本会議 清水とし子都議(日野市選出)の代表質問
2025年2月26日の本会議で、清水とし子都議(日野市選出)が代表質問を行いました。
★質問全文(質問原稿)です。
★動画(都議会ホームページです)
1.政治資金について
2.賃上げについて
3.暮らしの支援について
4.高齢者の支援について
5.子育て支援について
6.噴水整備について
7.再開発と住宅政策について
8.気候危機対策について
9.都市農業について
10. 地域公共交通について
11. 老朽インフラ対策について
12. 教育について
13. ジェンダー平等について
14. PFAS、基地対策について
【答弁】
○知事(小池百合子君)
○教育長(坂本雅彦君)
○東京都技監(谷崎馨一君)
○産業労働局長(田中慎一君)
○財務局長(山下聡君)
○生活文化スポーツ局長(古屋留美君)
○水道局長(西山智之君)
○主税局長(武田康弘君)
○保健医療局長(雲田孝司君)
○福祉局長(山口真君)
○子供政策連携室長(田中愛子君)
○港湾局長(松川桂子君)
○住宅政策本部長(小笠原雄一君)
○環境局長(須藤栄君)
○建設局長(花井徹夫君)
○下水道局長(佐々木健君)
○総務局長(佐藤智秀君)
再質問
【再質問への答弁】
○東京都技監(谷崎馨一君)
○住宅政策本部長(小笠原雄一君)
日本共産党都議団を代表して質問します。
まず都議会自民党の裏金問題です。
現職都議だけで16人の裏金づくりが明らかになり、都政をゆるがす大問題となっています。
Q1 都議会自民党は、パーティー券の売り上げの一部を政治団体に納めず中抜きして、裏金をつくっていました。きわめて悪質です。小池知事は同じ政治家として、どう考えていますか。
都議会自民党が開いた政治資金パーティーでは、都連所属の国会議員にパーティー券30枚が配られています。
Q2 知事は国会議員の時、都議会自民党の政治資金パーティーに参加したことはありますか。参加したことがあれば、それはいつですか。
都議会自民党のパーティー券を売ったことはありますか。売ったことがある場合、何枚売ったのですか。
日本共産党都議団は、設置された政治倫理条例検討委員会に、都議会自民党の 裏金議員を参考人招致することを提案します。今後も、全容解明と再発防止、お金の力で政治をゆがめる企業・団体による献金、パーティー券購入の全面禁止のために全力をあげるものです。
「買い物に行くのが怖い」「生活できない」と、都民から悲鳴があがっています。1月の消費者物価指数は、コメが7割上昇で過去最高、キャベツも3倍にはねあがりました。今後も多くの食品の値上げが予定されています。
今こそ「くらし第一」の都政への転換が必要です。
まず中小企業の賃上げです。
実質賃金は3年連続マイナスで、大企業が空前の利益を上げても中小企業の賃上げに結びついていません。
Q1 知事は、物価高騰を上回る賃上げを中小企業で進める重要性について、どう認識していますか。
Q2 わが党が拡充・改善を求めた「魅力ある職場づくり推進奨励金」は、賃上げへの支援が増額されます。その理由と意義、効果を伺います。
Q3 一方、予算案では、支援を受けることができる事業所は、年間1400社で全く増えていません。昨年度は約5700社が申し込み、多くの事業所が振り落とされました。事業規模を大幅に増やすべきではありませんか。
岩手県や徳島県の奨励金は賃上げだけが要件で、申請から約4週間で振り込まれます。新年度は群馬県も、直接支援に踏み出します。
これに対し東京都は、複数のメニューの実施を要件としているためハードルが高く、審査に時間がかかり、支給まで1年以上かかります。
打開のため日本共産党都議団は、「中小企業賃上げ応援助成金条例案」を提出します。賃上げだけを要件とする、使い勝手のよいシンプルな制度です。1人当たり年間12万円、1万社対象で20万人の賃上げを支援します。ご賛同を心から呼びかけます。
東京都の公共工事で、重層下請けの労働者に、きちんと賃金が行き渡っていないという声が寄せられています。
Q4 都が行う重層下請け工事の実態調査を、抽出から全数調査に変更したことは重要です。全数調査に変えた理由と意義を伺います。
Q5 重層下請けの問題は、公共工事だけではありません。自転車イベント「レインボーライド」で、4次下請けの労働者が、都内の最低賃金すれすれで働かされていました。都が100%財政負担し、副知事が実行委員長を務めるイベントでこのような状況があることを、実行委員長である副知事は、どう認識していますか。
Q6 工事だけでなく、業務委託や実行委員会形式の事業も含めて、重層下請けの実態調査を実施すべきではありませんか。
Q7 公契約条例をもつ世田谷区では、区の高卒初任給に勤勉手当などを加えた金額をもとに業務委託等の労働報酬下限額の目標を設定し、計画的に引き上げています。
この方法を都に当てはめれば、時給約1,600円になります。こうした例も参考に、都の業務委託で働く労働者の賃金を大幅に引き上げるべきではありませんか。
公契約条例は、対象となる2万社の約9割を占める中小企業の賃上げに、大きな波及効果があります。制定を求めるものです。
消費税や水光熱費の負担軽減は、都民の切実な願いです。
Q1 物価高騰のもと、一般家庭や小規模事業所の上下水道料金の10%、消費税分の値下げを提案します。いかがですか。
Q2 消費税減税とインボイス制度の廃止を、国に強く求めるべきです。知事の見解を伺います。
国民健康保険料・保険税の負担軽減も急務です。
Q3 国会で、103万の壁について議論されていますが、国民健康保険は所得ゼロの子どもに、1人当たり数万円もの均等割保険料がかかります。
所得ゼロの子どもの国保料は、ゼロ円にすべきです。知事いかがですか。
自公政権と小池都政のもとで、都内の区市町村は、国保料負担軽減のための繰入金をこの10年間で半分以下に減らされ、保険料を引き上げる計画の実行を強いられてきました。
Q4高すぎる国保料が払えず滞納する人への新規差し押さえ件数は、この10年間で最高となりました。知事、深刻な事態だと思いませんか。
Q5 知事は、国保は国の制度だ、保険料を決めるのは区市町村だと言いますが、国に先駆けて学校給食無償化を実施したように、国保料の負担軽減に踏み出すべきです。知事の答弁を求めます。
わが党は、国保料の1人3万円の引き下げを提案します。
Q1 予算案で、高齢者のくらしへの支援に前向きの変化が生まれ始めたことは重要です。それでも、高齢者のくらし支援の予算は389億円、予算総額のわずか0・2%です。長寿社会に対応するため、この予算を5倍、10倍へと増やす必要があります。知事の見解を伺います。
若い世代と高齢者を対立させて分断をあおるようなことは、すべきではありません。若い世代への支援も高齢者への支援も、どちらも大事です。
四半世紀にわたり都民の運動と連携して求め続けたシルバ―パスの負担軽減の重い扉が、ようやく少し開きました。
Q2 2万510円のシルバーパスが4割値下げになることを、多くの都民が歓迎しています。これにとどまらず、より抜本的な負担軽減を検討すべきです。答弁を求めます。
Q3 知事が公約した多摩モノレールへの適用は、沿線住民の悲願です。速やかに実施すべきです。知事いかがですか。
Q4 高齢者の補聴器購入費助成を実施する自治体が広がっていることは重要です。都の補助制度が力になっています。
都は、2026年度までに都内全自治体で助成制度を実施する目標を掲げ、2019年度の9自治体から、今年度36自治体まで増えました。しかし、財政力の弱い多摩・島しょでは、未実施の自治体が残されています。
都内すべての自治体で、上限額14万4,900円の助成が実施できるよう、学校給食無償化で行ったように、多摩・島しょへの財政支援を思い切って増額・拡充することを求めます。知事の見解を伺います。
Q5 高齢者にとって、医療費の窓口負担や、年金から天引きされる介護保険料、後期高齢者医療の保険料は重い負担です。軽減に踏み出すべきですが、いかがですか。
子育て支援のさらなる拡充も重要です。
Q1 わが党が行っている「子ども・学生公共交通運賃調査」には、「子どもが3人いるので、動物園や博物館、水族館などに出かけるのも、旅行に行くにも躊躇してしまう」などの声が寄せられています。塾や進学先をあきらめたケースもあります。
交通費の負担が理由で何かを「あきらめたことがある」「あきらめかけたことがある」という回答を合わせると、60%に上ります。
交通費の負担が子どもたちの体験格差を生むことがあってはならないと思いますが、知事の認識を伺います。
Q2 小児運賃の対象年齢を18歳まで広げるとともに、小児運賃を一律50円に引き下げるなど、通学定期を含む子どもの運賃引き下げを、都として都内の交通事業者に働きかけることを提案します。いかがですか。
住民福祉増進の責務をもつ都営交通こそ、率先して踏み出すべきです。
Q3 都が行った「子どもの生活実態調査」では、生活困難な高校生年齢の子どもの2割以上が、ほぼ毎日2食以下しか食べておらず、野菜や乳製品、果物などを食べる回数が少ないことが明らかになっています。
高校生の昼食の実態調査を提案します。いかがですか。小中学校の給食無償化に続き、都立高校で給食を実施することを求めます。
Q4 物価高騰の影響は、修学旅行や制服、副教材、学用品など教育費の負担をさらに重いものにしています。そのため葛飾区などが 新年度から、修学旅行費を無償化し、品川区は今年度の学用品無償化に続き、区立中学校の制服代の補助を実施します。
区市町村への財政支援をするとともに、都立学校でも踏み出すべきではありませんか。
Q5 28年間1円も増えていない、ひとり親家庭への児童育成手当や障害者福祉手当などの増額を、今こそ決断すべきです。知事いかがですか。
新年度予算案は、都税収入が今年度当初予算にくらべて5,400億円以上増え史上最高で、予算総額も過去最高を更新しました。
スウェーデンの国家予算に匹敵する巨大な財政力を全面的に使って、都民のくらしを守り抜くことが必要です。
ところが予算案の物価高騰対策は微増にとどまり、予算総額のわずか0・9%です。
一方、都庁などに映像を映し出すプロジェクションマッピングに3年間で64億もの税金を使い、お台場に世界最大級の噴水を26億かけて整備します。光を当てるところが違います。
Q1 世界最大級の噴水整備について、都民の意見はいつ聞いたのですか。
Q2 情報開示された文書の中には、巨大噴水について知事に説明や報告した資料はひとつもありませんでした。
ところが、2023年の1月に知事に報告したと答弁がありました。記録がないのにどうして分かるのですか。
Q3 記録を残さず、知事に相談、報告、意向確認する場が都庁には存在しているということです。それは一体どのような場なのですか。答弁を求めます。
7 再開発と住宅政策について
第二に、わが党は「財界ファースト」の大型開発から、住み続けられる持続可能な東京への転換を進めます。
Q1 再開発や道路建設で、都内の土地の価格が上がり、投機マネーも流入して住宅費や家賃の高騰を招き、都民生活に深刻な影響を及ぼしていることを、知事は、どう考えていますか。
再開発は、事業者が勝手に進めているのではありません。
国による「都市再生緊急整備地域」や「国家戦略特区」、都による「再開発等促進区」や「総合設計制度」など、事業者がやりたい放題に開発できるようにする規制緩和を行い、再開発を誘導しています。税制優遇や都有地の提供など、破格のサービスもしています。
その結果、超高層ビルが林立し、麻布台ヒルズの最上階のマンションは1フロア300億円という超富裕層向けです。投機目的の転売も、住宅価格を押し上げています。
Q2 23区内では、新築マンションの価格は平均1億円を超え、平均年収の13倍を超えています。ファミリー向け物件の平均家賃は、前年にくらべて月額3万2千円上昇し21万円を超えました。
知事、住宅費や家賃の高騰を抑制する政策に、カジを切ることが必要ではありませんか。
Q3 再開発を誘導する数々の規制緩和を見直すとともに、住宅費高騰を抑えるための新たな規制を行うべきです。不動産投機の規制も必要です。見解を伺います。
Q4 杉並区の岸本区長は、来年度予算案に家賃補助を盛り込み、「住まいは権利。安定した住まいを確保することは健康で文化的な生活を営む上で欠かせない」と会見で述べました。重要な発言です。
知事、住まいは「権利」という認識はありますか。
Q5 知事が提案したファンドを活用した「アフォーダブル住宅」は、供給の規模も微々たるもので、低所得者向けにもなりません。
知事、これでは住宅費や家賃高騰に苦しむ都民の願いにこたえられないのではありませんか。
諸外国の住宅に係る支出を対GDP比でみると、イギリス1・3%、フランス0・7%ですが、日本はわずか0・1%ときわめて低く、世界から取り残されています。東京都こそ、豊かな財政力を生かして、都民が安心して暮らすための支援をすべきです。
わが党の「住宅アンケート」では、「住宅に関する費用の負担が重い」「とても重い」という回答が、80%にもなりました。
Q6 「物価高騰の中でも節約できないのは家賃」「5千円でも1万円でも支援があれば助かる」という声が強まっていることを、知事はどう受け止めますか。
日本共産党都議団は、3年間の緊急支援として100万世帯への月1万円の家賃補助を提案します。知事いかがですか。
Q7 またわが党は、東京都住宅供給公社による公的住宅の供給を再開し、所得に応じた家賃で住み続けることができる「都型社会住宅」を、10年間で5万戸供給することを提案します。検討を求めますが、いかがですか。
Q8 都営住宅についても、新規建設の再開・建て替え時の増設・借り上げ都営住宅の活用の「3点セット」で、10年間で10万戸供給することを求めます。見解を伺います。
気候危機対策は、「財界ファースト」からの転換なしに進みません。
Q1 知事は、温室効果ガスの排出量を2035年に2000年比で60%以上削減する新たな目標を掲げました。大量の温室効果ガスを排出してきた日本の首都の責任に照らせば、まだ不十分です。
2035年までに2000年比75%または80%削減へ、さらに目標を引き上げることを求めます。知事いかがですか。
Q2 国が新たに決定した温室効果ガスの削減目標は、1・5度目標実現のための国際合意に遠く及ばず、再エネ導入に最優先で取り組む原則が消え、原発への回帰と、石炭火力などの延命が鮮明になりました。
知事は、どう受け止めていますか。厳しく批判する立場に立つべきですが、いかがですか。
Q3 知事は、水素が脱炭素の切り札だと述べ、予算案で水素事業に181億円も計上しています。
しかし、知事が水素の大量供給を見込んで協定を結んだニューサウスウェールズ州をはじめ、世界各地で有力なエネルギー企業が水素事業から撤退していることを、知事はご存じですか。
水素偏重の政策は、火力発電にしがみつく財界戦略です。きっぱりやめるべきです。
Q4 大量のCO2を排出するデータセンターの建設が、都内各地で大問題になっています。昭島市の計画のCO2排出量は、市の総量の3・6倍に及びます。
日野市では事業者の三井不動産が、CO2排出量などのデータを「秘匿性が高い」と言って公表していません。とんでもない話です。しかし、昭島市のデータから推計すると、CO2排出量は日野市の総量の数倍に上ります。
知事、こんな計画が許されるなら、市民の省エネ・再エネの努力が台無しになるだけではなく、知事が引き上げた温室効果ガス削減目標など、実現できないのではありませんか。
Q5 世界では、オランダ、シンガポール、アイルランドのように、脱炭素・省エネの観点から、データセンターの建設や立地を規制・抑制している例もあります。
都としてデータセンターの建設を規制し、少なくとも省エネと再エネ100%を事業者に義務付けるべきではありませんか。
都内の温室効果ガスは、2000年比で4・4%しか減っていません。これまでの取り組みを抜本的に見直さなければ、目標だけ引き上げても絵にかいたモチです。
Q6 賃貸住宅などの断熱改修への補助が拡充される一方で、学校をはじめとする区市町村の公共施設の断熱改修への都の補助はありません。実施すべきですが、いかがですか。
Q7 農業と太陽光発電を両立させるソーラーシェアリングについて、知事が初めて促進すると述べたことは重要です。どのように進めるのですか。太陽光パネルの費用負担などへの財政支援も必要ではありませんか。
Q1 東京で農業を維持していくためには、農業後継者の育成や新規就農者の増加を図るとともに、農地の確保が必要です。
しかし農地が見つからない、借りられたとしても短期間なのでハウスなどの施設が作れず、経営基盤も不安定になるなど、農地の貸借には高いハードルがあります。
規模拡大を図りたいと考えている農業者や、新規就農者のための農地確保の課題に対する知事の認識を伺います。
私は2022年第3回定例会一般質問で、農地の長期の貸借を促す支援策を求め、日本共産党都議団の24年度予算要望書でも要望し、10年以上の農地の貸借に対する奨励金が創設されました。
Q2 都の奨励金は1000㎡あたり区部30万円、市部は20万円と、10年以上の貸借に対する奨励金と言うには少額です。また日野市の農業委員会では、区部と市部の差をなくしてほしいとの声も上がっています。
奨励金制度の金額の引き上げなど、抜本的な拡充を求めますが、いかがですか。
都内でバスの減便・廃止などが相次ぐなか、日本共産党都議団は、「地域公共交通の危機打開・充実への提言」を発表しました。
日本では、地域公共交通の多くが民間事業者まかせにされ、運賃収入で採算をとるのが当然だとされています。しかし多くの国で、収支の不足額を国や自治体が補填し、公共交通の維持・充実に主体的な役割を果たしています。
移動権・交通権を保障する立場に立ち、安心して暮らせる環境を整える努力をしています。
日本の交通政策は、世界から取り残されています。知事、世界で一番の東京をめざすなら、住みやすさ、くらしやすさこそ世界と競うべきです。
Q1 知事は、世界で常識となっている、公共交通がなくてはならない「公共サービス」であるという認識をもっていますか。
地域公共交通は、事業者の経営努力や運賃収入だけでは維持できません。民営であれ都営であれ、不採算でも支えることが必要です。
Q2 緊急に必要なのが、バスの運転手不足対策です。まずは、民間路線バス運転手と都バス運転手との賃金格差を是正する補助制度を求めますが、いかがですか。
Q3 運転手不足の原因は「2024年問題」だけではありません。自公政権が2002年に路線バス事業への参入・撤退を自由化する規制緩和を行い、事業者間の競争が激しくなり、運転手の賃金抑制などによるコストカットが進められた結果です。
国に対し、これまでの規制緩和を抜本的に見直すよう求めるべきです。答弁を求めます。
11 老朽インフラ対策について
Q1 埼玉県八潮市の道路陥没事故は、上下水道、道路などインフラの維持管理の課題を浮き彫りにしました。その技術の継承発展と人材育成の重要性を、知事はどう認識していますか。
Q2 東京都土木技術支援・人材育成センターは、103年にわたる歴史の中で培った知見をもとに、建設局、上下水道局などに対する技術支援や、職員の技術力向上を図る人材育成の役割を担ってきました。
ところが知事は、このセンターを廃止し、政策連携団体の道路保全公社に業務移管することを決めました。
インフラ維持管理などの技術の継承発展と技術者不足への対応が急がれている時に、重大な逆行です。廃止方針は撤回するべきです。知事の答弁を求めます。
Q3 都が多摩地域の浸水・震災対策の下水道工事に対し、2分の1補助を新設したことは大歓迎されています。しかし、それだけではやるべき工事をやり切れません。補助を拡充すべきです。いかがですか。
また八潮市の事故のように、腐食した管の更新工事への補助率は、今まで通りわずか2・5%であり抜本的に引き上げるべきです。答弁を求めます。
第三に、人権を大切にし、ジェンダー平等を進める東京への転換です。
まず、子どもの権利を真ん中にすえた教育の充実です。
Q1 武蔵野市は市独自に、小中学校の教員の週当たりの授業時間数を2時間から4時間減らす取り組みをしています。
現場から、「教材について話し合う時間をたっぷり取ることができる」「児童一人ひとりをゆっくりみることができる」という声が届いています。
ただ、そのために配置する時間講師を探すのが大変なため、正規の教員を増やしてほしいという声があがっています。
教員を増やし、持ち時間数を減らすことは、授業準備の時間や子どもたちに向き合うための時間をつくることに直結します。認識を伺います。
東京都は、新規採用教員の離職率が高く、離職を防ぎ、若い先生たちがやりがいを持って働ける学校にすることが必要です。
Q2 国は新年度予算案で、新規採用教員の持ち時間数を3・5時間削減するための教員加配の予算をつけています。
初任者研修だけでなく、授業準備や子どもと向き合う時間の確保のために、活用するべきではありませんか。
わが党は、産休育休代替教員に正規の教員を配置することを求めてきました。
ある小学校は、産育休と病休の教員が計5人いて、代わりの講師を探しても継続して来てもらえず、穴が埋まらない深刻な状況です。
毎年一定数の休暇取得者がいることを見越して正規教員を採用しておけば、代替教員を安定的に確保でき、講師を探す学校の負担も軽くなります。
Q3 国は、正規の教員が産休育休の代替をする場合でも国庫負担金の対象とする政令改正を行いました。都としても、正規の教員を配置する必要があると思いますが、いかがですか。
国は、2026年度から中学校で35人学級を導入することを決めました。
Q4 子どもたちにゆき届いた教育ができるよう、国に先駆けて、中学校全学年の35人学級のすみやかな実現と、小学校の30人学級に踏み出すことを提案します。知事の答弁を求めます。
Q1 東京から、痴漢やハラスメントなど性暴力をなくしていくこと、被害者が適切にケアを受けられ救済されることは重要です。
知事、性暴力を許さないという姿勢を明確にし、あらゆる機会をとらえて発信することを求めますが、いかがですか。
Q2 都の実態調査では、性暴力の被害にあったことで85%が不眠となり、77%がフラッシュバックなどのPTSD症状を発症しています。また54%が仕事を、14%が学校をやめざるをえず、91%が自分を責めるようになったと回答しています。知事はこの結果をどう受け止めますか。
一方、約半数の人が東京都など行政機関を利用していないと回答しています。
Q3 性暴力被害者の支援拠点となるのが、ワンストップ支援センターです。国連の基準では都内に36カ所必要ですが、1カ所しかありません。
国の方針でも病院へのワンストップ支援センターの設置が明確に位置づけられ、東京都医師会も病院へのセンター設置を求めていることを、どう受け止めていますか。
Q4 緊急対応とともに、過去の被害に対する支援も重要です。ワンストップ支援センターの体制強化、病院拠点型などセンターの増設を求めます。いかがですか。
Q5 元芸能人による性加害疑惑とフジテレビの対応に批判が広がっています。
この問題は、断れば仕事を奪われるという地位関係や権力勾配に乗じた性暴力です。フジテレビ自身が「人権侵害が行われた可能性がある事案」だと認めています。
一連の対応で説明責任を果たしていない日枝久氏を、東京都歴史文化財団理事長、東京文化会館館長から解任すべきです。財団を指導・監督する立場の都として対応することが必要ですが、知事いかがですか。
14 PFAS、基地対策について
第四に、アメリカ言いなりの基地強化から、平和な東京への転換です。
Q1 横田基地内の消火訓練エリアから、昨年8月の豪雨によりPFAS汚染水が施設外に流出した蓋然性が高いと米側から通報があり、都と周辺市町は12月、横田基地内で説明を受けました。
この現地説明には、都から誰が参加したのですか。何が明らかになったのですか。
Q2 防衛省は、現地説明は横田基地の立ち入り調査に先駆けて行ったものと、わが党の国会での聞き取りで答えています。
知事、日米地位協定の環境補足協定に基づく横田基地への立ち入り調査は、いつ行うのですか。
Q3 都は、基地周辺の水質調査を実施しましたが、調査地点を増やし、継続的に調査することを求めます。いかがですか。
岡山県の吉備中央町は全国の自治体で初めて疫学調査の一環として血液検査を行い、2歳以上の709人分の結果を発表しました。
測定した7種類のPFASの合計が最も高かった人で、1ミリリットル当たり743・1ナノグラム、平均151・5ナノグラムが検出されました。検査を受けた方の大半が、米国アカデミーが健康リスクの指標として示している20ナノグラムを超えています。
今後は血中濃度と疾病の関連などの解析をするとしています。
Q4 PFASについて、血液検査を含めた疫学調査を行うことの重要性について、認識を伺います。
Q5 国に対し、PFOS、PFOAなどの血中濃度、土壌汚染の基準値を決めるよう求めるべきです。いかがですか。
今定例会に、「東京都国民保護計画」の変更素案が出されています。ミサイル攻撃を前提としたシェルター整備や防災訓練で危機をあおるのではなく、都が今やるべきは、憲法9条を生かした外交で平和をつくるよう国に働きかけることです。
Q6 トランプ大統領との会談を終えた石破首相は、インタビューに答え、「在日米軍基地は単なる前線基地ではない。米国が世界に対して色々な力を行使しうる基盤だということについては十分理解が行き届いたのではないか」と述べ、衝撃が走っています。知事も同じ認識ですか。
Q7 在日米軍基地の危険性が改めて明らかになりました。横田基地や赤坂プレスセンターなどの米軍基地は撤去すべきです。知事の答弁を求めます。
Q8 沖縄県伊江島にある米軍基地で1月、オスプレイが訓練中に投下した重さ400キロ余りの物資が風に流され、海に落下しました。「住宅街に落ちたらどうなっていたか」と、不安の声があがっています。
横田基地でもオスプレイの訓練は中止するよう、米軍に直接要請すべきです。知事いかがですか。
Q9 アメリカの首都ワシントン近郊で旅客機と米軍ヘリが衝突し、生存者ゼロでした。
東京でも都心を米軍ヘリが低空飛行していることに、不安の声があがっています。やめさせるよう米軍に直接要請すべきです。知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
【答弁】
○知事(小池百合子君) 清水とし子議員の代表質問にお答えいたします。
まず、政治資金に関して、二つの質問をまとめてお答えいたします。
都議会の信頼をいかに取り戻すかという観点から、今まさに議会で議論されているものと認識をいたしております。
政治資金につきましては、法に基づき適切に対応すべきことはいうまでもなく、私自身、こうした考えの下で、これまでも政治活動に邁進してきたところでございます。
賃金の引上げについてでございます。
働く方が安心して生活できる環境を整えるため、物価上昇を上回る賃上げの流れを確かなものとしていく必要がございます。このため、都は、労働者の処遇改善に向けました中小企業による様々な取組に支援を行っております。
次に、国民健康保険におけます子供の均等割保険料について、国民健康保険は、法に基づく全国統一の制度でございまして、子供の均等割保険料を含め、その制度上の課題は、国が責任を持って対応すべきものでございます。
都は、国に対しまして、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、未就学児を対象としている均等割保険料の軽減措置を十八歳未満まで拡大し、必要な費用を全額措置するよう提案要求しているところでございます。
次に、高齢者への支援についてでございます。
都は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、介護予防、フレイル予防の取組や健康づくりへの支援、社会参加を促進する取組に加えまして、介護基盤の整備や介護人材の確保、認知症施策など、様々な取組を実施いたしております。
技術の継承、発展と人材育成についてでございます。
道路などの都市基盤は、首都東京の都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできない役割を担っております。それらを整備し、適切に維持管理するため、これまでも技術継承や人材育成にしっかりと取り組んでおります。
小中学校における学級について、全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育を実現するため、教育環境の整備は重要でございます。
最後に性暴力についてのお尋ねです。
性犯罪、性暴力は重大な人権侵害であり、決して許すことはできません。都は、痴漢撲滅プロジェクトで痴漢は重大な犯罪であると訴えるなど、被害防止に向けて広く啓発をしております。
また、被害者に対する理解を深めるため、講演会やSNS広告を実施するなど、性暴力のない社会の実現に向けまして取り組んでおります。
なお、その他の質問につきましては、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長坂本雅彦君登壇〕
○教育長(坂本雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、物価高騰の影響による教育費の負担についてでございますが、保護者の負担する教育費への支援は、小中学校の設置者がそれぞれの判断で対応するものと認識をしております。また、都立学校において、給付型奨学金等により低所得世帯への支援を実施しております。
次に、教員の授業時数の軽減についてでございますが、都教育委員会は、働き方改革に役立つよう、学校運営で負担の大きい業務を担う教員の授業時数の軽減に関し、その対象を教務主任に加え、ICTを中心となって進める担当などにも広げております。
次に、新規採用教員への支援についてでございますが、都教育委員会では、新規採用の教員が研修を受講するため、授業時数を軽減しております。また、年齢の近い先輩に相談ができ、学級経営等を学ぶため新人に教員が支援する取組を行っているところです。
最後に、産休、育業に伴う代替教員の任用についてでございますが、女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律、地方公務員の育児休業等に関する法律に基づき、これまで臨時的任用により対応をしております。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 十一点のご質問にお答えいたします。
まず、小児運賃の引下げについてでございます。
鉄道運賃等は、国土交通大臣の認可の下、事業者が設定しており、割引につきましては、経営状況等に応じた事業者の判断となります。
次に、都市づくりについてでございます。
東京を誰もが安全で快適に暮らすことのできる都市とするためには、活力やにぎわいの創出、防災性の向上、緑あふれる都市空間の形成などを進めていく必要がございます。
その実現に向け、地域特性に応じた土地利用の規制や誘導等により、都市の活力を支える拠点整備や良好な居住環境の確保などに取り組んでおり、引き続き適切に対応してまいります。
次に、公共交通に関する認識についてでございます。
都はこれまで、高密な鉄道網とバス等を組み合わせ、利便性の高い交通ネットワークを充実することで移動の利便性を確保し、誰もが活動しやすい都市を実現してまいりました。
次に、バス運転士の確保についてでございます。
バス交通につきましては、運転士不足が深刻化し、事業を取り巻く環境が厳しさを増しております。都はこれまで、広域自治体の立場から、地域公共交通の基本方針に基づき、区市町村が主体となり、地域の交通課題の解決に取り組めるよう、技術的、財政的に支援しております。
次に、路線バスを取り巻く事業環境についてでございます。
都は、政府提案要求などにおきまして、必要な技能を有する人材の活用や運転士養成機関の設立などを要望しております。
次に、横田基地における現地での説明についてでございます。
令和六年十二月に、都は、国や地元自治体とともに、事案の発生場所である消火訓練エリア周辺の視察及び米側からの説明を受け、事案の発生状況や、PFOS等を含む水の残存状況などを確認いたしました。
次に、環境補足協定に基づく立入調査についてでございます。
都は、地元自治体とともに、国に対し、環境補足協定に基づく立入り及びサンプリングの実施について、速やかに米側と調整を進めることを要請しております。
次に、在日米軍についてでございます。
安全保障に関することは、国の専管事項でございます。
次に、米軍基地についてでございます。
都は、都民の生活環境を改善し、まちづくりを推進する観点から、基地返還の可能性が検討され、整理、縮小、返還が促進されるよう、これまでも国に要請しております。
次に、オスプレイの訓練についてでございます。
訓練を含む米軍の運用に当たっては、都はこれまでも、地元自治体とともに、国や米軍に対しまして安全対策の徹底を求めております。
最後に、米軍ヘリコプターの飛行についてでございます。
安全保障に関することは国の専管事項であり、米軍機による低空飛行についても、国において対応されるべきものでございます。
都はこれまでも、国に対し、米軍機の飛行について、航空法の飛行時の最低安全高度を適用するよう要請を行うとともに、渉外知事会を通じて申入れを行っております。
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 七点のご質問についてお答えいたします。
まず初めに、魅力ある職場づくり推進奨励金についてでございます。
都は、労働者の処遇改善に向けた中小企業による様々な取組への支援を行っておりまして、その強化を図るため、来年度は賃上げへの助成額を引き上げることとしてございます。
続きまして、奨励金の事業規模についてでございます。
都は、従業員の賃金の持続的な引上げができるよう、様々な取組への支援について適切な事業規模を設定しており、引き続き多面的な支援を実施してまいります。
次に、エネルギー政策についてでございます。
エネルギー政策の在り方につきましては、国レベルで議論、検討がなされるべきものであります。
都は、ゼロエミッション東京の実現に向け、引き続き省エネルギー対策に取り組むとともに、再生可能エネルギーの利用拡大を図ってまいります。
次に、水素エネルギーについてでございます。
水素プロジェクトから撤退する企業がある一方で、世界全体の水素プロジェクトの数や投資額は増加してございます。
都は、脱炭素社会の実現に向けた切り札の一つであるグリーン水素の普及拡大に向けて、その利用の加速と供給体制の整備を進めてまいります。
次に、太陽光発電についてでございます。
都はこれまで、地産地消型の再エネ設備導入を支援する事業を行ってまいりました。この事業におきまして、地域活性化に貢献する取組として、営農と両立する太陽光発電設備の設置に対する補助率を拡充いたします。
次に、農地の確保についてでございます。
東京の農業の発展に向けて、土地所有者による利用が進まない農地を新規就農者等が活用できるよう環境を整備するため、農地の貸手と借手のマッチングの後押しなどに取り組んでございます。
最後に、生産緑地の貸借についてでございます。
都は、所有者による利用が困難となった生産緑地の貸借を促進するため、長期に貸し出す意欲を高める奨励制度を実施してございます。来年度は、この奨励金の支給額を十アール当たり百二十万円と充実し、農地を保全いたします。
〔財務局長山下聡君登壇〕
○財務局長(山下聡君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、都発注工事の下請次数調査についてでございますが、令和五年度に実施した下請次数調査は、調査対象が一部であったことから、都発注工事における施工体制の実態を一層把握するため、今年度は、一定規模以上で施工中の工事全件について調査を行うこととしたものでございます。
次に、業務委託についてでございますが、業務委託では、再委託を行う場合、仕様書でその理由等を明確にして都の承諾を得ることを条件とするよう各局に推奨しております。来年度以降、東京都社会的責任調達指針が適用される案件では、取引関係法令等の遵守などをサプライチェーンを含む受注者に義務づけ、通報受付窓口を通じて実効性を担保することとしております。
なお、実行委員会など、都とは異なる組織における入札契約手続は、当該組織の目的や性質に応じて、その責任と判断において行われるものと認識しております。
最後に、業務委託に従事する労働者の賃金についてでございますが、業務委託契約の予定価格の設定に当たりましては、原材料価格や人件費等の改定の見込みを含んだ最新の実勢価格等を踏まえるよう各局に指示をしております。
〔生活文化スポーツ局長古屋留美君登壇〕
○生活文化スポーツ局長(古屋留美君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、レインボーライドのスタッフの賃金についてでございますが、イベントを主催した実行委員会からは、関係法令を遵守し、適切に対応したと聞いております。
次に、東京都歴史文化財団の理事長等についてでございますが、理事長は、都への協議を経て、理事会の決議により選定されます。
また、東京文化会館館長は財団が決定しております。
〔水道局長西山智之君登壇〕
○水道局長(西山智之君) 水道、下水道料金についてでございますが、公営企業は、独立採算制及び受益者負担を原則とし、それぞれの事業がサービスを提供するために必要となる経費を、利用者が料金として応分の負担をすることにより成り立っており、こうした考えに基づき、都の水道、下水道料金は現行の水準に設定しております。
〔主税局長武田康弘君登壇〕
○主税局長(武田康弘君) 消費税についてでございますが、持続可能な社会保障制度の構築を図るためには、安定財源の確保が必要不可欠であり、消費税は重要な役割を果たしています。
〔保健医療局長雲田孝司君登壇〕
○保健医療局長(雲田孝司君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、国民健康保険料の滞納による差押えについてでございますが、保険者である区市町村は、滞納者に対し、納付相談により生活状況を把握し、必要に応じ保険料の分割納付を案内するなど、きめ細かく対応しております。その上で、財産があるにもかかわらず保険料を納付しない場合は、被保険者間の公平性を確保する観点から、法令に基づく差押えを適切に行っているものと認識しております。
次に、国民健康保険の保険料についてでございますが、国民健康保険の財源は、保険料が二分の一、公費二分の一が基本とされております。保険料、保険税の賦課方式や料率は、住民の様々な暮らし向きを踏まえながら区市町村が自ら定めるものであり、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されております。
次に、PFOS等に関する疫学調査についてでございますが、国は、現時点での知見では、どの程度の血中濃度でどのような健康影響が個人に生じるか明らかとなっておらず、血液検査の結果のみをもって健康影響を把握することは困難であるとしております。
なお、国の食品安全委員会では、疫学研究からは、PFOS、PFOAとの関連については、確かなものとはいえないとしております。
最後に、PFOS等の血中濃度や土壌の評価指標についてでございますが、都はこれまでも、国に対し、PFOS等に関する最新の科学的知見などを踏まえ、健康影響及び環境に関する評価を明確にし、国民に分かりやすく示すこと、健康影響などが懸念される場合は、対策なども併せて検討し、自治体への情報提供と必要な支援を行うことを要望しております。
〔福祉局長山口真君登壇〕
○福祉局長(山口真君) 六点のご質問にお答えいたします。
まず、シルバーパス制度についてでございますが、本制度については、制度導入以降の高齢者像や交通事情の変化を踏まえまして、アクティブな長寿社会の実現を目指し、高齢者施策全体を総合的に議論する中で、ICカード化により利用実態を把握しながら検討することとしております。
次に、シルバーパスについてでございますが、制度導入以降の高齢者像や交通事情の変化を踏まえまして、アクティブな長寿社会の実現を目指し、高齢者施策全体を総合的に議論する中で検討することとしております。
次に、補聴器購入に係る支援についてでございますが、都は、今年度から高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業を実施し、三十三の区市町村に補助を行っておりまして、地域の実情に応じた活用が進むよう引き続き取り組んでまいります。
次に、医療費や保険料についてでございますが、国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療の各制度は、保険料や公費などによって運営することとされておりまして、都は、法令等に基づき、国や区市町村と共に応分の負担をしております。
次に、貧困家庭の実態把握についてでございますが、都は、地域の実情に応じまして、生活に困窮する子育て家庭を必要な支援につなげるため、食事の状況を含め実態把握などを行う区市町村を支援しております。
最後に、ひとり親家庭や障害者への支援についてでございますが、都では、就業支援や相談支援、子供の学習支援など、ひとり親家庭に対し様々な支援を行っております。障害者の所得保障は基本的に国の役割であり、毎年、障害基礎年金や手当などの充実を国に提案要求しております。
〔子供政策連携室長田中愛子君登壇〕
○子供政策連携室長(田中愛子君) 子供の体験機会についてでございますが、全ての子供たちが成長段階に応じて多様な体験ができる機会を提供することは重要であり、都は、子供の身近な地域において体験活動の創出を図る区市町村を支援するなど、学校内外で様々な取組を推進してまいります。
〔港湾局長松川桂子君登壇〕
○港湾局長(松川桂子君) 三点のご質問にお答えいたします。
初めに、噴水整備に関する都民の意見についてでございますが、臨海副都心は、コロナ禍以降、来訪者数の減少等で地域の活力が低下する中、地元の事業者や水域利用者からにぎわいを求める声があり、来訪者からは楽しめる施設を増やしてほしいなどの声も寄せられております。また、噴水整備について地元等に説明する中で歓迎の声をいただいております。
次に、噴水整備に関する知事への報告についてでございますが、噴水を整備することについて、港湾局で方針を固めた後、知事に口頭で説明を行ったものでございます。
最後に、知事への報告等についてでございますが、噴水の整備について、内容に応じて適切に必要な報告を行っております。
〔住宅政策本部長小笠原雄一君登壇〕
○住宅政策本部長(小笠原雄一君) 七点のご質問にお答えいたします。
まず、都内の住宅価格についてでございます。
住宅価格については、様々な要因が影響していると認識しております。都としては、真に住宅に困窮する低所得者に低廉な家賃で賃貸する都営住宅の供給に加え、家賃低廉化補助の対象となる東京ささエール住宅の専用住宅の供給促進等に引き続き取り組んでまいります。
次に、住宅政策についてでございます。
都は、都民がニーズに応じた住宅を取得できる環境整備に向け、様々な取組を総合的に推進しております。なお、誰もが安全で快適に暮らすことのできる都市を実現するため、都は、質の高い民間プロジェクトを適切に誘導しております。
次に、都民の住まいについてでございます。
住宅は生活の基盤であり、都民の居住の安定を確保することは重要でございます。
次に、アフォーダブル住宅についてでございます。
都は来年度、都の出資を呼び水に民間資金を呼び込みアフォーダブル住宅の供給につなげるファンドを立ち上げるとともに、空き家をひとり親世帯向けのシェアハウスに改修する民間事業者を後押しするなどにより、子育て世帯等への住宅の供給を進めてまいります。
次に、家賃補助についてでございます。
対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など多くの課題があると認識しております。
次に、公的住宅の供給についてでございます。
都は、住宅セーフティーネットの中心的役割を担う都営住宅をはじめとする公共住宅の積極的な活用に加え、民間賃貸住宅を活用した施策等を実施することにより、引き続き都民の居住の安定確保を図ってまいります。
最後に、都営住宅の供給についてでございます。
住宅ストックが量的に充足している中で、人口が減少する見込みであることから、既存ストックの有効活用を図り、計画的な建て替えを進めております。
〔環境局長須藤栄君登壇〕
○環境局長(須藤栄君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、二〇三五年温室効果ガスの削減目標についてでございますが、都が提示した新たな目標案は、国際的に求められる水準も踏まえ、エネルギーの大消費地としてさらなる削減に取り組む観点で設定しております。
次に、データセンター対策についてでございますが、都は、建築物の脱炭素化等に向けて、環境確保条例に基づく義務制度を大幅に強化し、省エネ、再エネを促進しております。また、温室効果ガス削減目標の達成に向け、再エネや省エネ対策について個別の政策目標も掲げております。
次に、データセンターの環境対策についてでございますが、都は、建築物の脱炭素化等に向けて、環境確保条例に基づく義務制度を大幅に強化し、省エネ、再エネを促進しております。
次に、断熱改修についてでございますが、区市町村公共施設の環境衛生の維持や施設整備については、原則として設置者である区市町村の責任において行われるものでございます。
都では、区市町村の職員向けに省エネ、再エネ研修会を実施するなど、区市町村による断熱の取組を支援しております。
最後に、基地周辺の水質調査についてでございますが、基地からの漏出事故に対しては、本来、国の責任で必要な対応がなされるべきところ、都民の不安を払拭するため、都として速やかに周辺河川の水質調査を実施したものでございます。
〔建設局長花井徹夫君登壇〕
○建設局長(花井徹夫君) 東京都土木技術支援・人材育成センターの業務についてでございますが、人材育成部門につきましては、その機能を強化するため、既に今年度、総務部職員課に集約しております。技術支援部門につきましては、より効果的に支援を行うため、来年度から道路整備保全公社に業務委託を行い、引き続き連携して業務に取り組んでまいります。
〔下水道局長佐々木健君登壇〕
○下水道局長(佐々木健君) 市町村下水道への補助についてでございますが、都は、従来の補助率二・五%の補助制度に加え、市町村下水道の強靱化を図るため、市町村が負担する費用の二分の一を補助する財政支援を令和五年度から実施しており、引き続き必要な予算を確保し、市町村の取組を後押ししてまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、犯罪被害者等の実態調査の結果についてのご質問でございます。
都は、性犯罪、性暴力を含む犯罪被害による心身への影響などについて実態調査を行っております。調査からは、性暴力の被害により、精神的なダメージに加え、生活面にも影響が生じることが明らかになっております。
こうした実態を踏まえ、都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおいて、医師等によるカウンセリングなど被害者に対する支援を適切に行っております。
続いて、ワンストップ支援センターについてのご質問でございます。
センターの運営に当たっては、日頃から関係団体と意見交換をしております。
都は、都内全域にわたる百三十三の医療機関等と連携するなど、連携型のワンストップ支援センターを運営し、性犯罪等被害者がより身近な地域で緊急避妊等の産婦人科診療を受けられるよう取り組んでおります。
最後に、ワンストップ支援センターの体制強化についてのご質問にお答えをいたします。
都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおいて、被害時期にかかわらず、都内全域の被害者から二十四時間三百六十五日体制で電話相談を受けており、被害者の状況に応じて百三十三の医療機関と連携するなど、引き続き適切に支援を行ってまいります。
〔十五番清水とし子君登壇〕
○十五番(清水とし子君) 再開発と住宅費高騰について、都技監に再質問します。
私は、再開発で都内の土地の価格が上がり、投機マネーも流入して住宅費や家賃の高騰を招き、都民生活に深刻な影響を及ぼしていることをどう考えているかお聞きしました。ところが、都技監は聞いたことには一切答えませんでした。
一方、都が再開発を誘導していることは認めました。都が誘導している再開発は都内の住宅費高騰と無関係なのですか。お答えください。
私たちの下には、家賃が値上がりとても重い、これ以上節約できないなどの声が寄せられています。住宅政策本部長は、家賃補助について様々な課題があると答弁されました。新しいことに挑戦するのに課題があるのは当然です。課題を解決するために何をしてきたのですか。
小池知事はかつて、できない理由を探すよりも、どうやったらできるかを探すこと、客観的に見て厳しいだろうなと思うときがあったとしても、じゃあどうするかを考えて切り開いていくと述べておられます。
家賃補助についても、できない理由を探すのではなく、どうやったらできるかを考え、切り開くべきではありませんか。
以上、二問、答弁を求めて、再質問を終わります。(拍手)
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 再開発と都市づくりについて再質問いただきました。
東京を誰もが安全で快適に暮らすことのできる都市とするため、地域特性に応じた土地利用の規制や誘導等により、都市の活力を支える拠点整備や良好な居住環境の確保などに取り組んでおり、引き続き適切に対応してまいります。
〔住宅政策本部長小笠原雄一君登壇〕
○住宅政策本部長(小笠原雄一君) 家賃補助制度についての再質問についてお答えをいたします。
家賃補助制度についてでございますが、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識をしております。
以上