文書質問 日野市三沢三丁目の斜面地での宅地開発等について他 清水とし子(日野市選出)
2023年第4回定例会で以下の文書質問を提出しました。
令 和 5 年 第 四 回都議会定例会
文 書 質 問 趣 意 書
提出者 清水とし子
【質問事項】
一 日野市三沢三丁目の斜面地での宅地開発等について
二 地域公共交通に対する都の支援の拡充について
【答弁】
一 日野市三沢三丁目の斜面地での宅地開発等について
二 地域公共交通に対する都の支援の拡充について
一 日野市三沢三丁目の斜面地での宅地開発等について
2023年6月3日に土砂崩れを起こした日野市三沢三丁目の48番地82外の宅地造成を行った事業者に対して都は、2023年6月20日に「宅地造成等規制法第16条第2項に基づく勧告書」を出しました。
その後、万全な安全対策がなされたのか伺います。
また、今回の造成区域に隣接した場所で新たなアパート建設計画が明らかになりました。この建設によって土砂の流出等にどのような影響が出ると予想されているか、その対策はどのようになっているのか、伺います。
1 2023年6月20日に出された勧告の理由と、事業者に対して求めた措置の内容について伺います。
2 勧告を受けた事業者は土砂の流出防止対策を、いつまでに、どのような対策を講じることになっていますか。法面保護と雨水処理の対策は、具体的にどのようなものですか。
3 都は、事業者の対策について十分・適切なものと判断していますか。
4 現在、当該敷地に隣接した土地にアパート建築計画が進められています。アパート建設工事のための車両等は、当該地域にある法面の前を通行します。また、アパートの出入口は、当該敷地の擁壁を削って設置されることになっていますが、この擁壁は、今年6月の土砂崩れの際に大量の泥水が流れ出した場所です。
このアパートの土砂災害防止対策は、結果として建築されたことにより対策が成されるものであったとしても、都が勧告を出した区域の土砂災害防止対策に影響を及ぼすものとして、都は、今後の状況を注視し、土砂災害などの危険が生じる場合には必要な措置を講じることを事業者に求めることが必要と考えるが、都の見解を問う。
5 この宅地造成区域、新規のアパート建設区域は、危険な傾斜地です。
居住者や周辺住民の安全を考えれば、こうした区域での宅地開発は規制していくべきです。
こうした区域の開発を規制する法律はあるものの、事業者は例外規定を駆使して開発を進め、土砂災害が起きるという事例が後を絶ちません。
特に多摩丘陵においては都として、こうした危険性がある区域での開発を抑制する対策について検討することを求めますが、いかがですか。
1 地域公共交通の課題について、都はどのように認識していますか。
2 2018年第6回東京都市圏パーソントリップ調査によると、高齢者の移動手段として自動車を使用するトリップは増加傾向にあり、特に後期高齢者の増加率が高いことが明らかになっている。また、高齢者が自分で運転するトリップは、多摩西部にいくにしたがって高くなる傾向にあり、高齢者であっても自家用車を運転せざるを得ない状況にあることが確認されています。
このことは、多摩地域では、高齢者の移動手段として現状の地域公共交通では不十分であり、さらなる拡充が求められていることを示していると考えますが、区市町村が行うコミュニティバス等の地域公共交通に対する財政支援について都の認識を伺います。
3 新型コロナによる利用客の減少に加えて、物価高騰や運転手不足など、交通事業者を取り巻く環境は厳しさを増しており、バス路線の統廃合が進んでいますが、コロナ禍以後の都内路線バスの休止又は廃止の数を含め都は状況を把握していますか。
4 路線バスが廃止された地域の住民の移動手段を確保するために、区市町村による地域公共交通の拡充がさらに求められていますが、都の見解を伺います。
5 2020年に都が区市町村に対して行った地域公共交通に関するアンケート調査において、「地域公共交通の充実や維持の取り組みや、または新しい交通モードを導入するうえで、どのような問題を抱えているか」という設問に関して、多摩部の回答の上位3つはどのようなものですか。
6 都は多摩地域の自治体にとって、地域公共交通に関する財政上の負担が重いという認識を持っていますか。
7 都の地域公共交通に関する自治体への補助制度について説明を求めます。
8 都市長会は2019年から毎年、次年度予算要望の中で、地域公共交通に対する財政支援の拡充を求めています。2020年からは重点要望に格上げされて、補助額の増額だけでなく、3年間という補助期間、補助要件の見直しを求めています。
市民の生活の足、移動の権利を守るために地域公共交通の充実を図ることを求める市民の声にこたえるために、補助制度の拡充を求める都市長会の要望に応えるべきではありませんか。都の見解を求めます。
令和5年第四回都議会定例会
清水とし子議員の文書質問に対する答弁書
【質問事項】
一 日野市三沢三丁目の斜面地での宅地開発等について
1 2023年6月20日に出された勧告の理由と、事業者に対して求めた措置の内容について伺う。
回 答
今後想定される豪雨などを考慮し、土砂の流出防止対策をとることについて、勧告が必要と判断しました。
求めた措置の内容は、法面保護、雨水処理等です。
質問事項
一の2 勧告を受けた事業者は土砂の流出防止対策を、いつまでに、どのような対策を講じることになっているか。法面保護と雨水処理の対策は、具体的にどのようなものか伺う。
回 答
勧告を受けた事業者は、一時的な対策として、斜面をブルーシートで保護するとともに、斜面からの雨水を道路内のU字溝に放流するため、敷地内に管路を敷設する対策を講じました。
恒久的な対策は、今後予定している建築工事の計画と一体となって行われると事業者から聞いています。
質問事項
一の3 都は、事業者の対策について十分、適切なものと判断しているか伺う。
回 答
土砂流出抑制対策については、土地の保全義務を負う事業者が自ら検討し、実施するものです。
都としては、現地の状況を定期的に確認しながら、必要に応じて指導を行っていきます。
質問事項
一の4 現在、当該敷地に隣接した土地にアパート建築計画が進められている。アパート建設工事のための車両等は、当該地域にある法面の前を通行する。また、アパートの出入り口は、当該敷地の擁壁を削って設置されることになっているが、この擁壁は、今年6月の土砂崩れの際に大量の泥水が流れ出した場所である。
このアパートの土砂災害防止対策は、結果として建築されたことにより対策が成されるものであったとしても、都が勧告を出した区域の土砂災害防止対策に影響を及ぼすものとして、都は、今後の状況を注視し、土砂災害などの危険が生じる場合には必要な措置を講じることを事業者に求めることが必要と考えるが、都の見解を伺う。
回 答
都は勧告後も、現地を管理している事業者に対し、再度の土砂流出を起こさせないための対策を講じるよう指導を行っています。
引き続き、現地の状況を定期的に確認しながら、必要に応じて指導していきます。
質問事項
一の5 この宅地造成区域、新規のアパート建設区域は、危険な傾斜地である。居住者や周辺住民の安全を考えれば、こうした区域での宅地開発は規制していくべきである。
こうした区域の開発を規制する法律はあるものの、事業者は例外規定を駆使して開発を進め、土砂災害が起きるという事例が後を絶たない。特に多摩丘陵においては都として、こうした危険性がある区域での開発を抑制する対策について検討することを求めるが、見解を伺う。
回 答
都は、都市計画法及び宅地造成等規制法を適切に運用し、引き続き、都民の安全確保に取り組んでいきます。
質問事項
二 地域公共交通に対する都の支援の拡充について
1 地域公共交通の課題について、都はどのように認識しているか伺う。
回 答
令和4年3月に策定した「東京における地域公共交通の基本方針」において、早急な対応として、交通不便地域への対応、財政負担の増加への対応、新型コロナ危機を契機とした新しい日常への対応などを挙げています。
質問事項
二の2 多摩地域では、高齢者の移動手段として、現状の地域公共交通では不十分であり、さらなる拡充が求められていることを示していると考えるが、区市町村が行うコミュニティバス等の地域公共交通に対する財政支援について、都の認識を伺う。
回 答
都は、地域の交通課題の解決に向け、区市町村の取組意欲を引き出し、主体的な取組を効果的に後押しするため、コミュニティバス等に対して財政支援を行っています。
質問事項
二の3 新型コロナによる利用客の減少に加えて、物価高騰や運転手不足など、交通事業者を取り巻く環境は厳しさを増しており、バス路線の統廃合が進んでいますが、コロナ禍以後の都内路線バスの休止又は廃止の数を含め都は状況を把握しているか、伺う。
回 答
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた令和2年度以降、道路運送法に基づき、計23区間の路線の休止又は廃止の通知を、事業を所管する国土交通省から受けています。
質問事項
二の4 路線バスが廃止された地域の住民の移動手段を確保するために、区市町村による地域公共交通の拡充がさらに求められているが、都の見解を伺う。
回 答
都は、地域の交通課題の解決に向け、区市町村の取組意欲を引き出し、主体的な取組を効果的に後押しするため、地域公共交通計画の策定、コミュニティバス・デマンド交通等の導入、路線の見直しに関する費用を補助するなど、区市町村の地域公共交通の取組に対する支援をしています。
質問事項
二の5 2020年に都が区市町村に対して行った地域公共交通に関するアンケート調査において、「地域公共交通の充実や維持の取り組みや、または新しい交通モードを導入するうえで、どのような問題を抱えているか」という設問に関して、多摩部の回答の上位3つはどのようなものか伺う。
回 答
都が令和2年5月に実施した区市町村アンケートにおいて、多摩部の自治体からは、「国及び都の財政支援が十分ではない」、「役所内部での連携・理解が不足している」、「利用者や住民の理解・協力が得られない」と「専門部署がない。人材不足」の順で回答を得ています。
質問事項
二の6 都は多摩地域の自治体にとって、地域公共交通に関する財政上の負担が重いという認識を持っているか、伺う。
回 答
「東京における地域公共交通の基本方針」において、東京の地域公共交通の課題として、財政負担の増加への対応を掲げており、都は、地域公共交通計画の策定、コミュニティバス・デマンド交通等の導入、路線の見直しに関する費用を補助するなど、区市町村の地域公共交通の取組に対する支援をしています。
質問事項
二の7 都の地域公共交通に関する自治体への補助制度について、説明を求める。
回 答
都が、区市町村に対し、実施している補助制度は、地域公共交通計画の策定、コミュニティバス・デマンド交通等の導入時の車両購入費のほか、運行開始後3年間の運行経費などを対象とし、補助率は全て2分の1です。
質問事項
二の8 都市長会は2019年から毎年、次年度予算要望の中で、地域公共交通に対する財政支援の拡充を求めている。2020年からは重点要望に格上げされて、補助額の増額だけでなく、3年間という補助期間、補助要件の見直しを求めている。市民の生活の足、移動の権利を守るために地域公共交通の充実を図ることを求める市民の声にこたえるために、補助制度の拡充を求める都市長会の要望に応えるべきではないか。都の見解を伺う。
回 答
都は、コミュニティバス等の事業立ち上げを支援し、事業運営の安定化を図るため、導入時の調査検討経費や車両購入費のほか、運行開始後3年間の運行経費の一部を区市町村に補助しています。令和4年度からは、コミュニティバスに加え、デマンド交通、グリーンスローモビリティにも補助対象を拡大しています。