文書質問 リニア新幹線のシールドマシン工事と目黒川で発生した気泡について 白石たみお(品川区選出)
2024年第3回定例会で以下の文書質問を提出しました。
2024年第三回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 白石たみお
質 問 事 項
一 リニア新幹線のシールドマシン工事と目黒川で発生した気泡について
答 弁
一 リニア新幹線のシールドマシン工事と目黒川で発生した気泡について
一 リニア新幹線のシールドマシン工事と目黒川で発生した気泡について
JR東海のリニア中央新幹線(品川-名古屋)事業で、シールドマシン(掘削機)による大深度地下トンネル工事(調査掘進)が北品川非常口(品川区)から行われている。シールド工法が目黒川付近で進むもと、目黒川から気泡が発生していることが確認されている。この気泡が命に関わる酸欠気泡ではないかとの不安が広がっている。
東京外かく環状道路(外環道)の大深度シールド工事は、野川(世田谷区)での酸欠気泡の噴出があり、その後(2020年10月)に調布市で陥没事故が発生した。リニア新幹線の工事も同様に「シールド工法」で行われており、命にかかわる事故などが発生するのではないかとの住民の不安が高まっています。
1 リニア新幹線北品川工区におけるシールドマシン工事は、これまでも工事の中断などが繰り返されている。シールドマシンによる掘進はいつから行われ、工事の中断はこれまでに何回あったか。また、工事が中断された原因は何だったのか説明されたい。
2 2024年4月のシールドマシンはどこの位置を工事していたか。現在は掘進開始位置から何メートルで、どこの位置を掘進工事しているか説明されたい。
3 二級河川である目黒川の河川管理者は誰か。
4 目黒川での魚の大量死が4月に発生した。また、複数のネズミの死骸の目撃情報も寄せられている。目黒川で発生している一連の事態について都はどのように把握しているか具体的に説明されたい。また、魚の大量死などが過去に確認された記録はあるか。
5 品川区は魚の大量死について水質調査を行った。水質調査を行った理由と調査はいつ行われたか伺う。また、水質調査の具体的な結果について説明されたい。
6 目黒川では、川底から気泡の発生が住民から通報されている。気泡の発生はいつ確認され、気泡の発生位置はどこか伺う。住民からの通報は、いつ、何人からあったのか伺う。また、現在の気泡発生状況についても説明されたい。
7 気泡の成分調査について、どのような基準のもとで調査の実施を判断するのか具体的に説明されたい。また、都はこれまでに気泡成分調査を行うよう検討や指示をしたことがあるか。
8 東京都は酸欠空気が漏出するおそれがある場合の気泡成分調査の実施についてどのような認識か。
9 目黒川で発生している事象について、住民への説明会を実施すべきだがいかがか。
10 都は目黒川で発生している事象について、国や品川区、JR東海と対応について、これまでに協議してきた事実はあるか。協議したのであれば、いつ、どこで、どのような協議がされたのか説明されたい。
11 酸欠空気は命に関わる問題である。酸欠空気により被害を及ぼす恐れのある場合、どのような対応が必要となるのか具体的に説明されたい。
令和6年第三回都議会定例会
白石たみお議員の文書質問に対する答弁書
質 問 事 項
一 リニア新幹線のシールドマシン工事と目黒川で発生した気泡について
1 リニア新幹線北品川工区におけるシールドマシン工事は、これまでも工事の中断などが繰り返されている。シールドマシンによる掘進はいつから行われ、工事の中断はこれまでに何回あったか。また、工事が中断された原因は何だったのか伺う。
回 答
事業者であるJR東海は、中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)工事について、令和3年10月にシールド掘進に着手したと公表しています。また、これまで工事の中断は令和4年3月、令和5年7月の2回あり、設備の一部故障やシールドマシン外側の鋼板の一部変形等が原因と公表しています。
質 問 事 項
一の2 2024年4月のシールドマシンはどこの位置を工事していたか。現在は掘進開始位置から何メートルで、どこの位置を掘進工事しているか伺う。
回 答
事業者であるJR東海は、シールドマシンについて、令和6年4月時点では北品川側から約120メートルの地点に位置しており、10月時点では約230メートルの位置を施工していると公表しています。
質 問 事 項
一の3 二級河川である目黒川の河川管理者は誰か伺う。
回 答
河川法では、二級河川の管理は都道府県が行うこととなっています。東京都は、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例により、河川法に基づく二級河川の管理権限を各特別区に移譲しており、目黒川の御質問の箇所は、品川区が管理しています。
質 問 事 項
一の4 目黒川での魚の大量死が4月に発生した。また、複数のネズミの死骸の目撃情報も寄せられている。目黒川で発生している一連の事態について都はどのように把握しているか伺う。また、魚の大量死などが過去に確認された記録はあるか伺う。
回 答
都は本年4月、品川区からの通報により、目黒川での複数の魚のへい死を把握しました。この事案のほか、目黒川における魚のへい死は、記録が残る昭和47年以降で5件あります。
質 問 事 項
一の5 品川区は魚の大量死について水質調査を行った。水質調査を行った理由と調査はいつ行われたか伺う。また、水質調査の具体的な結果について伺う。
回 答
品川区からは、魚のへい死を受けて4月22日に水質調査を実施し、その結果、有害物質は確認されなかったと聞いています。
質 問 事 項
一の6 目黒川では、川底から気泡の発生が住民から通報されている。気泡の発生はいつ確認され、気泡の発生位置はどこか伺う。住民からの通報は、いつ、何人からあったのか伺う。また、現在の気泡発生状況についても伺う。
回 答
品川区からは、東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)が8月2日に三嶽橋下流付近において目黒川の水面に気泡が発生していることを確認したと聞いています。また、住民からの通報は、9月5日に1名から問合せを受けていると聞いています。
同区としても状況把握に努めており、10月7日時点においても、同様の場所付近で発生していると聞いています。
質 問 事 項
一の7 気泡の成分調査について、どのような基準のもとで調査の実施を判断するのか具体的に伺う。また、都はこれまでに気泡成分調査を行うよう検討や指示をしたことがあるか伺う。
回 答
品川区からは、JR東海から10月7日に届出を受領し、同社が10月9日に気泡の採取を実施し、成分の調査中であると聞いています。
都は品川区に調査を行うよう指示していません。
質 問 事 項
一の8 都は酸欠空気が漏出するおそれがある場合の気泡成分調査の実施についてどのような認識か伺う。
回 答
酸欠空気については、国の通達に基づき、圧気工法作業により酸欠空気が生活環境に漏出するおそれがあると認められるときは、都道府県知事は、関係機関に連絡し、周辺地域にある地下室等の空気中の酸素の濃度を、事業者又は施工者をして測定させるようすることとなっています。
質 問 事 項
一の9 目黒川で発生している事象について、住民説明会を実施すべきだが、見解を伺う。
回 答
品川区からは、現時点で説明会の実施は考えていないと聞いています。
質 問 事 項
一の10 都は目黒川で発生している事象について、国や品川区、JR東海と対応について、これまでに協議してきた事実はあるか。協議したのであれば、いつ、どこで、どのような協議がされたのか伺う。
回 答
都は、品川区と適宜情報共有を図っており、当該区間における河川管理上支障が生じていないと聞いています。
質 問 事 項
一の11 酸欠空気は命に関わる問題である。酸欠空気により被害を及ぼす恐れのある場合、どのような対応が必要となるのか伺う。
回 答
国の通達によると、圧気工法作業により、酸欠空気による被害のあることを知ったとき等には、区市町村長を通じ、住民に対してその旨を十分に周知徹底するとともに、必要と認めるときは、事業者等に対し、酸欠空気漏出場所への住民の立入禁止の周知徹底等を要請することとされています。
以上