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質問・条例提案

2025.03.28

本会議 里吉ゆみ都議(世田谷区選出)の討論

2025年3月28日の本会議で、里吉ゆみ都議(世田谷区選出)が討論を行いました。

動画(都議会ホームページ、令和7年第1回定例会 > 3月28日本会議>議案の議決などをご覧ください)
★討論全文(原稿です)


 日本共産党都議団を代表して、一般会計予算ほか28議案に反対、その他の議案に賛成の立場から討論を行います。

 「子どもに十分たべさせられない」「節約がつらすぎる」。お米をはじめあらゆるものが値上がりし、都民の悲鳴が上がっています。
 日本共産党都議団は、物価高騰から都民の暮らしを守り抜く都政に変えるために全力をあげます。
 東京都は1974年、「緊急生活防衛条例」を制定し物価局を設置して、当時の狂乱物価対策に総力をあげました。地方自治体本来のこの姿勢に、いまこそ学ぶべきです。

 ところが都の予算案は、シルバーパスの負担軽減など都民の運動で切り拓いた貴重な成果があるものの、全体としては暮らしに冷たいものです。
 物価高騰対策は予算総額のわずか0.9%にとどまる一方、再開発や大型道路建設など「財界ファースト」の事業に巨額の予算がついています。
 都民の批判が広がる巨大噴水整備の予算は26億円ですが、予算案発表後、海水ではなく水道水の利用に変更したことが明らかになりました。予算の根拠が崩れ、事業費がさらに膨らむ事態になっている巨大噴水整備は、都庁舎を照らすプロジェクションマッピングとともに中止すべきです。
 大企業は巨額の利益をあげ、都税収入も予算規模も過去最高です。東京都には、お金がないのではなく、都民に寄り添う姿勢がありません。
日本共産党都議団は、この巨大な財政力を全面的に活かして、物価高騰から暮らしを守り、すべての人に光を当てる予算にするための組み替え動議を予算特別委員会に提出しました。

 また日本共産党都議団は、中小企業の賃上げ応援助成金条例案と、子どもの国民健康保険料ゼロ円条例案を提出しています。
 都が実施している中小企業の賃上げなどの奨励金は、事業規模が小さく、申し込んでも抽選でふるい落とされるうえ、支給まで1年半もかかること、賃上げはあれこれのメニューのひとつにすぎず、賃上げの奨励金にかぎれば、2023年度分で昨年末までに支給決定したのはわずか53社、276人にすぎないことが、質疑で明らかになりました。これでは、物価上昇を上回る賃上げの流れを確かなものにしていくという知事の答弁は、絵に描いたモチです。
 わが党の条例案は、岩手県などが実施しているように、賃上げのみを要件とするシンプルなもので、一人12万円、年間1万社対象に賃上げを支援します。
 国民健康保険料の条例案は、子どもの均等割保険料を都が全額負担し、所得ゼロの子どもの国保料をゼロ円にするものです。
ご賛同を心から呼びかけます。

 さらにわが党は、一般家庭や小規模事業所の水道料金の10%、消費税分の値下げを提案しました。所要経費は年間195億円、新年度一般会計予算のわずか0.2%です。実現を求めます。

 住宅費や家賃の軽減対策も急務です。
 東京都の誘導策により都内各地で進む「財界ファースト」の再開発が、土地の価格を引き上げ、住宅費や家賃の異常な高騰を招いています。
 都が進めるファンドを活用した「アフォーダブル住宅」は、どれぐらいの家賃か、何戸供給されるのかも答弁できませんでした。
日本共産党都議団は、100万世帯への月1万円の緊急家賃補助、所得に応じた家賃で住み続けることができる「都型社会住宅」を5万戸、都営住宅を10万戸、いずれも10年間で供給するとともに、再開発を規制することを求めます。

 神宮外苑は樹木が次々伐採され、多くの人が胸を痛めています。銀杏並木の保全をはじめ、これ以上、神宮外苑の自然と歴史、文化を傷つけるわけにいきません。
わが党を含め6会派共同で提出した、環境影響評価条例の一部改正案は、神宮外苑などの再開発から自然環境や住環境を守る力を発揮できるよう、環境アセスを強化するものです。ご賛同をお願いします。

 都民の批判が広がる、欠陥だらけの英語スピーキングテストは、試験開始15分前まで試験監督が募集されていたなど、これまで以上にずさんで、中学生に多大な被害を与えている実態が明らかになりました。中止するしかありません。
 わが党は、特別支援学校の教室不足の深刻な実態を示し、学校の新設を求めてきました。今回、江戸川区に新設の計画が示されたことは重要です。
しかし現状の計画だけでは足りません。子どもたちの安全と学ぶ環境を保障するため、施設の基準緩和は行わず、増設を進めることを求めます。

 予算特別委員会で坂本教育長が、議会のルールを破り、委員が配布する資料を事前に入手するという、ありえないことが起きました。しかも深刻なのは、ご本人に自らの過ちに対する自覚がなく、反省も謝罪もないことです。
議会を冒とくする行為であることはもちろん、生徒が試験問題を不正な方法で事前に入手するのと同じようなことであり、教育行政のトップとして相応しくないことは明らかです。日本共産党都議団は、坂本教育長の辞職を求めます。

 小池知事が野党会派への答弁を拒否し、答弁の中身にも差をつける、「排除します」という姿勢をとっていることが、理事者全体に影響をおよぼし議会のあり方を歪めています。
日本共産党都議団は、行政を厳しくチェックするという議会本来のあり方を取り戻すために全力をつくすものです。

 都が、退職者管理条例に基づいて公表している幹部職員の再就職状況の一覧とは別に、天下りポストのウラ管理リストを作成していることを、わが党は明らかにしました。
天下りポストの年収や退職金、秘書、送迎の車、専用個室の有る無し、などが記載されています。
 このような、ウラ管理リストをつくっていること自体、大問題ですが、見過ごせないのは、その中に都議会自民党の政調会が入っていることです。
 知事が代表を務めていた当時、都民ファーストの会は、「都庁OB職員が一部会派の控室の職員として採用され、都庁と都議会のなれ合いが問題視されている」古い都議会を変えると公約しました。質疑で小池知事は、この公約を投げ捨てました。
 都議会自民党にかぎらず特定会派と執行機関のゆ着、なれ合いを断ち切るため、都庁幹部職員の都議会会派への再就職、天下りは禁止すべきです。

 都議会自民党から、自らの裏金問題に対する反省や謝罪の言葉が、今定例会でひと言もありませんでした。驚くべきことです。
そればかりか、自民党の裏金問題を告発し、追及してきた日本共産党と「しんぶん赤旗」に、くやしまぎれで攻撃の矛先を向けたのは筋違いです。
 予算特別委員会で都議会自民党が行った、しんぶん「赤旗」の取扱いについての発言は、旧統一協会系団体の主張とウリふたつです。先日解散命令が出された旧統一協会と自民党の深いつながりを、うかがわせるものでした。
 裏金問題を反省するどころか、こんなことを続けていたら、ますます国民、都民の信頼を失うでしょう。自らの裏金問題に関する事実をすべて明らかにすることを進言しておきます。
 政治倫理条例検討委員会に裏金議員を参考人招致を行うなど、真相解明と再発防止のために議会が力を合わせることを呼びかけます。
 
 今定例会に報告された都の国民保護計画の変更で、弾道ミサイル攻撃を想定する事態への対応が一番に位置づけられました。
 これは、自民党政権が、ミサイル攻撃の危機をあおって進める大軍拡、戦争できる国づくりの動きを、都が止めるどころか先導するものであり重大です。
 いま必要なことは、憲法9条と「都民平和アピール」を活かして、ミサイル攻撃を受けるようなことのない平和な国際環境をつくる努力を尽くすことです。
 30年前の東京都平和の日に、当時の都議会の全ての会派も賛成して参加者全員で採択した「都民平和アピール」は、「日々の生活において、平和を脅かす問題に、毅然として立ち向かい、忍耐づよく取り組むことを決意」しています。
 今年は東京大空襲80年、被爆80年、戦後80年です。それに相応しい平和の取り組みを都として進めること、東京都平和祈念館の建設に一歩踏み出すことを、日本共産党都議団を代表して心から呼びかけて、討論を終わります。

以上