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質問・条例提案

予算特別委員会 池川友一都議(町田市選出)の代表総括質疑

 

動画(都議会ホームページです。)
★議事録速報版より

  1. シルバーパスの拡充について
  2. 子どもの交通費について
  3. 学校給食の無償化について
  4. 企業・団体献金禁止について
  5. プロジェクションマッピングについて
  6. 防災対策について
  7. 外環道陥没事故における住民監視・盗撮問題について
  8. 痴漢ゼロについて

小池都政を厳しく批判し、都政を希望に変える提案(質問パンフレット)


○池川委員 日本共産党都議団――知事来ていないよ。休憩してもらっていい。休憩してもらっていい。休憩してもらっていい。

○内山委員長 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

○内山委員長 速記を再開してください。

1、シルバーパスの拡充について

○池川委員 日本共産党都議団を代表して質問します。
 来年度予算案は、子ども、子育て支援の拡充が進み始めたのに比べて、高齢者の暮らしへの支援はあまりにも手薄です。
 高齢者の方々から特に改善が求められているのがシルバーパスです。シルバーパスの料金は、千円と二万五百十円の二段階になっています。
 二万五百十円のパスの発行数が下がっている理由をどう認識していますか。

○佐藤福祉局長 現在の制度となった平成十二年度以降、二万五百十円のパスの発行枚数は、前年と比較し増加している年もあれば減少している年もあり、様々でございまして、パスは有効に活用されているものと認識をしております。

○池川委員 シルバーパスが有料化され、経過措置がなくなったのは二〇〇三年です。この年よりも二万五百十円のパスが増えた年というのはあるでしょうか。

○佐藤福祉局長 繰り返しになりますが、二万五百十円のパスの発行枚数は前年と比較いたしまして、増えている年もあれば減っている年もあります。
 シルバーパスにつきまして、今後の高齢化の進展ですとか、見込まれる中、事務経費が一層増加しております。そういった中で制度を見直す場合というのは、財政面はもとより様々な観点から検討が必要であります。引き続き現制度の適切な運営に努めてまいります。

○池川委員 聞いたことに答えていただいてないんですね。二〇〇三年よりも増えた年というのは一回もないんですよ、一回も。一回もないのにそうやってごまかすのは本当にやめた方がいいと思います。

(パネル1)

 こちらをご覧ください(パネル1)。これは、七十歳以上の人口とシルバーパスの発行の状況について書いたものです。二〇〇三年度と二〇二二年度を比較すると、高齢者、七十歳以上の人口はプラス八〇%、千円パスはプラス四六%、それでも人口増に見合っていませんが、二万五百十円は何と一五%も減っています。実数で減っているんです。高齢者の社会保障が削減され、負担が増え続け、暮らしに余裕がなくなっているからだと思います。現役時代に働いて税金も納めてきた、僅かな年金の差で、制度に大きな差をつけるのはやめてほしい、二万五百十円は高過ぎて諦めた、千円と二十倍の差というのはやっぱりおかしいんじゃないかと声が上がっているのは当然だと思います。
 シルバーパスの目的は、高齢者の社会参加を増やしていくことにあります。
 知事は、アクティブChojuプロジェクトを打ち出していますが、これについてはどう取り組んでいくのでしょうか。

○小池知事 お尋ねのアクティブChojuプロジェクトでございますけれども、世界に先駆けて進む高齢化への対策を先進モデルとして捉えまして、高齢者がいつまでも活躍できる取組を推進するために始動したプロジェクトでございます。
 高齢者が自分らしく活躍できる、不安なく生活できるという観点で施策を推進いたしまして、豊かに老い、自身の希望に沿いまして、活躍できるアクティブな長寿社会の実現を目指すものでございます。

○池川委員 アクティブChojuプロジェクトの中には、安心して外に出かけられるという項目があるんですよね。これは知事、シルバーパスの充実にぴったりの項目だと思うんですけど、きちんとここに位置づけていただきたいと思います。
 シルバーパスは、全面有料化前は約七割の人が利用していましたが、今は四割までそれが下がってきてしまっています。
 シルバーパスの料金は無料を目指し、少なくとも一律千円にすることなど、大胆な負担軽減を行うこと。私の地元町田市に三分の一が集中する都県境を越えても利用できるようにする、そうした運用にすること、さらには多摩都市モノレールなど利用できる路線を増やすことなど、思い切った改善を行うことを強く求めたいと思います。

2、子どもの交通費について

 次に、子供の交通費について伺います。
 十二歳未満の子供料金について、小田急電鉄が二〇二二年三月から一律五十円に、京急電鉄も二〇二三年十月から一律七十五円にしました。私自身、小田急線ユーザーですので、子育て世代からは本当に歓迎されていると実感をしています。
 こうした鉄道小児運賃の割引が行われていることについては、ご存じでしょうか。
 また、効果的な子育て支援策だと思いますが、いかがですか。

○谷崎都市整備局長 一部の鉄道事業者で小児運賃の割引を実施していることは存じております。
 運賃は国の認可の下、事業者が設定しており、割引については経営状況等に応じた事業者の判断となっております。

○池川委員 事業者としての交通局に伺います。
 都営地下鉄の乗車料収入と、通学定期、定期以外の小児運賃収入はそれぞれどうなっていますか。

○久我交通局長 令和四年度の都営地下鉄の乗車料収入は、消費税及び地方消費税込みの金額で約千二百六十八億円でございまして、このうち通学定期の収入は約四十四億円、小児の定期外の収入は約五億円でございます。

○池川委員 今のを計算すると、乗車料収入の僅かですよ、僅か〇・四%で、十二歳以下の子供の料金を無料にできるんです。仮に、小田急線と同じように五十円にした場合には、乗車料収入の僅か〇・二%でこれができると。もうこれならね、知事、すぐできると思うんですよ。
 小田急電鉄によると、五十円にする以前の子供運賃収入は、鉄道運輸収入のおよそ〇・七%、都営交通よりもちょっと高かったんですね。子供料金の引下げによって、大人の需要も喚起することができる。沿線でのお買物の効果なども増加をすると、効果を様々見込んで、こうした決断に踏み切ったと。
 私は都営交通、都営地下鉄の沿線の地域経済の活性化とか、あとは子供たちのやっぱり体験格差が交通費によって起こっているという問題を真剣に受け止めて、ぜひ検討していただきたいと思うんですね。
 知事は国に先駆けて様々やると、この間いってきました。こういうことこそやっぱり国に先駆けてやる必要あるんじゃないですか。

○久我交通局長 都営地下鉄では、車両に子育て応援スペースを導入し、昨年度から全路線で展開するとともに、今年度は、赤ちゃんや小さなお子様とのお出かけをサポートする、こどもスマイルスポットをオープンするなど、お子様連れのお客様に安心してご利用いただける環境づくりを進めております。
 運賃収入は交通事業における基幹的な収入でございまして、経営状況や事業を取り巻く環境などを踏まえ、設定するものでございます。

○池川委員 都営地下鉄の経営状況を見たら、すぐにでも実施できると、そういう提案です。決断を求めたいと思います。
 そのほかにも都営バス、交通局に関わるものですね、さらには多摩都市モノレールなど、そうした東京都が関わる公共交通について、やっぱり子供料金の引下げ、無料化、これ、ぜひ進めていただきたいと求めておきたいと思います。
 小学生よりも中高生の方が移動の範囲が広がる、このことが大きな家計負担になっていることは明らかだと思います。これは大人と子供の料金の線引きが十二歳となっていることに起因しています。しかも、この根拠というのは、今から八十年前に定めた鉄道運輸規程であり、あまりにも時代と合わない。こういう制度になってしまっていると思います。日常的に利用できる公共交通が中学生になったら大人料金になるというのは、子供に優しいまちとはいえないんじゃないかと。
 実際に声を聞いてきました。自宅から学校まで公共交通を使う場合、電車とバスを使うことになって、通学定期の金額を見て、片道約一時間の自転車通学をお願いせざるを得なかった。授業料の負担軽減、この間進めていただいて本当にうれしいと。しかし、交通費の負担を考えたら、やっぱり最寄りの学校を選ぶしかなかったと、そういう切実な声が寄せられているわけです。
 子供の料金を十八歳までにすることは、子供の移動権の保障、子育て世代の負担軽減に直結すると。世界を見れば、差は歴然としていると思います。

(パネル2)

 こちらをご覧いただきたいと思います(パネル2)。カナダのトロント、十二歳までは無料、十九歳まで割引運賃があります。
 ドイツのベルリン、五歳までは無料、十四歳までは割引運賃があって、加えて、公共交通が乗り放題になる学生向けのセミスターチケットというのが極めて安価で手に入って、学生や若い世代の移動の手段を確保していると。
 イギリスのロンドン、十歳までは無料、十五歳まではバスと路面電車は無料、地下鉄は半額、十八歳までは全て半額ということになっているんですね。
 知事の予算編成方針、じっくり読みました。先手先手で持続可能な都市への変革を歩み、未来を開く政策を全力で推し進めなければならないというふうに書いているんです。
 知事、子供料金を十八歳までにするというのは、まさに未来を開く政策なんじゃありませんか。

○谷崎都市整備局長 海外でそういった運賃の事例があることは承知しております。
 鉄道運賃は国土交通大臣の認可の下、鉄道事業者が設定し、届出により事業者が設定するものであります。

○池川委員 こういうのこそぜひ世界を研究していただいて、まさに国際競争と、知事いわれるわけですから、こういうところでこそぜひ競争していただきたいと思うんですね。
 こども基本条例も、児童福祉法も、十八歳までが子供の定義になっているわけですよ。先ほどいったように、鉄道運輸規程というのは戦前にできたものですよ。その後の様々な政策の中で、十八歳までが子供の定義になったと。誰もが安心して豊かな生活と人生を享受するためには、交通移動の権利が保障され、行使できる環境が整えられることが大事じゃないかと思うんです。
 公共交通は民間事業者任せでなく、EU諸国のように、本来であれば事業運営の財源を確保し、国や自治体が主体的に関与する事業制度にしていくことも、やっぱり検討すべきなんじゃないかと、このことも併せて求めておきたいと思います。

3、学校給食の無償化について

 次に学校給食の無償化について伺います。
 学校給食は、生きた教材であり、教育の一環です。
 来年度予算案に、学校給食の負担軽減をする予算、約二百五十九億円が計上されたことは、この間の都民の運動、都議会での共闘、共産党都議団が取り組んできた論戦や条例提案、そうしたものが、それまでは国がやるべきことだといっていた、後ろ向きだった小池知事を動かしたと私たちは思っています。
 まず伺いたい。高校の授業料無償化や学校給食費の負担軽減は、教育を受ける権利を保障する視点が重要だと思いますが、知事の認識を伺います。

○小池知事 教育は、子供の健全な育ちを支える重要な基盤でございます。そして、教育費の家計負担の軽減というのは本来、国が責任を持って行うべきものでございます。よって、国に対し緊急要望を行っているところでございます。
 同時に、都独自でなし得る対策といたしまして、国に先行しての負担軽減に取り組むというものでございます。

○池川委員 教育は子供を支える重要な基盤だということです。
 だからこそ、命や健康に関わる問題は、都内において、やっぱり格差は生み出してはならないと思います。教育についても格差を生み出してはならない、そうした取組が必要です。
 しかし、学校給食の無償化については明らかな教育格差が生まれています。

(パネル3)

 こちらご覧ください(パネル3)。オレンジ色が公立私立とも無償にする自治体、黄色が公立は給食を無償にする自治体です。来年度二十三区では、全ての自治体で給食費を無償化する一方、多摩地域は三十市町村のうち十二市町村、四〇%の自治体しか踏み出せていない。その差は一目瞭然だと思います。
 予算編成に向けた知事と区市町村長との意見交換では、学校給食の無償化が最大のトピックの一つとなり、八つの区市町村長が要望しています。知事もしっかりと受け止めていただいていると思います。
 昨年末に市長会が行った緊急要望では、都内全ての児童生徒及び保護者に、居住する自治体によって、大きな教育格差が生じることのないよう最大限配慮すること、多摩二十六市全てが学校給食費の負担軽減に取り組むことができる制度設計を求めています。
 しかし、都の補助は、保護者負担軽減の二分の一です。そのため、実際に無償化を検討したが、半額補助を活用したとしても、多額の財政負担があり断念したなど、財政力によって無償化に踏み出せないという自治体の話が幾つも出されています。
 本会議で教育長は、市長会、町村会に対して、丁寧に説明を行ったと答弁されましたが、理解は得られていると考えているんですか。

○浜教育長 本会議でもご答弁申し上げました。繰り返しで恐縮ですが、市長会、町村会に対して、丁寧にご説明を行っております。
 これらの結果を踏まえて、各区市町村におきまして検討を進めているものと認識しております。

○池川委員 直接質問に対するお答えはなかったんですね。
 教育長自ら市長会に対して、説明に行かれたと聞いています。市長会の説明の席で、ある市長は、市長会では意見がなかったと伝えられるのは心外なので、意見を申し上げると切り出して、市長会要望の都内全ての児童生徒及び保護者に、居住する自治体によって大きな教育格差が生じることのないよう最大限配慮すべしとの要望には全く配慮されていません。多摩二十六市の間に分断と格差を持ち込み、到底受け入れられるものではありませんと、教育長が出席をされた市長会の席で、こういう表明があったと聞いています。
 教育長はこの市長の発言、どのように受け止めていますか。

○浜教育長 市長会で無償化について、給食費の保護者負担軽減に対する区市町村への都の支援につきましてご説明を申し上げた際に、意見交換はございましたが、最終的には東京都からのご説明でご理解をいただいたものと認識しております。

○池川委員 今ので理解が得られたといったら、私、二十六市の市長会、さらに町村会の皆さん、本当に怒ると思いますよ。今の答弁、本当にいいんですかね。
 ほかの市長からも意見が、異論が出たというふうに聞いています。やっぱり重く受け止める必要があると思うんですよね。
 じゃあ、改めて伺いたいと思うんですけど、学校給食が教育において果たしている役割はどう考えているのか。また、広く区市町村にこの負担軽減が行われることが重要だと考えますが、改めて伺いたいと思います。

○浜教育長 学校給食は、児童及び生徒の心身の発達と食に関する正しい理解や適切な判断力を養う上で大きな役割を果たすものでございます。
 一方、子育て世帯では学校給食費が大きな負担となっております。
 学校給食費につきましては、国がその責任と財源において無償化を実現すべきものでございます。都として、国に先行し、区市町村が学校給食費の保護者負担軽減に取り組む場合、その費用の二分の一を都が支援することといたしました。より多くの自治体で取組が行われるよう、区市町村と連携し、支援を行っていくこととしております。
 なお、先ほども申し上げましたとおり、市長会でのご説明に対して意見交換はございましたけれども、現段階では、それらの経過を踏まえて各市町村でご検討いただいているというふうに認識しております。

○内山委員長 傍聴人に申し上げます。ご静粛に願います。
 なお、委員長の命令に従わないときは、東京都議会委員会傍聴規則第十二条第一項第二号の規定により退場を命じますので、念のため申し上げておきます。

○池川委員 今、より多くの自治体で取組が行われるよう連携支援していくと。多くの自治体でこの制度を使ってほしいということだと思うんですね。
 しかし実際には――今、理解を得られたという答弁を修正されましたけど、異論が出たこと自体はやっぱり否定できないと思うんですよ。率直な意見交換の場で、かなり厳しいやり取りだったと聞いています。
 知事が、平等であるべき教育に、やっぱり地域間格差が生じないようにしていく。全ての自治体が無償化に踏み出せる制度にすることが、この問題を解決する唯一の道だと思いますが、いかがですか。

○浜教育長 区市町村立小中学校の学校給食につきましては、学校給食法に基づきまして、設置者である区市町村が実施をしておりまして、給食費の設定につきましても区市町村の責任において実施しているものと認識しております。
 学校給食費の在り方につきましては、国がその責任と財源において無償化を実現すべきものであると考えております。

○池川委員 国がやるまでの間、とにかく東京都でやろうと。そのときに、二分の一だと全ての自治体が踏み出せないという声が上がっている。そうしたら、都として、全部が無償にできるようにするというのは当たり前だと思うんですね。
 知事は、昨年四定の所信表明で、大胆な負担軽減に踏み出すといっています。しかし、現実には、二十三区は全ての区が無償化できる、多摩地域では四〇%にとどまっている、これは明らかな多摩格差になっていると思います。多摩格差ゼロというのは、小池知事の最初のときの選挙公約なんですよ。選挙公約だったんですね。
 学校給食費の無償化の多摩格差をなくすためには都が全額補助を行う、これ以外ないと思います。
 青森県は、実際に来年度から、県の責任で公立小中学校と国立、私立、特別支援学校も対象にして給食費の無償化を実施する方針を打ち出しました。
 昨年四定には、我が党をはじめ四会派が共同で、都が十分の十、都内全域で無償化ができる提案を行い、六会派四十一人の議員が賛成しています。残念ながら、自民党と公明党、都民ファーストの議員の方は反対されたわけですけど、十二月四日に、三会派がそれぞれ、学校給食費の無償化、都内の区市町村格差が生じないよう都として支援することを要望されているんですよ。
 とりわけ、私は多摩地域選出の議員ですから、多摩・島しょ選出の議員の皆さんに呼びかけたいと思いますね。明らかな多摩格差が生まれているときに、このまま本当に放置していいのかと。
 現在、都議会議員は百十九人です。自民、公明、都民ファーストの多摩・島しょ地域の選出議員の数は二十五人。賛成した四十一人に二十五人合わせたら、六十六人で過半数になるんですよ。多摩格差をなくすために、私は共同していただきたいと思いますよ。
 命や健康に関わる問題と同じように、教育も都内において格差を生み出してはならないと思います。都が全額補助を行い、都内全ての自治体でみんなが無償化できる、そういう制度にするよう重ねて求めておきたいと思います。

4、企業・団体献金禁止について

 次に、政治と金の問題について質問します。
 自民党の裏金問題が大きな問題になっています。
 自民党全体で裏金づくりをシステム化していたと問われている問題で、派閥が議員事務所に記載するなと指導していた組織的犯罪とも指摘されています。
 裏金づくりというのは、表に出せないお金だったということにほかなりません。政治家個人への企業団体献金は禁止をされていますが、政党本部や支部への企業団体献金と、企業や団体がパーティー券を購入する事実上の企業団体献金は今、温存されています。
 企業が献金するのは、金の力で政治を動かそうという利権政治そのものです。
 国会では、自民党以外の党の皆さんが次々と、パーティー券の購入も含めた企業団体献金の禁止を提案されています。
 知事は、政治家として、パーティー券を含めた企業団体献金の廃止をするのか、それとも存続をするのか、どちらの立場でしょうか。

○小池知事 まず、政治資金につきましては、法に基づいて適切に対応すべきこと、これはいうまでもございません。
 その上で重要なことは、現場の最前線で活躍する企業や団体としがらみのない政治活動を行うということでございまして、過去にもこのようにお答えをいたしております。
 そして、私自身、こうした考えの下で都政に邁進してきたところでございます。

○池川委員 今、私の質問にきちんとお答えいただけなかったと思うんですけど、パーティー券の購入を含めた企業団体献金については廃止すべきだっていう立場なんですか。やめるべきだ、禁止すべきだと、企業団体献金は全面禁止すべきだという立場なんですか。

○小池知事 繰り返しになりますけれども、法に基づいて適切に対応するべきこと、これはいうまでもなく、また、その上で重要なのは、現場の最前線で活躍する企業や、また団体、組織としがらみのない政治活動を行うことということの、この考えの下で都政に邁進をしてきたと今お答えしたところでございます。

○池川委員 つまり、今の法律は、企業団体献金、政党本部と支部と政治資金パーティーについては認められているんですよね。これはこのままでいいということなんですか。それとも、ここは変えた方がいいということ、今のだとちょっとよく分からないですけど、どっちなんですか。

○小池知事 何度もお答えしておりますけれども、法律に基づいて適切に対応するということでございます。

○池川委員 企業団体献金がこれだけ問われているときに、全面禁止といえないということだと思うんですね、今のは。金の力で政治を動かそうとしているのがやっぱり企業団体献金、パー券、様々、ここが今厳しく問われているときに法に基づいてといったら、今の法律の制度はしようがないという話になっちゃうと思うんですね。
 知事自身、これまでも企業団体献金を受け取り、パーティー券購入を企業、団体に買ってもらってきたんですね、これまでも。

(パネル4)

 こちらをご覧いただきたいと思います(パネル4)。これは、二〇一三年と一四年の自由民主党東京都第十選挙区支部の収支報告書の写しです。ちょっと小さくて申し訳ないんですけどね。代表者は小池百合子衆議院議員です。
 この二年間、一三年と一四年、それぞれ二十万円ずつ合計四十万円、株式会社電通から献金を受け取っています。これは間違いありませんね。

○小池知事 遠くてよく見えませんけれども、突然のご指摘で確認はできませんが、政治資金収支報告書には収支を記載して公表している、それがその一つであります。
 いずれにしましても、これまでも法に基づいて適切に対応しているということを、先ほどからお答えしているとおりでございます。

○池川委員 その後、衆議院議員から知事となって、五輪の開催の、開催都市の責任者となったわけです。電通というのは、いうまでもなく五輪談合の当事者です。私は、過去のことだから問題ないというふうにはならないと思うんですね。
 経済的に圧倒的な力のある企業が献金することは、金の力で政治をゆがめる、主権者である一人一人の国民の参政権を侵害することになると。
 日本共産党は、金の力で政治をゆがめる企業団体献金は全面禁止すると、そのために力を尽くしていきたいと思います。

5、プロジェクションマッピングについて

 次に、プロジェクションマッピングについて伺いたいと思います。
 都庁を照らすプロジェクションマッピングに、税金の無駄遣いという批判の声が上がっています。都政がやるべきは、暮らしを照らすことだと思います。
 先ほど、自民党の川松都議も、批判の声が多いと、都民の理解が大事だというふうにご質問されていました。
 プロジェクションマッピングの事業全体の、今年度と来年度の予算額はどうなっていますか。

○坂本産業労働局長 プロジェクションマッピングに関わる事業の予算額は、地域での取組への支援も含め、令和五年度が二十二億九千万円、令和六年度が約二十五億六千万円でございます。

○池川委員 報道ではこの間、十八億円と報道されているのが多いんですけど、それよりもさらに大きく、二年間で四十八億五千万円だということが今の答弁で分かりました。
 この巨額の予算をどのように使っているのかについて聞いていきたいと思います。
 都庁のプロジェクションマッピングは実行委員会が主体になっていると聞いています。この実行委員会、人数は何人で、誰がメンバーですか。

○坂本産業労働局長 都庁舎に投影するプロジェクションマッピングにつきましては、東京プロジェクションマッピング実行委員会では三名の委員で検討を行っておりまして、東京都、東京観光財団のほか、新宿区が加わっております。

○池川委員 都庁のプロジェクションマッピングだけでも七億円という莫大な税金を使う事業で、実行委員会が僅か三人というのは大変驚きました。しかも、そのうち二人は東京都と都の政策連携団体の観光財団なんですね。

(パネル5)

 こちらをご覧いただきたいと思います(パネル5)。これもちっちゃくて大変恐縮なんですけど、産業労働局長の坂本局長は、観光財団の副理事長も務めています。プロジェクションマッピングを担当する産業労働局の観光部長は理事です。
 名立たる大企業の理事が名を連ねているその中に、電通、博報堂も入っています。観光財団のホームページによると、電通も博報堂も出捐金を出していることが分かります。電通も博報堂も、いうまでもなく五輪談合で指名停止中になっているということですね。
 都庁のプロジェクションマッピング事業、委託業者はどこですか。入札経過もお示しください。

○坂本産業労働局長 都庁舎に投影するプロジェクションマッピングについては、東京プロジェクションマッピング実行委員会によれば、投影の機器について高い性能を持ち、設置場所への負担の少ない軽量で、それら四十台の整備と保守等を一括して行うことができる事業者は一つしかなく、特命随意契約によりパナソニックコネクト株式会社に委託を行いました。
 また、映像の制作や国内外への効果的なPR関連等の業務について、企画提案方式によりまして事業を公募し、株式会社電通ライブに委託を行ったとのことでございます。

○池川委員 電通は、五輪談合で今年の八月八日まで指名停止になっています。その電通の一〇〇%出資子会社である電通ライブが委託を受けていたということなんですね。
 これ伺います。今、プロポーザルでやられたということなんですけれど、このプロポーザル、何者が参加されたんでしょうか。具体的にどことどこなんでしょうか。

○坂本産業労働局長 企画提案方式に関わる参加者は二者でございまして、会社名は公表は差し控えさせていただきます。

○池川委員 何で公表できないんですか。

○坂本産業労働局長 企画提案方式に関わる参加者の会社名についてお求めがありましたので、では、ありていにお答えいたします。
 二者ございまして、電通ライブと博報堂プロダクツ、この二者でございます。

○池川委員 今いったとおり、電通は観光財団のメンバー、今、答弁あった博報堂プロダクツ、ここも博報堂、観光財団のメンバー。実行委員会が電通ライブを選んだ。これってやっぱり抜け穴があったんじゃないかという話なんですよ。

(パネル6)

 こちらをご覧いただきたいと思います(パネル6)。電通とパナソニックがこの間、都庁におけるプロジェクションマッピング、ほとんど独占状態になっていると。これは、事前にお聞きしたものをパネルにしました。
 実行委員会が行った四つの事業のうち、電通ライブは三か所。電通PRコンサルティングが一か所。特命随意契約で選んだものも含めて、結果として電通グループの企業が事業者になっていると。赤いところが電通です。
 電通は、先ほどもいいましたが観光財団の理事。東京都では指名停止中。さっき質疑でありましたけど、知事が献金を受け取っていると。これだけでも、やっぱり都民は疑念を持つと思うんですね、私。しかも、プロポーザルを審査した中に観光財団が入り、出捐している電通が事業者にもなっているということなんですよね。
 それだけじゃないです。昨年九月と十一月に明治神宮外苑で行われたTOKYO LIGHTS 二〇二三、ここの制作、運営は博報堂プロダクツなんですね。こちらは一〇〇%博報堂の子会社というふうになっていると。
 これもね、実行委員会形式なんですよ。メンバーは、東京都、観光財団、新宿区、一般財団法人プロジェクションマッピング協会。ここには今年度、四億八千万円の都の予算が使われていると。
 実行委員会の運営費について、全て東京都の負担でやっているということですね。こっちも抜け道を使って、博報堂関連企業に都の税金が使われていると。
 観光財団の審査が入る、そのメンバーの中に博報堂も電通もいる、そしてそこが選ばれる。こういうのを利益相反って、知事、いうんじゃないんですか。

○坂本産業労働局長 TOKYO LIGHTS 二〇二三実行委員会によれば、企画運営や投影及び音響の機器の整備等の業務について、企画提案方式により事業者を公募し、株式会社博報堂プロダクツに委託を行いました。
 なお、先ほど、電通の一〇〇%出資の子会社である電通ライブとの表現のお話がございましたが、これは事実と異なります。
 純粋持ち株会社である株式会社電通グループが一〇〇%の出資をしてつくったのが株式会社電通でございます。また、同じく純粋持ち株会社である株式会社電通グループが一〇〇%出資をしているのが株式会社電通ライブでございます。
 正確に申し上げると、このような状況でございます。

○池川委員 結局電通なんですよね。電通なんですよ、電通なんですよ。
 いろいろいわれたんですけどね、この入札に関わる資料というのは都民や議会に一切明らかにされていないんですよ。実行委員会の設置要綱、入札に関する資料、出してほしいというふうに繰り返し要求しましたが、これ出せなかった、最後まで出されなかった。これ何で出せないんですか。

○坂本産業労働局長 東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体でございまして、都が実行委員会に関する資料を公表することはできません。

○池川委員 今、実行委員会だということで出せないというのは全く理解できないと。だって、東京都の税金で一〇〇%やっているんですよ。何で出せないんですか。
 実行委員会だから出せないというのはどういう意味ですか。

○坂本産業労働局長 東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体でございまして、都が実行委員会に関する資料を公表することはできません。

○池川委員 メンバーは東京都、観光財団、新宿区です。
 では伺います。事務所はどこにありますか。

○坂本産業労働局長 実行委員会の事務局は東京都が担っております。

○池川委員 もう一度答えて。どこにあるんですか。

○坂本産業労働局長 東京プロジェクションマッピング実行委員会の事務局は東京都が担っております。
 東京都庁の所在地が今お問合せの、ご質問にあった場所ということになろうと思います。

○池川委員 都庁の中なんですか。つまり、どこにあるんですか。

○坂本産業労働局長 繰り返しになりますが、東京プロジェクションマッピング実行委員会の事務局は東京都が担っております。

○池川委員 これ、ホームページで明らかになっているんですよ。実行委員会だからと繰り返すんですけど、やましいことがあるからですよ。
 実行委員会の事務所の場所っていうのは、産業労働局観光部振興課って書いてあるんですよ。書いてあるんです。課内と。
 私、もっとびっくりしたのは、電話番号って書いてあるんですよね、この電話番号はね、振興課の電話番号なんですよ。つまり、プロジェクションマッピング実行委員会っていうのは、東京都産業労働局観光部振興課の中にあるということですね。

○坂本産業労働局長 繰り返しになりますが、東京プロジェクションマッピング実行委員会の事務局は東京都が担っております。

○池川委員 実態としては、都の職員が全部やっているということじゃないですか。実行委員会の事務を担って、東京都の入札のルールは適用されない。資料を出せといったら、実行委員会だから出せない。こんなことあり得ないですよ。実行委員会を隠れみのにしているとしかいえないと思います。
 実行委員はたった三人です。実行委員会のメンバーがいいといえば資料は出せるはずです。しかもね、一人は局長が副理事長の観光財団ですよ。もう一人は新宿区、東京都でしょう。
 東京都は、出すと判断すればできる。ただ、一応確認しなきゃいけないと思うんですね。これ、観光財団と新宿区に確認したんですか。

○坂本産業労働局長 東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体でございまして、都が実行委員会に関する資料を公表することはできません。

○池川委員 私が聞いたのは、都として単独で公表するか否かではなくて、実行委員会として公表する意思があるのかと。
 その意思確認について、新宿区と財団に問い合わせて、公開してもいいかと。資料として求められているんだけど、公表していいのかと、そういうことの問合せはしなかったんですか。

○坂本産業労働局長 東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体でございます。

○池川委員 事実に答えなかったら質疑にならないでしょう。だって、これは都がそういう問合せをしたかと。実行委員会のメンバーでしょう。メンバーとして、ほかの二つの団体、財団と新宿区に、資料を公表してもいいかと何で聞かないんですか。聞かないまま出せない出せないと、実行委員会だから出せないと、そんな話、通用しないですよ。
 確認もしなかったんですか。もう一回お答えください。

○坂本産業労働局長 繰り返しになりますが、東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体でございます。

○池川委員 さっきから予算の額、みんな聞いて高い高いと思っていたと。そうしたら、東京都の正規の手続じゃなくて入札が行われていて、都民や都議会に資料も出せないと。
 こんなの都民が納得するわけないじゃないですか。知事の一丁目一番地は情報公開でしょう。知事の指示で、実行委員会からちゃんと資料を出してほしいといってください。どうですか。知事の指示でやってほしい。

○坂本産業労働局長 繰り返しになりますが、東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体でございまして、都が実行委員会に関する資料を公表することはできません。

○池川委員 私は、これ本当に許されないと思いますよ。だって資料も出せない、適正にそれが執行されたとも分からない。実行委員会だといえば何も答えなくていいと、そんなこと認められないですよ。
 二年間で四十八億五千万円という巨額の税金を使っている事業ですよ。プロジェクションマッピングの照らす都庁の真下では、毎週土曜日に行われる食料支援に、コロナの前の十倍を超える七百人もの方々が並んでいると。
 それで、私、こういう暮らしが大変な人たちを目の前にして、巨額の税金の使い道、その入札が適正に行われたのか、そのお金がどのように執行されたのか一切明らかにできないという答弁は、絶対に許されないと。来年度もこんなやり方続ける、そんなの認められないと思うんですよね。
 しかも、さっきいったとおりで、東京都と観光財団と新宿区、実行委員会三人ですよ。しかも、その観光財団の中にいる電通、博報堂、ここが様々な事業を大体取っていってるわけですよね。こういう構造になっている問題だという話だと思うんです。
 私は、こういう税金の使い方は全く都民の理解が得られないと。こういう税金の使い方は改めるべきだと厳しく求めておきたいと思います。

6、防災対策について

 次に、防災対策について伺います。
 能登半島地震で亡くなられた方々に改めてご冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。復旧のために尽力されている皆様にも、敬意と感謝を申し上げます。
 今この瞬間に、首都直下地震が起きてもおかしくないといわれています。能登半島地震では、住宅の被害が、石川県だけでも少なくとも七万六千軒を超え、倒壊していた家屋の下敷きになるなど亡くなる圧死が四割、倒壊後、命をつないでいた方が窒息や呼吸不全、低体温症や凍死、外傷性ショック死などの建物倒壊で直接亡くなった方々が約五割と、死因からも明らかになっています。
 東京都防災計画被害想定の中でも、都心南部直下地震の場合、建物倒壊で亡くなる方は、冬の早朝の場合で四千九百十六人、死者の八三%に及びます。
 住宅耐震が命を守ることに直結します。住宅耐震の意義について認識を伺います。

○谷崎都市整備局長 本年一月一日に発生した能登半島地震では、道路が寸断するとともに、戸建て住宅をはじめとした多数の建物倒壊や大規模火災、津波などにより甚大な被害が発生いたしました。
 首都直下地震の発生が懸念される東京において、地震による被害を軽減し、都民の生命と財産を守るためには、住宅の耐震化を進めていくことが重要でございます。

○池川委員 石川県の耐震化が進んでいなかったことについて、まさか起こらないだろうという声や、耐震補助を、お願いベースではなく、実際に工事が進むようにするのは弱かったのではないかという話を伺っています。高齢で一人暮らしの方が多い地域ほど、耐震化がなかなか進まなかったという状況だとも伺いました。
 住宅耐震化を諦めてしまう要因について、都はどのように把握、分析されているんでしょうか。

○谷崎都市整備局長 所有者においては、耐震化の進め方が分からないことへの不安など、様々な事情を抱えていることなどがあるものと考えております。
 所有者の様々な不安にきめ細かく対応していくため、総合相談窓口を設置し、都民からの相談に応じるとともに、区市町村が行っているアドバイザー派遣などの取組を支援しております。

(パネル7)

○池川委員 こちらをご覧いただきたいと思います(パネル7)。これは東京都が行っている高齢者の生活実態。その中にある住まいで気になっているところという質問に対して、最も多くなっているのが、住宅が古くなり傷んでいる。二位は、耐震性に不安があると。これは五年ごとの調査になっているんですけど、二〇一〇年、一五年より二〇年が大きく上昇しているんですね。
 これは、不安があるけれどなかなか耐震が進まない。家が傷んでいて、様々補修必要だけどなかなか進まない。やっぱりこういう状況に応えて、様々な支援を充実する、耐震化も進めていく、状況を変えていくことが重要だと思います。
 都は新年度、住宅耐震化助成の補助限度額を十万円引き上げることを明らかにしました。引き上げる理由について伺いたいと思います。

○谷崎都市整備局長 戸建て住宅の耐震化を促進し、東京都耐震改修促進計画で定める目標を達成するため、耐震改修等の補助限度額を十万円引き上げるものでございます。

○池川委員 補助の引上げは大変重要だと思いますが、予算は一割減っているんですね。都市整備局長、本会議では微減だと発言されましたけど、これ何で減らしたんですか。

○谷崎都市整備局長 令和六年度から、住宅の耐震改修等の補助限度額を引き上げるなど、耐震化の目標達成に向けて必要な額を計上しております。

○池川委員 耐震に関する補助額は増やす。でも予算は減らす。何でですか。

○谷崎都市整備局長 先ほど別で答弁いたしましたが、令和七年度に耐震化、概成を目指しております。
 その概成を目指すため、まず、補助限度額を引き上げ、それの目標の達成に向けて必要な額を計上しているということでございます。

○池川委員 今のは、補助額そのものは増やすのに何で予算を減らしたのかというのに、お答えいただいていると思えません。
 練馬区、江戸川区、足立区など、来年度から住宅耐震の補助額を引き上げる自治体に共通している理由は、一つは、能登半島地震の影響を見て、やっぱり耐震化が大事だということ。もう一つは、資材価格の高騰への対応だということです。
 県段階でも、京都府が府の補助額を来年度二倍化するという自治体もあります。
 都の来年度の対応というのは、この資材価格の高騰も含まれているということなんでしょうか。

○谷崎都市整備局長 当然、資材価格の高騰は含まれております。

○池川委員 そうしたら、やっぱり予算を増やさなきゃいけないと思うんですよね。
 練馬区の試算では、耐震診断から改修まで総額で四百三十万円と見込み、木造密集地域の補助率を倍以上にする予定となっています。それでも、百万円以上の費用負担が必要になる、これで本当に進むんだろうかという声も出されていると聞きました。
 住宅耐震が進まないのは、やっぱり自己負担が重いことにあると思うんです。
 知事は、都知事に就任した最初の定例記者会見で住宅耐震の質問に答えて、少し手を加えるだけで、建物の強度は増すといわれております、倒れてしまってからでは遅いわけで、前もってそれをすることの重要性というのを考えながら進めていきたいと述べておられます。
 知事、ここまで耐震化の重要性を認識しているわけですから、東京都として住宅の倒壊ゼロを目指し、耐震化工事の自己負担もゼロにする。資材価格の高騰についてもちゃんとカバーできるようにする。そういう思い切った政策を今、この瞬間進めることが必要じゃありませんか。知事いかがですか。

○谷崎都市整備局長 現在、住宅耐震に関わる対応につきましては、約九二%まで来ております。
 今後、事業を進める上で必要な額として見積もっており、しっかり進めていくということでございます。

○池川委員 私、今残されているところの皆さんが一番困っていらっしゃると思うんですよ。そういう立場に立って、どうやったら進むのか知恵を絞りたい。そういうことを都政なら十分できる、そういう財源があると思うんです。
 代表質問の再質問で、補助限度額はいつ引上げを決めたのかという再質問に対して、都市整備局長は、都議会で予算審議をいただいているという認識だと答弁されました。だから、やっぱりこの予算審議を通じて、どこまで引き上げるのが妥当なのかちゃんと議論するということが必要だと思います。そういうことをちゃんとやって、どうやって耐震化を進めるのか。こういう引上げの議論をちゃんとやる必要があるということを強くいいたいと思いますね。
 石原都政以来、防災対策はやっぱり自己責任が強調されてきた。このことが、この住宅の耐震化にも影を落としていると思うんです。住宅耐震化も、所有者の自己責任が基本とされることがやっぱりハードルになっているというふうに思います。
 しかし、東京都住宅基本条例は、住宅は単なる私有財産にとどまらず、地域社会の維持形成と密着に関連する社会的な性格を持つことを明確にしています。
 こういう立場からやるんだったら、住宅耐震についても、やっぱり自己責任任せではなく、都として倒壊ゼロを目指す、これ静岡県は倒壊ゼロを目指してますよ。耐震化工事の自己負担をゼロに近づける、そういうことをやって、この社会的な性格を持つという住宅の耐震化はきちんと進めていくことが必要だと思います。
 そもそも、住宅耐震の予算が少な過ぎると思うんですね。住宅耐震に対して、防災を口実にした特定整備路線、大型道路を進める予算は何と百倍です。
 能登半島地震を受けて、住宅の予算を抜本的に、住宅耐震の予算を抜本的に増やすのかと思いきや、知事は査定で、特定整備路線の予算を七十億円増やしました。なぜ増やしたんですか。

○小池知事 燃えない、燃え広がらないまちづくりの主軸となるのが特定整備路線でございます。都民の命、そして財産を守るために市街地の延焼を遮断して、避難路や緊急車両の通行路とするなど、極めて重要な都市基盤でございます。
 能登半島地震について冒頭触れられておられましたが、木造住宅が多い市街地において大規模な火災が発生しております。東京におきましても、首都直下地震に備えて木密地域の改善をより一層推進していくべきとの再認識をしたところでございます。
 こうしたことも踏まえまして、令和六年度の予算案で、整備に必要な予算額を計上したということでございます。

○池川委員 能登半島地震の直後に知事査定が行われたわけですよね。住宅耐震は、さっき答弁あったとおり、予算は減、でも制度は充実するというふうになっていたわけですけど、結局そのまま予算の額は増えなかったと。一割減のまま増えなかったと。一方で、特定整備路線のは七十億円も上乗せをしたというのは、本当驚くべきことだと思うんですね。
 特定整備路線の多くは、立ち退きや商店街の分断など、地元で反対の強い道路計画を、震災時に燃えない、さっきいっていましたね。燃えない、燃え広がらないまちづくりを口実にして、都が強引に進めてきたものです。しかも、特定整備路線の延焼遮断効果なるものは、防災の専門家の意見も聞かず、糸魚川の大火災で大問題になった飛び火の影響も考慮をしないということは、この間、我が党、厳しく指摘をしてきました。こういうことを考慮しないで道路計画やるって話なんですね。
 新年度、建設局に六十三人体制で機動取得推進課を設置するといっています。この設置の目的について伺います。

○中島東京都技監 初めに、シミュレーションの話ございましたけれども、消防庁のシミュレーションを使って分析をしております。
 ただいまのご質問でございますが、特定整備路線は、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域におきまして、都民の生命と財産を守る防災上極めて重要な都市基盤でございます。
 来年度設置いたします機動取得推進課は、避難路を兼ねた暫定的な歩行者空間や緊急車両用の仮設通行路に必要な用地を連担して確保するなど、機動的かつ集中的に用地を取得し、事業効果の早期発現を図るために設置するものでございます。

○池川委員 特定整備路線の計画が進まないのは、人々の暮らしやなりわいを押し潰す道路計画だからにほかなりません。五つの路線で住民訴訟が起こされ、用地測量の買収も進んでいないという状況なんですね。新設されるこの機動取得推進課、住民合意、理解、協力を得ていたらとても進まないから、機動隊のごとく人数をかけ、住民の反対を抑え込んで、用地買収を強力に促進するということじゃないですか。
 出先である五つの建設事務所から三十二人、本庁で三十一人、合わせて六十三人を一か所に集める予定だということです。到底認められないと。
 少し前まで、知事は、特定整備路線の予算を、計画どおり進まない実態に合わせて減らしていたことについて、賢い支出の代表例として答弁してきました。そのことは忘れちゃったんですかね。知事、何かいいたいなら答弁席でぜひいってくださいね。
 思い起こしていただきたいと思うんです。私は、苦労があってもやっぱり住民合意を大切に、都民が参加しながら防災に強いまちづくりを進めることが必要だと思うんです。
 木造密集地域の不燃化、これ進めるのは大事だと思います。都は、区市町村とどのように意見交換、情報共有を進めているんでしょうか。

○谷崎都市整備局長 都は、防災都市づくり推進計画に基づき、区市と連携しながら、木密地域の不燃化や延焼遮断帯の形成に取り組んでおります。
 具体的には、区市による木密地域内の老朽建築物の除去や建て替え、建物の共同化、防災生活道路、防災公園、移転先となるコミュニティ住宅の整備などを支援しております。
 こうした都の支援策や各区市の取組事例などについて、木造住宅密集地域の整備促進に関わる関係団体との連絡協議会などの場を通じて、情報提供や意見交換などを行っております。
 引き続き、関係区市等と連携しながら、木密地域の解消に取り組んでまいります。

○池川委員 私は先日、木密の建て替えなどの修復型のまちづくりに関わっている方から話を伺いました。コミュニティを分断するのではなく、どうしたら、維持しながら倒れない、燃えないようにしていくのか、そのことが大事だとおっしゃっておられました。
 私が大変印象的に残っているのは、暮らしの延長線の問題としてこのことをきちんとやらないといけないという言葉です。
 接続する道路がなく、建て替えができない地域では、地元自治体が現行の制度の中でどうしたら建て替えができるのか、住民とも丁寧に関わりながら知恵を出しているという話もありました。
 合意形成には、やっぱり信頼関係を築く必要があり、時間も労力もかかります。
 しかし、住民自身が主体的にまちづくりの担い手になっていくことができると思うんです。まちはディベロッパーがつくるわけではなく、そこに暮らし、生きている人たちがつくるんだと。
 そうした住民主体になっていくまちづくりこそ、支援すべきだということをいいたい。住民参加で進めるまちづくりのために、人を増やしていただきたい。機動取得推進課ではなく、こうしたところに丁寧に関わる人を増やすことも併せて求めておきたいと思います。

7、外環道陥没事故における住民監視・盗撮問題について

 次に、外環道の陥没事故を起こした鹿島建設による住民監視の問題について質問します。
 外環道の陥没事故を起こした鹿島JVが、被害住民を日常的に監視、盗撮し、さらには誹謗中傷するようなやり取りをしていたことが「しんぶん赤旗」日曜版のスクープで明らかになりました。
 住民の監視、盗撮は、グループチャットを使い、複数の工事関係者がリアルタイムで情報共有をしていました。誰と誰が話しているとか、自宅の中のプライベートな行動の細かい報告、マスコミの動向、現地を訪れた車の色、メーカー、車種、ナンバーまで共有するという内容もありました。住民からは、スパイ活動みたいなことを住民にするのは許せない。陥没事故の被害住民への謝罪の気持ちなどないのでしょうかと、そういう怒りの声が上がるのは当然じゃないでしょうか。

(パネル8) (パネル9)

 グループチャットではどんなやり取りがされていたか、パネルをご覧いただきたいと思います(パネル8・9)。板金の仕事よりもクレームで稼ごうとしていますとか、取りあえず、税務署に家屋修理でお金を受領している旨、垂れ込みますとか。N東殿、これはNEXCO東日本ですね、への金銭要求が認められるまでは、このような重箱の隅を再三つついてくると思われますなど、住民の個人情報までやり取りし、誹謗中傷する内容がやり取りをされています。
 さらに、住民生活を不安に陥れたり、侮蔑的な言動もあります。ご自慢のうら若き娘様がお二階に住んでいらっしゃいます。この時期、暑いので、家の中では薄着で過ごしているとのことという明らかなハラスメントと取れる投稿がされている。
 あとは、あしたのおばあ様の体調次第です。具合が悪くならないことをただ祈るのみです。合掌。高齢者の死を連想させるような投稿までありました。水槽上部にカメラが設置されているように見えるが、のぞかれているようで気持ち悪いとのことです。あれは水槽内部の点検用ですか、それとも〇〇様監視用でしょうか(笑)という、住民の不安に寄り添うどころか、敵視する投稿までされているんですよ。
 これ、知事に伺いたい。外環道工事を請け負う鹿島JVが住民を監視していた、このことは到底許されないと、そういう認識はありますか。

○中島東京都技監 外環は、国及び高速道路会社により事業が進められておりまして、鹿島JVは、東日本高速道路会社から工事を受注しております。
 報道内容につきまして、事業者からは、今回の事象については安全管理のための行為であり、住民の監視や盗撮が目的ではなかったものの、礼節を欠いた表現を用いて情報交換を行っており、今後住民に対して誠意を持って対応するよう、内部の教育指導をさらに徹底していくとの報告が施工業者からあったと聞いてございます。
 あわせて、事業者としても、適切な表現を用いて情報交換をするよう指示を行ったと聞いております。
 都は、事業者に対しまして、施工業者に対する指導の徹底と、住民に対するきめ細やかな対応を求めたところでございます。

○池川委員 住民の監視や盗撮が目的ではなかったと。何をいってるんですか、本当。先ほど紹介したリアルタイムのやり取りは、住民の監視、盗撮そのものじゃありませんか。そんな目的がなかったという言い訳は、私は到底許されないと思います。
 外環問題に関わる弁護士さんは、個人の私生活をのぞかれ、逐一共有されるなど、絶対に許されることではない。個人の自由な生活を脅かすもので、損害賠償の請求可能な人権侵害の不法行為であるというふうに断じています。こんなことは、どのような事業であれ、どのような事業者であっても許されることではありません。
 そもそもですよ、外環工事というのは、国と東京都と事業者が地上に影響はないといって始めたのに、結局、重大な陥没事故を起こし、地域住民の財産と平穏な日常生活に取り返しのつかない被害を与えたものです。その住民に対して、事故への謝罪、真摯な謝罪と誠意を持った対応こそ必要なのに、加害を起こした側が被害を受けた住民に対して、度を超えた人権侵害、不法行為を行うことは断じて許されないと思います。
 また、鹿島やNEXCO、国の言い訳をそのまま紹介されるだけで、許されないということを都がいえないというのも厳しく問われると思います。
 東京都は、外環工事の事業認可を行っています。これ、知事の名前ですね。五十億円の財政負担もしている当事者ですよ。都は、外環道の工事の事業者が組織的な不法行為を行い、人権侵害を行っていた問題についてどう対応するんですか。許されないと表明すべきではありませんか。

○中島東京都技監 今回の報道内容に関する事実確認を受け、施工業者は不適切な行為であったと認識しており、今後、ふだんから言葉遣い等について適切な表現をするよう内部での教育を行うとともに、地域の住民に対しまして誠意を持って対応するよう、さらに指導徹底するとしております。
 また、事業者は、施工業者に対して適切な表現を用いた情報交換を行うよう指示しているところでございます。
 外環は、国及び高速道路会社により事業が進められておりまして、都としては、事業者に対しまして、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めたところでございます。

○池川委員 許されないといえないと。もう一回いいますけど、このような行為というのは、どんな事業でも、どんな事業者でも許されることではないと、そういう認識ですよね。そういう認識はありますか、外環に限らずです。

○中島東京都技監 施工業者は、不適切な行為であったと認識してございます。
 外環は、国及び高速道路会社により事業が進められておりまして、都といたしましては、繰り返しになりますが、事業者に対しまして、施工業者に対する指導の徹底と住民に対するきめ細やかな対応を求めたところでございます。

○池川委員 許されないといえないということは、本当に重大だと思います。
 都は、事業者に対して、住民に対する丁寧な説明やきめ細やかな対応を求めると、今もいわれました。
 これ、調べてみたんですよ、私たち。そうしたら、二〇二〇年十月の陥没事故以降、知事も、都技監も、担当部長も、私たちに同様の答弁、ずっと繰り返しているんですよね。数えてみたら、この三年半で何と七十七回。先ほど三回いわれたので、今八十回目ですよ。
 丁寧な説明も、きめ細やかな対応も、誠意を持った取組も、みじんもないことが今回のことで明らかになったじゃありませんか。にもかかわらず、同じ答弁を繰り返すと。こういう姿勢、厳しく問われると思います。
 住民からは、業者が監視していたのは道路の異常だけでなく、住民だったことは本当に気持ちが悪い、そんな業者にこの地域で工事をする資格はないという声が上がっています。本当に当然だと思います。
 監視、盗撮行為、人権侵害、不法行為を行ってきた鹿島JVに、税金を使って公共工事を担う資格はありません。直ちに事業認可を取り消し、外環道の工事は中止することを厳しく求めたいと思います。(発言する者あり)厳しいね、不規則発言、委員長、ちょっとあまりにもひどいですね。

8、痴漢ゼロについて

 最後に、痴漢ゼロについて質問します。
 私たちが一貫して求めてきた痴漢被害実態調査が昨年十二月に公表されました。電車内、駅構内で痴漢被害に遭った女性の割合が四一・一%と、極めて深刻な数字がこの調査から明らかになっています。制服を着用する中高生がターゲットになりやすいという分析もされています。
 この報告書というのは、全体として、加害をどう減らすのかという視点が貫かれているんですね。専門家からは、痴漢被害のリスクが高い若年層、とりわけ十代を痴漢被害から守る対象群として明確に位置づけ、重点的に教育、啓発を進めていくことが重要であるという視点が提起をされています。
 プロジェクトチームとして、これ、どう具体化するんでしょうか。

○竹迫生活文化スポーツ局生活安全担当局長 今回の調査におきまして、有識者からいただいた提言につきましては、庁内関係各局、これは総務局、都市整備局、福祉局、交通局、教育庁及び警視庁から成る痴漢撲滅プロジェクトチームでございますが、これらの中で情報共有をするとともに、痴漢撲滅キャンペーンなどにより普及啓発をしております。

○池川委員 この調査の中では、自分の体は自分のものとの認識を持ち、プライベートゾーンを不当に触られたら、それは権利侵害であり、反発、抵抗してよい。SOSの声を上げてもよいこと。また、反発、抵抗ができなかったとしても、それも当然のことであり、あなたが悪いわけではないことなどを含めた包括的性教育を子供の頃から行っていくことが必要であると有識者がコメントをしています。大変注目されるコメントだと思います。
 こうした中身については、プロジェクトチームとしてはどう具体化するんですか。

○竹迫生活文化スポーツ局生活安全担当局長 今回の調査には、被害者の支援、加害者の臨床及び犯罪行動科学に関する有識者が携わっております。こうした有識者のそれぞれの立場から提言をいただいております。
 こうした提言につきましては、先ほど申し上げましたような関係各局、警視庁から成る痴漢撲滅プロジェクトチーム内で情報を共有いたしております。

○池川委員 この痴漢の実態調査というのは、今プロジェクトチームで共有されたと。
 教育長に伺いたい。すみません、通告はしていません。ここの中に包括的性教育という言葉があって、これは性教育にとって大変重要だと思いますけど、教育長は、このことは認識、メンバーに入っているわけですが、認識されていましたか。

○内山委員長 委員長から確認です。通告していないという発言がありましたが、通告はされている上で……。

○池川委員 質問自体は通告しています。

○浜教育長 有識者からそのようなご提言があったということで認識しております。

○池川委員 認識していると。包括的性教育を子供の頃からこれは行っていくというのは、本当に大事だと思うんですね。私たちも繰り返し、このことは国際的な到達点を踏まえた、取り組むべきだということは重ねて求めてまいりました。
 この問題というのは、東京を中心とする首都圏で日常的に子供たちが痴漢被害に遭っているということだと思うんですね。この社会の異常さを示すものになっています。
 痴漢ゼロを実現するために知事がリーダーシップを発揮することを求めますが、いかがですか。

○小池知事 痴漢につきましては、被害者に身体的、精神的な苦痛を与える、卑劣であり、また許し難い犯罪でございます。
 都は、痴漢被害のない社会の実現に向けまして、総合的に対策に取り組んでおります。

○池川委員 痴漢というのは、最も身近な性暴力だと。同時に、これまでは軽く扱われてきた。しかし、その被害がその後の人生に大きな影響を与えているというのは、実はこの調査からも明らかになっています。
 同時に、この調査では、第三者が行動することが痴漢加害を阻止する、止める力になると。アクティブバイスタンダーという言葉がありますが、これをやっぱり増やしていくことが今政策上求められているんじゃないかと思います。
 私たち日本共産党も、痴漢ゼロの東京の実現に向けて取り組む決意を申し上げて、質問を終わります。(拍手)