文書質問 スケートパークの整備について 和泉 なおみ(葛飾区選出)
2023年第4回定例会で以下の文書質問を提出しました。
令 和 5 年 第 四 回都議会定例会
文 書 質 問 趣 意 書
提出者 和 泉 な お み
質 問 事 項
一 スケートパークの整備について
答弁
一 スケートパークの整備について
一 スケートパークの整備について
スケートボードは、小さな子どもから大人まで関心が広がり、スクールへの申込者に待機者がでるほどだと報道されています。
東 京2020オリンピックから新種目になり、日本人選手のめざましい活躍があったことも要因の一つです。より難しいトリックに挑戦し、選手同士が、そのチャレンジを称えあう姿はすがすがしく、多くの人々に感動を与えました。
日本選手の活躍の背景には、この競技の特徴である「教えあう文化」があるとする専門家もいます。初めからコーチや指導者がいるようなスポーツではなく、ストリートカルチャーとして発展してきた、このスポーツならではの大きな特徴といえるでしょう。
国内での競技人口は約3,000人とのことですが、愛好者は40万人とも 400万人とも言われています。
1980年代、カリフォルニアのサーファーが、波の穏やかな時にボードに滑車をつけて滑り始めたことから、一気に広がったと言われ、音楽やファッションとも融合し、ストリートカルチャーとして若者を中心に発展してきました。
1 現在、愛好者は急速に増え、競技人口の増加も見込まれる中で、スケートボードのようなアーバンスポーツの発展を、都はどのように支援するのですか。認識と対応を伺います。
愛好者たちが訴えているのが、練習場所の圧倒的な不足です。私の地元葛飾区で、スケートボードができる公園は一カ所しかなく、それも一般の公園利用者がいなくなる時間帯に一部開放されているだけです。セクションなどもないフラットな広場なので、小中学生など、比較的初心者が多く利用しているようでした。
集 ま っ て い る 子 ど も た ち は 「 他 の と こ ろ で や る と 怒 ら れ る 」「 こ こ で やっ て い て も 、 と き ど き 怒 ら れ る こ と が あ る 」「 も っ と 明 る い 時 間 に 広 い 場所で、日曜日とかにできるといい」と語っています。
上達し、むずかしいトリックに挑戦したい少年たちにとっては、フラットな公園では物足りません。区内の某所で練習している少年たちは、ひとけの少なくなった時間帯に集まって、自前のセクションを持ち込み、熱心に練習しています。
しかし、スケートボードの利用が認められていない場所であるために、
住民からの苦情もあります。「 練 習 す る と こ ろ が 全 然 な い 」「 セ ク シ ョ ン と か 、 も っ と ち ゃ ん と あ ると ころ で練 習し たい 」「千葉 や神 奈川 県ま で行 くこ とも ある 」「 この 間は 、盗撮されて警察に通報された」と語っていました。
雑 誌 の ウ ェ ブ 版 の 特 集 記 事 で も 、「 見 慣 れ な い 格 好 の 人 が う ろ う ろ し て
いる」という苦情まであると、紹介されています。
2 アーバンスポーツの練習場所を整え、その発展を支援することは、スケートボーダーたちが地域で迷惑がられたり、肩身の狭い思いをしたりすることなく、練習できるというだけでなく、熱心に練習に打ち込む姿を通じて、スケートボードなどのアーバンスポーツに対する地域の理解を広げることにもなると思いますが、都の見解を伺います。
たちかわ中央公園スケートパークは、愛好者たちが市に働きかけて生まれました。ボックスの高さも一ミリ単位でこだわって設計されたこのパークは、セクションも充実していて、配置も工夫されているため、愛好者に人気の施設です。事前登録制で利用は無料です。利用者を中心にした運営員 会が作られ、利用者たちにマナーやパークの使い方指導なども行われています。
また、小金井公園槻の木広場はスケートボード専用の広場ではありませんが、登録も不要、無料で、 30年近い歴史があり、愛好者から親子の世代を超えて愛され続けているスケートパークです。
子どものころからスケートボードの愛好者で、たちかわ中央公園スケートパークの設計も手掛けたという方に直接話を聞きました。
このような「若者のたまり場=ローカル」は、スケートボードなどを通じて互いを尊重しあえる学びや、コミュニティ力の強化、社会性を身につけるとともに、若者の孤立化を防ぐなど、若者が育ちあう貴重な教育の場所でもある、と語ってくれました。
3 スケートパークが果た す役割について、都はどう認識していますか。
都は、 2022年6月から2023年2月まで、スケートボード広場の整備条件等についての検討調査を行い、今年11月に「都立公園におけるスケートボード広場整備の考え方」を公表しました。騒音調査、既存広場調査、競技団体からのヒアリングを通じて、整備の条件として、 ① 住宅から 150メ ートル以上離れていること、 ② 整備候補地は 500㎡ 以上の平坦な広場を確保できること、③ 他の公園利用や自然環境への配慮が可能であること、を掲げています。
そして、その条件を満たす9公園 10カ所を挙げ、今後の状況等に応じて整備を検討することとしました。
4 都が具体的な場所を挙げて、このような考え方を発表した理由について伺います。
5 条件を満たしている9公園の中に、水元公園多目的広場東側草地広場が含まれています。葛飾区議会では第3回定例会で、スケートボードの練習場を切 望する区民の声が紹介され、練習場の整備を求める質疑が行われました。都立水元公園に、区内の子どもや若者たちから要望が強い、スケートパークをつくることを求めますが、いかがですか。
令 和 5 年 第 四 回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書
質 問 事 項
一 スケートパークの整備について
1 現在、愛好者は急速に増え、競技人口の増加も見込まれる中で、スケートボードのようなアーバンスポーツの発展を、都はどのように支援するのか。認識と対応を伺う。
回 答
スケートボードをはじめとするアーバンスポーツは、若者に特に人気が高く、その普及を図ることは、若い世代のスポーツ振興に有効です。
都は、東京 2020大会のレガシーを活かし、アーバンスポーツの裾野拡大に貢献する施設として、有明アーバンスポーツパークを整備しています。
ま た、アーバンスポーツも含め、身近な場におけるスポーツ環境整備も重要であることから、区市町村に対する補助も実施して います。
質 問 事 項
一の2 アーバンスポーツの練習場所を整え、その発展を支援することは、スケートボーダーたちが地域で迷惑がられたり、肩身の狭い思いをしたりすることなく、練習できるというだけでなく、熱心に練習に打ち込む姿を通じて、スケートボードなどのアーバンスポーツに対する地域の理解を広げることにもなるが、見解を伺う。
回 答
都は、トップレベルの選手による大会開催のほか、愛好者も練習できる場所として、有明アーバンスポーツパークを整備しています。
有明アーバンスポーツパークでは、地域の理解を得られるよう、競技団体にも協力いただき、施設利用者に対するマナー啓発や安全対策などに取り組んでいきます。
また、区市町村がスケートボード等のスポーツ体験教室を開催する場合、その費用の一部を支援しています。
質 問 事 項
一の3 スケートパークが果たす役割について、都はどう認識しているのか伺う。
回 答
都が整備する有明アーバンスポーツパークにおいては、練習利用やスポーツ教室の実施、大会の開催などを通じ、多くの方に利用していただくことで、若い世代をはじめとした都民のスポーツ振興につ なげていきます。
質 問 事 項
一の4 都が具体的な場所を挙げて、このような考え方を発表した理由について伺う。
回 答
都は、スケートボードの人気の高まりなどを踏まえて、都立公園における取組を拡充することとしました。
新たな広場の整備に向け、昨年度、施設内容などの整備条件の検討を行うとともに、利用に伴う騒音等を考慮した具体的な設置場所の調査を実施し、これらの調査結果を踏まえ、今後の整備の考え方などを示しました。
質 問 事 項
一の5 条件を満たしている9公園の中に、水元公園多目的広場東側草地広場が含まれている。葛飾区議会では、第3回定例会で、スケートボードの練習場を切望する区民の声が紹介され、練習場の整備を求める質疑が行われた。都立水元公園に、区内の子どもや若者たちから要望が強い、スケートパークをつくることを求めるが、いかがか。
回 答
水元公園を含む都立公園におけるスケートボード等特定用途の専用広場の整備については、散策や運動、レクリエーションなど様々な利用がある中、慎重に検討する必要があります。
今後スケートボードを行う人の数が相対的に増加した場合や、地域的に機運が特に高まった場合などには、設置許可制度等の活用も含めて整備を検討することとしています。