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質問・条例提案

2024.09.25

本会議 とや英津子都議(練馬区選出)の代表質問

2024年9月25日の本会議で、とや英津子都議(豊島区選出)が代表質問を行いました。

★質問全文(質問原稿)です。
動画(都議会ホームページです。令和6年第3回定例会 > 9月25日代表質問をご覧ください)

1 プロジェクションマッピング及び噴水整備について
2 学校給食費について
3 高齢者施策について(シルバーパスについて)
4 暮らし・福祉の充実について
5 住宅政策について
6 経済政策について
7 神宮外苑再開発について
8 環境政策について
9 保健医療政策について
10 PFAS汚染対策について
11 防災対策について
12 教育政策について
13 若者政策について
14 ジェンダー平等について
15 ハラスメント防止対策について
16 関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文について
17 平和事業について

★答弁(議事録速報版より)

★再質問(議事録速報版より)

 


    はじめに、石川良一議員のご逝去を、心よりお悔やみ申し上げます。
 地震の被災地である能登半島を襲った豪雨災害で、亡くなった方へのお悔やみと、被災された方々にお見舞いを申し上げます。

 日本共産党都議団を代表して、質問します。

 都議会議員選挙まで9カ月となりました。
 日本共産党都議団は、都政を厳しくチェックすると同時に、都民の運動と連携して政策を実現する都議会野党第一党ならではの役割をさらに力強く発揮できるよう、全力をあげるものです。

1 プロジェクションマッピング及び噴水整備について

Q1 都庁などに映像を映すプロジェクションマッピングに2年間で48億円もの税金をつぎ込む問題点を、わが党は明らかにしてきました。
 「お金の使い方が間違っている」「暮らしの支援にお金を使ってほしい」など批判が広がっています。
ところが小池知事は反省しないばかりか、今度はお台場に世界最大級の噴水をつくると突然、発表しました。
知事、この噴水の整備や維持管理に、一体いくらかかるのですか。それも示さず、つくると発表することが許されるのですか。

 税金は、あなたのお金ではありません。

Q2 プロジェクションマッピング事業は、都と別組織の実行委員会が実施しているため、入札契約や情報公開など、地方自治体に求められるルールが適用されません。談合事件で指名停止中の電通のグループ会社が受注するなど、ブラックボックスとなっています。
 不透明な事業に巨額を投じるのは、やめるべきです。知事の答弁を求めます。

Q3 都と別組織であっても税金を使う以上、入札契約や情報公開などルールの明確化が必要です。いかがですか。

2 学校給食費について

 知事が今定例会に提出した補正予算案の物価高騰対策は、予算の規模も中身も不十分です。
片や学校給食費について、全市町村が無償化を実現できるよう財政支援をすることは、大事な後押しです。

 わが党は、学校給食費の負担軽減や無償化の条例を4度にわたり提出し、都民の世論と運動が広がるなか、今年度から負担軽減補助が始まりました。
 ところが、都の補助が2分の1では財政力が弱い市町村は無償化に踏み出せず、多摩格差が生じることをわが党は指摘し、財政支援の拡充を求めてきました。その扉が開かれました。

Q1 知事は所信表明で、全ての市町村で給食費の無償化が実現できるよう市町村総合交付金を拡充したと述べました。全ての自治体で無償化する意義を伺います。

3 高齢者施策について(シルバーパスについて)

 高齢者のシルバーパスについても、わが党は負担軽減と、多摩モノレールなどへの対象拡大を求めてきました。都民の運動も広がっています。その中で、大事な変化が生まれています。

Q1 小池知事が「シルバーパスの改善」を公約したことを、わが党は歓迎します。知事は、どういう改善が必要だと考えて公約したのですか。
 また知事は、「多摩モノレールをシルバーパスの対象に」することも公約しました。速やかに踏み出すべきです。いかがですか。
 1000円パスの所得基準を超えると一気に2万510円になってしまう費用負担の軽減を、強く求めます。

Q2 コミュニティバスでもシルバーパスが使えるようにしてほしいという多くの切実な声があることを、知事はご存じですか。その願いにこたえるべきです。見解を伺います。

4 暮らし・福祉の充実について

 以下、日本共産党都議団が進める、都政の「4つのチェンジ」について提案します。

 1つ目は、都民の暮らしを守り抜き、地域経済を立て直すことを最優先課題とする都政へのチェンジです。小池都政の最大の弱点です。

Q1 23区の8月の消費者物価指数は、36カ月連続上昇しています。米の値上がりを含め、物価高騰による都民生活への深刻な影響を、知事はどう認識していますか。

 知事は所信表明で、「長引く物価高騰の影響に苦しむ都民や事業者の現状を見過ごすことはできない」と述べました。それなら抜本的追加対策が必要です。
 東京都には巨大な財政力があります。知事と議会の決断で、できることはたくさんあります。

 まず、都が実施している現金給付の福祉手当や医療費助成の拡充です。

Q2 ひとり親家庭などに対する児童育成手当の支給額は、28年間1円も上がっていません。
 支援団体が夏休みに行った調査では、34%の家庭が1日2食以下という深刻な実態が明らかになりました。支給額の引き上げが必要です。
 また、国の児童手当の所得制限がなくなり、小池知事も子ども医療費助成の所得制限をなくす方向を表明した下で、児童育成手当の所得制限を撤廃しない理由はありません。知事の見解を求めます。

Q3 子ども医療費助成の所得制限撤廃は重要です。その意義を、知事はどう考えていますか。

 同時に、通院一回200円の自己負担もなくすことを強く求めます。

Q4 障害者福祉手当の支給額も、28年間据え置かれています。国の所得保障が不十分ななか、障害者の生活はひっ迫しています。障害者手帳を持つ人の7人に1人しか対象とならない問題も解決すべきです。
 知事は、障害者福祉手当の重要性を、どのように認識していますか。

 早急に改善されることを求めます。

Q5 障害の程度が軽度・中度の方も医療費の負担は重く、病院に行くのを控えている方も少なくありません。
 障害者医療費助成の対象を、重度障害だけでなく、軽度や中度の方にも広げて、医療費の負担を軽減すべきです。
 知事の答弁を求めます。

 国民健康保険料の負担軽減も切実です。

Q6 国保料・国保税は、多くの家庭で今年度も大幅値上げとなりました。なかでも、子どもの数が多いほど重い負担となる均等割は子育て支援に逆行します。
 国保の子どもの均等割軽減に、都として踏み出すべきです。いかがですか。

Q7 私の地元・練馬区の商店街から補正予算案について、「ポイント還元だけでなく、これまでのプレミアム商品券も続けてほしい」と伺いました。知事、この声にこたえるべきです。見解を求めます。

Q8 米不足や物価高騰の影響で、子ども食堂やフードバンクでは、お米や食料が集まりにくくなっています。
食料支援を民間まかせにするのではなく、都として財政支援も含めて踏み込んだ対応が必要ではありませんか。

Q9 知事が、保育の無償化を第一子まで拡大すると公約したのは重要です。早期の具体化を求めます。いかがですか。

5 住宅政策について

 都が各地で進める再開発で地価が上がり、賃貸住宅の家賃の高騰を招いています。

Q1 民間賃貸住宅に入居する方たちから、「家賃が高くて払えない」「物価高騰で年金だけでは生活ができなくなり、貯金も底をついてきた」など悲痛な声があがっていることを、知事は、どう受け止めていますか。

Q2 知事は、「子育て支援世帯への家賃負担の軽減」を公約しました。早急に実施するよう求めます。いかがですか。

Q3 また知事は、「手ごろな価格で住める『アフォーダブル住宅』の推進」を公約しました。知事が推進するのは、どういう住宅ですか。
 払える家賃であると同時に、生活の質の向上を伴うことが大切だと考えますが、認識を伺います。

Q4 住まいのセーフティネットである都営住宅の新規建設、UR住宅や民間賃貸住宅を活用した「借り上げ都営住宅」に踏み出すべきではありませんか。

Q5 住宅に困っている若者や就職氷河期世代の方に対し、都営住宅を提供し安定した就労につながるよう支援する事業が始まることは重要です。
 葛飾区・府中市との協議が始まっていると聞きましたが、進ちょく状況を伺います。
 入居できる都営住宅の戸数を増やし、より多くの区市に広げることを求めます。いかがですか。

6 経済政策について

Q1 暮らしを守り、地域経済を元気にするカギは、雇用の7割を占める中小企業の賃上げです。
 東京中小企業家同友会の調査では、6割以上が「賃上げの余力が乏しい」と答えています。「ゼロゼロ融資の返済が厳しい」「経営者は自らの収入を削って賃金を払っているが、払えないところは閉店するところもある」など、多くの中小企業は賃上げどころではない厳しい現状にあることを、知事はどう認識していますか。

Q2 知事が「中小企業の賃上げを徹底支援」と公約したことは重要です。都が支援しないと、中小企業の賃上げは難しいと判断したのですか。具体的に、どう取り組むのですか。

Q3 欧米諸国が最低賃金の大幅引き上げに踏み出していることを、知事はご存じですか。日本は大きく立ち遅れています。これまでの発想にとらわれない、最低賃金の大幅引き上げを強く求めるべきではありませんか。

Q4 最低賃金の引き上げは、中小企業への思い切った支援とセットで行うことが必要です。認識を伺います。

Q5 地域経済や災害復旧の担い手である建設業の人材不足は深刻です。打開が急がれます。知事の認識を伺います。

Q6 公共工事で適正な賃金を支払える発注価格を設定できるようにするため、国は、発注価格の基礎となる「設計労務単価」を12年連続で引き上げ、1・7倍になりました。ところが建設労働者の賃金は、その間ほとんど上がっていません。
 建設労働者の賃上げを実現するためには、「設計労務単価」を引き上げると同時に、下請けまで含めて適切な労働報酬が支払われるようにすることが重要です。見解を求めます。
 公契約条例を制定し、最低賃金を上回る賃金を支払う契約を事業者と結ぶことで、区や市の仕事に携わる労働者の賃金や労働条件を向上させている自治体も増えています。
 多摩市が公契約条例の実施状況について行った事業者アンケートでは、地域経済・地域社会の活性化に「つながった」「今後つながる」が74%にのぼっています。

Q7 地方自治体が公契約条例で、最低賃金を上回る賃金を支払うよう求めることは、最低賃金法との関係で何か制約を受けますか。答弁を求めます。

Q8 高齢者の在宅生活を支える訪問介護事業が、「崩壊の危機」に直面しています。深刻な人手不足に追い打ちをかけたのが、政府による「訪問介護」の基本報酬引き下げです。
 介護事業者や「訪問介護」の倒産は過去最多で、介護が必要でもすぐに受けられない事態となっています。
都も対策を講じていますが、深刻な事態は打開できていません。世田谷区は、訪問事業所1カ所88万円など緊急支援金を支給する方針です。
 知事は、訪問介護の深刻な職員不足と経営の危機を、どう受け止めていますか。
国に基本報酬引き下げの撤回を求めるとともに、世田谷区の取り組みも踏まえ、都として新たな緊急支援を行うことを求めます。いかがですか。

Q9 知事は、「東京都版介護職員昇給制度を構築」を公約しました。勤続年数に応じた昇給を保障し、採用増と定着につながる制度にすることが大切です。見解を伺います。

7 神宮外苑再開発について

 小池都政は樹木を伐採し、超高層ビルをつくる、財界ファーストの「まち壊し」を進めています。
 日本共産党都議団は、東京の歴史、文化、伝統、環境と都民の暮らしを大事にする持続可能なまちづくりを、住民参加で進めます。これが2つ目のチェンジです。

 都知事選挙で7割の都民が反対した神宮外苑再開発は、大事な局面を迎えています。

Q1 三井不動産ら事業者は、東京都から求められていた樹木保全の見直し案を9月9日、都に提出しました。
 樹木の伐採本数を減らすと公表しましたが、高層ビル建設と大規模施設の建て替えのために貴重な樹木や環境が犠牲になるという根本問題は、何も変わっていません。
 専門家からも、この見直し案では「1ミリも計画は改善されない」「樹林地としての生態系をどう保存するかが重要。今回の見直しはこの視点に欠け、樹木の本数に終始している」など、厳しい批判の声があがっています。
 改めて東京都の責任で、計画を厳しく見直す必要があります。知事いかがですか。
 
Q2 私たちは先日、わが党の吉良よし子参院議員とともに、事業者のひとつである日本スポーツ振興センターJSCからヒアリングを行いました。
 JSCは見直し案について、環境影響評価審議会に提出するとともに、地区計画の企画提案書の変更、事業計画変更の認可手続きが必要になると認めました。知事は、その事実をご存じですか。

 事業者はこれまで、開かれた住民との対話を避け、日本イコモス国内委員会をはじめとした専門家との対話を拒んできました。
 その姿勢が国連「ビジネスと人権」作業部会から、人権に悪影響を与えると指摘されたこともあり、わずかですが対応を変えざるを得なくなっています。

Q3 事業者は今回の見直し案に当たり、一部セカンドオピニオンを取り入れました。
都としても、環境影響評価審議会などにおいて、日本イコモスなど外部の専門家の意見を聞くことが必要ではありませんか。

Q4 JSCは企画提案書の変更や、事業計画変更の認可手続きについて、計画全体からラグビー場に関わる部分だけを切り離して、先行して進める意向ですが、事業者との調整は現在行われているのですか。
 新球場の設計や、18本のイチョウ並木の行方も不明なまま、計画の一部だけ切り離して考えることなどできません。明確にお答え下さい。

Q5 見直し案にともない、今後、東京都がかかわる新たな手続きは、どのようなものが想定されますか。
 今回の変更案を都市計画審議会に再度付議すべきと考えますが、いかがですか。

8 環境政策について

 この夏、熱中症での23区の死亡者数は、9月19日現在261人で過去最高を更新し、うちエアコンなしが60人、エアコンの未使用が165人でした。
 
Q1 気候危機の影響をより深刻に受けるのは、子どもや若者、高齢者、低所得家庭だという事実を、知事はどう認識していますか。

Q2 知事は「熱中症から命を守る、暑さ対策の推進」と公約しましたが、命を守るためにどのような対策を考えていますか。
 
Q3 ある非正規雇用の方は、昨年夏、エアコンを一度しか使いませんでした。また家にエアコンがない生活保護世帯の方は、夏、家にいられず、青森県の実家に避難しました。
 低所得家庭へは、本人負担なしでエアコン設置をできるように、都が支援するとともに、電気代の補助を最優先で行うべきではありませんか。

Q4 ヨーロッパでは、こうした状況を「エネルギー貧困」と呼び、社会問題として取り組んでいます。しかし日本では、実態も把握されていません。都は「エネルギー貧困」の考え方をご存じですか。

Q5 都として気候危機対策の考え方に「エネルギー貧困」を位置づけ、都内の状況を調べる必要がありますが、いかがですか。

Q6 小池知事は、「東京は緑豊かな都市としてさらなる進化を遂げています」と述べています。
 ところが、東京大学の研究者が発表した論文によると、2022年までの9年間で東京23区の樹冠被覆率は、約9%から7%へ2割も減っています。
 知事が、再開発で緑が増えたと誇る都心3区合計でも樹冠被覆面積は減っており、公園や街路の減少が際立ち、オフィスビルエリアで増えていません。
 知事、これが23区の現実です。樹冠被覆率を基礎調査項目とし、引き上げる目標を持つべきではありませんか。

 わが党は、この東京で、2030年までに温室効果ガスを2000年度と比べ60%削減する「実行プラン」を発表しました。
 都の目標は50%削減ですが、都が発表した2022年度の速報値によれば4・4%しか減っていません。50%削減の目標でさえ、実現の見通しはありません。

Q7 知事は「世界をリードする脱炭素の取組を加速」させると公約しましたが、世界の国々は、目標も取り組みも、はるか先に進んでいることを、どう認識しているのですか。

Q8 「世界をリードする」と言うなら、私たちが「実行プラン」で指摘したように、石炭火力や原発との決別を、国と東京電力に厳しく迫ることが必要ではありませんか。

Q9 昭島市で進められている巨大データセンター建設計画は、CO2排出量が年間179万トンにのぼり、データセンターとしては日本最大規模、昭島市全体の排出量の3・6倍に匹敵します。
 この計画を知事は、どう受け止めますか。脱炭素の取り組みに逆行することは明白です。計画の中止、抜本的再検討を求めるべきです。答弁を求めます。

9 保健医療政策について

 日本共産党都議団が進める3つ目のチェンジは、都民の命と健康を守り抜く都政への転換です。

 小池都政は、ほぼすべての新型コロナ対策を、5類移行を機に打ち切りました。

Q1 この夏のコロナ感染拡大は、昨年夏の第9波に匹敵する状況でしたが、検査や治療薬等への公費負担は打ち切られたままです。
 都内の医療機関は、数万円もする高額な治療薬への公費支援を求めています。クラスターが頻発する介護施設等からは、検査や入院ができなければ命が守れないと声があがっています。
 経済的な心配なく検査や治療を受けられるようにすることが、必要ではありませんか。

 コロナ禍の影響に加え、自民党政府の診療報酬抑制政策により、地域医療の危機が広がっています。

Q2 東京都病院協会の最新の調査では、赤字と答えた病院が半数にもおよび、前年に比べて急増しました。都内の病院の経営状況を、都はどう認識していますか。

Q3 地域医療を守るために東京都医師会は、入院患者を受け入れた医療機関に対する都独自の財政支援の創設を強く求めています。直ちに具体化すべきですが、いかがですか。

 小池都政は、わが党や都民の反対に耳をかさず、都立病院の地方独立行政法人化を強行しました。その結果、病床休止が相次ぎ、この夏のコロナ患者の受け入れは第9波の半分以下に激減しました。

Q4 都立病院の休止病床は、現在何床ですか。

Q5 地域医療の危機が広がる下で、行政的医療、不採算医療を担う都立病院への財政支援を強化し、医療体制を拡充することが必要です。知事の答弁を求めます。

10 PFAS汚染対策について

 PFAS汚染対策の質問に、小池知事はこれまで一度も答弁に立たず、所信表明でも触れませんでした。

Q1 知事は選挙公約に、「都民の命と暮らしを守る」ことを掲げていますが、その中にPFAS汚染対策は入っているのですか。

Q2 岡山県の吉備中央町では、町長が住民の強い声に応えて、住民の血液検査を含む健康影響調査を開始します。18歳未満の子どもの調査では、大人とは区別して発達に関する項目も入れる予定です。
 東京都も、水道の水質調査で高濃度だった地域で、子どもも含めた血液検査、健康調査を実施すべきですが、いかがですか。

Q3 PFASのうち、PFOSは泡消火剤に含まれ、PFOAはおもに産業由来と言われています。
 わが党は、第2回定例会でそのことを示し、汚染源を明らかにするうえでも、数値を合算ではなく分けて公表するよう求めました。
 その後、都が別々に公表するようにしたことは重要です。その意義について伺います。

Q4 東京都環境科学研究所の研究で、PFASの中には土壌に長くとどまる種類があることが明らかになっています。とりわけ地下水の汚染の数値が高い地域について、土壌調査を求めます。見解を伺います。

11 防災対策について

Q1 能登半島地震の被災地に、私は先月、ボランティアに行きました。
 多くの家が崩れたまま放置され、生活再建は進まず、暑さで体調を壊したという声も聞きました。
私が強く感じたのは、国や自治体が果たすべき役割の重要性です。地震の被害からの回復の途上で、先週末には豪雨災害が被災地を直撃しました。
 災害時における行政の役割、複合災害への備えについて、知事はどう認識していますか。

 能登半島地震の直後に編成した今年度予算で、知事は木造住宅耐震化助成の予算を削減しました。責任は重大です。

Q2 日本建築学会北陸支部が、能登半島地震で被災した輪島市などを調べた結果、1981年以前の建物の旧耐震基準で建てられたとみられる建物では全壊や半壊が5割を超えています。一方、2000年に強化された現行基準に基づくとみられる建物の全半壊は、1割未満でした。
 住宅耐震化の重要性を改めて示しています。知事は、どう受け止めますか。

Q3 私の地元・練馬区の試算では、診断から耐震改修までの平均費用は約430万円。補助を拡大してきましたが、それでも自己負担が110万円になると言います。自己負担の重さが、住宅の耐震化が進まない理由だということを、どう考えていますか。

Q4 都として木造住宅耐震化の予算を抜本的に増やし、都の補助額を引き上げて、「自己負担ゼロ」で一気に進めることを求めます。いかがですか。

Q5 豪雨の頻発により、都水防本部の設置は、昨年度の8回から19回へと倍増しています。道路の冠水、河川氾濫、住宅浸水など都内で被害も出ています。
 都は「豪雨対策基本方針」を改定し、一時貯留施設や浸透マス、雨水タンクを設置する流域対策を充実する方針を示しました。わが党も求めて来たことであり重要です。
 しかし、予算はわずか1億3500万円と少なすぎます。予算を増やし、対策をさらに強化すべきです。答弁を求めます。

Q6 知事は、「安全・安心で快適な『避難所改革』の推進」を公約しました。
 「スフィア基準」を指針にして、避難所・避難生活学会が提唱する、トイレ、キッチン、ベッドを災害発生から48時間以内に準備することを、東京のスタンダードにし、区市町村への支援を進めることが必要です。知事いかがですか。

12 教育政策について

 4つ目のチェンジは、人権と平和を大事にする都政への転換です。

 東京の子どもたちの人権は重大事態です。

Q1 知事は所信表明で、困難を抱えた生徒たちの学習・教育環境を充実する新たなプランを策定すると言いました。そのプランの案に、あろうことか立川高校をはじめ7校の夜間定時制の廃止が含まれています。
 夜間定時制は、不登校や若い時に学ぶ機会を逃した人、外国籍や夜間中学卒業生など、多様な生徒の学ぶ権利を保障するセーフティネットです。
 知事は、様々な子どもたちが、自ら学びを選択できるようにすると言いましたが、夜間定時制の廃止が選択肢を狭くすることは、明らかではありませんか。

Q2 こども基本条例は、子どもの意見表明権を尊重し、施策に反映することを都に求めています。当事者の意見も聞かず決めることは許されません。
プランの案を公表する前に、夜間定時制に通う生徒の意見は聞いたのですか。答弁を求めます。

Q3 都民の反対の声が広がる英語スピーキングテストは、相変わらず重大問題が続発し、生徒や保護者、学校に、これまで以上の負担と混乱が起きています。
 中学3年生のテストは、都立高校の入試に使われます。にもかかわらず、申し込みシステムの不備や不適切な対応により、事業者から保護者へのメールが届かない、相談窓口がつながらない、生徒のアカウントの二重登録、生徒の個人情報が他校のサイトに表示されるなど、きわめて深刻な事態です。
 都教委は、この責任をどう認識していますか。謝罪すべきです。いかがですか。

Q4 申し込みは、今月20日の締め切りまでに完了したのですか。

Q5 都教委から学校に出される通知やメールが問題が起きるたびに増え、それも含めて9月初めまでに18回にもおよびます。そのため教員は、保護者からの相談や登録・申し込み確認などで連日残業となっています。働き方改革の点からも、問題ではありませんか。お答え下さい。

 英語スピーキングテストは、改めて中止を求めるものです。

 わが党は、少人数学級の拡大を求めてきました。
 世論と運動が広がるなか、小池知事が「支援員の配置強化で中学校でも35人学級へ」と公約したことに、都民は注目しています。

Q6 「中学校でも35人学級へ」と公約したということは、知事は当然、中学校でも1クラス40人では多いと認識しているということですね。答弁を求めます。

Q7 子ども一人ひとりに行き届いた教育や、教員の多忙化解消のために、少人数学級は待ち望まれてきました。来年度から実施していただきたいと思いますが、知事いかがですか。
 同時に、35人学級にするには、支援員の配置ではなく、正規の教員を増やすことが必要です。あわせてお答え下さい。

13 若者政策について

 わが党は、大学などの高すぎる学費無償化も、繰り返し提案してきました。
 
Q1 日本はOECD諸国で、高等教育予算がワースト3位です。そのために学生や保護者は重い学費負担を強いられています。
 都の調査でも、教育費は切実な課題であり、今年度から都立大の授業料を都民は無償としたことは重要です。一方で東京大学は、9割の学生が反対するなか、授業料の11万円値上げを決めました。
 高等教育の無償化に向け、負担軽減が必要です。知事の認識を伺います。

Q2 知事は、「東京版大学給付型奨学金制度の創設」を公約しました。わが党が条例提案も行い、求めてきたものであり歓迎します。
 学生の学ぶ権利を支えるものとする必要がありますが、知事はなぜ、この公約を掲げたのですか。どう取り組むのですか。

Q3 学生や若者の声を直接受け止め、対応する部署を作ることを提案します。いかがですか。

14 ジェンダー平等について

Q1 小池知事は、「女性活躍推進条例」を作ると言いますが、本当に必要なのは「ジェンダー平等推進条例」です。
 ジェンダーギャップを解消し、個人の尊厳を守る条例こそ検討すべきではありませんか。

 退職した非正規公務員の4割が雇い止めで、6割が年収250万円未満という、「公務非正規女性全国ネットワーク」が発表した調査結果は深刻です。
 国や自治体が、不安定で低賃金な雇用を生み出していることが、改めて浮き彫りになりました。都でも3月に、スクールカウンセラーを250人も雇い止めにしたことが大問題になりました。
 わが党は、都の非正規公務員の多数を占める、約3万人の会計年度任用職員の男女の状況を調査しました。結果は、現役世代である61歳未満では73%が女性でした。
 
Q2 知事は、「男女賃金格差の解消に向けた支援の加速」や、「同一労働同一賃金に向け非正規雇用の処遇改善を支援」すると公約しました。
 都自身が多くの非正規雇用を生み出し、さらに女性差別を生み出す仕組みとなっていることを、どう考えているのですか。

Q3 年齢別、男女別など、都の非正規公務員の実態が分かる調査の実施を求めます。いかがですか。

 都の会計年度任用職員は、1年更新で最大4回しか更新できない不安定雇用です。一方、人事院は国の非正規公務員の契約更新を原則2回までとする制限の撤廃を各省庁に通知しました。都内でも、7割の自治体が雇用年限の撤廃を検討しています。都も雇用年限の上限を撤廃すべきです。
 
Q4① 学期中に週20時間以上働いている会計年度職員のスクールカウンセラーを社会保険に加入させないことは、不適切だと厚労省に確認しました。早急に改善すべきです。いかがですか。

Q4② また、都の会計年度任用職員では、妊娠したことを理由に再度任用に合格しなかった事例も起きています。国のマニュアルでは、産休や育休取得を理由に再度任用しないことは認められません。当然、妊娠中の場合も認められません。
 都は、会計年度任用職員の採用や更新、社会保険などの手続きに関し、全庁に周知徹底すべきです。答弁を求めます。

Q5 そもそも継続的に必要な仕事を担っている方なのに、働ける期間に限りがあるのはおかしいことです。常に必要な仕事をする職員は正規雇用とするべきです。知事の決断を求めます。いかがですか。

15 ハラスメント防止対策について

Q1 ILOのハラスメント禁止条約は、ハラスメントの定義を明確にし、許されない人権侵害だと断じています。それが世界の流れであることを、知事はどう認識していますか。
 すべてのハラスメントを禁止する姿勢が重要ですが、見解を伺います。

16 関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文について

 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に、小池知事は8年連続、追悼文を送付しませんでした。多くの都民・団体から批判の声があがり、新聞各紙の社説も追悼文の送付を求めるなど、世論が広がっています。
 虐殺はなかったという、歴史家による学説・研究などひとつもありません。

Q1 在日朝鮮人の歴史が専門の大学教授らが記者会見を行い、小池知事が追悼文の送付をやめ、虐殺の事実があったかどうかの認識を示さないことは、「定まった評価を受けている学説への信頼を毀損している」と批判しました。
 この批判を知事は、どう受け止めていますか。

17 平和事業について

Q1 来年は、東京大空襲80年・戦後80年です。当時10歳だった人が90歳になります。大事な節目として位置づけることが必要です。知事は、どう考えていますか。

Q2 「私たちは、次代を担う子どもたちに、戦争の悲惨さと、それを防止することの大切さを、東京大空襲の体験などとともに語り伝えます」
 こう高らかに謳う「都民平和アピール」は、戦後50年の節目に東京都が主催した平和祈念式典で、参加したすべての人が賛成して採択されました。当時の都議会のすべての会派も一致して賛成しています。
 ウクライナやガザで戦火が続くなか、「都民平和アピール」の重要性を、知事はどう認識していますか。

Q3 2025年の「平和の日」記念行事を充実した内容で開催すること、「都民平和アピール」を土台にすえた平和祈念館の建設に踏み出すことを求めるものです。知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。

【答弁】

○知事(小池百合子君) とや英津子議員の代表質問にお答えいたします。
 学校給食費についてのお尋ねでございます。
 都は今般、子育て世帯の経済的負担の軽減に向けまして、国の方策が講じられるまでの間、市町村の学校給食費無償化を後押しするため、市町村総合交付金を拡充することといたしました。
 物価高騰の影響についてであります。
 長引く物価高騰の影響に苦しむ都民の現状を見過ごすことはできません。こうした苦境に立つ都民の生活を様々な取組により支えてまいりました。
 引き続き、社会情勢を踏まえまして、必要な施策を着実に実施をしてまいります。
 保育料の無償化についてであります。
 都は、望む人誰もが安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けまして、第一子の保育料無償化について検討することといたしております。
 中小企業への支援についてであります。
 原材料価格の高騰が長期化する中、都内中小企業は賃上げの徹底が困難など、厳しい経営環境にあります。
 このため都は、資金繰りの支援を行うほか、経営面のアドバイスなどにより、中小企業の事業の継続を後押ししております。
 賃金の引上げについてでございます。
 都内経済の活性化を図り、職場で働く方が安心して生活できる環境を整えるため、賃上げなどを後押しすることは重要でございます。
 そのため都は、労働者の処遇改善に向けました中小企業の様々な取組につきまして、経営や職場づくりの面から引き続き促進してまいります。
 気候変動対策についてであります。
 二〇三〇年までの行動が重要との認識の下、都は、二〇三〇年までに都内温室効果ガスを半減する目標を掲げております。
 その実現に向けまして、来年度から施行いたします新たな条例制度をはじめ、各種施策を拡充いたしております。
 今後も、ゼロエミッション東京を目指しまして、より一層の省エネとともに、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を図ってまいります。
 住宅耐震化の重要性についてでございます。
 首都直下地震の発生が懸念される東京におきまして、地震による被害を軽減し、都民の命と財産を守るためには、住宅の耐震化を進めていくことが重要でございます。
 中学校における学級編制についてのお尋ねでございます。
 全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育を実現するため、教育環境の整備は重要でございます。
 ジェンダー平等についてでございます。
 全ての都民が性別にかかわりなく個人として尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりは重要でございます。
 都は、男女平等参画基本条例に基づき、誰もが多様な生き方を選択できる社会を実現するため、様々な施策を推進いたしております。
 ハラスメントについてであります。
 都は、人権施策推進指針におきまして、人間としての存在や尊厳が尊重され、思いやりに満ちた東京を基本理念として掲げておりまして、ハラスメントにつきましても、人権課題の一つとして位置づけをいたしております。
 最後に、平和事業についてでございます。
 さきの大戦で戦争の惨禍を被った歴史を持つ都民にとりまして、恒久平和の実現は最大の願いでございます。
 そのため、都は、東京都平和の日条例を制定し、三月十日の記念式典をはじめ、東京都平和の日記念行事を実施しているところであります。
 なお、その他の質問につきましては、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。

教育長(浜佳葉子君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、子供たちの学びの選択肢についてでございますが、都教育委員会は、全ての子供たちの学ぶ意欲に応えるため、チャレンジスクールなど多様なタイプの高校を設置しており、今後も充実を図ることとしております。
 夜間定時制課程においても多様な生徒が在籍しており、自立した人材を育成している一方で、生徒数減少により学習教育環境に課題が生じております。
 このため、一部の夜間定時制課程を募集停止するとともに、そのほかの夜間定時制課程については、引き続き、生徒の学びを丁寧に支援していくこととしております。
 次に、生徒の意見聴取についてでございますが、チャレンジサポートプランの案につきまして、パブリックコメントを実施し、様々な方の意見を踏まえて取りまとめていくこととしております。
 次に、スピーキングテストの申込みシステムについてでございますが、開始当初にメールの遅延や問合せ窓口の混雑等が発生いたしましたが、速やかに対処するとともに、中学校や区市町村教育委員会とも連携し、適切に対応いたしました。
 引き続き、円滑な試験実施に向けて、事業者とも連携し、都教育委員会は着実に準備を進めてまいります。
 生徒や保護者にはホームページやSNSで、中学校や区市町村教育委員会にはメール等で、ご不便をおかけしたことへの謝罪と経緯の説明を行っております。
 次に、スピーキングテストの申込みについてでございますが、都内公立中学校については、今月二十日を申込み締切りとしておりますが、申込み期間後の転入など個別の事情がある場合には、例年どおり、中学校及び区市町村教育委員会と連携し、九月二十四日から十月十日までの追加申込みの期間に申込みを受け付けることとしております。
 次に、教員の負担についてでございますが、都教育委員会は、日頃から区市町村教育委員会や各学校と連携して取組を進めており、スピーキングテストについても、生徒一人一人に対してきめ細かい対応をしていただくなど、中学校教員の協力を得ながら進めております。
 加えて、受験の申込みなどについて、分かりやすいリーフレットや操作方法の案内動画などで周知をしております。
 なお、今年度特有の事情により十八回の文書を発出したわけではなく、多くは説明会の案内など、例年送付しているものでございます。
 次に、中学校における教育環境の整備についてでございますが、都教育委員会では、いわゆる中一ギャップを解消するため、第一学年において三十五人学級の編制等が可能となるよう教員加配を行っているほか、習熟度別指導や少人数指導等のための教員や時間講師を配置しております。
 今後も、教育の充実に向けて、きめ細かな教育環境を整備してまいります。
 次に、スクールカウンセラーの社会保険についてでございますが、都教育委員会では、スクールカウンセラーの労働時間を一年単位で定めております。
 社会保険については、国が示す算定方法に基づき手続をしており、引き続き適切に対応してまいります。

○東京都技監(谷崎馨一君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、神宮外苑の再開発についてでございます。
 本再開発は、明治神宮などの民間事業者自らの所有地において実施するものであり、都はこれまでも、都市計画などについて、法令等に基づき適切に対応しております。
 引き続き、事業者において必要な行政手続を進めるものと認識しております。
 次に、手続についてでございます。
 事業者は、競技の継続性に配慮しながら、大規模なスポーツ施設を段階的に整備する計画としており、事業者において必要な行政手続を進めるものと認識しております。
 次に、都が関わる手続についてでございます。
 事業者において必要な行政手続を進めるものと認識しており、都としては、法令等にのっとり適切に対応してまいります。
 次に、住宅耐震化の自己負担についてでございます。
 耐震化を促進するためには、所有者が自らの問題として認識し、備えることが不可欠であり、都は、区市町村と連携して取組を促しております。
 これまでも、戸建て住宅等の耐震化の実態や区市町村の意見等を踏まえ、必要な見直しを実施しております。
 次に、住宅の耐震化助成についてでございます。
 住宅の耐震化に向けて、令和五年度から新耐震基準の木造住宅への耐震化助成を開始し、今年度からは、旧耐震も含め、耐震改修等の補助限度額を引き上げております。
 最後に、流域対策の強化についてでございます。
 豪雨に対応するためには、河川等の整備と併せて、それらへの負荷を軽減する流域対策が効果的であり、都はこれまでも、雨水流出抑制事業を実施する区市町村に対し、経費の一部等について補助の拡充などを行っております。

港湾局長(松川桂子君) お台場海浜公園の噴水についてでございます。
 臨海副都心の魅力をさらに磨き、一層のにぎわいを創出することは、地域の発展にとって重要であり、都はこれまでも、様々なイベントを行ってまいりました。
 このたび、多くの事業者や団体等からの要望も踏まえまして、噴水を整備することといたしました。これにより大きな経済効果も見込んでおり、算出中でございます。
 整備費及び維持管理費は現在精査中でございますが、一般会計ではなく、埋立地の売却等による収入を財源とする臨海地域開発事業会計を活用するため、税金は一切使いません。

産業労働局長(田中慎一君) 六点の質問にお答えいたします。
 まず、プロジェクションマッピングについてでございます。
 プロジェクションマッピングは、高い芸術性と世界をリードする技術によって都市の価値を高める日本のキラーコンテンツであり、都内各地で行うことで、東京の夜間観光の振興に向けて活用することは重要です。
 本事業の実施に当たり、実行委員会では、契約手続や情報公開について、都のルールに準じて適切に対応しております。
 次に、もっと!暮らし向き向上緊急サポート事業についてでございます。
 物価高騰が続く中、消費の喚起を速やかに行うため、民間のQRコード決済のポイント還元の仕組みを活用した事業を実施いたします。
 引き続き、日々の業務を行う中で、中小企業からの声を聞いてまいります。
 次に、最低賃金についてでございます。
 最低賃金は、法に基づき、労働者、使用者、公益の三者の代表が審議し、地域の労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮して国が決めております。
 都としては、この制度が国において適切に運用されるべきものと考えております。
 次に、最低賃金の引上げへの支援についてでございます。
 最低賃金制度は、国において、労働や企業の実態、生計費を踏まえ、適切に運用されるべきものであります。
 都は、引き続き、職場環境の改善や賃金の引上げに取り組む中小企業に対し支援を実施いたします。
 次に、建設業の人材確保についてでございます。
 人手不足が続く建設業を含む中小企業の人材確保を後押しすることは重要です。
 都は、業界団体を通じてサポートするなど、支援を行っております。
 最後に、エネルギー政策についてでございます。
 二〇三〇年カーボンハーフを実現し、世界をリードしていくため、都は、引き続き、省エネルギー対策に取り組むとともに、再生可能エネルギーの利用拡大を図っております。
 電源構成等のエネルギー政策の在り方につきましては、国レベルで議論、検討がなされるべきものであります。

財務局長(山下聡君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、入札契約制度についてでございますが、都とは異なる組織における入札契約手続につきましては、当該組織の目的や性質に応じて、その責任と判断において行われるものと認識しております。
 次に、都発注工事についてでございますが、建設業に従事する労働者の適切な処遇の確保は重要であり、都はこれまでも、適正な予定価格を設定するとともに、元請事業者団体に対し、適正な請負代金による下請契約の締結など、担い手確保等の観点から要請を行ってきており、今後も国の動向等を踏まえ、適切に対応してまいります。
 次に、公契約条例と最低賃金法との関係についてでございますが、いわゆる賃金条項を有する公契約条例を定めることは、最低賃金法上、問題となるものではないとされております。
 賃金等の労働条件は、最低賃金法や労働基準法などの労働関係法令の下支えの上で、各企業において対等な労使間での交渉により、自主的に決定されるべきものと認識しております。

総務局長(佐藤智秀君) 九点のご質問にお答えをいたします。
 まず、情報公開についてのご質問でございます。
 東京都情報公開条例の適用外である組織の情報公開は、その組織の責任と判断において行われることとなります。
 続きまして、災害対策における行政の役割と複合災害についてのご質問にお答えをいたします。
 都は、災害対策基本法におきまして、住民の生命、身体、財産を災害から保護するため、地域防災計画を作成し、区市町村等の防災に関する事務または業務を助け、その総合調整を行う責務を有しております。
 また、地域防災計画では、複合災害が発生した場合、被害の激化や広域化、長期化等が懸念されることから、こうした状況も念頭に置きながら、予防、応急復旧対策を実施する必要があるとしておりまして、過去の大規模災害も踏まえ、取組を推進しております。
 続きまして、避難所についてのご質問でございます。
 都はこれまで、要配慮者等に配慮した避難所運営や備蓄物資の拡充等を進めてまいりました。
 今後、さらなる避難所での生活環境向上に向け、新たな運営指針を年度内に取りまとめることとしております。
 続きまして、若者等の声に対応する部署についてのご質問でございます。
 都は、若者等に対する施策について、相談体制の充実など様々な支援を講じ、各局が連携しながら、きめ細かく対応しております。
 今後も適切な執行体制の下、学生、若者施策に取り組んでまいります。
 続きまして、会計年度任用職員についてのご質問でございます。
 会計年度任用職員は、特定の学識、経験に基づく補助的業務等に任期を限って任用するものであり、常勤職員との役割分担や職務内容を確認の上、職を設定しております。
 また、地方公務員法の平等取扱いの原則に基づき、各局等において募集及び採用を適切に行っております。
 続きまして、会計年度任用職員に関する調査についてのご質問でございます。
 都は、国の調査依頼に基づき、任用数や男女別の内訳につきまして定期的に国に報告をしておりますが、年齢については調査対象となっておらず、都も調査を行っておりません。
 続きまして、会計年度任用職員の採用手続についてのご質問でございます。
 地方公務員法の平等取扱いの原則に基づき、各局等において募集及び採用を適切に行っております。
 また、会計年度任用職員の採用や社会保険に関する国のマニュアル等については、各局等に周知をしております。
 続きまして、会計年度任用職員の正規化についてのご質問でございます。
 会計年度任用職員は、特定の学識、経験に基づく補助的業務等に任期を限って任用するものであり、常勤職員との役割分担や職務内容を確認の上、職を設定しております。
 最後に、関東大震災に関してのご質問でございます。
 関東大震災で犠牲になられた方々に対する追悼について、三月と九月に都立横網町公園で執り行われております大法要におきまして、震災とその極度の混乱の中で犠牲となられた全ての方々に対して哀悼の意を表しております。
 なお、関東大震災に関して、様々な内容が史実として書かれていることは認識をしております。

福祉局長(山口真君) 十点のご質問にお答えいたします。
 まず、シルバーパスについてでございますが、現行制度導入以降の健康寿命の延伸や、交通事情の変化等を踏まえまして、アクティブな長寿社会の実現を目指し、高齢者施策全体を総合的に議論する中で、シルバーパスについても検討することとしております。
 次に、コミュニティバスでのシルバーパス利用についてでございますが、コミュニティバスのうち、一般の路線バスと同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっております。
 次に、児童育成手当についてでございますが、児童育成手当は、制度が発足した当時は不十分であった国の所得保障を補完し、ひとり親施策が未整備の中、子供の健全育成を支援する役割を担ってまいりました。
 現在は、国の児童扶養手当が増額されており、都は、ひとり親家庭自立支援計画に基づき、相談体制の整備、就業支援、子育て支援、生活の場の整備、経済的支援を柱に、ひとり親家庭への支援に取り組んでおります。
 次に、子供の医療費助成についてでございますが、全ての子供の健全な育ちを図るため、子供の医療費について、来年十月からの所得制限撤廃を目指し、区市町村と協議することとしております。
 次に、心身障害者福祉手当についてでございますが、心身障害者福祉手当は、心身障害者の福祉の増進を目的に、国の所得保障が十分でなかった昭和四十年代に開始したものでございます。
 障害者の所得保障は基本的に国の役割であり、都は、障害基礎年金や手当等の充実を国に要望しております。
 次に、障害者医療費助成についてでございますが、国は、障害者の医療費について、医療保険制度のほか、自立支援医療費の支給等で負担軽減措置を講じております。
 都は、心身障害者の保健の向上と福祉の増進を図るため、所得税の特別障害者控除との整合性や、医療に係る経済的負担が大きいことを踏まえ、重度の障害者を対象に、医療費の一部を助成しております。
 次に、子供食堂等への支援についてでございますが、都は、子供食堂に対し、区市町村を通じて、会食の開催や配食、宅食に係る経費を支援しております。
 また、フードパントリーの設置に取り組む区市町村へ立ち上げ経費を支援するほか、運営事業者に食料調達費等を補助しております。
 次に、訪問介護事業所への支援についてでございますが、訪問介護をはじめとした介護サービスは、高齢者が地域で安心して暮らすために必要なサービスであり、都は、事業者が事業運営を安定的に行うことができる報酬とするよう、国に対して繰り返し提案要求しております。
 なお、国は、報酬改定の訪問介護事業所への影響を調査することとしております。
 次に、介護職員の処遇改善についてでございますが、介護サービス事業においては、処遇改善加算として、勤続年数のほか、資格や役職等で評価を行う取組が介護報酬で評価されており、都は、人材育成の仕組みづくりを支援しております。
 最後に、低所得者世帯の冷房器具の設置等についてでございますが、生活保護制度では、冷房器具の購入等に必要な費用について、保護開始時や転居の場合などの要件に該当する者に対し支給が認められております。
 都は、健康維持管理上、必要な場合には、保護開始時等に限らず、購入経費を支給できるよう、国に要望しております。
 また、電気料金等に対する支援については、全国的な課題であり、国の責任において実施すべきものでございます。

保健医療局長(雲田孝司君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、国民健康保険の子供の均等割保険料についてでございますが、国民健康保険制度は、法に基づく全国統一の制度であり、子供の均等割保険料の軽減措置を含め、その制度上の課題は、国が責任を持って対応すべきものでございます。
 都は、国に対し、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、未就学児を対象としている均等割保険料の軽減措置を十八歳未満まで拡大し、必要な費用を全額措置するよう提案要求しております。
 次に、新型コロナ対策についてでございますが、多くの医療機関でコロナ患者に対応できる体制が構築されたことや、国の方針を踏まえ、本年四月に、検査など新型コロナへの対応は通常の体制に移行いたしました。
 都は、施設等への感染対策支援チームの派遣など必要な取組を継続するとともに、この夏の感染拡大時には、高齢者の治療控え等が生じないよう、コロナ治療薬の患者負担の軽減を図ることなどを国に要望いたしました。
 次に、医療機関の経営状況についてでございますが、コロナ禍以降、全国的に病床利用率が低下しており、都内においても同様の状況にあると認識しております。
 次に、医療機関への支援についてでございますが、都は、地域における医療提供体制を確保するため、医療機関に対し必要に応じた財政支援を実施しており、今回の補正予算案では物価高騰対策としての支援策を計上しております。
 次に、都立病院の病床についてでございますが、都立病院では、患者の動向等に応じて病棟を柔軟に運用しており、本年九月一日時点で、工事を理由とするものを除いた休止病棟の病床数は、十四病院全体で五百九十床でございます。
 次に、都立病院における医療の提供についてでございますが、都立病院では、独法化のメリットを生かした機動的な人材の確保等により、引き続きニーズに応じ行政的医療の充実を図ってまいります。
 都は、採算の確保が困難な行政的医療の提供に必要な経費として、運営費負担金を措置しております。
 最後に、PFOS等の健康調査等についてでございますが、国の専門家会議は、どの程度の量が体に入ると影響が出るのかについて、いまだ確定的な知見はないとしております。
 都は、国に対し、健康影響及び環境に関する評価について、科学的根拠に基づいた知見を示すよう要望しております。

住宅政策本部長(小笠原雄一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都民の家賃負担についてでございます。
 住宅は生活の基盤であり、住宅の確保に配慮を要する都民の居住の安定を確保することは重要でございます。
 このため、都営住宅の積極的な活用や、民間賃貸住宅を活用した東京ささエール住宅の供給促進などに取り組み、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図っております。
 次に、都営住宅の供給についてでございます。
 住宅ストック全体が量的に充足している中で、今後、人口が減少する見込みであり、また、市場動向に左右されず安定的に供給することが重要であることから、民間賃貸住宅等の借り上げによらず、既存ストックの有効活用を図り、計画的な建て替えを進めております。
 最後に、都営住宅を活用した就労自立モデル構築事業についてでございます。
 不安定な就労状況にある低所得の若者等の就労自立を目指して、本年七月、葛飾区、府中市と本事業に関する協定を締結し、現在、二区市での募集開始に向け、関係者間で協議を行っております。

政策企画局長(坂本雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、住宅政策についての二点のご質問にまとめてお答えいたします。
 子育て世帯に係る住まいや手頃な価格で住める住宅については、副知事を筆頭とした体制により検討してまいります。
 次に、大学生の奨学金制度についてでございますが、大学生の奨学金制度について、副知事を筆頭とした体制により施策を検討してまいります。

環境局長(松本明子君) 十点のご質問にお答えいたします。
 まず、見直し案についてでございますが、今後、環境影響評価審議会に報告がなされるとともに、住民説明会なども行われると聞いてございます。
 引き続き、都民の理解と共感を得られるよう、事業者に適切な対応を求めてまいります。
 次に、外部の専門家の意見についてでございますが、環境影響評価は、条例に基づき事業者が自ら作成したアセス図書を審議会で説明し、その内容について審議会委員から専門的立場でご審議いただく一連の手続でございます。
 次に、気候危機の影響についてでございますが、都民の生命、財産を守るため、CO2排出を削減する緩和策に加え、影響を回避、軽減する適応策にも取り組むことが必要でございます。
 次に、暑さ対策の推進についてでございますが、都は、全庁的な推進体制の下、様々な取組を進めており、各種媒体を活用して、迷わずエアコンを利用することや、クーリングシェルターの活用等を周知しております。
 次に、気候変動対策についての二問のご質問にまとめてお答えいたします。
 まず、エネルギー貧困の明確な定義はないものの、国の機関等で関連する研究がなされていることは承知してございます。
 次に、都は、都民の生命、財産を守るため、CO2排出を削減する緩和策に加え、影響を回避、軽減する適応策にも取り組むなど、都政の幅広い分野にわたる施策を展開しております。
 次に、東京の緑についてでございますが、都はこれまでも、緑陰を確保するため、街路樹の計画的な剪定による樹冠の拡大に取り組んでおります。また、民間開発や公園整備等において、多くの緑を創出しております。
 なお、都は、緑の多様な機能に着目したみどり率を用いて、緑地等の現状や推移を把握しております。
 次に、民間施設の事業計画についてでございますが、本事業は、事業者が自らの所有地において実施するものでございます。現在、環境影響評価審議会において審議が進められているところでございます。
 次に、PFOS等の対策についてでございますが、都は、都民の不安払拭を図るため、国に先んじて、水道水における都独自の水質検査を実施し、一部の水源井戸からの取水を停止しております。また、地下水等を調査しており、暫定指針値を超える地下水を飲用しない取組を実施しております。
 次に、測定結果の公表についてでございますが、都は、国がリスクコミュニケーションを強化する状況を踏まえ、令和五年度の結果を、国に先行して、PFOSとPFOAに分けて公表いたしました。
 最後に、PFOS等の土壌調査についてでございますが、国がまとめた土壌中のPFOS等の測定方法は暫定的なものであり、いまだ土壌調査の対象、評価指標、運用方法及び必要な措置等は示されてございません。
 都は、引き続き国に対し、これらについて明らかにするよう求めております。

生活文化スポーツ局長(古屋留美君) 三点のご質問についてお答えいたします。
 まず、高等教育の無償化についてでございますが、大学等高等教育機関における授業料の無償化は、国の責任で行うべきものでございます。
 国は、いわゆる高等教育の無償化の制度において授業料等の負担軽減を図っており、都はこのうち、都内私立専門学校について財政負担などを行っております。
 なお、都は国に対し、高等教育の授業料無償化の実現を要望しております。
 次に、東京都民平和アピールについてでございますが、戦争の記憶を風化させることなく、次世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要でございます。
 都では、毎年作成する東京都平和の日記念行事報告書に東京都民平和アピールを掲載するほか、都のホームページでも紹介し、周知しております。
 最後に、東京都平和の日記念行事と平和祈念館についてでございますが、平和の日記念行事につきましては、企画検討委員会での空襲資料展の実施箇所の増や体験談の重要性などの意見を踏まえ、内容の充実を図ることとしております。
 平和祈念館(仮称)の建設につきましては、平成十一年の予算審議において、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議がなされた経緯があり、都議会での一定の審議と合意が必要であると考えております。

【再質問】

百二番(とや英津子君) 夜間定時制についてです。
 知事は、三年前の予算特別委員会で、夜間定時制高校について、不登校を経験した生徒、そして外国人の生徒などの学びの場となっている、そして、きめ細かな指導を行うなど、社会人としての自立を促す、その上で重要な役割を果たしていると認識していると答弁しました。
 私は、夜間定時制高校の生徒本人から、近くにあるから通えた、少人数だから安心できたという声を直接聞きました。
 ところが、都教委は、定時制の廃止について、当事者である生徒の声を直接聞いていないのです。子供に関する施策を子供の声を聞かずに決めることがあってはなりません。今からでも直接聞くべきではありませんか。答弁を求めます。
 気候危機の影響をより深刻に受けるのは、子供や若者、高齢者、低所得家庭であるという事実について、知事から認識は示されませんでした。
 私は、さらに、知事が熱中症から命を守ると公約したことについて、命を守るためにどのような対策を考えていますかと聞きました。環境局長が具体的に述べたのは、迷わずエアコンを利用することや、クーリングシェルターの活用を周知することだけでした。
 つまり、知事の熱中症から命を守る対策の基本は、自衛の呼びかけだったということですか。経済的に厳しくてエアコンを買えない人、使えない人や、外に出かけられず、クーリングシェルターに行けない人の命はどうやって守るのですか。お答えください。(拍手)

教育長(浜佳葉子君) 意見聴取についてでございますが、都教育委員会は、都立高校の現状や今後等について検討するに当たって、これまで各種調査を実施しており、都内の中学生や保護者、都立高校生をはじめとする都民から広く意見を聞いております。
 さらに、チャレンジサポートプランの案についてパブリックコメントを実施し、様々な方の意見を踏まえて取りまとめていくこととしております。

環境局長(松本明子君) 再質問にお答えいたします。
 暑さ対策の推進についてでございますが、繰り返しになりますが、都は、全庁的な推進体制の下、様々な取組を進めております。各種媒体を活用して、迷わずエアコンを利用することや、クーリングシェルターの活用などを周知しております。

以上