練馬駅から光が丘駅間を建設した際には、昭和47年3月の都市交通審議会答申等を受け、新線建設に向けた検討や計画の作成、都市計画手続等を行い、昭和59年8月に都市計画決定され、昭和61年6月に工事着手した後、平成3年12月に開業しました。
質問事項
一の8 今後、都として大江戸線延伸に向けてどのような取り組みをするか伺う。
回答
今年度実施する調査で将来の旅客需要や収支採算性を検証し、事業化に当たっての課題を明確にした後、その解決の方向性などについて検討することとしています。
質問事項
一の9 地下鉄の新線建設における国や都の財政支援制度について伺う。
回答
地下鉄の新線建設については、国土交通省所管の地下高速鉄道整備事業費補助の対象となっており、建設費から人件費、事務費等の総係費、車両費及び建設利子を除いた額の約26パーセントを限度に国が、約29パーセントを限度に地方公共団体が補助金として交付することとされています。また、総務省の通知では、建設費の20パーセントが地方公共団体の出資に係る繰出しの基準とされています。