ご意見・ご要望
ページトップヘ

質問・条例提案

2024.12.10

本会議 原のり子都議(北多摩第4区選出)の代表質問

 2024年12月10日の本会議で、原のり子都議(北多摩第四選出)が代表質問を行いました。


 日本共産党都議団を代表して質問します。

1 知事の政治姿勢と政治資金について

  十月の総選挙で、与党が「過半数割れ」となる、画期的な変化が生まれました。国民の願いが届く政治を実現するチャンスです。

 日本共産党は、来年の都議選、参議院選挙で、新しい政治の流れをさらに前に進めるために全力をつくします。

Q1 都知事選挙で自民党の応援を受けた小池知事は、総選挙で萩生田光一氏をはじめ、自民党の裏金議員を応援しました。知事はなぜ、裏金議員を応援したのですか。

 小池知事の政治資金にも大きな問題があります。
 決算特別委員会で知事は、政治資金パーティー券を神宮外苑再開発の事業者である三井不動産に買ってもらったことを否定しませんでした。三井不動産も否定していません。

 知事は昨年、政治資金パーティーで、1731万円の収入を得ています。

Q2 知事は、三井不動産のような、都の利害関係企業にパーティー券を買ってもらっても問題ないと思っているのですか。

 知事は法に基づき適正に対応していると言いますが、政治資金規正法ではパーティー券は、ひとつの会社で20万円を超えないと公表されません。
 政治資金パーティーは、企業献金の制限をすり抜ける「抜け道」となっています。政治をお金で動かすことは許されません。

Q3 政治資金パーティーを含めて企業・団体献金は禁止すべきです。知事の見解を伺います。

2 お台場の巨大噴水について

 都民の暮らしが厳しさを増している中、自民党、公明党、都民ファーストの会が支える小池都政が、プロジェクションマッピングや巨大噴水に巨額の都財政をつぎ込むことに、批判が広がっています。

 プロジェクションマッピングは、来年度の予算要求も合わせると、3年間で64億円もの税金投入になります。
 44万人が集まったと誇っていますが、1回あたり160人ていどです。
 お台場につくる巨大噴水の整備費は26億円、維持費は毎年2億円。税金は使わないと言いますが、都財政を使うことに違いはありません。

Q1 巨大噴水の整備は、知事が記者会見で発表しました。ところが、わが党の情報公開請求で開示された文書の中に、計画について知事に説明した記録や、知事が意思決定した文書が、ひとつもありません。

 知事、巨大噴水の整備は、いつ、どこで、どのように意思決定したのですか。なぜ開示された中に、知事がかかわった文書がないのですか。

Q2 噴水整備は当初、国内最大級とされていました。それがなぜ、いつどのように、世界最大級に変わったのですか。


3 暮らしと地域経済への支援について

 日本共産党都議団は、都議会野党第一党の力を生かして、都政を厳しくチェックすると同時に、都民の運動と連携して都政を動かし、政策を実現してきました。
 その役割をさらに発揮して、都政を根本から変える「4つのチェンジ」を進めていきます。

 第一のチェンジは、都民の暮らしを守り抜き、地域経済を立て直すことを最優先にする都政への転換です。

 知事は所信表明で、暮らしを守ると言いましたが中身はなく、物価高騰にひと言もふれませんでした。これでは知事が言う「未来への希望」など見えません。

Q1 物価高騰で、生活に欠かせないものが軒並み値上げとなり、「お米も野菜も高くて買えない」「食費を節約している」など、切実な声があがっています。ボランティア団体の食料支援には、長蛇の列ができています。

 都民の暮らしが深刻さを増している現実を、知事はどう受け止めていますか。

Q2 農業生産者の実態も深刻です。飼料代や燃料費が上がる中、都内の数少ない酪農家がこれ以上減らないよう、物価高騰への支援が必要ではありませんか。

Q3 スウェーデンの国家予算なみの東京都の財政力、過去最高を毎年更新している税収増を、都民の暮らしを守り、地域経済を立て直すためにこそ使うべきです。知事の認識を伺います。

4 賃上げへの支援について

 今とくに大事なことは、中小企業の賃上げです。家計を温め、個人消費がのびてこそ、地域経済が元気になります。

Q1 今春闘は、過去最高の賃上げだったにもかかわらず、実質賃金がプラスになったのは、6・7月の2カ月だけでした。
 物価上昇を上回る賃上げが必要です。知事いかがですか。

Q2 東京都は「魅力ある職場づくり推進奨励金」で、賃上げなどに取り組む中小企業を支援しています。
 賃上げへの支援は1社あたり最大60万円ですが、2カ月以上の賃上げ実績がないと申請できません。賃上げ以外にも、いくつものメニューの実施が求められ、申請書類が多く、決定まで何カ月もかかります。都内42万の事業所に対し、予算枠1400社、予算額23億円は少なすぎます。このため毎年、応募した企業の多くが、途中で振り落とされます。
 昨年度、応募したのは何社で、奨励金を受けたのは何社ですか。応募から決定まで、どれぐらい日数がかかりますか。

Q3 岩手県や徳島県の賃上げ支援の奨励金は、賃上げだけが要件で、賃上げ実績1カ月で申請でき、約4週間で振り込まれるなど歓迎されています。
 都として、賃上げだけを要件とするシンプルで使い勝手のよい「中小企業の賃上げ支援奨励金」を創設し、たとえば賃上げ1人10万円で1社あたり200万円、1万社を対象に予算額200億円規模で実施することを提案します。
 知事、「中小企業の賃上げを徹底支援」と公約したのですから、ぜひ踏み出すべきです。答弁を求めます。

Q4 東京都が契約する公共工事や委託事業で働く人の賃上げも、都の努力でできることです。
 都が、こうした労働者に対し、「生活に必要なものを賄うことのできる水準の賃金」を支払うことを事業者に「推奨」する指針を策定したことは重要です。
 対象となる2万社の約9割を占める中小企業の賃上げに、大きな波及効果があります。しかし、この賃金の目安は示していません。
 連合や全労連は、それぞれ独自の方法で、労働者が最低限の生活をするために必要な賃金を試算しています。
 これらも参考に、都の指針が推奨する賃金の目安を示すことが必要ではありませんか。
 同時に、たんなる推奨ではなく義務化すること、さらに都道府県では全国初となる「賃金条項をもつ公契約条例」の制定に踏み出すことを求めます。

5 福祉の充実について

Q1 国民健康保険の保険料が高すぎると、悲鳴の声があがっています。

 国保料・国保税の負担軽減は、物価高騰の下で、手元に残り使えるお金を増やすためにも重要です。子どもの均等割をゼロ円にすることは、子育て支援に大きな効果があります。都の判断でできることであり、実施すべきです。知事いかがですか。

Q2 知事が公約した保育料の第一子無償化は、速やかに実施すべきですが、いかがですか。公立・私立とも、都が全額支援することが必要です。知事の答弁を求めます。

 子どもや障害者の医療費無料化も重要です。

Q3 子どもの医療費助成は、23区では、18歳までのすべての子どもが無料化されましたが、多摩地域では所得制限や一部負担金が残っている自治体が少なくありません。
 そのため市長会は、7月から3度にわたり知事に要望を出し、高校生等医療費助成への継続的な財政支援、子どもの医療費助成の所得制限や一部負担金の撤廃を求めています。この要望に応えるべきです。知事いかがですか。

 先日、都議会内で行われた、障害者医療費負担軽減を求めるシンポジウムでは、医療費3割負担のため、工賃が少なくて医療費を払えない、行くべき診療科に行けないなど、当事者や家族から胸がつまる切実な状況が語られました。
 中度・軽度の障害者の医療費負担軽減へ、踏み出すべきです。

Q4 知事は、障害児の家庭への支援の拡充を公約しました。
 障害児の保護者は、親亡きあとを心配し、一日でも長生きしなければと、わが子が何歳になっても支え続けています。この日本社会の現実を変えなければなりません。
 障害をもつ方々の生きがいある人生と、その家族の安心できる生活の大事さについて、知事はどう認識していますか。

Q5 医療を受けられない人を出さないために、無料低額診療を行う医療機関を増やすことも大事です。都立病院で実施することを求めますが、いかがですか。

 かつて東京都の高齢者福祉は全国一でした。それが石原都政のもとで福祉切り捨ての標的にされ、大後退したままです。

Q6 小池都政の8年間で都税収入が1兆円増え、高齢者人口も増えました。
 ところが、高齢社会に対応し、物価高騰や医療・介護の費用負担、低年金に苦しむ高齢者の暮らしを支える予算は、ほとんど増えていません。
 子育て支援で、018サポートや学校給食費無償化などに踏み出したような、思い切った施策を行い、予算も2倍、3倍に増やすことを求めます。知事いかがですか。

Q7 若い世代にとって、高齢者は将来の自分たちの姿です。高齢者が低年金や重い医療費、介護の負担に苦しむ中で、若い世代が「未来は明るい」という希望をもつことはできません。知事はどう考えていますか。

Q8 知事は、「シルバーパスの改善」「多摩モノレールをシルバーパスの対象に」と公約しました。
 多くの高齢者福祉事業の中でもシルバーパスは、都民の中に定着し、期待され、社会参加を促進する役割を果たしていることを、知事はどう受け止めていますか。その役割をさらに充実・発展させる方向で、公約を一日も早く実現すべきです。いかがですか。

 シルバーパスは、全面無料または一律1000円などに費用負担を軽減すること、多摩モノレールはもちろん、都県境のバス路線や、コミュニティバスなどにも対象を広げることを求めます。

6 住宅政策について

 家賃の高騰も深刻です。
 都の政策によって都内各地で進む再開発で、土地の値段が上がり、東京は富裕層しか住めないまちになりつつあります。都の責任は重いものがあります。

Q1 「家賃が上がった」「高すぎる」など、切実な声がよせられています。
 報道によれば、23区内のファミリー向け物件の平均家賃は、昨年にくらべて月額3万2千円上昇し、21万円を超えました。シングル向け物件も、初めて10万円を超えています。
 国の研究所によれば、日本はヨーロッパ諸国にくらべて、住宅手当や家賃補助への財政支援がきわめて少ないことが明らかです。住宅手当や家賃補助に本格的に取り組むことを、国に求めるべきではありませんか。
 また、最も家賃が高い東京で、住宅困窮世帯や子育て世帯、若者や高齢者、シングル女性などへの家賃補助に、都として踏み出すべきです。知事いかがですか。

Q2 知事が公約した「子育て世帯への家賃負担の軽減」「手頃な価格の『アフォーダブル住宅』」の進ちょく状況を伺います。

 都営住宅の増設も重要です。

Q3 日本共産党都議団は、都営住宅で増えている「空き住戸」を、早く募集に回すことを求めてきました。
 2023年度までの3年間に、年4回の定期募集と毎月募集の戸数が35%増えたことは大事な前進です。さらに取り組みを強めることを求めますが、いかがですか。

Q4 昨年度、都営住宅の年4回の定期募集、及び毎月募集に申し込んだ人は、延べ13万6千人もいます。ところが募集戸数は、年間1万7千戸しかありません。都営住宅が不足しているのは明らかではありませんか。
 都営住宅の戸数を増やさないという都の方針を、改めることが必要です。

Q5 新規建設の再開と、建て替えによる増設、公社住宅などを活用した「借り上げ都営住宅」を組み合わせて、今後十年間に十万戸を増設する緊急事業の実施を提案します。知事の見解を伺います。

7 都市政策について

 第二のチェンジは、財界ファーストの「まち壊し」から、住民参加の持続可能な「まちづくり」への転換です。

 樹木を伐採して超高層ビルを建てる神宮外苑再開発は、財界ファーストで都民の声を聞かない、小池都政の歪みの象徴です。
 百年の歴史を重ねた風格ある都市公園までもが、財界の目先の利益のために開発の対象にされ、自然、文化、景観が壊されようとしています。 東京都は、三井不動産などによる開発に、歯止めをかけるどころか、神宮外苑に超高層ビルを建てることができるよう規制緩和するなど、破格のサービスをしてきました。
 周辺住民や多くの専門家、文化人などの反対の声に耳を貸さず進めていることも大問題です。

Q1 外苑再開発は、複数の世論調査で都民の7割が反対しています。
 にもかかわらず樹木の伐採が始まり、無残な姿となっています。伐採の様子から目をそらすまいと、多くの都民が連日現場に駆けつけています。 知事は、都民の理解と共感が必要だと繰り返してきました。都民の理解と共感が得られたと判断したのですか。

 事業者は、伐採本数を減らして移植に変える見直しを行いましたが、この移植にも大きな問題があることが明らかになっています。

Q2 わが党は11月末、樹木の専門家である藤井英二郎・千葉大名誉教授とともに、移植先となる現場を視察しました。
 藤井氏は樹木がすでに過密で、移植された樹木も、既存の樹木の根も、痛めていると指摘しました。
 ただちに伐採・移植工事を中止し、専門家の意見を聴く必要があります。知事いかがですか。

Q3 日本共産党都議団の調査で、外苑再開発は、自民党の萩生田光一氏や森喜朗氏と都の幹部が、五輪の利権目当てに秘かに進めたこと、そこに三井不動産も早くから深くかかわってきたことが分かっています。
 都政をめぐる「政・官・財」の癒着の産物であることを、知事はどう認識していますか。それなのに知事が外苑再開発を止めないのは、三井不動産にパーティー券を買ってもらっているからでしょうか。

 時代遅れの大型道路最優先の政策からの転換も必要です。

 ヨーロッパなどの先進都市は、自動車交通を大胆に抑制して、公共交通を優先し、既存の道路を上手に使う方向に転換しています。東京都の道路政策は何十年も遅れています。

Q4 都市計画道路の第5次事業化計画の検討が始まりましたが、第4次計画の期間中、廃止や見直しをした路線、総距離と、未整備路線全体に占める割合を示して下さい。

 日本共産党都議団が、住民合意のない都市計画道路の見直しを厳しく求める中で、小池知事は  2018年8月、わが党の代表質問に初めて「見直すべきは大胆に見直す」と答弁しました。

Q5 知事は、「見直すべきは大胆に見直す一方で、地元の理解と協力を得ながら、必要な都市計画道路を着実に整備する」と答弁しました。住民の理解が得られなければ見直すべきです。
 すでに、東京の自動車交通量は減り続けています。改めて、「見直すべきは大胆に見直す」立場にたつことを求めますが、知事いかがですか。

 都の事業化計画は、住民が反対して進まない都市計画道路を、優先整備路線に指定して推進するためにつくられました。

Q6 全国各地の都市計画道路の整備計画では、道路の必要性の検証として、成熟した街並みや自然環境、コミュニティを壊すような道路は見直しの対象にしています。
 都の第5次事業化計画は、必要性の検証に住環境保護を追加し、住民意見を取り入れるなど、住民合意のない都市計画道路を大胆に見直すための計画にすべきです。答弁を求めます。

Q7 都内各地でバス路線の減便・廃止など、地域公共交通の危機が広がっています。知事が所信表明で、この問題にふれたことは重要です。しかし都の姿勢は、区市町村の取り組みを支援するというものに留まっています。東京都が広域自治体として、より主体的に取り組むことが必要です。知事の認識を伺います。

Q8 都は2022年3月に「東京都における地域公共交通の基本方針」をつくりました。今日の危機打開に向けて、東京都の責務・役割をより明確にした「東京都地域公共交通基本計画」をつくることを提案します。いかがですか。

8 気候変動対策について

 気候変動対策は待ったなしです。

Q1 昨年のCOP28を受け、各国で2035年までの温室効果ガス削減目標を新たに決める議論が行われています。
カギを握るのは、化石燃料からの脱却です。ところがCOP29でスピーチした小池知事は、化石燃料からの脱却に一切ふれませんでした。知事はなぜ、化石燃料から脱却すると言えないのですか。

 知事は、都内の温室効果ガス年間排出量を2030年までに、2000年比で半減させる目標を掲げています。しかし直近の到達で、4・4%しか減っていません。化石燃料への姿勢を含め、世界から大きく立ち遅れています。

Q2 2035年目標は、どのように検討するのですか。

 日本共産党都議団は、吉良よし子参院議員とともに、2030年までに60%削減を目標とする実行プランを提言しています。今ある技術を最大限活用することで実現可能です。さらに、2035年に向けたバージョンアップを検討していきます。

 日本共産党都議団は、賃貸住宅の断熱性能を向上させる重要性を訴え、家主が取り組める断熱補助の拡充を求めてきました。
 環境局が、賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業を予算要求したのは重要です。

Q3 知事は、気候変動対策として、賃貸住宅の断熱対策の意義を、どう認識していますか。今後どう取り組むのですか。

Q4 中小企業が省エネに取り組むための都の相談窓口は、順番待ちの状態です。一方、私たちの調査で、区市町村の相談体制は十分整備されていないことが分かりました。
 都の補助も十分に行き渡っていません。区市町村の体制整備への支援の強化を提案します。いかがですか。

9 防災対策について

 第三のチェンジは、命と健康を守り抜く都政への転換です。

 災害から都民を守ることは、東京都の責務です。石原都政以来続く、自己責任優先の防災対策から抜け出すことが必要です。

Q1 能登半島地震では、災害関連死が地震による直接死を上回る事態となっています。避難所の質を向上させるため、「スフィア基準」を指針に、トイレ、キッチン、ベッドを48時間以内に準備することを、私たちは提案してきました。
 年度内に取りまとめる、新たな運営指針の水準に都内の避難所の質を引き上げることができるよう、区市町村への財政支援を求めます。知事いかがですか。

Q2 トイレトレーラー、キッチンカー、ランドリーカーなどが災害時に役割を果たしたことが、能登半島地震の大事な教訓のひとつです。
 トイレトレーラーは、トイレ不足が深刻な東京港や、イベント時など平時から利用することも含め、都として保有することを提案します。また区市町村への支援も必要です。見解を伺います。

Q3 木造住宅の耐震改修、地震の際の火災を防ぐ感震ブレーカーの設置支援を強化すべきではありませんか。

10 PFAS汚染対策について

 PFAS汚染対策について、知事は今回も所信表明でふれませんでした。

Q1 横田基地の消火訓練エリアから8月末、PFOSの汚染水が約4万7千リットル流出し、施設外へ出た蓋然性が高いと、米側から初めて通報がありました。
 都と市町連絡協議会は11月、「現地で直接説明するよう」国と米軍に要請しています。これは「横田基地への立ち入り調査」を求めたということですか。

Q2 都と市町連絡協議会は、「国の責任において、地下水等への影響について調査・分析・評価を行い、その結果を公表するとともに必要な対応を行うこと」を国に要請しています。
 地下水等の中には、土壌調査や血液検査も含まれるのですか。

Q3 環境省が、改定した自治体向け「対応の手引き」で、「疫学研究を行う上で血液検査を行うことも考えられる」と明記したことは重要です。知事は、どう受け止めていますか。
 血液検査を含めた疫学研究を、都として行うことを求めます。

Q4 市長会は、都の来年度予算編成に対する最重点要望として、「有機フッ素化合物による汚染実態に係る原因究明、対策及び調査結果の共有を行うとともに、市の調査・対応策等に対し財政支援を図ること」を求めています。

 この要望を、知事はどう受け止めていますか。新年度予算で拡充すべきです。答弁を求めます。

11 新型コロナ対策について

Q1 新型コロナの感染は、この冬にまた広がる心配があり、十分な警戒が必要です。福祉施設の職員の検査への支援、治療薬の自己負担軽減、後遺症相談窓口の設置を求めますが、いかがですか。

12 子どもの権利、学ぶ権利について

 第四のチェンジは、人権と平和を大事にする都政への転換です。

 都の教育行政による子どもたちの権利の侵害は、深刻の度を深めています。

 中学3年生の英語スピーキングテストが11月24日に実施されました。都立高校入試に活用予定ですが、市民団体と都議会の英スピ議連が行ったアンケート調査により、試験運営がこれまで以上にずさんで、生徒が多大な被害を受けたことが判明しました。

Q1 都教委は、一部の会場で試験終了時刻が遅れたことのみ発表しました。

 実際には遅れただけでなく、何十人もの生徒が待たされたあげく、当日受験できなかったなどの状況が、複数の学校で生じています。重大なこの事態を、なぜ公表しないのですか。

Q2 大量のタブレットが不具合を起こしたある会場では、他の生徒の解答する声が丸聞こえの状態で待機させられ、その後同じ試験を受けさせられた生徒もいます。
 別の会場では、生徒たちがヘッドセットを着ける前に試験監督がスタートと言い、あわてて着けて始めたため、開始がバラバラになり、先に解答した生徒の声が聞こえてしまうことも起きています。
 ヘッドセットの防音性も改善されておらず、装着していても「まわりの生徒が何を言っているのかわかった」という生徒は、回答者の42%、69人にのぼりました。
 入試に使うのは不公平だと、生徒自身が言っています。これを、見て見ぬふりで入試に活用してよいのですか。

Q3 タブレットもヘッドセットも、また試験監督も、入試活用に求められる水準が確保できていないことは明らかです。
 ブリティッシュカウンシルの契約違反です。契約解除すべきではありませんか。
 都教委は「テストは適切に行われた」と繰り返していますが、いつまで子どもたちに被害を負わせるのですか。
この期に及んで隠ぺいを続け、不公平な結果の入試活用を強行することは許されません。

Q4 知事が責任をもって、客観的事実と原因を詳細に調査して公表し、生徒や保護者、都民に謝罪すべきです。
 そして英語スピーキングテストは、今度こそきっぱり中止すべきです。答弁を求めます。

 特別支援学校の教育環境も深刻です。

Q5 知事は所信表明で、特別支援教育の次期計画にふれましたが、ひとつの教室をカーテンで仕切って2学級で使うなど、教室不足、施設不足が深刻なのに改善が進まない現状を、ご存知ですか。
 今の計画は、学校の新設も増改築の計画も示さないまま、結局3年間、何も進まず、ついに次期計画策定を迎えてしまいました。
 しかも、計画策定に向けた議論では、教室の広さの基準を引き下げる、学校を高層化して乗り切るなど、劣悪な教育環境を固定化するような検討がされています。知事は、どう考えているのですか。
 これが知事の言う、チルドレンファーストですか。

Q6 子どもたちが詰め込まれている現状に合わせて基準を引き下げるのではなく、都有地を活用して、また適切な都有地がなければ購入して、学習環境を整備することこそ、知事の仕事ではありませんか。

Q7 都内公立小中学校の不登校が増え続け、昨年度も過去最多を更新し、3万人を超えています。中学校では13人に1人が不登校です。一方、教員不足も、ますます深刻になっています。
 子どもたちが行きたくなる学校に、若者が先生になりたくなる学校にしていくことが大事だと思いますが、知事の認識を伺います。

Q8 子どもの発達科学研究所が国の委託事業として行った調査で、児童生徒の回答から、先生との関係や画一的な学校の決まりが不登校リスクを高める要因になっていることが指摘されています。どう受け止めていますか。
 学級規模を小さくして、きめ細かな教育ができるようにすること、ゆとりがあり、自由にのびのび学べて、先生たちも豊かに専門性を発揮できる学校づくりが重要です。

Q9 中学校長会は、中学1年生への加配では、「きめ細かく対応できている」「教員に精神的なゆとりが生まれてきている」などの効果があり、中学校全学年での35人学級の早期実現を求めています。知事の公約でもあり応えるべきです。知事いかがですか
 小学校では来年度、全学年が35人学級となります。今後さらに、30人学級に踏み出すことを求めます。

Q10 学ぶ権利を保障するために、高等教育の無償化は大事な課題です。
 ところが政府が、国立、私立とも予算を減らしてきたため、大学の学費値上げが相次いでいます。
 知事、都が今年度から都立大の授業料を都民は無償としたことにも逆行する、深刻な問題だと思いますが、認識を伺います。

Q11 大学が集中する首都東京の知事として、学費値上げを止めるよう国に求めるべきではありませんか。

Q12 高学費と物価高騰で、学生の8割がアルバイトをしています。3人に1人が奨学金を借りており、卒業後に数百万円の借金を背負います。知事が公約した「給付型奨学金」の早期実現が必要です。いかがですか。

Q13 学生は行動範囲が広く、交通費の負担軽減も重要です。都として、学生向け割引フリーパスの創設などに踏み出すことを提案します。答弁を求めます。

13 ジェンダー平等について

 日本のジェンダー平等は、世界から大きく立ち遅れています。

Q1 国連女性差別撤廃委員会が、8年ぶりに日本の審査を行い、男女賃金格差、ジェンダーに基づくあらゆる暴力の根絶、緊急避妊薬など安全な中絶へのアクセス改善などを勧告しました。
 また初めて、米軍関係者による性暴力への対応を勧告しました。
 知事は、これらの勧告をどう受け止めますか。本気でジェンダー平等を進めることが必要です。答弁を求めます。

Q2 選択的夫婦別姓の早期導入を求める勧告は4回目です。国連は「これまでの勧告に対し何らの行動もとられていない」と厳しく指摘しました。知事は、早期導入の必要性をどう考えていますか。

Q3 また国内で救済されなかった差別を、直接国連に個人通報できる「選択議定書」の批准は、女性差別撤廃条約に効力をもたせるために不可欠です。知事、国に求めるべきではありませんか。
 結婚するかしないかは一人一人の選択ですが、同性パートナーは結婚を選択できません。結婚の自由をすべての人に保障することが必要です。

Q4 札幌高裁に続き東京高裁は、同性が婚姻できないのは差別的であり、憲法が定める「法の下の平等」などに違反すると断じました。どう受け止めていますか。同性婚の実現を国に求めるべきです。答弁を求めます。

14 基地対策、平和事業について

Q1 米軍の準機関紙「星条旗」は、横田基地におかれている在日米軍司令部を、都心部に移転する案が検討されていると報道しました。港区六本木の米陸軍基地・赤坂プレスセンターが想定されているとしています。知事は、このことをご存じですか。

Q2 赤坂プレスセンターは敷地が狭く、司令部の移転には、隣接する都立青山公園の接収など基地の拡充が避けられません。ヘリの運用が拡大する危険もあります。
 そもそも、赤坂プレスセンターは全面返還が東京都の方針です。米軍司令部の移転などとんでもありません。早急に全面返還を求めるべきです。知事の答弁を求めます。

Q3 横田基地や大和田通信基地をはじめ、都内米軍基地の整理、縮小、返還を、どう進めるのですか
 世界で緊張が高まっているからこそ、ミサイル攻撃に備えるシェルター整備ではなく、憲法を生かして平和を守り抜く努力が必要です。

Q4 来年は東京大空襲80年・被爆80年です。

 1944年11月から始まった都内の市街地への無差別爆撃は、終戦までの十カ月間で百回を超えています。 亡くなった方は確認されただけで約十万人、被災した都民は3百万人に及びます。
 多摩地域も、ゼロ戦を製造していた中島飛行機武蔵製作所などが標的とされました。下町を焼きつくし、最大の被害となったのが1945年3月10日の東京大空襲です。
 歴史を掘り起こし、風化させず、語り伝えていくことが重要です。知事の認識を伺います。

 都民の努力が実り、178人分の証言映像が編集されました。

Q5 都は昨年から、証言映像や戦災資料をデジタル化し、公開を進めています。空襲資料展の規模拡大や常時視聴できるシステムの構築、学校や自治体での活用など行うべきです。答弁を求めます。

Q6 東京大空襲80年を機に、平和発信や学習の拠点となる、平和祈念館の建設に踏み出すべきです。平和の日の企画検討委員会で議論を始めることを提案します。知事いかがですか。

 東京から始まった無差別爆撃は全国の都市に広がり、広島・長崎への原爆投下につながりました。

Q7 凄惨をきわめた体験を語り伝え、核廃絶の世論を広げてきた日本被団協に、ノーベル平和賞が贈られました。
 核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使われてはならないことを証言によって示してきたことが評価されました。
 知事は、日本被団協のノーベル平和賞受賞の意義を、どう受け止めていますか。

Q8 核兵器禁止条約に賛同し、政府に批准を求めるべきです。知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。

【答弁】

○知事(小池百合子君) 原のり子議員の代表質問にお答えいたします。
 先般の選挙についてのお尋ねがございました。
 東京の明るい未来を実現することこそ、都知事に課せられた使命でございます。これまでも、そしてこれからも、都政を円滑に前に進めるため、ご協力いただいている方々と力を合わせてまいります。
 次に、政治姿勢に関する二つの質問、まとめてお答えいたします。
 政治資金につきましては、法に基づき適切に対応すべきことであることはいうまでもございません。その法の在り方につきましては、国会において、まさに議論がなされていること、ご承知のとおりでございます。
 重要なことは、現場の最前線で活躍する企業や団体と、しがらみのない政治活動を行うことでございまして、私自身、こうした考えの下、都政に邁進してきたこと、これまで何度もお伝えをしてきたとおりでございます。
 国保、国民健康保険料の負担軽減についてのお尋ねがございました。
 国民健康保険は、法に基づく全国統一の制度でございまして、子供の均等割保険料を含めまして、その制度上の課題は、国が責任を持って対応すべきものでございます。
 次に、保育料の無償化についてでございます。
 都は、保育料の第一子の無償化につきまして、令和七年九月からの開始を目指す、また、第二子無償化と同様の内容を念頭に検討することといたしております。
 エネルギー政策でございますが、電源構成などのエネルギー政策の在り方につきましては、国レベルで議論、検討がなされるべきでございます。
 都といたしましては、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年ゼロエミッションの実現に向けまして、今後とも、より一層の省エネ対策、そして再生可能エネルギーの利用拡大を図ってまいります。
 中学校におけます学級についてでございます。
 全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育を実現するため、教育環境の整備は重要でございます。
 ジェンダー平等についてのお尋ねがございました。
 全ての都民が性別にかかわりなく、個人として尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりは重要でございます。
 そのため、都は、働く場におけます平等や、男女間の暴力の根絶などに向けまして、様々な施策を展開いたしております。
 誰もが自らの希望に応じた生き方を選択できる社会を実現するため、引き続き取り組んでまいります。
 次に、歴史を語り継いでいくことにつきましてでございますが、戦争の記憶を風化させることなく、次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要でございます。
 そのため、都は、東京都平和の日条例を制定いたしまして、三月十日の記念式典をはじめ、東京空襲資料展などを実施しているところでございます。
 引き続き、平和の大切さを次の世代へと伝えてまいります。
 そして、最後に、核廃絶に関する二つの質問、まとめてお答えをいたします。
 原爆の記憶を人類共通の記憶として次世代に語り継いでいくことは、今を生きる私たちの重要な使命でございます。ノーベル平和賞の受賞は、そうした取組を後押しするものだと考えます。
 核廃絶に向けました取組でございますが、国の安全保障に関わる問題でございます。
 我が国は、一九九四年以降、毎年、核兵器のない世界に向けた決議案を国連に提出するなど、国際社会において核廃絶への取組を続けております。
 核の脅威に対する都民、国民の不安を踏まえまして、国にしっかりと対応していただきたいと考えます。
 なお、その他の質問につきましては、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長坂本雅彦君登壇〕

教育長(坂本雅彦君) 八点のご質問にお答えをいたします。
 まず、スピーキングテストの実施状況についてでございますが、スピーキングテストを実施した事業者及び配置した都職員や区市町村教育委員会からの報告等によれば、試験は適切に実施をされております。
 次に、スピーキングテストの結果の活用についてでございますが、試験は適切に実施をされており、引き続き、都立高校入試において、スピーキングテストの結果を活用してまいります。
 次に、スピーキングテストの運営についてでございますが、スピーキングテストを実施した事業者及び配置した都職員や区市町村教育委員会からの報告等によれば、試験は適切に実施をされております。
 次に、スピーキングテストの実施についてでございますが、試験は適切に実施をされており、学校における様々な指導と、その学習成果を確認するスピーキングテストの双方を実施することが生徒の英語力を伸ばすことにつながります。そのため、引き続きスピーキングテストを実施してまいります。
 次に、特別支援学校の施設整備についてでございますが、都教育委員会は、特別支援学校における良好な教育環境を確保し、子供たちが安心して通えるよう、引き続き、計画的に必要な教室の確保に取り組んでまいります。
 次に、特別支援学校の整備の用地についてでございますが、都教育委員会は、特別支援学校の施設整備について、必要な用地を選定して取組を進めております。
 次に、子供や教員志望者にとって望ましい学校についてでございますが、都教育委員会は、子供が充実感を持って、安心して学べる学校づくりを推進しております。
 また、教員の業務の負担軽減等により、子供たちと向き合う時間を多く確保し、教職の魅力向上に取り組んでおります。
 最後に、子供の不登校についてでございますが、公立小中学校において不登校となる要因や背景は、複雑化、多様化しております。
   〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

東京都技監(谷崎馨一君) 十四点のご質問にお答えいたします。
 まず、神宮外苑における都民の理解と共感についてでございます。
 神宮外苑のまちづくりは、明治神宮などの民間事業者が自らの所有地において実施するものでございます。まちづくりを進めるに当たっては、多くの都民の理解と共感を得ることが重要であり、都はこれまでも、事業者に対し、分かりやすい情報発信や既存樹木の保全などに取り組むよう、再三にわたり求めております。
 次に、神宮外苑再開発についてでございます。
 神宮外苑のまちづくりは、明治神宮などの民間事業者が自らの所有地において実施するものであり、都は、都市計画や再開発事業の認可などについて、法令に基づき適切に対応しているところでございます。
 次に、都市計画道路の見直しについてでございます。
 第四次事業化計画の期間中に廃止や見直しを行った路線は二十七路線、約十三キロメートルでございます。未着手の都市計画道路に占める割合は約二%であり、見直し等を位置づけた路線約十七キロメートルに対しては、約七割の手続が完了しております。
 次に、都市計画道路についてでございます。
 人口減少の時代にあっても、活力とゆとりのある高度成熟都市を実現させるには、広域的な交流、連携や災害に強い都市づくり、個性を生かした魅力あるまちづくりなどを支える道路ネットワークの充実が不可欠でございます。
 都はこれまでも、事業化計画などに基づき、都市計画道路の整備を計画的、効率的に進めるとともに、見直しについても適宜実施しており、引き続き、必要な都市計画道路を着実に整備してまいります。
 次に、都市計画道路の今後の計画についてでございます。
 都市計画道路は、交通、物流機能の向上による経済の活性化のみならず、日々の生活を支え、災害時には救急救援活動を担う重要な都市基盤でございます。
 第四次事業化計画の計画期間が令和七年度末までであることから、十月に、学識経験者による委員会や、都と区市町による検討会を設置したところであり、新たな整備方針の策定に向け、検討を進めてまいります。
 次に、バス路線の減便、廃止についてでございます。
 バス交通については、二〇二四年問題等に起因して運転士不足が深刻化し、事業を取り巻く環境が厳しさを増しております。
 都は引き続き、地域公共交通に関わる区市町村の主体的な取組を支援するとともに、バス交通に関わる課題についても、事業者が参画する連絡会議において連携するなど、広域的な立場から総合的に取り組んでまいります。
 次に、地域公共交通における都の役割等についてでございます。
 地域公共交通は、地域に精通する区市町村が主体となり、交通事業者の創意工夫の下、多様な関係者が参画し、それぞれの役割を果たしていくことが重要でございます。
 都は、広域自治体の立場から、地域公共交通の基本方針に基づき、区市町村が地域の交通課題の解決に取り組めるよう支援してまいります。
 次に、木造住宅の耐震改修への支援についてでございます。
 耐震化を促進するためには、所有者が自らの問題として認識し、備えることが不可欠でございます。これまでも、戸建て住宅等の耐震化の実態や区市町村の意見等を踏まえて必要な見直しを実施しており、今年度も耐震改修等の補助限度額を引き上げております。
 次に、横田基地に関わる説明に関する要請についてでございます。
 これまでの国からの回答において、基地内における漏出の状況が詳細に示されていなかったことなどから、現地で直接説明するよう、国と米軍に要請いたしました。
 次に、横田基地に係る地下水等に関する要請についてでございます。
 国の責任において、基地内で発生したPFOS等漏出に関わる地下水等への影響について調査、分析、評価を行い、その結果を公表するとともに、必要な対応を行うことを国に要請したものでございます。
 次に、学生の交通費負担軽減についてでございます。
 運賃は、国の認可の下、事業者が設定しており、割引については、経営状況等に応じた事業者の判断でございます。
 次に、在日米軍司令部の都心部への移転案についてでございます。
 国からは、現時点で何ら決まっていることはないと聞いております。
 次に、赤坂プレスセンターの返還についてでございます。
 都はこれまでも、国への提案要求等を通じて、直ちに返還されるよう、必要な措置を講ずることを求めております。
 最後に、都内米軍基地の整理、縮小、返還についてでございます。
 都は、都民の生活環境を改善し、地域のまちづくりを推進する観点から、基地返還の可能性が検討され、整理、縮小、返還が促進されるよう、これまでも国に対し提案要求を行っており、引き続き国に要請してまいります。
   〔港湾局長松川桂子君登壇〕

港湾局長(松川桂子君) 二点のご質問についてお答えいたします。
 まず、噴水の整備についてでございます。
 都は、都全体としての魅力と活力を高めるため、多様な施策を展開しており、臨海副都心におきましても、積極的ににぎわいの創出に取り組んでおります。
 噴水の整備に関しましては、令和四年十二月に港湾局として方針を決定し、翌年一月に知事に対して報告を行いました。
 次に、噴水の規模についてでございますが、港湾局におきまして、外部委託を活用しつつ、海外の様々な事例等も参考にしながら検討を行い、令和六年九月に、臨海副都心の新たなランドマークにふさわしい噴水の整備案を決定し、発表いたしました。
   〔福祉局長山口真君登壇〕

福祉局長(山口真君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、都民の暮らしについてでございますが、都はこれまでも、様々な機会を通じまして、生活に困窮されている方の状況を把握しており、生活困窮者などに食料を提供し、適切な支援につなげるフードパントリーへの支援を行うほか、低所得世帯の生活を支援する様々な事業を実施しております。
 次に、子供の医療費助成についてでございますが、都は、区市町村が実施する子供の医療費助成事業に対しまして、一定の基準の下で補助しており、全ての子供の健全な育ちを図るため、来年十月からの所得制限撤廃を目指し、区市町村と協議をしております。
 次に、障害者やその家族への支援についてでございますが、都は、障害者やその家族が希望する地域で必要なサービスを利用しながら安心して暮らせるよう、グループホームの整備や就労支援など様々な施策に取り組んでおります。
 次に、高齢者への支援についてでございますが、都は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、介護予防、フレイル予防の取組や、社会参加を促進する取組、認知症高齢者への支援策に加え、介護人材の確保をはじめとした介護基盤の充実など様々な取組を実施しておりまして、必要な予算額を計上しております。
 次に、高齢者についてでございますが、都は、高齢者が生き生きと心豊かに、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、東京都高齢者保健福祉計画に基づき、様々な施策を実施しております。
 最後に、シルバーパスについてでございますが、現行制度導入以降の変化を踏まえまして、アクティブな長寿社会の実現を目指し、高齢者施策全体を総合的に議論する中で、利用実態を把握しながら検討することとしております。
   〔産業労働局長田中慎一君登壇〕

産業労働局長(田中慎一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、畜産農家への支援についてでございます。
 都内の畜産農家の厳しい経営環境を踏まえ、コスト削減や生産効率の向上を支援することは重要であり、都は、畜産農家に対し、飼料となる国産の牧草の購入や、生産性を高める設備導入への支援等を引き続き行ってまいります。
 賃金の引上げについてでございます。
 職場で働く方が安心して生活できる環境を整えるため、物価上昇を上回る賃上げ等を後押しすることは重要でございます。
 都は、労働者の処遇改善に向けた中小企業の様々な取組につきまして、経営や職場づくりの面から、引き続き推進してまいります。
 魅力ある職場づくり推進奨励金についてでございます。
 都は、専門家の助言に基づき、働き方改革に併せ、賃上げを行う会社に奨励金を支給する事業を実施しております。
 令和五年度は、十回の募集で延べ五千六百九十五社が応募し、約一千社へ専門家派遣を行い、百五十九社に支給いたしました。
 支給に当たりましては、各企業が専門家の助言を踏まえて取り組んだ多様な勤務制度の導入や賃上げの持続的な実施などの状況を確認しておりまして、応募からおおむね一年から一年半程度要したものでございます。
 最後に、賃上げに係る奨励金についてでございます。
 都は、中小企業が働きがいや生産性の向上などにより、従業員の賃金の持続的な引上げができるよう、働き方改革などの取組に併せて賃上げを行う場合に奨励金を支給しております。
 また、そうした取組への専門家の助言や、賃上げを実現した実例の紹介を行っております。
 引き続き、これらの多面的な支援を実施してまいります。
   〔財務局長山下聡君登壇〕

○財務局長(山下聡君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、財政運営についてでございますが、都はこれまでも、都民生活や東京の経済を守るため、セーフティーネット支援などの取組を継続的に実施しており、本年九月の補正予算においても、長引く物価高騰の影響に対処するため、家計負担の軽減や中小事業者への支援など、対策の強化を図ってまいりました。
 引き続き、持続可能な財政運営にも配慮しながら、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。
 次に、東京都社会的責任調達指針についてでございますが、推奨的事項は、持続可能性に関する国際的な合意等を尊重し、法令上の義務を超えた取組として示しており、生活に必要なものを賄うことのできる水準の賃金、報酬につきましては、その一事項でございます。
 なお、推奨的事項につきましては、企業等によって様々な取組内容が想定されますことから、指針におきましては具体的な指標等は設定しておりません。
   〔保健医療局長雲田孝司君登壇〕

保健医療局長(雲田孝司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立病院での無料低額診療についてでございますが、無料低額診療事業は、社会福祉法に基づく社会福祉事業として位置づけられており、都立病院における実施につきましては、都立病院の役割や、地域医療機関との医療連携の在り方、機能分担など課題があると認識しております。
 なお、生計困難者等の診療に際しましては、患者・地域サポートセンターを中心に、医療費支払いに関する相談などに対応しております。
 次に、PFOS等に関する国の手引についてでございますが、今般改定された手引には、参考として住民の健康調査について記載があり、現時点での知見では、どの程度の血中濃度でどのような健康影響が個人に生じるか明らかとなっておらず、血液検査の結果のみをもって、健康影響を把握することは困難であるとされております。
 なお、この手引には、疫学研究を行う上で、血液検査を行う際に必要な事項として、研究者の適切な関与の下、医学研究に関する倫理指針を遵守することや、科学的に評価可能な方法で実施する必要があることなどが記載されておりますが、その詳細については示されておりません。
 最後に、新型コロナ対策についてでございますが、本年四月にコロナ対応が通常の体制に移行した後も、都は、施設などへの感染対策支援チームの派遣や、後遺症対応医療機関マップの公開など、必要な取組を継続しております。
 また、本年十月に開始されたワクチンの定期接種につきまして、初めて自己負担が生じますことから、都独自の自己負担軽減策を実施するとともに、この冬の感染拡大に備え、感染症対策連絡会議などを通じて、都民に基本的な感染予防策を呼びかけております。
   〔住宅政策本部長小笠原雄一君登壇〕

住宅政策本部長(小笠原雄一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、家賃補助制度についてでございますが、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識しております。
 次に、都営住宅の募集についてでございますが、都は、年四回の定期募集に加えまして、令和四年度から毎月募集で子育て世帯等の専用枠の募集の拡大などの方策を講じ、募集戸数を増やすよう取り組んできております。
 次に、都営住宅の供給量についてでございますが、住宅ストック全体が量的に充足している中で、今後、人口が減少する見込みであることから、都営住宅は現在のストックを最大限に活用し、引き続き、住宅セーフティーネットの中核としての機能を果たしてまいります。
 最後に、都営住宅の供給の方法についてでございますが、住宅ストックが量的に充足している中で、人口が減少する見込みであることから、既存ストックの有効活用を図り、計画的な建て替えを進めております。
   〔政策企画局長佐藤章君登壇〕

政策企画局長(佐藤章君) 二点の質問にお答えいたします。
 まず、住宅政策についてでございますけれども、子育て世帯に係る住まいや、手頃な価格で住める住宅につきましては、副知事を筆頭とした体制により検討を進めております。
 次に、大学生の奨学金制度についてでございますが、副知事を筆頭とした体制により検討を進めております。
   〔環境局長須藤栄君登壇〕

○環境局長(須藤栄君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、樹木の移植についてでございますが、事業者は、樹木医とも相談の上、事前に移植先の状況を確認し、十分に樹木同士の離隔が確保でき、日照条件も問題のない場所を選定しているほか、移植後は、樹木医による毎年度のモニタリングを行うなどとしております。
 こうした移植計画は、環境影響評価審議会へ報告され、委員による専門的立場からの助言などをいただいております。
 次に、気候変動対策についてでございますが、都は、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇五〇年ゼロエミッションを掲げ、施策の強化拡充を図っております。
 今後も、ゼロエミッション東京を目指し、世界や日本の動向も踏まえながら、的確に対策を講じてまいります。
 次に、賃貸住宅の断熱改修についてでございますが、賃貸集合住宅特有の事情を踏まえた対策の強化が必要であり、都は、窓やドアなどの断熱改修等を支援しております。
 今後は、断熱性能の高い住宅のメリットなどの発信や、賃貸オーナーが円滑に取り組める仕組みを検討してまいります。
 次に、区市町村への省エネ、再エネ支援についてでございますが、都は、区市町村が実施する中小企業向けの専門家による省エネ診断をはじめ、省エネ、再エネ利用に資する取組を支援しております。
 最後に、PFOS等に関する市長会要望についてでございますが、都は、区市町村の意見も踏まえながら、地下水の調査を実施し、その結果を広く公表するとともに、暫定指針値を超過した地下水を飲用しない取組を徹底してまいりました。
 また、区市町村との定例的な会議などを通じて情報共有や意見交換を行っております。
 加えて、都の追加調査を補完する調査を実施する区市町村に対して、その費用の一部を負担しております。
   〔総務局長佐藤智秀君登壇〕

総務局長(佐藤智秀君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、避難所の質の向上についてのご質問でございます。
 都は、避難所でのさらなる生活環境向上に向け、新たな運営指針を年度内に取りまとめる予定であり、雑魚寝の解消、温かい食事の提供、衛生的なトイレ環境の十分な確保などについて検討しております。
 続いて、災害時におけるトイレ対策についてのご質問でございます。
 都は現在、災害時のトイレ環境の向上に向けた計画策定を進めており、年度内に取りまとめる予定でございます。災害時にトイレ確保の主体となる区市町村が適切に取り組めるよう、地域の実情に応じて必要となるトイレの量や種類などを検討しております。
 次に、感震ブレーカーの設置についてのご質問でございます。
 都は昨年度から、区市と連携し、木造住宅密集地域の対象世帯に戸別訪問を行い、希望する世帯に感震ブレーカーを配布するなど、普及啓発を行っております。出火防止対策について、引き続き適切に対応してまいります。
 最後に、同性婚についてのご質問でございます。
 同性婚については、国民的な合意が必要であり、国において議論がなされるものと認識をしております。
 なお、ご質問にあった裁判については、係属しているものと承知をしており、国の動向を注視していくこととしております。
   〔生活文化スポーツ局長古屋留美君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(古屋留美君) 六点のご質問にお答えいたします。
 初めに、高等教育の無償化についてでございますが、大学等高等教育機関における授業料の無償化は、国の責任で行うべきものでございます。国は、いわゆる高等教育の無償化の制度におきまして授業料等の負担軽減を図っており、都はこのうち、都内私立専門学校について財政負担等を行っております。
 なお、国に対し、高等教育の授業料無償化の実現を要望しているところでございます。
 次に、大学生等への支援についてでございますが、大学生等高等教育機関に通う学生への支援は、国の責任で行うべきものでございます。
 なお、都は、国に高等教育の授業料無償化の実現を要望しております。
 次に、選択的夫婦別姓についてでございますが、都は、都民に生じている不便、不都合を解消する観点から、選択的夫婦別姓制度に係る議論を早急に深め、結論を出すことを国へ提案要求しております。
 次に、女子差別撤廃条約の選択議定書についてでございますが、国の第五次男女共同参画基本計画では、選択議定書の早期締結について真剣な検討を進めると明記しておりまして、今後とも国の動向を注視してまいります。
 次に、空襲関係資料についてでございますが、今年度、空襲資料展の実施箇所を一か所増やすこととしておりまして、企画検討委員会の意見も伺いながら、資料のより広い活用方法を検討してまいります。
 最後に、平和祈念館(仮称)についてでございますが、平和祈念館(仮称)の建設につきましては、平成十一年の予算審議において、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議がなされた経緯があり、都議会での一定の審議と合意が必要であると考えております。
   〔五十五番原のり子君登壇〕

五十五番(原のり子君) まず、世界最大級の噴水について二点、再質問します。
 巨大噴水の開示された文書の中には、知事に説明や報告した資料は一つもありませんでした。ところが、二〇二三年の一月に知事に報告したと答弁がありました。記録がないのにどうして分かるのですか。お答えください。
 記録を残さず、知事に相談、報告、意向確認する場が都庁には存在しているということです。それは一体どのような場なのですか。答弁を求めます。
 次に、賃上げ支援について再質問します。
 都が中小企業の賃上げ支援のために実施している奨励金は重要です。ですが、改善すべき課題があります。答弁で、応募から支給まで一年から一年半もかかることが明らかになりました。
 働き方改革などの様々な取組と併せて賃上げを行うことを要件としているため、実施状況などの確認に時間がかかるからです。岩手県や徳島県のように賃上げだけを要件にして、応募から四週間以内ぐらいの短期間で支給する使いやすい制度にすることを改めて提案をします。
 答弁を求め、以上三点の再質問を終わります。(拍手)
   〔港湾局長松川桂子君登壇〕

港湾局長(松川桂子君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、噴水の整備に関しましては、令和四年十二月に港湾局として方針を決定し、翌年一月に知事に対して報告を行ったものでございます。
   〔産業労働局長田中慎一君登壇〕

産業労働局長(田中慎一君) 奨励金についての再質問にお答えいたします。
 都は、中小企業が働きがいや生産性の向上などにより、従業員の賃金の持続的な引上げができるよう、働き方改革などの取組に併せて賃上げを行う場合に奨励金を支給しているものでございます。
 支給に当たっては、各企業が専門家の助言を踏まえて取り組んだ多様な勤務制度の導入や、賃上げの持続的な実施などの状況を確認しており、応募からおおむね一年から一年半程度要したものでございます。

 

以上