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質問・条例提案

2024.10.04

文書質問 都立北多摩地区特別支援学校の学校規模と設計について 斉藤まりこ都議(足立区選出)

 2024年第3回定例会で以下の文書質問を提出しました

2024年第3回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 斉藤まりこ

質問事項
 一、都立北多摩地区特別支援学校の学校規模と設計について

答弁
一、都立北多摩地区特別支援学校の学校規模と設計について

 


 

一、 都立北多摩地区特別支援学校の学校規模と設計について
 2027年度(令和9年度)に開校予定の知的障害教育部門の都立北多摩地区特別支援学校(仮称)について、近隣の羽村特別支援学校の過密化、大規模化しているなかで、教育環境の改善のためにも、この地域の方々からも待ち望まれたものであり、新たな特別支援学校の設置については、わが党も歓迎するものです。
 しかし、文教委員会でもとりあげたように、74学級530人もの大規模な想定では、子どもたちの教育環境に大きなしわ寄せがある重大な懸念について、指摘したところです。さらに委員会では取り上げられなかったこともあるため、その詳細について伺います。
 まず、普通教室についてです。東京都建築安全条例第12条により、特別支援学校の教室等は4階以上に設けてはならないことになっており、4階に教室を設けられるのは例外的な場合であることから、安全上、4階の普通教室は高等部の職能開発科の生徒が使用すると推測されます。 一方、特別支援学校施設整備標準によれば、「普通教室は、学部ごと、学年ごとにできる限り同一階及び同一区画にまとめて計画することが望ましい」とされていますが、図面を見ると、4階には普通教室が11しかなく、職能開発科の3学年12学級が全部入ることができません。

1 どの学部、学科が何階を使う想定なのか、お答えください。 重度重複の障害を持つ児童生徒が使うことが想定される、面積が半分になっている教室は9つであり、1学年に1つもない状況です。委員会では、重重学級を増やすことと、本来、重度重複学級に対して、通常の教室の半分の広さではなく、広い面積を確保することを求めました。

2 重度重複学級用の教室は、1階が3室、2階が4室、3階が2室となっていますが、どの学部がどのように使うことを想定しているのですか。
 また、重度重複学級を9学級に抑制することはあってはなりませんが、見解を伺います。

 次に特別教室についてです。

3 特別教室の面積はそれぞれ何㎡ですか。

 音楽室が2室、図工・美術室が3室となっていますが、児童・生徒が530人という想定からすると、少ないのではないでしょうか。さらに、理科室と社会科室は1室ずつで、明らかに足りない状況です。

4 それぞれの特別教室を各学年がどの程度の頻度で使うことを想定しているのか、お示しください。

 特別教室の数について、学校規模に合わせて充実させることを重ねて求めます。
 図書室について、委員会でも取り上げましたが、設計図に示されている狭い1室だけでは、それぞれの学部にあった図書の充実や利用の機会が不十分です。

5 図書室は複数設け、子どもたちの学習環境を改善する検討をしていただきたいですが、見解を伺います。

6 図書室には何冊の蔵書を収蔵することを想定しているのですか。文教委員会では学級規模について小中学部の各学年で最大3学級を想定しているという答弁でしたが、小学部18学級、中学部9学級の場合、蔵書数の目標である学校図書館図書標準は何冊になりますか。高等部、高等部の職能開発科の生徒のための蔵書は何冊くらい必要だと考えていますか。

 実習室について伺います。

7 1階の西側の実習室は、高等部が使うのでしょうか。あるいは、他の学部でも使うことを想定しているのでしょうか。

8 1階の西側の実習室棟と南側・北側の普通教室棟は、互いの学習をしっかり行うためには一定の区切りがあったほうが良いと思われますが、実習スペースへつながる廊下部分は、ドアが閉まるのでしょうか。どのような構造になっているのか教えてください。

 食堂について伺います。

9 1階の食堂は、学校規模に対して広くないように見えますが、特定の学部だけが使うのでしょうか。また、どのくらいの人数が使用可能なのか教えてください。

10 2、3、4階にはワゴン置き場のような場所があるようですが、これらの階を利用している学部は教室で食べるということでしょうか。

11 食堂は各学部の指導をどのように想定して設置するのか伺います。

 児童・生徒の玄関について伺います。設計図によると、東側に大きな玄関があり、南側には小さめの玄関、また、実習室のある南西側にも小さめの玄関があります。

12 人数が多い学校では、児童・生徒の導線はなるべくすっきりさせるほうがよいと思いますが、どの玄関をどの学部が使うことを想定しているのか、伺います。

 次にトイレについて伺います。

13 各階に児童・生徒が使用するトイレはそれぞれいくつあるのか伺います。

 トイレの指導は子どもたちにとって大事な教育の一環です。トイレの数と配置場所、そして教員の数は、トイレの指導だけでなく、授業の運営にも影響を与えます。トイレが遠く、教員などの人手が足りないような状況では、他の子どもを教室に残せず、トイレの指導も落ち着いてできないこともあります。

14 都教育委員会はどのような考えで、トイレを配置しているのでしょうか。また、配置場所や数について、十分な状況になっているのか、今一度検討していただきたいと思いますが、いかがですか。

 最後に職員室について伺います。私は以前、鹿本学園に視察に行った際に、職員室が狭く、着席している教員の方々の背中同士がぶつかるような、過密した状況で驚きました。同じようなことになってはならないと思います。

15 530人規模の学校であれば、教員の数もかなり多くなると思いますが、職員室は何人くらいの想定でつくられているのでしょうか。また、職員室の面積をお示しください。

16 東京都の特別支援学校施設整備標準である、一人あたり3.5㎡という広さを守って、設計するべきですが、見解を伺います。

 以上、子どもの教育環境や教員の労働環境に関わる設備は、子どもたちの健やかな発達と成長、学習の取り組みについて、基本となる大事な要素です。児童・生徒数の規模を優先して、教育環境を損なうようなことはあってはなりません。今からでも改善できることは、最大限の見直しを行っていただくこと、また、今後の児童・生徒の増加を見込んで、今回の新設校だけでなく、さらなる増設の計画を速やかに検討していくことを重ねて強く求めます。

 


 

2024年第三回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

 

質問事項
一 都立北多摩地区特別支援学校の学校規模と設計について
1 どの学部、学科が何階を使う想定なのか、伺う。

回 答
 都立北多摩地区特別支援学校(仮称)においては、小学部が校舎棟1階の普通教室を、中学部が2階の普通教室を、高等部普通科が2階、3階及び4階の普通教室を、高等部職能開発科が2階の普通教室を使用する想定です。

質問事項
一の2 重度重複学級用の教室は、1階が3室、2階が4室、3階が2室となっているが、どの学部がどのように使うことを想定しているのか。また、重度重複学級を9学級に抑制することはあってはならないが、見解を伺う。

回 答
 重度・重複学級については、小学部が校舎棟1階の普通教室を、中学部が2階の普通教室を、高等部が2階及び3階の普通教室を使用する想定です。 重度・重複学級の対象となる重複障害の認定に当たっては、法令の定める障害の程度に該当するか否かについて、児童・生徒の発達や行動、疾病の側面から総合的に判断し、重度・重複学級の対象者を認定します。

質問事項
一の3 特別教室の面積はそれぞれ何㎡か、伺う。

回 答
 特別教室の面積は、以下のとおりとなる予定です。

質問事項
一の4 それぞれの特別教室を各学年がどの程度の頻度で使うことを想定してるのか、伺う。

回 答
 特別教室については、基本計画検討委員会の議論を踏まえ、必要な室数を設ける予定です。

質問事項
一の5 図書室は複数設け、子どもたちの学習環境を改善する検討を求めるが、見解を伺う。

回 答
 基本計画検討委員会の議論を踏まえ、必要な規模の図書室を設けることとしています。

質問事項
一の6 図書室には何冊の蔵書を収蔵することを想定しているか。小学部18学級、中学部9学級の場合、蔵書数の目標である学校図書館図書標準は何冊になるか。高等部、高等部の職能開発科の生徒のための蔵書は何冊くらい必要だと考えているか伺う。

回 答
 文部科学省が定める学校図書館図書標準によると、例えば、小学部18学級の場合は3,992冊、中学部9学級の場合は5,648冊です。 高等部を含め、学校の判断により必要な蔵書数を整備する予定です。

質問事項
一の7 1階の西側の実習室は、高等部が使うのか。あるいは、他の学部でも使うことを想定しているのか伺う。

回 答
 校舎棟1階に整備する実習室については、主に高等部が使用する想定です。

質問事項
一の8 1階の西側の実習室棟と南側・北側の普通教室棟は、互いの学習をしっかり行うためには一定の区切りがあったほうが良いと思われるが、実習スペースへつながる廊下部分は、ドアが閉まるのか。どのような構造になっているのか、伺う。

回 答
 校舎棟1階の普通教室と実習室をつなぐ廊下については、防火扉を整備する予定であり、この防火扉は必要に応じて開閉することが可能です。

質問事項
一の9 1階の食堂は、学校規模に対して広くないように見えるが、特定の学部だけが使うのか。また、どのくらいの人数が使用可能なのか、伺う。

回 答
 校舎棟1階の食堂については、特定の学部のみが使用する想定はありません。座席数は140人程度を設ける予定です。

質問事項
一の10 2、3、4階にはワゴン置き場のような場所があるようだが、これらの階を利用している学部は教室で食べるということか伺う。

回 答
 校舎棟各階の普通教室において児童・生徒が給食を食べることを想定し、各階に給食配膳用のワゴンを置くスペースを設ける予定です。

質問事項
一の11 食堂は各学部の指導をどのように想定して設置するのか伺う。

回 答
 食堂については、学校給食の指導を通して、児童・生徒の心身の発達を促すとともに、食に関する正しい理解などを身に付けられるよう、適切に整備する予定です。

質問事項
一の12 人数が多い学校では、児童・生徒の導線はなるべくすっきりさせるほうがよいと思うが、どの玄関をどの学部が使うことを想定しているのか、伺う。

回 答
 校舎棟1階東側の昇降口については小学部及び中学部が、南側の昇降口については高等部普通科が、西側の昇降口については高等部職能開発科が使用する想定です。

質問事項
一の13 各階に児童・生徒が使用するトイレはそれぞれいくつあるのか伺う。

回 答
 校舎棟各階において児童・生徒が使用するトイレの状況は、以下のとおりとなる予定です。

※2階のバリアフリートイレについては、体育館に設置する男女共同トイレ1か所(1基)を含む。

質問事項
一の14 都教育委員会はどのような考えで、トイレを配置しているのか。また、配置場所や数について、十分な状況になっているのか、今一度検討を求めるが、見解を伺う。

回 答
 児童・生徒用トイレについては、児童・生徒の分布の状況や動線を考慮し、児童・生徒が利用しやすい位置に計画しており、校舎棟各階において適切に配置する予定となっています。

質問事項
一の15 530人規模の学校であれば、教員の数もかなり多くなると思うが、職員室は何人くらいの想定でつくられているのか。また、職員室の面積を伺う。

回 答
 職員室については、150人程度を想定して整備することとしており、面積は約550平方メートルを予定しています。

質問事項
一の16 東京都の特別支援学校施設整備標準である、一人あたり3.5㎡という広さを守って、設計するべきだが、見解を伺う。

回 答
 職員室については、特別支援学校施設整備標準に基づき、適切に整備する予定です。

 

以 上