文書質問 子ども食堂支援について フードパントリーについて 学校の自家用車通勤について 原のり子(北多摩第四選出)
2024年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原のり子
質問事項
一 子ども食堂支援について
二 フードパントリーについて
三 都立学校・区市町村立学校に勤務する職員の自家用車による通勤について
答弁
一 子ども食堂支援について
二 フードパントリーについて
三 都立学校・区市町村立学校に勤務する職員の自家用車による通勤について
一 子ども食堂支援について
都は「これまで、物価高騰等への緊急的な支援として、補助内容の拡充を図ってきたところであるが、令和5年度以降は、その補助内容を据え置き、経常的な支援として実施することとし、区市町村が取り組む子ども食堂の開催や、配食・宅食による食の提供を支援していく」として、昨年度は、月1回以上の子ども食堂の開催に加え、配食・宅食を実施した場合、都が10分の10で加算をして支援してきました。
今年度は、「子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化している中、区市町村と子どもの食堂の連携による支援を軸に補助を拡充することで、食の提供を通じて、子どもや家庭を必要な支援につなげる取組を加速させる」として、週1回の会食形式の子ども食堂、または配食・宅食の場合(新規・連携強化型。月1回以上は会食形式)は都が10分の10補助(3年間。その後は都と区市町村で2分の1ずつ)。そして、月1回の会食形式の子ども食堂に加え、配食・宅食を実施した場合(従来型)の補助は継続されますが、都と区市町村で2分の1ずつということになりました。
こうした変更に伴い、子ども食堂からは様々な声が出されています。
・配食・宅食のニーズが高く、都も10分の10で補助してきてくれたため、安心だった。今年度からは2分の1になってしまうため、市からは配食・宅食加算は行わない、と言われた。連携強化型も検討したが、週1回会食を開催しさらに配食・宅食を実施するのは無理なので断念した。民間の支援を探している。
・子ども食堂まで一緒に来ることのできない保護者、障害児など、事情を抱えたケースが多く、配食・宅食が口コミで増えている。20食程度でスタートしたが、80食にまでなっている。この意義をふまえ、都の補助を充実させてほしい。
昨年度、子ども食堂は23区26市2町、914か所で実施されています。そのうち、会食形式669か所、配食439か所、宅食73か所(複数回答)となっています。各地域に広がり、子どもたちの成長を支える重要な役割を果たしています。本来、民間まかせではなく、公的な支援をもっと強めていくべきと考え、以下質問します。
1 昨年度の実績をみても、配食のニーズが非常に高いことがわかります。この理由についてどのように分析していますか。
2 なぜ、配食・宅食の加算を東京都10分の10から、区市町村と2分の1ずつに変更したのですか。
3 この変更によって、加算をやめる区市町村が出ていることを把握していますか。
4 配食・宅食加算は、東京都の全額補助に戻すべきです。いかがですか。
5 今年度の新規・連携強化型についても、期間を限定せずに全額補助を継続して支援すべきと考えますがいかがですか。
二 フードパントリーについて
2021年から実施されてきたフードパントリーが活動を休止しました。実行委員会をつくり、社会福祉協議会とも連携して事業をおこなってきましたが、事務的な負担増大や希望する方々のニーズ増大に見合った体制がとれないことに限界を感じたとお知らせのチラシに書かれています。当初は家庭に眠っている食品を活かして、生活に必要な「食」を支援する、ということでスタートしましたが、ニーズがはるかに大きいものとなっています。中心になってとりくんできた一人の方は、「ボランティアでは限界がある。困っている人はもっといると思う。公がもっと支援の中心になるべきだと思う」と話しています。
そこでうかがいます。
1 東京都は生活困窮者の支援の必要性について、どのように考えていますか。
2 フードパントリーの取り組みについて、どのような支援を行っていますか。
3 実際に、都内でこうしたとりくみをしている団体はどのぐらいあると把握していますか。
4 都として、こうしたとりくみへの支援をどのように強化しようと考えていますか。
三 都立学校・区市町村立学校に勤務する職員の自家用車による通勤について
教員の長時間で過密な労働環境は深刻です。全日本教職員組合の調査では、全国平均より東京都の職員は月30時間も多く働いています。心身の不調を抱える教員も少なくありません。どうやったら働き続けることのできる職場にできるのか。改善は待ったなしの状況です。
こうしたなか、育児や介護を担いながら、あるいは病気をもちながら働いている教員の負担はいっそう大変です。「子どもたちの保育園などへの送迎に、別々の場所に行かなければならず、自家用車でなければ学校に間に合わない」「自家用車通勤が認められず、家庭との両立が困難になっている。このままでは教員を辞めざるを得ない」など切実な声も聞かれます。一人ひとりの条件に応じた支援があるべきです。
1 都立学校、区市町村立学校で、育児や介護を担っている教員に対する支援の制度はどのようなものがありますか。
2 それらは、どのぐらい利用されていますか。
3 「都立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤に関する取扱要領」では、第4の(4)において、その他真にやむを得ない事情があると認められる場合は、校長の許可を受けて自家用車通勤をすることができることが規定されています。育児や介護のため、自家用車通勤をする場合のルールはどのようになっていますか。
4 実際にどのぐらいの人が申請をし、認められていますか。
5 区市町村立学校の場合は、育児や介護のために自動車通勤する場合のルールはどのようになっていますか。
6 都として、育児や介護を担う教員が仕事を安心して続けられるよう、区市町村に対し、自動車通勤が必要な場合は認めるように、通知すべきではないですか。
7 そもそも、片道2時間までを通勤可能な時間としている異動要綱は、教員にとって負担が重すぎます。1時間以内を標準とし、どんなに長くても1時間半以内にするべきではありませんか。
2024年第二回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 子ども食堂支援について
1 昨年度の実績をみても、配食のニーズが非常に高いことがわかるが、この理由についてどのように分析しているか伺う。
回答
都は、令和3年度からの3年間、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急対応策として、子供食堂における配食・宅食に係る経費を補助率10分の10で支援してきました。
配食・宅食を実施する子供食堂は、令和4年度551か所から令和5年度512か所に減少し、会食形式で開催している子供食堂は、令和4年度423か所から令和5年度669か所に増加しています。
質問事項
一の2 なぜ、配食・宅食の加算を東京都10分の10から、区市町村と2分の1ずつに変更したのか伺う。
回答
都は、月1回以上会食形式で開催している子供食堂を支援する区市町村に対し、補助率2分の1で補助を行っています。
配食・宅食に係る経費については、令和3年度からの3年間は、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急対応策として、補助率10分の10で支援しました。令和6年度からは、従来の会食形式の子供食堂と同様、補助率2分の1で支援しています。
質問事項
一の3 この変更によって、加算をやめる区市町村が出ていることを把握しているか伺う。
回答
都は、現在、子供食堂推進事業の活用について、区市町村の児童主管課長会等において働き掛けを行っており、今後、本事業の補助申請を受け付け、区市町村における取組状況を確認することとしています。
質問事項
一の4 配食・宅食加算は、東京都の全額補助に戻すべきだが、見解を伺う。
回答
都は、月1回以上会食形式で開催している子供食堂を支援する区市町村に対し、補助率2分の1で補助を行っています。
配食・宅食に係る経費については、令和3年度からの3年間は、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急対応策として、補助率10分の10で支援しました。令和6年度からは、従来の会食形式の子供食堂と同様、補助率2分の1で支援しています。
質問事項
一の5 今年度の新規・連携強化型についても、期間を限定せずに全額補助を継続して支援すべきだが見解を伺う。
回答
都は、月1回以上会食形式で開催している子供食堂を支援する区市町村に対し、補助率2分の1で補助を行っています。
令和6年度からの3年間については、区市町村と子供食堂との連携を促進し、食の提供を通じて、子供や家庭を必要な支援につなげるため、週1回以上の食事提供を行う子供食堂と定期的な情報共有等を行う区市町村に対し、会食や配食・宅食に係る経費を補助率10分の10で支援することとしています。
質問事項
二 フードパントリーについて
1 東京都は生活困窮者の支援の必要性について、どのように考えているか伺う。
回答
都は、低所得世帯など生活に困窮する方に対して、個々の状況に応じた支援を行うため、これまでも生活保護や生活困窮者自立支援制度に加え、独自に様々な施策を実施しています。
質問事項
二の2 フードパントリーの取り組みについて、どのような支援を行っているか伺う。
回答
都は、平成30年度から、生活困窮者等に食料を提供し、適切な支援につなげるフードパントリーの立上げに要する経費について、地域福祉推進区市町村包括補助事業により支援しています。
また、令和4年度から、フードパントリーを運営する区市町村社会福祉協議会や、区市町村と連携してフードパントリーを運営する民間団体等に対して、運営に要する経費を直接補助しています。
質問事項
二の3 実際に、都内でこうしたとりくみをしている団体はどのぐらいあると把握しているか伺う。
回答
平成30年度から令和5年度までに地域福祉推進区市町村包括補助事業により、区市町村を通じてフードパントリーの設置の支援を受けた団体数は延べ20団体です。
また、令和5年度に、フードパントリーの運営に要する経費を補助した団体数は45団体です。
質問事項
二の4 都として、こうしたとりくみへの支援をどのように強化しようと考えているか伺う。
回答
原油や食料等の価格が上昇する中、都は令和4年度から、フードパントリーを運営する区市町村社会福祉協議会や、区市町村と連携してフードパントリーを運営する民間団体等に対して、食料調達や輸送等に要する経費を補助しています。
その後、燃料費高騰の長期化等を踏まえ、補助基準額を増額しています。
質問事項
三 都立学校・区市町村立学校に勤務する職員の自家用車による通勤について
1 都立学校、区市町村立学校で、育児や介護を担っている教員に対する支援の制度はどのようなものがあるか伺う。
回答
育児や介護を行う教職員を支援するための制度としては、育児時間や部分休業、子どもの看護休暇、介護休暇、介護時間、短期の介護休暇、育児短時間勤務、時差勤務などがあります。
質問事項
三の2 それらは、どのくらい利用されているか伺う。
回答
各種制度の利用状況については、集計していません。
質問事項
三の3 「都立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤に関する取扱要領」で、その他真にやむを得ない事情があると認められる場合は、校長の許可を受けて自家用車通勤をすることができることが規定されているが、育児や介護のため、自家用車通勤をする場合のルールはどのようになっているか伺う。
回答
育児、介護等のため、通勤途上に常時施設等への家族の送迎を要する職員であって、公共交通機関を使用すると、通常の勤務開始時間前及び勤務終了時間後の施設等への送迎が困難であるなど、真にやむを得ない合理的な理由がある場合には、自家用車通勤を認めることができるとしています。
質問事項
三の4 実際にどのぐらいの人が申請をし、認められているか伺う。
回答
都立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤については、各校長が許可しており、東京都教育委員会では調査していません。
区市町村立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤については、各区市町村教育委員会において対応しており、東京都教育委員会では調査していません。
質問事項
三の5 区市町村立学校の場合は、育児や介護のために自動車通勤する場合のルールはどのようになっているか伺う。
回答
区市町村立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤の取扱いについては、各区市町村教育委員会の判断で行っています。
質問事項
三の6 都として、育児や介護を担う教員が仕事を安心して続けられるよう、区市町村に対し、自動車通勤が必要な場合は認めるように、通知すべきだが見解を伺う。
回答
区市町村立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤の取扱いについては、各区市町村教育委員会の判断で行っています。
なお、「都立学校に勤務する職員の自家用自動車による通勤に関する取扱要領」を、区市町村教育委員会に参考送付しています。
質問事項
三の7 そもそも、片道2時間までを通勤可能な時間としている異動要綱は、教員にとって負担が重すぎる。1時間以内を標準とし、長くても1時間半以内にするべきだが見解を伺う。
回答
教員の異動先を検討するに当たっては、「東京都公立学校教員の定期異動実施要綱」に基づき、個々の事情を配慮した上で、おおむね90分までを標準とする通勤時間になるよう、異動候補者の通勤所要時間の目途を調べ、異動先を決定しています。