大川原化工機裁判の控訴は不承認。第三者機関による徹底検証を(談話)
大川原化工機裁判について、小池知事が専決で控訴したことによる議会の承認案件について、日本共産党東京都議会議員団・大山とも子団長の談話を発表しました。
★警察・消防委員会(2024年3月18日)で質疑を行う大山とも子都議
大川原化工機裁判の控訴は不承認。第三者機関による徹底検証を(談話)
2024年3月28日
日本共産党東京都議会議員団
団長 大山とも子
警視庁の複数の現役捜査員が裁判で、「まあ捏造ですね」と証言するなど異例の展開となった大川原化工機をめぐる裁判で、被告の東京都と国は敗訴し、約1億6千万円の賠償を命じる判決が出されました。
判決は、警視庁公安部による逮捕、取り調べ、検察官による拘留、公訴の提起が違法であったと認定しています。新聞、テレビでも大きく報道され、社会的な関心を集め、警視庁や検察への厳しい批判の声が広がっています。
ところが小池知事は、判決を不服として、議会に諮らず控訴しました。その専決処分の承認の議案が今定例会で審議されましたが、わが党は不承認としました。とうてい承認できません。
地方自治法にもとづいて、控訴した専決処分の承認を議会に求めているにもかかわらず、審査するうえで必要不可欠な資料である「控訴理由書」さえ提出しなかったことは重大です。議会軽視であるとともに、えん罪の温床のひとつである根深い隠ぺい体質が、改めて浮き彫りになりました。
警視総監は本会議答弁で、判決を真摯に受け止めていると答弁しましたが、警察・消防委員会の質疑で警視庁は、えん罪であることを認めませんでした。
11カ月間拘束されていた大川原社長は、罪を認めないと出さない、まさに人質司法だと話していました。このようなことを二度と起こさないようにしなければなりません。
また警視庁は、「公安部に捜査指導官をおき、証拠の吟味等を強化するとともに、幹部の研修を充実させ、指揮能力の向上を図る」と答弁しました。しかしこれでは、えん罪の根絶などとうていできません。
これまで、複数の現役捜査員による「まあ捏造ですね」という証言だけでなく、捜査が「おかしい」と思っていた捜査員が何人もいたことがわかっています。大川原化工機の本社には、複数の内部告発の手紙が届いています。
再発防止のためには、まず控訴を取り下げ、現場の捜査員の意見や内部告発を重く受け止め、捜査はどのように行われたのか、捜査において何があったのか、何が問題だったのか、第三者機関による徹底検証を行い、その結果を都民の前に明らかにすることが避けられません。知事の責任で、速やかに着手されることを厳しく求めるものです。
以 上