文書質問 都立石神井公園三宝寺池の沼沢群落保全と井戸ポンプについて とや英津子(練馬区選出)
2024年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 とや英津子
質問事項
一 都立石神井公園三宝寺池の沼沢群落保全と井戸ポンプについて
答弁
一 都立石神井公園三宝寺池の沼沢群落保全と井戸ポンプについて
一 都立石神井公園三宝寺池の沼沢群落保全と井戸ポンプについて
都立石神井公園の自然と三宝寺池の沼沢植物群落保全については、住民団体がボランティアで日々調査や自然観察を続けています。
昨年は揚水ポンプの故障で、一時、水揚げができない状態になり沼沢植物群落が危機的状態に陥る可能性が指摘されていましたが、ポンプについては、都の緊急対応によって当初の予定より早く設置し揚水再開ができました。
ポンプの設置をはじめ沼沢植物群落保全などについては、「都立石神井公園の自然と三宝寺池植物群落の保全について」、2023年都議会第4回定例会で文書質問趣意書を提出し、東京都の見解をお聞きしたところです。
沼沢植物群落の保全は、三宝寺池の水質や井戸からの水揚げ量、周辺環境に大きく影響を受けることから、さらなる対策が必要と考えます。住民団体等からも意見や疑問も寄せられています。
そこで以下、質問します。
1 都は「石神井公園三宝寺池沼沢植物群落保存活用計画」の進捗と評価について質問したところ、「貴重水生植物の増殖及び移植等を行うとともに、モニタリングにより、植生状況を確認し、翌年度の維持管理に活用している」とのことでした。「地下水位等の水環境を監視するため、2022年度、2023年度に観測井戸を二カ所設置した」と回答しています。三宝寺池の土地の所有は練馬区ですが、三宝寺池の維持管理や各種作業について、練馬区とはどのような協議をおこなっているのでしょうか。また、練馬区において協議する際の担当部署はどこですか。
2 三宝寺池における水の滞留時間について、2013年、2018年、2023年とそれぞれうかがったところ、2013年は14日、2018年は13日、2023年は13日と回答がありましたが、算出根拠をうかがいます。
また、都は2018年からポンプの稼働を12時間にしているため、1日当たりの井戸の揚水量は約1,500立方メートルであり、滞留時間も26日になります。各年の1日当たりの揚水量の実績および答弁との違いについて説明を求めます。
3 2018年頃から地下水の揚水量が減っており、井戸ポンプが24時間稼働であったものが、12時間になっていたことが判明しました。稼働時間を減らした理由を尋ねると、「三宝寺池においてアオコが増加し、池に流入する富栄養化した井戸水が原因のひとつと考えられた」と答弁しています。
この原因を裏付けるデータを示して下さい。
4 都は池の水を下水に流す際、下水道料金を支払うことになっていますが、その際の料金算定はどのようにおこなっていますか。料金を支払うことになった経緯についてもお答え下さい。また、令和5年度の下水道料金についてお答え下さい。
2024年第二回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 都立石神井公園三宝寺池の沼沢群落保全と井戸ポンプについて
1 三宝寺池の土地の所有は練馬区だが、三宝寺池の維持管理や各種作業について、練馬区とはどのような協議をおこなっているのか。また、練馬区において協議する際の担当部署はどこか伺う。
回答
天然記念物である三宝寺池沼沢植物群落、及び同池の水面に係る維持管理作業に当たっては、文化財保護法に基づき練馬区教育委員会文化・生涯学習課に対し適切に協議を行っています。
質問事項
一の2 三宝寺池における水の滞留時間について、2013年は14日、2018年は13日、2023年は13日と回答があったが、算出根拠を伺う。また、都は2018年からポンプの稼働を12時間にしているため、1日当たりの井戸の揚水量は約1,500立方メートルで、滞留時間も26日になる。各年の1日当たりの揚水量の実績および答弁との違いについて伺う。
回答
水の滞留時間は、池水量を1日あたりのポンプの揚水能力で除して推計値を算出したものです。
滞留時間の推計に当たり、ポンプの稼働時間は考慮していません。
平成25年 2013年
平成30年 2018年
令和5年 2023年
池水量 43,500立方メートル 39,100立方メートル 39,100立方メートル
ポンプの揚水能力(立方メートル/日) 約3,000立方メートル 約3,000立方メートル 約3,000立方メートル
滞留時間 約14日 約13日 約13日
各年の1日当たりの揚水量の実績は以下の通りです。
平成25年 2013年
平成30年 2018年
令和5年 2023年
揚水量(立方メートル/日) 資料不存在 約1,400立方メートル 約1,400立方メートル
質問事項
一の3 2018年頃から地下水の揚水量が減っており、井戸ポンプが24時間稼働であったものが、12時間になっていたことが判明した。稼働時間を減らした理由について「三宝寺池においてアオコが増加し、池に流入する富栄養化した井戸水が原因のひとつと考えられた」と答弁しているが、この原因を裏付けるデータを伺う。
回答
平成28年(2016年)2月に実施した水質調査によれば、池に流入する井戸水の全窒素0.84ミリグラムパーリットル、全リンは0.076ミリグラムパーリットルであり、いずれも当該年度の池の水の水質の平均、全窒素0.56ミリグラムパーリットル、全リン0.058ミリグラムパーリットルよりも高い値となっています。
質問事項
一の4 都は池の水を下水に流す際、下水道料金を支払うことになっているが、その際の料金算定はどのようにおこなっているか。料金を支払うことになった経緯についても伺う。また、令和5年度の下水道料金について伺う。
回答
下水道料金については、下水道管に流入する池の水を計測し、その計測時間から1日当たりの汚水排出量を認定の上、料金を算定しています。
料金については、かいぼり事業の実施を契機に、関係者間の協議を踏まえて公共下水道の使用を開始し、令和5年度は約70万円となっています。